- 失業保険をもらうと、加入期間がリセットされて損をするって本当?
- リセットされると何が消えるの?お金が減るの?
- ハローワークで手続きだけして、もらわずに就職したらどうなる?
- もらわずに次の会社に入れば、前の会社の期間は足してもらえる?
- 何年働いたら給付日数が増えるの?自分はあと少しで境目かもしれない
- 再就職手当をもらった場合もリセットされる?
- 次の会社をすぐ辞めることになったら、もらっておけばよかったと後悔しない?
- 結局、もらうかもらわないかは何で決めればいいの?
上記のような悩みに答えます。
失業保険(基本手当)をもらうかどうかは、次の仕事がすぐ決まりそうな人ほど迷う問いです。「もらうと加入期間がリセットされる」という言い方が広まっていますが、実際に切れるのは雇用保険に入っていた期間の「数え方」で、しかも受給資格を数えるときと、給付日数を決めるときの2つで、切れるきっかけが違います。もらうメリットとデメリットを並べて「状況による」で終わる解説は見つかっても、この2つを分けて、何をした時点でどちらが切れるのかを厚生労働省の資料の言葉で書いたものは、編集部が読んだ範囲にはありませんでした。そこで、切れるもの・通算できる条件・給付日数の境目という基本を押さえたうえで、手続きだけした場合に確かめることと、自分の前後の期間を足して境目を越えるかを数える手順まで、厚生労働省の業務取扱要領・リーフレット・Q&Aとハローワークの案内で確かめながら整理しました。
失業保険をもらうと切れるのは、次に数える期間です。受給資格の決定を受けると受給しなくても次の受給資格の数えはその後からになり、基本手当や再就職手当を受けると次の給付日数を決める期間もその後からになります。受給資格の決定も給付も受けずに1年以内に次の会社で雇用保険に入れば前後を通算でき、一般の離職者は10年・20年の境目で給付日数が90日・120日・150日と変わります(2026年10月時点)。
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「リセット」で切れるのは2つの数え方

失業保険で「リセット」と呼ばれているのは、雇用保険に入っていた期間のうち、次に何かを数えるときに前の期間を使えなくなることです。手元のお金が減るわけではありません。切れる数え方は2つあり、それぞれ切れるきっかけが違います。
雇用保険では、同じ「入っていた期間」を2つの目的で数えます。1つは、失業保険を受け取る資格があるかを見る被保険者期間です。一般の離職者は、離職前2年に被保険者期間が12か月必要で、賃金の支払いの基礎になった日数が11日以上ある月を1か月と数えます(11日以上の月が12か月に足りないときは、賃金の支払いの基礎になった時間数が80時間以上の月を1か月と数えます)。倒産・解雇などで辞めた特定受給資格者や特定理由離職者は、離職前1年に6か月です。もう1つは、何日分受け取れるか(所定給付日数)を決める算定基礎期間で、一般の離職者は年齢に関係なく、この期間の長さだけで日数が決まります。
厚生労働省の業務取扱要領は、前者について、前に受給資格の決定を受けたことがある場合、その離職の日以前の期間は次の被保険者期間に含めないと書き、括弧書きで「受給したか否かは問わない」と添えています。後者については、前に基本手当や特例一時金の支給を受けたことがある人は、その離職の日以前の期間を算定基礎期間から除くと書いています。厚生労働省のリーフレットは、ここに再就職手当なども含めています。
- 受給資格の決定を受けると、その離職日以前は数えない
- 受給したかどうかは問わない
- 基本手当や再就職手当などを受けると、受けた前の期間は数えない
- 1年を超える空白があっても、前の期間は数えない
出典:厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」(被保険者期間)・同(算定基礎期間)・厚生労働省リーフレット「失業給付(基本手当)の所定給付日数の基礎となる被保険者であった期間について」
たとえば、前の会社を辞めてハローワークで手続きをし、受給資格の決定を受けたあと、待期のうちに次の会社が決まって基本手当をまったく受けなかった人がいるとします。この人は、受給資格の数え方では前の会社の期間がもう使えず、次の会社を辞めたときに受給資格があるかは、次の会社に入ってからの期間で見ることになります。一方で給付日数の数え方は、要領の書き方が「支給を受けたことがある」場合なので、受け取っていないこの人に同じ書き方がそのまま当てはまるわけではありません。自分の場合の扱いは、下の「手続きだけした場合に確かめること」の項の聞き方で、ハローワークに確かめてください。
「リセット」と聞いたら、まずそれが受給資格の話なのか、給付日数の話なのかを分けてください。受給資格のほうは「決定を受けたか」、給付日数のほうは「お金を受け取ったか」で切れる。この2つを取り違えなければ、もらう・もらわないの比較は、自分の期間を数える作業に置きかえられます。
もらわないで前後を通算できる条件
前の会社を辞めたあと、基本手当も再就職手当などの就職促進給付も受けずに、1年以内に次の会社で雇用保険に入れば、前の会社で入っていた期間も通算されます。厚生労働省のQ&Aが示している条件です。受給資格の12か月を数えるときは、これに加えて、受給資格の決定を受けていないことも前提になります。
Q&Aが示す条件は次の2つで、どちらも満たす必要があります。
- 雇用保険の給付(再就職手当などの就職促進給付を含む)を受けていない
- 前の会社を辞めてから1年以内に、次の勤め先で雇用保険に入っている
出典:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
1年という線は、リーフレットの書き方と合っています。リーフレットは、入っていた期間に1年を超える空白がある場合、その前の期間は算定基礎期間に含めず、再就職後から離職までの期間が算定基礎期間になると書いています。つまり給付日数を決める算定基礎期間では、基本手当や再就職手当などの支給を受けていないことと、空白を1年以内に収めることの両方がそろって初めて、前後の期間が1本につながります。受給資格の12か月の数えでは、これに加えて、受給資格の決定を受けていないことも前提です(業務取扱要領)。もらわなくても、空白が1年を超えれば前の期間は切れます。
ここで見落としやすいのが、次の仕事が雇用保険に入る働き方かどうかです。たとえば、辞めたあとにパートやアルバイトで働き始めても、その勤め先で雇用保険に入っていなければ、加入していない期間が続いていることになります。働いているつもりでも、空白の1年は進んでいます。業務委託やフリーランスとして働く期間も、雇用保険に入っていない期間です。
反対に、辞めてから少し休み、そのあと雇用保険に入る会社に就職した人は、休んだ期間が1年以内で、受給資格の決定も給付も受けていなければ、どちらの数え方でも前後がつながります。休んだ長さそのものより、1年の線を越えたかどうかが分かれ目です。
自分で確かめるには、前の会社の退職日と、次の会社で雇用保険に入った日を並べます。次の会社で雇用保険に入るかどうかと入る日は、入社前に人事の担当者へ聞けば分かります。並べた2つの日付のあいだが1年以内か、そのあいだに給付を受けていないか。この2点に加えて、前の会社を辞めたあとに受給資格の決定を受けたかどうかを確かめます。自分で分からなければ、ハローワークで確かめてください。
通算で給付日数が変わる10年と20年
一般の離職者の所定給付日数は、算定基礎期間が1年以上10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日です。年齢は関係なく、決める軸は算定基礎期間だけです。
| 算定基礎期間 | 所定給付日数(一般の離職者) |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
出典:ハローワーク インターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
給付日数の面で通算の差が出るのは、この表の段が変わるときです。もらわずに前後を通算できた場合、次に辞めたときの算定基礎期間は「前の会社+次の会社」になります。もらった場合は「次の会社に入ってから」になります。前後を足しても足さなくても同じ段にとどまるなら、給付日数の面では変わりません。
自分の場合を数える手順は3つです。まず、前の会社で雇用保険に入っていた期間を出します。入社日と退職日は離職票などで確かめられます。次に、次の会社でどのくらい働く見込みかを考え、前の期間と足します。最後に、足した期間と、次の会社の分だけの期間が、上の表で別の段に入るかを見ます。別の段に入るなら、もらうかどうかで次に辞めたときの日数が変わります。
たとえば、前の会社の期間が10年にわずかに届かない人は、もらわずに通算すれば、次の会社で少し働くだけで10年を越え、次に辞めたときは120日の段に入ります。もらった場合は、次の会社の期間だけで10年を越えなければ120日になりません。逆に、前の会社の期間が短く、次の会社と足しても10年に届かない見込みの人は、どちらを選んでも90日で、もらわないことで日数が増える効果はありません。ただし、次の会社が12か月に届かずに終わった場合の受給資格は別の話です(下の「もらわなくていい場合」)。20年の境目でも同じ考え方で、前の会社の期間が20年に近い人ほど、通算の差が出やすくなります。
なお、倒産・解雇などで辞めた特定受給資格者などは、年齢と算定基礎期間の両方で日数が決まる別の表を使います。会社都合に当たりそうな人は、会社都合退職になる条件 で表の違いを確かめてください。自分の年齢と勤続年数での日数は、失業保険の計算ツール で出せます。
境目の近くにいるかどうかは、計算すれば数分で分かります。迷っている人は、もらうかどうかを決める前に、前の会社の期間がどの段のどのあたりにあるかだけは数えておいてください。
もらった方がいいのはどんな場合
次の仕事が決まっていない人や、決まるまでに時間がかかりそうな人は、手続きを先に進めておくほうが、受け取れる期間を逃しにくくなります。失業保険を受け取れる期間は、原則として離職日の翌日から1年で、迷っているあいだも進むからです。
自己都合で辞めた人は、ハローワークで求職の申込みをしたあと待期7日があり、そのあと給付制限が原則1か月あります。手続きを後ろにずらすと、この待ち期間も後ろにずれ、1年の残りが短くなります。
編集部の整理では、次のどれかに当てはまる人は、もらわないことで得られるものが小さくなりやすい条件です。
- 次の勤め先が決まっていない
- 決まっていても入社が先で、それまでの生活費を貯金でつなぐのが難しい
- 前後の期間を足しても10年・20年の境目を越えず、次の会社を12か月未満で辞める見込みもない
- 次の仕事で雇用保険に入るかどうかが分からない(業務委託・短時間の仕事など)
たとえば、自己都合で辞めて次の仕事が未定の人が、「リセットが心配だから」と手続きをしないまま数か月たったとします。そのあいだに就職できれば問題はありませんが、長引いた場合は、受給期間の1年の残りが減っていきます。一方で手続きを済ませたうえで早く就職が決まった人は、要件を満たせば再就職手当を受け取れる道もあります。
もらわないことの効果が出るのは次に辞めたときで、給付日数の段が変わる人か、次の会社を12か月未満で辞める見込みの人に効くものです。いま生活費が要る人にとっては、先の不確かな効果より、いま受け取れる額のほうが確かです。まず 計算ツール で自分の日額と日数を出し、受け取れる総額の目安と、通算で次に増えうる日数の差を、同じ紙に並べてから決めてください。
再就職手当を受けても期間は切れる
再就職手当を受けた場合も、給付日数の数え方(算定基礎期間)は、受けた前の期間が切れます。厚生労働省のリーフレットは、基本手当だけでなく再就職手当等の「基本手当に相当する給付」を受けた場合に、受給前の期間を算定基礎期間に含めないと書いています。厚生労働省の業務取扱要領も、基本手当などの支給を受けたことがある人は、その離職の日以前の期間を算定基礎期間から除くと書いています。
編集部の整理では、再就職手当は受給資格の決定を受けた人が早く就職したときの手当なので、受給資格の数え方のほうは、決定の時点ですでに切れています。受給資格の数え方については、厚生労働省のQ&Aも受給要件の注記で、過去に基本手当(再就職手当等を含む)の支給を受けたことがある場合は、支給を受けた後の被保険者であった期間のみが算定されると書いています。つまり再就職手当を受けると、2つの数え方の両方で、前の期間が次に使えなくなります。
再就職手当そのものは、待期7日が終わってから就職したこと、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること、1年を超えて勤めることが確実なこと、原則として雇用保険に入ること、過去3年以内に再就職手当などを受けていないこと、などの要件があります。額は、基本手当日額(上限あり)×支給残日数×給付率で、残りが所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%です。要件の全体は 再就職手当をもらえる条件、額の出し方は 再就職手当はいくら で確かめてください。
たとえば、前の会社の期間が長く、次の会社の期間と足すと20年を越えそうな人が、再就職手当を受けたとします。この人が次の会社を辞めたときの算定基礎期間は、次の会社に入ってからの期間になり、150日ではなく、次の会社の期間に応じた段で数えることになります。再就職手当を受けなかった場合は、前後を足して150日の段に入る可能性が残ります。
比べる材料は、いま受け取れる再就職手当の見込み額と、次に辞めたときに変わりうる給付日数の差です。ただし後者は、次の会社を辞めて、もう一度失業保険の手続きをするときに初めて効いてくるものです。長く勤めるつもりで入る会社なら、その差が使われる場面は来ないかもしれません。どちらに重みを置くかは、次の会社にどのくらいいるつもりかで決まります。
もらわないまま1年を過ぎると
失業保険を受け取れる期間(受給期間)は、原則として離職日の翌日から1年です。この1年を過ぎると、所定給付日数が残っていても、その分は受け取れません(ハローワークの案内)。所定給付日数が330日・360日の人は1年に30日・60日が加わりますが、一般の離職者の90日・120日・150日には当てはまりません。
「もらわずに取っておけば、あとで使える」と考える人がいますが、受給期間の1年を過ぎた分を、あとから受け取れるわけではありません。もらわないという選択は、その離職で受け取れた分を手放すことと引きかえに、次に数える期間をつなぐ選択です。
手続きをしないまま1年が過ぎた場合に起きることは、次のとおりです。
- その離職での失業保険は受け取れない
- 受給資格の決定を受けていないので、受給資格の数え方は切れていない
- ただし、1年を超えて雇用保険に入らない空白ができると、前の期間は算定基礎期間に入らない
- 受給資格の12か月は離職前2年で数えるので、空白が長くなるほど前の会社の月は数えに入らなくなる
たとえば、退職後に資格の勉強をしたり、フリーランスとして働いたりして、1年以上どこの会社の雇用保険にも入らなかった人がいるとします。この人は失業保険をまったくもらっていなくても、次に就職して辞めたとき、前の会社の期間は算定基礎期間に入りません。もらわなかったことが、通算の役には立たなかったことになります。
もらわないと決めた人ほど、次に雇用保険に入る時期を意識しておく必要があります。退職日から1年の日付をカレンダーに書いておき、それまでに雇用保険に入る仕事に就けそうにないと分かった時点で、受給期間が残っているうちに手続きをするかどうかを考え直してください。
手続きだけした場合に確かめること
ハローワークで受給資格の決定を受けてから就職し、基本手当を受けなかった人は、受給資格の数え方では前の期間が切れています。要領が「受給したか否かは問わない」と書いているからです。給付日数の数え方のほうは、要領の書き方が「支給を受けたことがある」場合なので、自分の場合の扱いはハローワークで確かめます。
よく聞く「手続きだけして辞退すれば、前の期間が戻る」という話は、要領には書かれていません。決定を受けたあとに辞退した場合の扱いは、編集部が確かめた資料の範囲では分からないので、断定せずにハローワークで聞いてください。
確かめに行くときは、次の3つを聞くと話が早く進みます。
- 自分は前回、受給資格の決定まで進んでいたか
- 基本手当や再就職手当などの支給を受けた記録があるか
- 次の会社を辞めたとき、前の会社の期間は受給資格と給付日数のそれぞれに数えられるか
編集部の見立てでは、手元にあれば話が進みやすいのは、前の会社の離職票の控え、前回ハローワークで受け取った書類、次の会社に入った日が分かるもの(雇用契約書など)です。
たとえば、離職票を出して求職の申込みをしたものの、すぐに内定が出て待期のうちに入社した人と、申込みの前に入社が決まって手続きに行かなかった人とでは、受給資格の決定を受けたかどうかが違います。前者は受給資格の数え方が切れている可能性があり、後者は決定を受けていません。どちらに当たるか自分で分からないときは、手続きのどの段階まで進んだかをハローワークで確かめてもらえるか聞いてください。受給前や待期中に就職が決まった場合の流れは、受給前や待期中に就職が決まったら にまとめています。
窓口では「前の会社の期間は、次に辞めたときの受給資格と給付日数のそれぞれに数えられますか」と、2つを分けて聞いてください。分けて聞くと、自分の場合の答えを数え方ごとに確かめやすくなります。
めんどくさい・落とし穴と言われるところ
失業保険の手間は、ハローワークで求職の申込みをし、そのあと決められた日に失業の認定を受けに行き、求職活動の実績を申告することです。手続きの全体は 失業保険のもらい方、実績の数え方は 求職活動実績は何回・何で作れる で確かめられます。
「落とし穴」と言われるものを、ここまでの内容から並べ直すと次のとおりです。どれも、もらう・もらわないの判断より先に知っておくと、あとで慌てずに済みます。
- 受給資格の決定を受けただけで、受給資格の数え方は切れる
- 再就職手当を受けても、算定基礎期間は切れる
- もらわなくても、1年を超える空白で算定基礎期間は切れる
- 受給期間の1年を過ぎた分は受け取れない
- 受給中に働いた日を申告しないと、不正受給として返還を求められることがある(失業保険の不正受給)
手間を理由にもらわないと決める前に、受け取れる総額の目安を 計算ツール で出してみてください。数字が出ると、通いの手間と比べて割に合うかが具体的に考えられます。受給中のアルバイトの扱いは 失業保険をもらいながらバイト にまとめています。
たとえば、次の仕事の入社日が近く、手続きをしても待期と給付制限のあいだに入社してしまう人は、手間をかけても受け取れる基本手当が出ない場合があります。こういう人にとっては、手間がそのまま損に近くなります。逆に、次の仕事が決まるまで数か月かかりそうな人は、手間に対して受け取れる額が大きくなりやすく、手間だけで判断するのは早すぎます。
迷ったら、「いつ入社するか」と「受け取れる日がいつから始まるか」を日付で並べてみてください。支給の対象になる日より前に入社するなら、手続きに通う意味は小さくなります。
もらわなくていい場合
次の条件にそろって当てはまる人は、失業保険をもらわない選択にも、数えて説明できる根拠があります。決めるのは本人で、ここに並べるのは判断の材料です。
- 次の会社の入社日が決まっていて、辞めてから1年以内に雇用保険に入る
- 前後の期間を足すと、10年または20年の境目を越える見込みがある
- 入社までの生活費を、失業保険なしでまかなえる
もう1つ、次の会社で働く期間が短く終わる可能性がある人も、比べる価値があります。受給資格の決定を受けていなければ、離職前2年のうちに前の会社の月も入るので、次の会社だけでは12か月に届かなくても、受給資格を数えられる余地が残ります。
反対に、入社日が決まっていない人、前後を足しても段が変わらない人は、もらわないことで次の給付日数が増える見込みはありません。上の「もらった方がいいのはどんな場合」に戻って考えてください。
たとえば、前の会社で10年近く雇用保険に入っていて、退職の翌月に次の会社への入社が決まっており、貯金で1か月をしのげる人は、3つの条件にそろって当てはまります。この人がもらわずに入社すれば、次の会社で少し働いた時点で、次に辞めたときの日数は120日の段に入ります。
もらうかどうかの判断に、有料の相談は要りません。数えるのは自分の期間と日数で、確かめる先は無料のハローワークです。前の会社の期間・次の会社に入る日・いま受け取れる総額の目安、の3つを書き出してから決めれば、どちらを選んでもあとで理由を説明できます。
失業保険をもらわない判断でよくある質問
失業保険をもらわないメリットは何ですか?
受給資格の決定も給付も受けずに1年以内に次の会社で雇用保険に入れば、前後の期間を通算できることです。通算で算定基礎期間が10年・20年の境目を越えれば、次に辞めたときの給付日数が増えます。境目を越えない人にとっては、日数の面での違いはありません。
失業保険をもらわなかったらどうなりますか?
その離職で受け取れた分は、受給期間の1年を過ぎると受け取れなくなります。そのかわり、受給資格の決定を受けず、空白が1年以内で次の会社の雇用保険に入れば、前の期間は次に数える期間につながります。空白が1年を超えると、もらっていなくても前の期間は算定基礎期間に入りません。
手続きだけして辞退すれば、前の期間は戻りますか?
業務取扱要領は、受給資格の決定を受けた場合、受給したかどうかを問わず前の期間を次の被保険者期間に含めないと書いています。辞退すれば戻るという扱いは要領に書かれていないので、自分の場合はハローワークで確かめてください。
もらわずにパートで働いた期間は通算されますか?
そのパート先で雇用保険に入っていれば、入っていた期間になります。入っていなければ、雇用保険に入っていない期間が続いている扱いで、空白の1年は進みます。雇用保険に入る働き方かどうかは、勤め先に確かめてください。
前回もらった人が、次の会社をすぐ辞めたらどうなりますか?
前回の受給資格の決定より前の期間は、次の受給資格の12か月の数えに入りません。次の会社だけで12か月に届かない場合に、前回の受給資格を含めてどう扱われるかは期間の並び方によるので、ハローワークで確かめてください。
もらわない場合、離職票はどうすればいいですか?
離職票は、失業保険の手続きに使う書類です。もらわないつもりでも、入社が延びるなどして受給期間のうちに手続きをすることになる場合に備えて、捨てずに保管しておくと困りません。
派遣を辞めたら失業保険はいつから?満了・途中・派遣切りで変わる日数と条件
数字だけ、もう一度
- 切れる数え方:受給資格(離職前2年に12か月)は受給資格の決定で切れ、受給したかどうかは問わない。給付日数を決める算定基礎期間は、基本手当や再就職手当などを受けると切れる
- 通算の条件:受給資格の決定も給付も受けず、前の会社を辞めてから1年以内に次の会社で雇用保険に入る(給付日数の数え方は給付を受けていないこと、受給資格の数え方は決定を受けていないことも前提)。空白が1年を超えると、もらわなくても前の期間は切れる
- 給付日数の境目:一般の離職者は算定基礎期間1年以上10年未満で90日、10年以上で120日、20年以上で150日。年齢は関係ない
- もらった方がいい場合:次の仕事が未定など。自己都合は待期7日のあと給付制限が原則1か月
- 再就職手当:受けると算定基礎期間も切れる。給付率は残り3分の2以上で70%、3分の1以上で60%
- 受給期間:離職日の翌日から原則1年。過ぎた分は受け取れない
- 手続きだけした場合:決定を受けていれば受給資格の数え方は切れている。辞退で戻るとは要領に書かれていない
- もらわなくていい場合:入社日が決まっていて1年以内に雇用保険に入り、前後を足すと境目を越え、生活費をまかなえる
失業保険をもらうかどうかは、「リセットが怖い」という気分で決めるものではなく、自分の期間を数えて決めるものです。切れるのは次に数える期間で、それが効くのは次に辞めたときで、給付日数の段が変わる人、または次の会社を12か月未満で辞める見込みの人です。前の会社の期間がどの段のどのあたりにあるか、次の会社に入る日がいつか、いま受け取れる総額がいくらか。この3つを書き出してみて、境目を越えないなら、日数の面でもらわないことで増える分はありません。越えるか、次の会社が短く終わりそうなら、並べて比べてから決めてください。分からない点は、決定と受給を分けてハローワークで聞けば、確かめられないまま決めることは減らせます。

