親の介護で退職する前に|介護休業93日・給付67%、辞めたら失業保険はいつから

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  • 親の介護が始まりそう。仕事を辞めるしかないのかな
  • 辞める前に、休める制度はないの?何日休める?
  • 休んでいるあいだの給料はどうなる?給付金はいくら?
  • 要介護認定がまだ出ていないけど、休みを取れる?
  • 親の介護で辞めたら、失業保険はもらえる?自己都合扱い?
  • 介護で辞めたら給付制限はかからないって本当?
  • 入社して1年たっていないけど、失業保険は出る?
  • 辞めてもすぐには働けない。失業保険の期限はどうなる?

上記のような悩みに答えます。

親の介護で仕事を続けられるか迷ったとき、選べる道は「辞めずに休む」と「辞めて失業保険を受ける」の2つです。介護休業や介護休暇は名前が似ていて、何日・いくらなのかが分かりにくく、辞めた場合の失業保険も「介護なら会社都合のようになる」という説明と「自己都合のまま」という説明が混ざっています。介護サービスのページは両立の制度を詳しく書きますが、辞めた場合の失業保険を日数と待つ期間で並べることは少なく、失業保険のページは逆に、辞める前の制度に触れません。そこで、介護休業・休業中の給付金・介護休暇という辞めない選択肢と、辞めた場合の受給資格・給付制限・給付日数を同じ物差しで並べ、どちらを選ぶかを決めるための材料を、厚生労働省とハローワークの資料で確かめながら整理しました。

先に答え

辞める前に、介護休業(対象家族1人につき通算93日・3回まで)と、休業中の介護休業給付金(休業開始時賃金日額の原則67%)、介護休暇(年5労働日)が使えます。辞めた場合の失業保険は、ハローワークが正当な理由のある離職と判断すれば給付制限がかからず、待期7日のあとから支給の対象になります。

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目次

親の介護で辞める前に使える制度は3つ

親の介護で仕事を続けにくくなったとき、辞める前に使える国の制度は、介護休業・介護休業給付金・介護休暇の3つです。どれも、介護が必要な家族を持つ会社員が、仕事を辞めずに介護の態勢を整えるための仕組みです。

3つは役割が違います。介護休業はまとまった期間休む制度、介護休業給付金はその間の収入を雇用保険から補う給付、介護休暇は通院の付き添いなど短い用事のために1日や時間単位で休む制度です。休業と休暇は「育児・介護休業法」、給付金は「雇用保険」と根拠の法律も分かれるので、人事やハローワークに聞くときも、どの制度の話かを分けて聞くと早く進みます。

制度 何ができるか 日数・額 どこの決まりか
介護休業 まとまった期間、仕事を休む 対象家族1人につき通算93日・3回まで 育児・介護休業法
介護休業給付金 休業中の収入を補う 休業開始時賃金日額×支給日数×原則67% 雇用保険
介護休暇 1日・時間単位で休む 1年度に5労働日(対象家族が2人以上なら10労働日) 育児・介護休業法
失業保険(辞めた場合) 辞めたあと、仕事を探すあいだの給付 待期7日のあと。日数は被保険者期間で90日〜150日(一般の離職者の表) 雇用保険

出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」/ハローワーク「雇用継続給付」

いちばん大きな違いは、辞めない3つは雇用が続くのに対して、失業保険は会社を辞めたあとの給付だという点です。休業や休暇なら、介護の態勢が整ったあとに同じ職場へ戻れます。失業保険は、次の仕事を探しているあいだの生活を支えるもので、受け取るには仕事を探して働ける状態にあることが前提になります。

たとえば、親が入院して退院後の暮らし方を決めるまでの数週間が山場だという人なら、介護休業で休みながら態勢を整え、その後は介護休暇で通院の付き添いをこなす、という組み合わせが考えられます。反対に、遠くに住む親の家の近くに引っ越すしかなく、今の職場には通えなくなるという人は、休業では解決しないので、辞めた場合の失業保険の数字を先に確かめることになります。

辞めた場合の給付制限の長さを日付で確かめたい人は、給付制限1か月はいつから の記事も参考になります。

迷ったときの軸は、介護の山場が「期間の決まった一時的なもの」か「住む場所や働き方を変えないと続かないもの」かです。前者なら辞めない3つが先、後者なら失業保険の数字を並べて比べる、という順で考えると整理がつきます。

介護休業は通算93日を3回まで分けられる

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介護休業は、要介護状態にある家族1人につき、3回まで、通算して93日を限度に取れる休業です。期間は原則として、本人が申し出た期間です。

ここでいう要介護状態は、けがや病気、身体や精神の障害で、二週間以上の期間にわたって常に介護を必要とする状態を指します。対象になる家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母と子、配偶者の父母、それに祖父母・兄弟姉妹・孫です。自分の親だけでなく、配偶者の親も対象に入っています。

厚生労働省のあらましは、介護休業を「労働者が自ら介護に専念するため」ではなく、介護を要する家族を支える体制を構築するために一定期間使うことを想定した制度だと説明しています。93日は、介護をやり切るための日数ではありません。介護サービスの手配や、家族の役割分担、通院の段取りを決めるための期間として使う設計です。介護サービスの相談先について、同じあらましは市区町村や地域包括支援センターを案内しています。

  • 対象:要介護状態にある対象家族を介護する労働者(日々雇い入れられる人は除く)
  • 回数と日数:対象家族1人につき3回まで、通算93日まで
  • 期間を定めて雇われている人:申出の時点で、取得予定日から数えて93日を経過する日から6か月を経過する日までに、契約が満了して更新されないことが明らかでなければ取れる
  • 労使協定で対象外にできる人:継続して雇われた期間が1年に満たない人など(会社ごとに違う)

出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」

見落としやすいのが、要介護認定との関係です。あらましは、介護保険の要介護認定の結果通知書や医師の診断書の提出を、制度を使う条件にすることはできない、と書いています。認定の結果を待っているあいだでも、家族が常に介護を必要とする状態なら、休業の申出を考えられます。

たとえば、父親が倒れて退院後の暮らしを整えたい人なら、退院前後にまず1回目を取り、施設や在宅サービスが決まって態勢が変わる時期に2回目、状態が変わったときのために3回目を残しておく、という分け方ができます。93日を1回で使い切ると、あとで態勢を組み直したいときに休めなくなります。一方、契約社員で更新されないことが明らかな人は、法律の要件で取れないことがあります。入社して1年に満たない人は、労使協定で対象外になっている場合があります。

自分が取れるかどうかは、就業規則の介護休業の項と、労使協定で対象外にしている人の範囲で決まります。人事に聞くときは、「介護休業の対象から外れる人の決まりがあるか」「申出の方法と期限」の2つを聞き、家族の状態が分かるメモを持っていくと話が具体的になります。

退職せず休めば給付金は賃金日額の原則67%

介護休業のあいだは、雇用保険から介護休業給付金が出ることがあります。1か月ごとの支給額は、原則として休業開始時賃金日額×支給日数×67%です。

給付金があるのは、休業中に会社から賃金が出ないことが多く、収入が途切れると休業を選べなくなるからです。雇用保険が収入の一部を補うことで、辞めずに休むという選択を取りやすくしています。給付の上限も、休業と同じく、同じ家族について93日を限度に3回までです。

計算例

例:休業開始時賃金日額が10,000円の人が、1か月(支給日数30日)休業した場合

10,000円 × 30日 × 67% = 201,000円

(仕組みを見るための仮の数字です。賃金日額の出し方や支給の要件は、ハローワークで確かめてください)

休業中の給付金は、賃金日額の原則67%
休業開始時賃金日額×支給日数×67%
10,000円×30日×67%=201,000円

出典:ハローワーク「雇用継続給付」

ここで気をつけたいのは、この給付金は休業中の給付で、辞めたあとに受け取る失業保険(基本手当)とは別の制度だということです。介護休業給付金を受けても、それで失業保険の日数が減るとか増えるとかを、この記事では公式の資料で確かめていません。休業してから辞める順番を考えている人は、ハローワークで「介護休業給付金を受けたあとに離職した場合、基本手当の手続きで気をつけることはあるか」を聞いてください。

支給の要件(雇用保険に入っていた期間など)や、計算に使う賃金日額の扱いには細かい決まりがあり、この記事では確かめきれていません。自分の額は、会社の人事か、ハローワークで確かめるのが確実です。

人事に聞くときは、「介護休業給付金の申請を会社経由でしてもらえるか」「休業中の社会保険料の扱い」「休業開始時賃金日額がいくらになりそうか」の3つを聞いておくと、休業中の家計の見通しが立ちます。

介護休暇は年5労働日、時間単位でも取れる

介護休暇は、要介護状態にある家族の介護や世話のために、1年度に5労働日(対象家族が2人以上なら10労働日)まで取れる休暇です。1日単位でも時間単位でも取れます。

介護休業が「まとまった期間」なのに対して、介護休暇は通院の付き添い、ケアマネジャーとの打ち合わせ、役所での手続きなど、半日や数時間で済む用事のための仕組みです。介護は、こうした細かい用事が平日の日中に何度も入ります。年次有給休暇とは別に与えられる休暇なので、有給を介護の用事で使い果たさずに済みます。

介護休業 介護休暇
使い方 まとまった期間休む 1日・時間単位で休む
上限 対象家族1人につき通算93日・3回まで 1年度に5労働日(2人以上なら10労働日)
収入の補い 介護休業給付金(原則67%) この記事では確かめていない(就業規則を見る)
向いている場面 退院前後、態勢を組み直す時期 通院の付き添い、打ち合わせ、手続き

出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」

1年度は、会社が特に決めていなければ、4月に始まる年度で数えます。対象家族の範囲や要介護状態の考え方は、介護休業と同じです。1週間の所定労働日数が2日以下の人などは、労使協定で対象外にできるとされています。

たとえば、母親の通院に月に1回付き添う必要がある人なら、時間単位で取れば、午前だけ休んで午後は出勤する、という使い方ができます。父母の両方に介護が必要な人なら、上限は10労働日に増えます。介護休暇で細かい用事をこなし、休業は態勢を組み直す時期に充てる、という使い分けもできます。

介護休暇のあいだの賃金がどう扱われるかは、この記事では公式の資料で確かめていません。就業規則の介護休暇の項を読み、書いていなければ人事に「介護休暇は有給か無給か」「時間単位で取るときの申請方法」を聞いてください。

親の介護で辞めたら特定理由離職者に当たり得る

書類に記入する手元

親の介護で自分から辞めた場合でも、ハローワークの判断によっては「正当な理由のある自己都合退職」として、特定理由離職者に当たることがあります。当たるかどうかを決めるのは、会社でも本人でもなくハローワークです。

ハローワークが示している特定理由離職者の範囲には、家族の事情で辞めた人の類型として、次の文言があります。

「父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合又は常時本人の看護を必要とする親族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職した者」

出典:ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」

この文言には「介護」という語はありません。書かれているのは、父母の疾病・負傷などで父母を扶養するために辞めるしかなかった場合と、常に本人の看護を必要とする親族の疾病・負傷などで辞めるしかなかった場合で、まとめて「家庭の事情が急変したこと」と言っています。だから「親の介護で辞めれば必ず特定理由離職者になる」とは言えません。介護の事情がこの類型に当たるかを、事情の中身と書類からハローワークが判断する、というのが公式の書き方です。

厚生労働省のパンフレットは、離職理由は事業主と本人の双方の主張と、それを確認できる資料で判断すると説明しています。会社が離職票に「自己都合」とだけ書いていても、本人が事情を申し出て、それを示す書類があれば、判断の材料になります。

  • 親の病気やけがの時期と状態が分かるもの(入院や通院の記録、診断書など)
  • 辞めるしかなかった経緯が分かるもの(会社とのやりとり、勤務の調整を頼んだ記録など)
  • 介護を担う家族がほかにいない事情が分かるメモ
  • 離職票(離職理由の欄と、本人が異議の有無を書く欄)

たとえば、父親が急に倒れて、ほかに看る家族がいないために辞めた人と、介護が数年続いて疲れ切って辞めた人とでは、同じ「親の介護」でも「急変」という文言への当てはまり方が違って見える可能性があります。どちらがどう判断されるかは、この記事では確かめていません。長く続いた介護で辞めた人ほど、事情の経緯を時系列で書き出しておくと、窓口での説明がしやすくなります。

会社と離職理由の書き方でもめそうなときも、申し出の相手はハローワークです。離職票の離職理由が実際と違うときの動き方は 離職票が届かないとき と 会社都合退職の条件 の記事にまとめています。

介護で退職しても正当な理由なら給付制限なし

ハローワークが正当な理由のある自己都合退職と判断した場合は、給付制限がかかりません。求職の申込みのあと、待期7日が終われば支給の対象になります。

給付制限を定める雇用保険法33条1項は、対象を「正当な理由がなく自己の都合によつて」退職した場合などに限っています(雇用保険法33条)。ハローワークの範囲の概要も、特定理由離職者の「正当な理由のある自己都合」の判断は、給付制限をかける場合の「正当な理由」の認定基準と同じように行う、と書いています。言い換えると、ハローワークが正当な理由を認めなければ、親の介護が理由でも通常の自己都合と同じ扱いになり、給付制限がかかります。

正当な理由と判断されるかで、待つ期間が変わる
正当な理由ありと判断された

  • 待期7日
  • 給付制限なし
  • 待期のあとから支給の対象
判断されなかった

  • 待期7日
  • 給付制限(原則1か月)
  • 給付制限が終わってから支給の対象

出典:厚生労働省「自己都合離職者の給付制限について」/雇用保険法21条

待期は辞めた理由に関係なく全員にかかる7日です。正当な理由がないと判断された人には、そのあとに給付制限が続きます。2025年4月1日以降に退職した人の給付制限は原則1か月です。過去の受給の回数によっては長くなることがあるので、心当たりのある人は 給付制限1か月はいつから で数え方を確かめてください。

たとえば、親の入院をきっかけに辞めた人が、何の書類も持たずに手続きを済ませ、離職票の「自己都合」のまま受給資格が決まったとします。この場合は、正当な理由の判断の材料が出ていないので、給付制限がかかったまま進む可能性があります。同じ事情でも、入院の記録と辞めるまでの経緯のメモを持って窓口で説明した人とでは、結果が分かれることがあります。

待つ期間の差は家計に直接効くので、最初の手続きのときに「家族の事情で辞めた。正当な理由のある自己都合に当たるか判断してほしい」と自分から伝えることが、本人にできるいちばん確かな動き方です。

介護で退職した人の給付日数と受給資格

親の介護で辞めて特定理由離職者と判断されても、失業保険の日数は一般の離職者と同じ表で決まります。日数が増えるのは、特定理由離職者のうち期間の定めのある契約が満了して更新されなかった人で、離職の日が2027年3月31日までの人に限られます。

雇用保険に入っていた期間(被保険者期間) 所定給付日数(一般の離職者)
1年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

出典:ハローワーク「基本手当の所定給付日数」

ハローワークの説明では、特定受給資格者と同じ日数になるのは、特定理由離職者のうち期間の定めのある契約が満了し更新がなかった人で、離職の日が2027年3月31日までの人です。家族の事情で辞めた人は、この特例の対象ではなく、一般の離職者の表を使います。被保険者期間が1年未満の人の日数は、上のページの表で確かめてください。

一方で、受給資格には差が出ます。一般の離職者は、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上必要です(雇用保険法13条)。特定受給資格者と特定理由離職者は、離職の日以前1年間に通算6か月以上あれば受給資格が認められます(厚生労働省「離職されたみなさまへ」)。転職して間もなく親の介護が始まった人は、この差で受け取れるかどうか自体が変わります。

もう1つ気をつけたいのが受給期間です。失業保険を受け取れる期間は、原則として離職した日の翌日から1年です(ハローワーク「基本手当について」)。この1年を過ぎた日の分は、日数が残っていても受け取れません。失業保険は仕事を探している人への給付なので、介護で当面は働けない人は、いつ求職の申込みをするかを考える必要があります。

妊娠・出産・育児などですぐに働けない人には、受給期間を延ばす仕組みがあり、延ばしたあとの期間は最長4年までです(雇用保険法20条)。ただ、親の介護を理由にこの延長ができるかは、この記事では公式の資料で確かめきれていません。辞めてからしばらく介護に専念するつもりの人は、辞める前か辞めた直後に、ハローワークで「介護ですぐ働けない場合、受給期間はどうなるか」を聞いてください。

介護で退職するか決める前に並べる数字

封筒と万年筆

辞めるか続けるかは、介護の見通しと家計と働き方で決まるもので、どちらが正しいとは言えません。決める前にできるのは、辞めない場合と辞める場合を同じ物差しで並べ、自分の場合の数字を書き出すことです。

並べるのは日数・収入・待つ期間の3つです。辞めない場合は、介護休業の残り日数と、休業中の給付金の見込み額、介護休暇の残り日数を書きます。辞める場合は、失業保険の日額と日数、待期と給付制限の有無、受給期間の1年のうち介護で動けない期間を書きます。

  1. 介護休業:対象家族1人につき通算93日・3回までのうち、何日・何回残っているか
  2. 休業中の給付金:休業開始時賃金日額×支給日数×原則67%で、月いくらになりそうか
  3. 介護休暇:1年度に5労働日(2人以上なら10労働日)のうち、何日残っているか
  4. 失業保険:日額と所定給付日数(計算ツール で出す)、給付制限の有無、受給期間の1年に収まるか

数字を並べると、たとえば「休業の93日のうちに介護サービスの手配が終わりそうなら辞めない」「親の家の近くに移る必要があり今の職場に通えないなら辞める」といった線引きが、自分の言葉でできるようになります。辞めた場合にどれだけの期間を貯金でつなぐかも見えてきます。

辞める場合でも、退職日をいつにするかで、最終月の給与や社会保険料、有給の残りの扱いが変わります。退職日の決め方は 退職は何日前に伝えるか と 有給消化と退職日 に、辞めたあとの健康保険は 任意継続の保険料 にまとめています。

休業を使えば、同じ職場に戻れる道を残したまま態勢を整えられます。辞めた場合は、受給期間の1年が離職の翌日から進みます。どちらも数字を並べたうえで、決めるのはあなたです。辞めると決めたときは、求職の申込みの時期まで含めてハローワークで相談してください。

使わなくていい場合

親の介護で辞めるときに、給付金サポートや退職代行のような有料のサービスを使わなくて足りる人がいます。介護休業の申出は本人が会社にするもので、正当な理由の申し出は本人がハローワークにするものだからです。

有料サービスを使っても、介護休業の日数も、休業中の給付金の率も、正当な理由に当たるかの判断も変わりません。決めるのは法律と会社の就業規則とハローワークです。サービスにできるのは書類や連絡の手伝いで、会社の人事とハローワークの窓口で無料でできることと重なります。

  • 会社の人事に介護の事情を話せる人:介護休業・介護休暇・給付金の手続きは人事に聞けば足ります
  • 離職票の離職理由に異議がある人:異議は本人が離職票に書き、ハローワークの窓口で説明できます
  • 会社と連絡が取れて、退職の意思を伝えられる人:退職の申し出に第三者を立てる必要はありません

たとえば「介護離職なら給付制限をなくせる」という案内を見かけても、判断するのはハローワークで、持っていく書類も本人がそろえられるものです。会社と話すこと自体がつらい、退職の意思を伝えても取り合ってもらえない、という事情があるときに初めて、外部の手伝いを考えれば間に合います。

次にやること

親の介護で仕事を続けるか迷い始めたら、辞める前の確認、辞める場合の準備の順で進めます。

辞めるかどうかの前に確かめる順番
  1. 1就業規則を読む介護休業・介護休暇の項と対象外の決まり
  2. 2人事に聞く休業の申出方法・給付金の手続き
  3. 3数字を並べる休業93日・67%と失業保険の日額・日数
  4. 4辞めるなら書類をそろえる家族の状態と辞めた経緯が分かるもの
  5. 5ハローワークで伝える正当な理由に当たるかの判断を求める
  1. 就業規則で、介護休業・介護休暇の項と、労使協定で対象外にしている人の範囲を確かめる
  2. 人事に、休業の申出の方法、介護休業給付金の手続き、休業中の社会保険料の扱いを聞く
  3. 辞めない場合(休業・給付金・休暇の残り)と辞める場合(計算ツール で出した日額・日数、給付制限の有無)を並べる
  4. 辞めると決めたら、親の病気やけがの記録、辞めた経緯のメモ、離職票をそろえる
  5. ハローワークで求職の申込みをするとき、家族の事情で辞めたこと、正当な理由のある自己都合に当たるかを判断してほしいことを伝える

4番の書類は、辞めてから集めようとすると、入院の記録や会社とのやりとりがすぐに手元に出てこないことがあります。辞めるかどうか迷っている段階から、日付とできごとを手帳に書き残しておくと、どちらを選んでも役に立ちます。介護で当面働けない人は、5番の前に、受給期間の扱いを窓口で聞いておいてください。

次に読むもの

失業保険の手続きの流れを最初から確かめたい人は 失業保険のもらい方 へ。会社都合と自己都合で何が違うかを並べて見たい人は 会社都合退職の条件 へ。退職日を決める段階の記事は いつ・どう辞めるか にまとめています。

親の介護で退職するときのよくある質問

親の介護で退職したら、失業手当はもらえますか?

受給資格を満たしていて、仕事を探して働ける状態にあれば受け取れます。一般の離職者は離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上、ハローワークが特定理由離職者と判断した人は離職の日以前1年間に通算6か月以上が条件です。介護で当面働けないなら、受給期間の扱いをハローワークで確かめてください。

親の介護で退職するというのは、嘘だと思われませんか?

離職理由は、事業主と本人の双方の主張と、それを確認できる資料をもとにハローワークが判断します。事実どおりの事情なら、親の病気やけがの記録や辞めた経緯のメモをそろえて説明すれば足ります。反対に、実際の理由が別にあるなら、その理由で手続きを考えてください。

親の介護で働けなくなったら、まず何をすればいいですか?

辞める前に、会社の人事に介護休業と介護休暇を使えるか聞いてください。介護休業は対象家族1人につき通算93日・3回まで、介護休暇は1年度に5労働日まで取れます。介護サービスの相談先は、厚生労働省のあらましが市区町村や地域包括支援センターを案内しています。

要介護認定がまだ出ていなくても、介護休業は取れますか?

厚生労働省のあらましは、要介護認定の結果通知書や医師の診断書の提出を、制度を使う条件にすることはできないと書いています。家族が二週間以上にわたって常に介護を必要とする状態なら、申出を考えられます。会社の手続きは人事に確かめてください。

配偶者の親の介護でも使えますか?

介護休業と介護休暇の対象家族には、配偶者の父母が入っています。契約社員など期間を定めて雇われている人や、労使協定で対象外になる人には条件があるので、就業規則で確かめてください。

数字だけ、もう一度

  1. 介護休業:対象家族1人につき3回まで、通算93日まで。要介護状態は二週間以上常に介護を必要とする状態
  2. 介護休業給付金:1か月ごとに、休業開始時賃金日額×支給日数×原則67%。同じ家族について93日を限度に3回まで
  3. 介護休暇:1年度に5労働日(対象家族が2人以上なら10労働日)。1日単位・時間単位
  4. 辞めた場合の給付制限:ハローワークが正当な理由と判断すればなし。判断されなければ待期7日のあとに原則1か月(2025年4月1日以降の退職)
  5. 給付日数:家族の事情で辞めた人は一般の離職者の表。被保険者期間1年以上10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日
  6. 受給資格:一般は離職の日以前2年間に通算12か月、特定理由離職者は離職の日以前1年間に通算6か月
  7. 受給期間:原則、離職日の翌日から1年。延長の仕組みは最長4年までだが、介護で延ばせるかはハローワークで確かめる

親の介護で仕事を辞めるかどうかは、外から決めてもらえることではありません。それでも、辞めない場合に何日休めて月いくら入るか、辞めた場合にいつから何日分出るかが数字で見えれば、決める材料はそろいます。まず休業と休暇の残りを確かめ、辞めるなら事情を示す書類をそろえて、ハローワークで自分から正当な理由の判断を求める。その順番を守れば、どちらを選んでも、知らずに損をすることは減らせます。

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この記事を書いた人

やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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