自己都合で辞めると、失業保険はすぐには出ません。「2か月待つ」「3か月待つ」と聞いていた人も多いはずです。いまの待ち期間がどれだけか、いつからいつまでかは、退職日と過去の退職歴で分かれます。順に日付で出します。
2025年4月1日以降に自己都合で退職した人の給付制限は、原則1か月です。ハローワークで求職の申込みをしたあと、待期7日が終わってから数えます。
2026年9月時点の制度で確かめています
自分の条件で、日額と最初に振り込まれる時期を出したい人は 失業保険の計算ツール へ。
失業保険の給付制限は1か月:2025年4月1日以降の自己都合退職なら
自己都合(正当な理由のない自己都合)で辞めたときに、失業保険が出ない期間を「給付制限」といいます。長さは、いつ退職したかで変わります。
| 退職した日 | 給付制限 |
|---|---|
| 2025年4月1日以降 | 原則1か月 |
| 2025年3月31日以前 | 原則2か月 |
「3か月」と聞いたことがある人は、下の「3か月になる人」に当てはまらないかを確かめてください。当てはまらなければ1か月です。
法律(雇用保険法33条)は、給付制限を「1か月以上3か月以内」の範囲でハローワークの所長が定めるとしています。上の1か月・3か月は、その範囲の中で厚生労働省が示している期間です。
給付制限1か月はいつから・いつまで?待期7日のあとから数える
給付制限は、ハローワークで求職の申込みをしたあとの待期(7日)が終わってから数え始めます。待期は、会社都合でも自己都合でも全員にあります(雇用保険法21条)。
- 待期:求職の申込みをした日から、失業している日が通算7日になるまで
- 給付制限:待期が終わった翌日から1か月
- 給付制限が終わった翌日から、失業している日が支給の対象になる
数え始めは退職日ではなく、ハローワークで求職の申込みをした日です。退職してから申込みまでの日数は、待ち期間に入りません。
例:10月1日にハローワークで求職の申込みをした(その後ずっと失業している)場合
| 期間 | 日付 |
|---|---|
| 待期7日 | 10月1日〜10月7日 |
| 給付制限1か月 | 10月8日〜11月7日 |
| 支給の対象になる日 | 11月8日から |
実際の振込は、支給の対象になった日のあと、ハローワークで失業の認定を受けてからです。認定日はハローワークで渡される日程で決まるので、振込の目安は 計算ツール で出してください。
給付制限が3か月になる人:5年で2回以上・重責解雇
1か月にならない人がいます。
退職日からさかのぼって5年のうちに、正当な理由のない自己都合退職で受給資格の決定を2回以上受けている人は、給付制限が3か月になります。
| 退職日からさかのぼって5年のうちの受給資格決定(自己都合) | 給付制限 |
|---|---|
| 0回・1回 | 1か月 |
| 2回以上(今回が3回目以降) | 3か月 |
数えるのは「受給資格の決定を受けた回数」です。自己都合で辞めても、ハローワークで手続きしなかった回や、受給資格がなかった回は数えません。
自分の責任による重大な理由で解雇された人(重責解雇)も、給付制限は3か月です。
出典:群馬労働局・ハローワークのリーフレット(令和7年4月1日以降の離職)
- 5年のうちの受給資格決定(自己都合)が0回・1回
- 今回が2回目まで
- 5年のうちの受給資格決定(自己都合)が2回以上
- 今回が3回目以降
- 重責解雇
給付制限がなくなる人:決められた教育訓練を受けている
自己都合で辞めても、決められた教育訓練を受けていれば、給付制限がなくなります。条件は次のとおりです。
- 対象になる訓練:教育訓練給付金の対象となる教育訓練、公共職業訓練等、短期訓練受講費の対象となる教育訓練、これらに準ずるものとして職業安定局長が定める訓練
- 離職日前1年以内に受け終えた(途中でやめた場合は対象外)、または離職日以後に受けている
- その訓練を、2025年4月1日以降に受け始めている
離職日前1年以内に受け終えた人は、待期が終わったあとの給付制限がなくなります。離職日以後に受け始めた人は、受講を始めた日から給付制限がなくなります。それより前の期間には給付制限がかかります。
自分の受けている訓練が対象になるかは、受講前にハローワークで確認してください。
自己都合でも給付制限がかからないことがある:正当な理由があるとき
雇用保険法33条が給付制限をかけるのは、「正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合」です。自分から辞めても、ハローワークが「正当な理由がある」と判断すれば、この給付制限はかかりません。
正当な理由に当たるかは、会社ではなくハローワークが決めます。だから、先に次の2つを確かめます。
- 離職票に書かれた離職理由が、実際の辞めた理由と合っているか
- 体調や家族の事情など、辞めるしかなかった事情があるなら、それを示せるもの(診断書など)が手元にあるか
離職理由が実際と違うときは、ハローワークの窓口で申し出ます。離職票には、本人が離職理由に異議があるかを書く欄があります。
使わなくていい場合
給付制限を短くしたり、自己都合を会社都合に変えたりすることをうたう有料のサポートがあります。次に当てはまる人は、使わなくて足ります。
- 退職日が2025年4月1日以降で、給付制限が1か月の人:待つ期間は、手続きしても短くなりません
- 離職票の離職理由に納得している人:直すことがないので、サポートに頼む中身がありません
- 離職理由が実際と違う人:まずハローワークの窓口で申し出ます。申し出は本人ができます
次にやること
- 離職票が届いたら、離職理由の欄を確認する
- 過去5年に自己都合で失業保険の手続きをした回数を数える(受給資格の決定を受けた回だけ)
- ハローワークで求職の申込みをする(ここから待期7日が始まる)
- 支給の対象になる日と振込の目安を 計算ツール で出す
次に読むもの
給付制限のあいだに次の仕事を決めたい人は、次の仕事 の記事へ。
失業保険の給付制限でよくある質問
給付制限中に次の仕事が決まったら、失業保険はどうなりますか?
早く就職すると、残りの日数に応じて再就職手当を受け取れることがあります。給付率は、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上3分の2未満なら60%です(雇用保険法56条の3)。給付制限中の就職には条件があるので、決まりそうになったら先にハローワークで確認してください。 → 給付制限1か月はいつから
短い間に2回、自己都合で辞めました。3か月になりますか?
さかのぼって5年のうちに、自己都合で受給資格の決定を2回以上受けていれば3か月です。今回が2回目なら1か月です(上の「給付制限が3か月になる人」の表)。 → 給付制限が3か月になる人
退職してすぐハローワークに行かないと、遅くなりますか?
待期も給付制限も、求職の申込みをした日から数えるので、申込みが遅れるとその分だけ後ろにずれます。失業保険を受け取れる期間(受給期間)は、原則として離職日の翌日から1年です(雇用保険法20条)。この期間を過ぎた日の分は受け取れません。病気や出産で長く働けないときなどは延長できることがあるので、申込みが遅れそうならハローワークに確かめてください。 → 給付制限1か月はいつから
2025年3月31日に辞めた人も1か月ですか?
いいえ。2025年3月31日以前の退職は、原則2か月です。1か月になるのは、2025年4月1日以降に退職した人です。 → 給付制限は1か月
数字だけ、もう一度
- 2025年4月1日以降の自己都合退職は、給付制限が原則1か月。待期7日が終わった翌日から数える
- 5年のうちに自己都合退職で受給資格の決定を2回以上受けている人と、重責解雇の人は3か月
- 決められた教育訓練を受けていれば、給付制限がなくなる(離職後に受け始めた人は受講開始日から)

