- 会社都合で辞めることになった。失業保険はいつから入るの?
- 会社都合だと何か月分もらえる?自分の年齢と勤続年数だと何日?
- 1日あたりいくら?会社都合だと額も増えるの?
- 自己都合だった場合と比べて、総額でどれくらい違う?
- 最初のお金が振り込まれるまで、生活費が持つか不安
- 330日もらえると聞いたけど、本当に全部受け取れる?
- 解雇だったら、どんな場合でも給付制限はかからない?
- 早く次の仕事が決まったら、損をするの?
上記のような悩みに答えます。
会社都合で辞めた人の失業保険(基本手当)は、雇用保険の言葉では「特定受給資格者」として受け取るものです。自己都合の人と比べて有利になることはよく知られていますが、何がどれだけ有利なのかは、待ち期間・日数・1日の額の3つに分けて見ないと分かりません。日数の表や1日の額の式を載せるページは多いものの、2つを掛け合わせた総額で自己都合と比べることや、支給の対象になる日とお金が口座に入る日の違い、330日を受け取りきるための受給期間の期限までは、なかなか書かれていません。そこで、いつから・何日・1日いくらという基本を押さえたうえで、総額の差、最初の振込の時期、受給期間の枠、早く就職したときの再就職手当まで、雇用保険法の条文と厚生労働省・ハローワークの資料で確かめながら整理しました。
会社都合(特定受給資格者)と判定されると給付制限はかからず、求職の申込みから待期7日が過ぎた後の日から支給の対象になります。受け取れる日数は離職時の年齢と雇用保険に入っていた期間で90日〜330日、1日の額は自己都合と同じ式で決まるので、差が出るのは「待つ期間」と「日数」です。
2026年9月時点の制度で確かめています
自分の年齢・賃金・退職日で、1日の額と給付日数、最初の振込の時期を出したい人は 失業保険の計算ツール へ。
会社都合なら待期7日の後から支給の対象
会社都合と判定された人は、ハローワークで求職の申込みをした日から、失業している日が通算7日たった後の日から失業保険の支給の対象になります。自己都合の人のように、その後ろに給付制限の期間は付きません。
待期は、求職の申込みをした日以後、失業している日が通算して7日に満たないあいだは基本手当を支給しない、という決まりです(雇用保険法21条)。これは辞めた理由に関係なく全員にかかります。一方で離職理由による給付制限は、雇用保険法33条が「正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合」と「自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され」た場合にかけているもので、倒産や通常の解雇で職を失った人にはかかりません(雇用保険法33条/厚生労働省「離職されたみなさまへ」)。
厚生労働省のパンフレットも、解雇・定年・契約期間満了で辞めた人は「待期」が過ぎた後に支給、自己都合や懲戒解雇の人は待期に加えて給付制限が過ぎた後に支給、と分けて書いています。
| 辞め方 | 支給の対象になる日 |
|---|---|
| 倒産・解雇など、定年・契約期間満了 | 待期7日が終わった翌日から |
| 正当な理由のない自己都合 | 待期7日のあと、給付制限(原則1か月)が終わった翌日から |
出典:厚生労働省「離職されたみなさまへ」/厚生労働省「自己都合離職者の給付制限について」
たとえば、同じ日に求職の申込みをした2人のうち、会社の倒産で辞めた人は待期が明けた翌日から、自己都合で辞めた人はそこからさらに原則1か月たってから、支給の対象になります。自己都合の給付制限がいつ終わるかの数え方は、給付制限1か月はいつから にまとめています。
ここで押さえておきたいのは、待期も含めて、数え始めは退職日ではなく求職の申込みをした日だということです。会社都合でも、離職票が届いてすぐにハローワークへ行った人と、しばらく休んでから行った人では、支給の対象になる日がその分ずれます。会社都合の強みを生かすなら、申込みを早めることが本人にできるいちばん確かな方法です。
退職日と申込みの日を入れて、支給の対象になる日と最初の振込の目安を出したい人は、失業保険の計算ツール で確かめられます。
失業保険の最初の振込は認定日の後

支給の対象になる日と、お金が口座に入る日は同じではありません。失業保険は、ハローワークで「失業の認定」を受けた日数の分が、認定の後に振り込まれる仕組みだからです。
失業の認定は、原則として4週間に1回、ハローワークが指定する日(認定日)に行われます。認定日には、前回の認定日から今回の認定日の前日までのあいだ、失業していたか、仕事を探していたかを申告し、その日数分が支給されます。振込は、ハローワークの案内では、失業の認定を行った日から通常5営業日で、指定した金融機関の口座に入ります(休祝日や年末年始をはさむと遅れることがあります)。
例:10月1日に求職の申込みをして、その後ずっと失業している会社都合の人。認定日が仮に10月29日に指定された場合
| 期間 | 日付 |
|---|---|
| 待期7日 | 10月1日〜10月7日 |
| 支給の対象 | 10月8日から |
| 最初の認定日 | 10月29日(ハローワークが指定) |
| 最初の認定で受け取る日数 | 10月8日〜10月28日の21日分 |
| 振込 | 認定日から通常5営業日 |
1日の額が6,307円の人なら、最初の振込は 6,307円 × 21日 = 132,447円
この例のように最初の認定日が申込みから4週間ほど先に指定されると、振込はさらにその数日後です。会社都合で給付制限がなくても、辞めてから最初のお金が入るまでには、申込みまでの日数に加えてこれだけの間が空くと見込んで家計を組んでおくのが安全です。最初の認定日がいつになるかは、受給資格の決定のときにハローワークで知らされるので、その日付を手帳に写しておきます。
認定日には、その期間に求職活動をした実績も申告します。必要な回数は原則2回以上ですが、基本手当の支給にかかる最初の認定日の対象期間は1回です。会社都合の人は給付制限が無いぶん、最初の認定日が上の例のように申込みから4週間ほど後に来るので、申込みをしたら早めに1回目の求職活動を済ませておくと慌てずに済みます。何が求職活動に数えられるかは、ハローワークの案内で確かめてください。
会社都合と自己都合の差を総額で比べる
会社都合と自己都合の差を金額で見るなら、「1日の額 × 日数」で総額を出して比べます。1日の額は同じ式で決まるので(下の「1日の額」の項)、総額の差は日数の差そのものです(日数の表は下の項)。
日数の表と1日の額は別々に語られがちですが、家計の見通しに効くのは掛け合わせた総額です。同じ会社都合でも、勤続の短い人は総額が自己都合と変わらず、勤続の長い人ほど差が開き、下の例のように百万円を超えることもあります。
1日の額が6,307円(賃金日額10,000円・60歳未満)の人で比べた場合
| 離職時の年齢・勤続 | 会社都合 | 自己都合 | 差 |
|---|---|---|---|
| 28歳・勤続4年 | 90日 → 567,630円 | 90日 → 567,630円 | 0円(差は給付制限の原則1か月だけ) |
| 40歳・勤続8年 | 180日 → 1,135,260円 | 90日 → 567,630円 | 567,630円 |
| 50歳・勤続22年 | 330日 → 2,081,310円 | 150日 → 946,050円 | 1,135,260円 |
45歳以上60歳未満で1日の額が上限の9,110円の人が330日を受け取りきると、9,110円 × 330日 = 3,006,300円
- 330日
- 給付制限なし
- 150日
- 給付制限は原則1か月
ただし、この総額は「所定給付日数を最後まで受け取った場合」の数字です。途中で就職すれば、残りの日数分は基本手当としては受け取らず、条件を満たせば再就職手当に変わります。また、受給期間の期限に間に合わなければ、日数が残っていても受け取れません(下の「受給期間1年」の項)。
自分の総額を出すときは、受給資格の決定のときに分かる所定給付日数と、計算ツールで出した1日の額を掛けます。会社都合かどうかを判定してもらう前でも、計算ツールで離職理由を切り替えて見比べられます。総額の差が小さい人は、判定にこだわるより、申込みを早めることのほうが家計に効く場合もあります。
会社都合の日数は年齢と勤続年数で決まる
会社都合の人が受け取れる日数(所定給付日数)は、離職したときの年齢と、雇用保険に入っていた期間(被保険者であった期間)の組み合わせで、90日から330日まで決まります。自己都合の人は年齢に関係なく90日〜150日なので、差が開くのは年齢が高く勤続の長い人です。
表を見ると30歳未満でも勤続が長ければ自己都合より多く、45歳以上でも勤続が短ければ差は小さい、というように、年齢だけでは決まりません。
| 雇用保険に入っていた期間 | 30歳未満 | 30歳以上35歳未満 | 35歳以上45歳未満 | 45歳以上60歳未満 | 60歳以上65歳未満 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1年以上5年未満 | 90日 | 120日 | 150日 | 180日 | 150日 |
| 5年以上10年未満 | 120日 | 180日 | 180日 | 240日 | 180日 |
| 10年以上20年未満 | 180日 | 210日 | 240日 | 270日 | 210日 |
| 20年以上 | ― | 240日 | 270日 | 330日 | 240日 |
雇用保険に入っていた期間が1年未満の人は、年齢に関係なく90日です。
ハローワークの表では、特定受給資格者と、特定理由離職者の一部がこの会社都合の列の日数になります。年齢は離職した日の年齢で見ます。
雇用保険に入っていた期間は、会社が変わっていても、前の会社の期間を合わせて数えられることがあります。前の会社を辞めてから1年以内に次の会社で雇用保険に入っていて、そのあいだに失業保険を受け取っていなければ、前の会社の期間を合わせて数えられます。自分が何年の欄に入るかは、受給資格の決定のときにハローワークで渡される書類で確かめられます。
たとえば、勤続4年の28歳の人は、会社都合でも自己都合でも90日で、差は給付制限の有無だけです。一方、勤続22年の50歳の人は、会社都合なら330日、自己都合なら150日で、日数だけで180日違います。
同じ「会社都合」でも、得られるものは人によってまったく違うということです。
受給資格の条件も違います。会社都合の人は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あれば受給資格が付き、一般の離職者より短い期間で足ります(厚生労働省「離職されたみなさまへ」)。入社して1年たたずに会社が倒産した、という人も、まず受給資格があるかをハローワークで確かめてください。
失業保険の1日の額は自己都合と同じ計算

1日あたりの額(基本手当日額)は、会社都合でも自己都合でも同じ式で決まります。離職前の賃金から出した「賃金日額」に、50%〜80%の給付率を掛けたものです(60歳以上65歳未満は45%〜80%)。会社都合だから1日の額が増える、ということはありません。
給付率に幅があるのは、賃金が低かった人ほど高い割合で支える作りになっているからです。賃金日額が5,480円未満の人は一律80%、60歳未満で13,490円を超える人は一律50%で、そのあいだは式で少しずつ下がります。
| 賃金日額(60歳未満) | 給付率 |
|---|---|
| 3,203円以上5,480円未満 | 80% |
| 5,480円以上13,490円以下 | 80%から50%へ、式で下がる |
| 13,490円超 | 50% |
出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」(令和8年8月1日から)
1日の額には上限と下限があります。下限は年齢を問わず2,562円です。上限は年齢で変わり、30歳未満7,450円、30歳以上45歳未満8,270円、45歳以上60歳未満9,110円、60歳以上65歳未満7,830円です。賃金がいくら高くても、1日の額はこの上限で止まります。
例:離職時50歳、賃金日額10,000円の人
60歳未満の式:y = 0.8w − 0.3 × {(w − 5,480) ÷ (13,490 − 5,480)} × w(w=賃金日額)
- 0.8 × 10,000 = 8,000
- (10,000 − 5,480) ÷ (13,490 − 5,480) = 4,520 ÷ 8,010 = 0.5642…
- 0.3 × 0.5642… × 10,000 = 1,692.8…
- 8,000 − 1,692.8… = 6,307.1… → 1円未満を切り捨てて 6,307円
賃金日額は、離職前の賃金をもとにハローワークが出すもので、どの賃金を含めるかに決まりがあります。月給から自分の賃金日額を正確に出すのは手間がかかるので、計算ツール で月給を入れて出すのが早道です。給与明細から直前6か月の月給の平均を出して入れると、残業の多かった月の影響も反映できます。
60歳以上65歳未満は式と日数が変わる
離職時に60歳以上65歳未満の人は、1日の額の式と給付日数の表がほかの年齢と違います。60歳になると式が2つになり、低いほうが1日の額になります。
60歳以上65歳未満の人の式は、給付率が80%から45%へ下がる式と、賃金日額に一定の率を掛けて定額を足す式の2つで、厚生労働省はその低いほうを基本手当日額としています。片方の式だけで計算すると、実際より高く出ることがあるので注意が必要です。
例:離職時62歳、賃金日額10,000円、雇用保険に入っていた期間20年以上の人
- 式1:0.8w − 0.35 × {(w − 5,480) ÷ (12,120 − 5,480)} × w = 8,000 − 2,382.5… = 5,617.4…
- 式2:0.05w + 12,120 × 0.4 = 500 + 4,848 = 5,348
- 低いほう → 1日の額は 5,348円
会社都合:240日 × 5,348円 = 1,283,520円自己都合:150日 × 5,348円 = 802,200円
60歳以上65歳未満の会社都合の日数は、20年以上で240日と、45歳以上60歳未満の330日より短くなります。定年を前に会社の都合で辞めることになった人は、45歳以上60歳未満の表で見積もっていると日数を多く見てしまうので、離職日の年齢で表を引き直してください。
なお、定年で辞めた人は会社都合(特定受給資格者)ではありませんが、上の「待期7日の後から」の表のとおり給付制限はかかりません。65歳になるまでの老齢年金を受けている人は、失業保険との関係で年金が止まる仕組みがあるので、年金事務所でも確かめておきます。65歳以上で辞めた人は、失業保険が一時金の形になるので 65歳以上の失業保険 を見てください。
失業保険の受給期間1年に間に合わせる
失業保険を受け取れる期間(受給期間)は、原則として離職日の翌日から1年です。所定給付日数が330日の人は1年に30日が加わりますが、この枠を過ぎた日の分は、日数が残っていても受け取れません。
受給期間は、所定給付日数を受け取るための期限の枠です。待期も、認定のあいだの日数も、すべてこの枠の中で過ぎていきます。日数の長い会社都合の人ほど枠に余裕がなく、申込みが遅れたときの影響が大きく出ます。
例:所定給付日数330日の人(受給期間は1年+30日。うるう年をまたがなければ395日)
- 395日 − 待期7日 − 330日 = 58日
- 離職日の翌日から求職の申込みまでの日数が、この58日より長くなると、330日を受け取りきれない計算になる
- 申込みが離職日の翌日から2か月後だと、受け取れない日が出てくる
これは編集部の計算で、実際には認定日に行けなかった日や、働いた日があると、さらに余裕は減ります。離職票が届くのを待っているうちに時間が過ぎることもあるので、会社都合で330日の人は、離職票が届いたらその週のうちにハローワークへ行くくらいの気持ちで構えてください。離職票がなかなか届かないときの動き方は、離職票が来ないとき にあります。
病気やけが、出産、育児などですぐに働けない人は、受給期間を延ばせる場合があります。会社都合で辞めた直後に体調を崩した、という人は、申込みが遅れる前に、受給期間の延長ができるかをハローワークに相談してください。延長には申請の期限があるので、事情が分かった時点で早めに聞くのが確実です。
会社都合にならない解雇もある
解雇でも、自分の責任による重大な理由で解雇された場合(重責解雇)は、会社都合(特定受給資格者)にはならず、給付制限がかかります。雇用保険法33条は、この場合の給付制限を「一箇月以上三箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間」としています。
特定受給資格者の範囲を定めた決まりでも、「解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く。)」と書かれています。懲戒解雇と言われた人が、すべて重責解雇にあたるわけではありません。どちらになるかは、会社の呼び方ではなく、ハローワークが事実を見て判断します。
- 倒産、事業所の廃止、通常の解雇:特定受給資格者。給付制限はかからない
- 退職勧奨、雇い止め、長時間の残業・賃金の未払い・ハラスメントなどで辞めた:基準に当たれば特定受給資格者
- 重責解雇:特定受給資格者にならない。給付制限がかかる
- 定年、契約期間満了:多くは特定受給資格者ではないが、給付制限はかからない(更新が続いて3年以上雇われていた人の雇い止めなどは、特定受給資格者になることがある)
どんな辞め方が会社都合に当たるか、離職票の離職理由が実態と違うときにどう申し出るかは、会社都合退職になる条件 で、基準ごとに整理しています。この記事で扱う日数や額は、ハローワークで会社都合と判定された後の話です。会社から「会社都合にしておく」と言われていても、離職票の離職理由の欄が実際と合っているかは、自分の目で確かめてください。
たとえば、会社から「懲戒解雇にする」と言われたものの、理由に心当たりがない人は、言われた日時と内容をメモに残し、離職票が届いたら離職理由の欄を確かめたうえで、窓口でそのメモを見せて説明します。給付制限がかかるかどうかで、最初の振込の時期が変わるからです。
早く決まったら再就職手当を受け取れる
会社都合で日数の多い人が、受け取りの途中で早く就職すると、残りの日数に応じて再就職手当を受け取れることがあります。日数が多いぶん、同じ時期に就職しても額が大きくなります。
再就職手当の額は、支給残日数 × 基本手当日額 × 給付率 です。給付率は、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上3分の2未満なら60%で、3分の1以上残っていることが支給の前提です。計算に使う基本手当日額には上限があり、離職時60歳未満は6,745円、60歳以上65歳未満は5,454円です。
例:1日の額6,307円、所定給付日数330日の人が、支給残日数300日で就職した場合
- 300日は330日の3分の2(220日)以上 → 給付率70%
- 6,307円 × 300日 × 70% = 1,324,470円
「早く就職すると損」という感覚を持つ人もいますが、再就職手当を受け取って働き始めれば、給料と手当の両方が入ります。損得は、残りの基本手当を全部受け取った場合と、手当を受け取って働き始めた場合の、手元に入る合計で比べます。再就職手当にはほかにも要件があるので、内定が見えてきたら、入社日を決める前にハローワークで確かめてください。くわしい計算と境目の日数は、再就職手当はいくら にまとめています。
たとえば、45歳以上60歳未満で1日の額が上限の9,110円に届いている人でも、再就職手当の計算では6,745円に置き換えて計算します。1日の額が高い人ほど、基本手当を受け取り続けた場合と再就職手当との差が開くので、総額だけで決めず、新しい職場の給料と働き始める時期を合わせて比べます。反対に、1日の額が上限より低い人は、その額のまま式に入るので、上の例と同じ手順で自分の額を出せます。
使わなくていい場合
会社都合で辞めた人が、給付金サポートなどの有料の手伝いを使わなくて足りるのは、次の場合です。日数・1日の額・待期は制度で決まっていて、誰が手続きを手伝っても変わりません。
失業保険の額を決めるのは、年齢、雇用保険に入っていた期間、離職前の賃金、離職理由の4つで、どれも手続きの手伝いで動かせるものではありません。外部の手伝いにできるのは書類の準備や説明の補助で、ハローワークの窓口で本人ができることと重なります。
- 離職票の離職理由が「解雇」「倒産」など実態どおりに書かれている人:そのままハローワークで手続きすれば足ります
- 自分の日数と1日の額を、表と計算ツールで出せた人:受け取れる額は手伝いがあっても同じです
- 早く就職できそうな人:再就職手当の手続きも本人がハローワークでできます
反対に、離職理由が実態と違う、解雇そのものに納得がいかない、未払いの賃金がある、といった問題は失業保険の手続きとは別なので、まずハローワークで申し出て、それで足りない問題を労働基準監督署や弁護士に持っていく、という順番で考えます。
次にやること
会社都合で辞めた人がやることは、早く申し込むことと、日付を取り違えないことの2つに集約されます。
- 離職票が届いたら、離職理由の欄が実態どおりか確かめる
- 住所を管轄するハローワークで求職の申込みをする(ここから待期7日が始まる)
- 受給資格の決定のときに、所定給付日数と最初の認定日を確かめる
- 最初の認定日までに、求職活動を1回済ませる
- 自分の1日の額と総額、受給期間の期限を 計算ツール と手帳で確かめる
持っていくものは、離職票と本人確認の書類のほか、振込先の口座が分かるものなどがあります。必要なものの一覧はハローワークのページで確かめてから出かけると、二度手間になりません。手続き全体の流れは 失業保険のもらい方 にあります。
退職後の健康保険を決める時期とも重なります。会社都合で辞めた人は国民健康保険の保険料が軽くなる扱いがあるので、任意継続と比べるときは 任意継続の保険料 とあわせて見てください。
次に読むもの
会社都合に当たるかどうか、離職票の理由が違うときの申し出方は 会社都合退職になる条件 へ。受け取りの手続きや給付の記事は 失業保険と給付 に、退職日の決め方は いつ・どう辞めるか にまとめています。
会社都合の失業保険でよくある質問
会社都合だと失業保険は何か月分もらえますか?
離職時の年齢と雇用保険に入っていた期間で、90日から330日です。いちばん長いのは45歳以上60歳未満で20年以上の人の330日で、勤続1年未満の人は年齢に関係なく90日です。自分の欄は上の表で確かめてください。
会社都合ならすぐにもらえますか?
給付制限はかかりませんが、求職の申込みから待期7日が過ぎた後の日から支給の対象になり、実際の振込は失業の認定を受けた後です。認定は原則4週間に1回で、振込は認定日から通常5営業日です。最初の認定日はハローワークで知らされるので、その日から逆算して生活費の見通しを立ててください。
会社都合で辞めたら、まず何をすればいいですか?
離職票が届いたら離職理由の欄を確かめ、住所を管轄するハローワークで求職の申込みをします。受給期間は原則として離職日の翌日から1年なので、日数の多い人ほど早く申し込むことが大事です。
会社が会社都合にしたがらないのはなぜですか?
会社ごとに事情はありますが、離職理由は会社の都合で決まるものではなく、辞めた事実をもとにハローワークが判断します。離職票の理由が実態と違うときの申し出方は 会社都合退職になる条件 にまとめています。
勤続半年で会社が倒産しました。受け取れますか?
会社都合の人は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あれば受給資格が付きます。日数は年齢に関係なく90日です。被保険者期間の数え方には条件があるので、離職票を持ってハローワークで確かめてください。
契約期間の満了で辞めた場合も、給付制限はかかりませんか?
契約期間満了で辞めた人は、厚生労働省のパンフレットで、待期が過ぎた後に支給とされていて、給付制限はかかりません。多くは特定受給資格者ではありませんが、更新が続いて3年以上雇われていた人の雇い止めなどは特定受給資格者になることがあり、日数の表もそれで変わるので、会社都合退職になる条件 とハローワークで確かめてください。
会社都合で早く再就職すると損ですか?
支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていれば、条件を満たすと再就職手当を受け取れます。給料と手当の両方が入るので、残りを全部受け取った場合との合計で比べてください。
数字だけ、もう一度
- いつから:求職の申込みから待期7日が過ぎた後の日から支給の対象。会社都合は給付制限なし(自己都合は原則1か月)
- 振込:失業の認定は原則4週間に1回。振込は認定日から通常5営業日。最初の認定の対象期間に必要な求職活動は1回
- 何日:会社都合は年齢と雇用保険に入っていた期間で90日〜330日。自己都合は90日〜150日
- 受給資格:会社都合は離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上
- 1日いくら:賃金日額 × 給付率(50%〜80%、60歳以上65歳未満は45%〜80%)。上限は30歳未満7,450円・30歳以上45歳未満8,270円・45歳以上60歳未満9,110円・60歳以上65歳未満7,830円、下限は2,562円
- 受給期間:原則として離職日の翌日から1年。330日の人は1年に30日が加わる
- 重責解雇:特定受給資格者にならず、給付制限は1か月以上3か月以内で所長が定める期間
- 再就職手当:支給残日数 × 基本手当日額 × 70%(3分の2以上)または60%(3分の1以上)
会社都合で辞めた人にとって大事なのは、「有利らしい」で止めずに、自分の日数と1日の額を掛けて総額を出し、受給期間の期限から逆算して申込みの日を決めることです。差がつくのは待つ期間と日数で、1日の額は変わりません。離職票の理由が実態どおりなら、あとは早く申し込み、認定日を取り違えないこと。それだけで、会社都合で受け取れるものを取りこぼさずに済みます。

