退職したのに離職票が届かないと、失業保険の手続きが始められず、「いつまで待てばいいのか」「会社にどう言えばいいのか」で止まってしまいます。どの順番で誰に催促すればいいかは、法律で決まっている会社の期限から逆算すると決まります。
会社の届け出期限(資格を失った日の翌日から10日)を過ぎたら会社に確かめ、会社が出さなければハローワークに相談します。
会社は、雇用保険の資格を失った日(離職日の翌日)の翌日から数えて10日以内に、離職証明書をつけた資格喪失届をハローワークに出す決まりです。離職票を待っている日数も、失業保険を受け取れる期間(離職日の翌日から1年)に含まれるので、待ちすぎないことが大事です。
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離職票が来ないとき、まず確かめること:会社の期限は資格を失った日の翌日から10日
離職票は、会社が作る「離職証明書」をもとに、ハローワークが交付する書類です。会社から郵送で届くことが多いのは、ハローワークが会社を通じて渡すことができるからです(雇用保険法施行規則17条1項・2項)。
届かない理由を探すときは、次の3つを順に確かめます。
| 確かめること | 決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 会社がハローワークに届け出る期限を過ぎたか | 資格を失った日(離職日の翌日)の翌日から数えて10日以内に、資格喪失届に離職証明書をつけて出す | 雇用保険法施行規則7条1項 |
| 退職のときに「離職票はいらない」と答えなかったか | 本人が離職票を希望しないと、会社は離職証明書をつけずに届け出てよい(離職日に59歳以上の人は必ずつける) | 雇用保険法施行規則7条3項 |
| マイナポータルで受け取る設定になっていないか | 2025年1月20日から、条件がそろえば離職票がマイナポータルに直接届く | 山口労働局「マイナポータルを通じた離職票の直接交付について」 |
たとえば3月31日に退職した場合、資格を失うのは4月1日で、期限は4月2日から数えて10日目の4月11日です。
10日は、会社がハローワークに書類を出すまでの期限です。そのあとハローワークの手続きと郵送の日数が加わるので、10日ちょうどで手元に届くとは限りません。10日を過ぎたら「そろそろ確かめてよい時期」と考えてください。
マイナポータルで受け取れるのは、会社がマイナンバーを被保険者番号に正しく登録していること、本人がマイナポータルと雇用保険WEBサービスの連携設定をしていること、会社が電子申請で離職の手続きをしたこと、の3つがそろったときだけです。郵便を待っている人は、念のためマイナポータルも開いてみてください。
退職のときに「離職票はいらない」と答えていた場合でも、あとから取ることはできます。元の会社に離職証明書を出してもらい、それをハローワークに出すと離職票が交付されます(ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」Q7)。
自分がいくら受け取れるかを先に知りたい人は、失業保険の計算ツール で出しておくと、待つ間の見通しが立ちます。
離職票の催促の順番:会社に確かめてから、ハローワークに相談する
催促は、次の順番で進めます。いきなりハローワークに行くより、会社に確かめたほうが早く片付くことが多いからです。
- 会社の人事・総務に、離職証明書をハローワークに出したかを聞く:電話でもメールでも構いません。記録を残したいならメールにします
- まだなら、離職証明書の交付を請求する:離職した人は元の会社に離職証明書を請求でき、会社は交付しなければなりません(雇用保険法76条3項)
- 会社が出さない・連絡がつかないときは、ハローワークに相談する(下の「ハローワークでできる3つのこと」)
- 1会社に確かめる人事・総務に提出したかを聞く
- 2離職証明書を請求会社は交付しなければならない
- 3ハローワークに相談会社が出さない・連絡がつかないとき
メールで確かめるときは、次のように事実だけを書けば足ります。
件名:離職票の件(〇月〇日退職・氏名)
〇月〇日付で退職した〇〇です。失業保険の手続きのため、離職票(離職証明書)の手続きの状況を教えてください。すでにハローワークに提出済みでしたら、提出日を教えていただけると助かります。送付先の住所は次のとおりです。〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇〇〇〇
退職のしかたに関係なく、会社は資格喪失届を出す義務があります(雇用保険法7条・同法施行規則7条1項)。退職代行を使った場合も同じです。会社と直接話したくない人は、メールで送れば足ります。
会社が離職票を出さないとき:ハローワークでできる3つのこと
会社に請求しても離職証明書が出てこないときは、住所地のハローワークに相談します。ハローワークも、本人が請求しているのに会社から離職証明書を受け取れない場合は相談するよう案内しています(ハローワーク「よくあるご質問」Q7)。法令で決まっている手順は次のとおりです。
| 順番 | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1. 被保険者でなくなったことの確認を請求する | 被保険者だった人は、いつでも、ハローワークに資格の確認を請求できる(会社が資格喪失届だけは出していたときは不要) | 雇用保険法8条 |
| 2. 離職証明書を添えて離職票を請求する | 確認のあと(会社が資格喪失届を出していればそのまま)、離職証明書を添えて請求すると離職票が交付される | 雇用保険法施行規則17条1項2号・3号 |
| 3. 例外:離職証明書なしで請求する | 2の請求をするとき、会社の所在が分からないなどやむを得ない理由があれば、離職証明書をつけずに請求できる | 雇用保険法施行規則17条3項 |
会社が届け出をしなかったり、離職証明書の交付を拒んだりした場合、会社には罰則があります(6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金。雇用保険法83条1号・4号)。ただし、罰則は本人が使う手段ではありません。本人がすることはハローワークへの相談です。
ハローワークに行くときは、会社名と所在地、退職日、会社に請求した日と方法(メールなら画面や送信記録)をまとめて持っていくと、話が早く進みます。
離職票が来ない間に減るもの:受給期間は離職日の翌日から1年
離職票を待つ日数で気をつけたいのは、失業保険を受け取れる期間です。受給期間は原則として離職日の翌日から1年で(雇用保険法20条1項1号)、離職票を待っている日数もこの1年に含まれます。
受給期間の1年を過ぎると、所定給付日数が残っていてもその分は受け取れません(同法20条1項)。待期や給付制限の期間も1年の中で過ぎていくので、所定給付日数が長い人ほど収まりきらなくなるおそれがあります。離職票を待っていることは、受給期間を延ばす理由になりません。10日を過ぎたら会社に確かめ、返事がなければハローワークへ、と早めに動くのが安全です。
使わなくていい場合
離職票が届かないだけなら、有料の給付金サポートや退職代行に頼む必要はありません。次のどれかに当てはまれば、自分で会社に確かめ、ハローワークに相談すれば足ります。
- 会社にメールか電話で連絡がつく
- 会社は連絡がつかないが、会社名・所在地・退職日が分かっている
- 退職のときに「離職票はいらない」と答えたかもしれないが、あとから取り直したい
ハローワークでの相談は無料です。
離職票が届いたら確かめること
届いたら、ハローワークに持っていく前に次の点を見ておきます。
- 氏名・住所・退職日が正しいか:違っていたら会社に直してもらいます
- 離職理由の欄:自分の考える理由と違う場合は、ハローワークの手続きのときに申し出ます
- なくした・破れたとき:交付したハローワークに、本人確認書類(運転免許証など)を持って再交付を申請できます(雇用保険法施行規則17条4項)
次に読むもの
- 自分がいくら受け取れるか:失業保険の計算ツール
- 失業保険の金額・日数・手続き:失業保険と給付の記事一覧
- 受給中や受給後の仕事探し:次の仕事の記事一覧
離職票が来ないときのよくある質問
退職してしばらくたっても離職票が届かないのですが?
会社がハローワークに届け出る期限は、資格を失った日(離職日の翌日)の翌日から数えて10日です。それを過ぎていれば、会社に状況を確かめてよい時期です。 → 会社の期限は10日
会社が離職票をくれないと言われたら?
離職した人は離職証明書の交付を請求でき、会社は交付しなければなりません。それでも出ないときはハローワークに相談します。 → ハローワークでできる3つのこと
離職票がないと失業手当の手続きはできませんか?
離職票は手続きに使う書類です。会社が出さない・連絡がつかないときは、ハローワークで資格の確認を請求し、離職票を請求できます。会社の所在が分からないなどやむを得ない理由があれば、離職証明書なしで請求できます。 → ハローワークでできる3つのこと
1か月たっても届かないと、失業保険は減りますか?
1か月ほどの遅れだけで受け取れる額が減ることは多くありません。ただし受給期間は離職日の翌日から1年で、待っている日数も含まれ、1年を過ぎた分は受け取れません。所定給付日数が長い人ほど早めに動いてください。 → 受給期間は1年
離職票をなくしてしまったら?
交付したハローワークで再交付を申請できます。本人確認書類が要ります。 → 届いたら確かめること
数字だけ、もう一度
- 会社は、資格を失った日(離職日の翌日)の翌日から数えて10日以内に、離職証明書をつけた資格喪失届をハローワークに出す。10日を過ぎたら会社に確かめる
- 会社が出さない・連絡がつかないときは、ハローワークで資格の確認を請求し、離職証明書を添えて(やむを得ないときはなしで)離職票を請求できる
- 受給期間は離職日の翌日から1年で、待つ日数も含まれる。待ちすぎずに動く

