- ハローワークに行く前に内定が出た。再就職手当はもうもらえない?
- 待期7日の間に就職が決まりそう。どうなるの?
- 自己都合で辞めて給付制限中。自分で見つけた会社に決まったら対象になる?
- 初回認定日より前に内定が出た。何から手をつければいい?
- 就職日の前日にハローワークへ行くと聞いた。何を持っていけばいい?
- 求人サイトやハローワークのネットから応募したのは「紹介」になる?
- 申請はいつまで?入社してからでも間に合う?
- 次が決まっているなら、失業保険の手続きそのものが要らない?
上記のような悩みに答えます。
再就職手当は、失業保険(基本手当)の日数を残して早く就職した人が、残りの一部をまとめて受け取れる手当です。ただ、同じ「早く決まった」でも、内定が出たのがハローワークで求職を申し込む前か後か、就職が待期7日の間か後か、給付制限がある人なら最初の1か月の間か後かで、出るか出ないかが分かれます。要件を一覧にした説明はあっても、この「いつ決まったか」を時期の順に並べ、就職日の前日にハローワークで何をするかまで段取りにしたものは、編集部が確かめた範囲では見当たりません。そこで、待期・3分の1・申請期限という基本を押さえたうえで、内定日と求職の申込みの前後関係、給付制限中の紹介の条件、就職日の前日の手続きまで、雇用保険法と施行規則の条文、ハローワークと厚生労働省の資料で確かめながら整理しました。
再就職手当は、待期7日が終わった後に就職し、就職日の前日までの失業の認定を受けて支給残日数が3分の1以上残っていれば対象になります。ただし、ハローワークで求職を申し込む前から内定していた会社や、待期7日の間の就職は対象外で、自己都合などで給付制限がある人は最初の1か月はハローワーク等の紹介による就職に限られます(2026年10月時点)。
自分の支給残日数と、いつ就職すると3分の1・3分の2の境目になるかは 失業保険の計算ツール で出せます。
2026年10月時点の制度で確かめています
就職が決まった時期で5つに分かれる

再就職手当が出るかどうかは、まず「いつ内定が出て、いつ就職するか」で大きく分かれます。自分がどの時期にいるかを先に決めると、確かめることが絞れます。
時期で分かれるのは、再就職手当の要件の中に、日付で線を引くものが3つあるからです。ハローワークの案内に並ぶ要件のうち、①待期7日が終わった後の就職であること、④給付制限がある人は待期満了後1か月の間は紹介による就職であること、⑧求職の申込み(受給資格決定)より前から内定していた会社でないこと、の3つです。これに、②就職日の前日までの失業の認定を受けて支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること、が加わります。
| 就職が決まった時期 | 再就職手当 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ハローワークで求職を申し込む前に内定 | 対象外 | 申込み前から内定していた会社への就職は要件⑧に当たらない |
| 待期7日の間に就職 | 対象外 | 待期が終わってからの就職であることが要件① |
| 給付制限がある人の、待期満了後1か月の間 | 紹介による就職なら対象になりうる | ハローワークか職業紹介事業者の紹介が要る。オンライン自主応募は紹介にならない |
| その後〜初回認定日の前 | 対象になりうる | 就職日の前日までの失業の認定を受けることが要件② |
| 受給中(認定を何回か受けた後) | 支給残日数しだい | 残りが所定給付日数の3分の1未満なら対象外 |
出典:ハローワーク「再就職手当のご案内」(支給の要件①〜⑧)
表の「対象になりうる」は、時期の条件を満たしたという意味です。ほかの要件(前の会社でない・1年を超えて勤めることが確実・原則として雇用保険の被保険者になる・過去3年以内に再就職手当などを受けていない)も満たす必要があります。要件の全体は 再就職手当をもらえる条件 にまとめています。
たとえば、自己都合で辞めた人が、ハローワークで求職を申し込んだ後に求人サイトで応募し、待期が終わって間もなく就職が決まった場合は、表の3行目に当たります。この人は時期の条件で引っかかる可能性があります。同じ人でも、ハローワークの窓口で紹介を受けた求人で決まったなら、3行目の条件を満たします。会社都合で辞めて給付制限が無い人なら、3行目はそもそも関係なく、待期が終わっていれば応募の経路は問われません。
最初にやることは、離職票と受給資格者証で「給付制限があるか」「求職を申し込んだ日(受給資格の決定日)はいつか」を確かめ、内定が出た日・就職する予定日と並べて書き出すことです。日付が4つそろえば、自分が表のどの行にいるかが決まります。受給手続きの流れそのものは 失業保険のもらい方 にまとめています。
求職の申込み前の内定は対象外
ハローワークで求職を申し込む前から内定していた会社に就職しても、再就職手当は出ません。退職前に次の会社が決まっていた人や、退職後すぐ内定が出てからハローワークに行った人がこれに当たります。
この線は、施行規則の条文にそのまま書かれています。雇用保険法施行規則82条1項4号は、再就職手当の基準の1つとして「雇入れをすることを法第二十一条に規定する求職の申込みをした日前に約した事業主に雇用されたものでないこと」を挙げています(雇用保険法施行規則82条)。ハローワークの案内では、同じ内容を「受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと」と書いています。
編集部の読み方では、条文と案内の言葉から言えるのは、基準の日が「求職の申込みをした日」であり、比べる相手が「雇い入れを約した(内定した)事業主」だということです。退職した日や、離職票が届いた日ではありません。
- 退職前に次の会社の内定が出ていた:申込みの日より前なので対象外
- 退職後、ハローワークに行く前に内定が出た:同じく対象外
- 求職を申し込んだ後に応募し、内定が出た:この要件には当たらない(ほかの要件は別に見る)
- 申込み前に面接を受けていて、申込み後に内定が出た:どこで「約した」とみるかは条文と案内からは読み切れないので、ハローワークで確かめる
たとえば、退職して数日後に以前から受けていた会社から内定の連絡があり、その翌週にハローワークで受給手続きをした人は、申込みの日より前に内定が出ているので、この会社への就職では再就職手当の対象になりません。一方、受給手続きを済ませてから応募を始めた会社で内定が出た人は、この要件の心配はいりません。
ここで気をつけたいのは、内定日を後ろの日付にしてもらえば対象になる、という考え方です。採用(内定)証明書の日付は事業主が証明するもので、実際と違う日付で申請すると偽りの申告になります。ハローワークの案内では、偽りの申告で受けた分は返還を命じられ、さらに不正に受けた額の2倍以下の納付を命じられることがあるとされています(ハローワーク「不正受給情報」)。内定がいつだったかで迷うときは、事実の日付を持ってハローワークで聞くのが筋です。
待期7日の間に就職したら
待期7日の間に就職した場合、再就職手当は出ません。ハローワークの案内は要件①として「受給手続き後、7日間の待期期間満了後に就職、又は事業を開始したこと」を挙げています。
待期そのものは雇用保険法21条が決めています。条文は「離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して七日に満たない間は、支給しない」と書きます(雇用保険法21条)。厚生労働省のパンフレットは、受給資格の決定を受けた日から、失業の状態が通算して7日間経過するまでを待期期間と呼んでいます。
数え方で大事なのは「通算して7日」という言い方です。カレンダーの7日間ではなく、失業の状態にあった日を数えます。ハローワークの案内も、待期期間中に仕事などをして失業の状態でなかった日は待期に含まれない、と注意書きをしています。待期の7日は基本手当も支給されません。
たとえば、月曜日に受給資格の決定を受けた人なら、その日以後、失業の状態の日が通算して7日になれば待期が終わります。その間に就職日が来てしまうと、要件①を満たしません。待期が終わった後に就職日を迎える場合は、この要件はクリアします(ほかの要件は別に見ます)。
待期の間に面接を受けたり、内定の連絡を受けたりすること自体の扱いは、条文と案内からは読み取れませんでした。手元で確かめられるのは「就職日が待期の終わった後か」です。待期中に働いた日がある人は、失業認定申告書に正しく書き、待期がいつ終わるかを窓口で確かめてください。受給中のアルバイトの書き方は 受給中のバイト で整理しています。
給付制限の1か月は紹介による就職だけ
自己都合などで給付制限がある人は、待期満了後1か月の間に就職するなら、ハローワークか職業紹介事業者の紹介による就職でないと再就職手当の対象になりません。この要件では、1か月を過ぎた後の就職の応募経路は問われません。
この条件は施行規則82条1項3号にあり、給付制限(法33条1項)を受けた場合に「法第二十一条の規定による期間の満了後一箇月の期間内については、公共職業安定所又は職業紹介事業者等(…)の紹介により職業に就いたこと」と書かれています。ハローワークの案内も要件④で同じことを書き、給付制限が無い人は待期が終われば経路を問わない形で図示しています。教育訓練を受けて給付制限が解除された場合も、待期満了後1か月は紹介による就職が要る、と案内に注記があります。
ここで取り違えやすいのが、ハローワークのインターネットサービスから求人に直接応募する「オンライン自主応募」です。厚生労働省のパンフレットは、オンライン自主応募はハローワーク紹介とはならないため、再就職手当などの受給を考えている人は注意が必要だ、と書いています。ハローワークの求人だから紹介になる、とは限らないということです。
| 応募のしかた | 待期満了後1か月の間の就職 |
|---|---|
| ハローワークの窓口で紹介を受けた | 紹介による就職に当たる |
| 職業紹介事業者の紹介を受けた | 案内は紹介に含めている(どの事業者が当たるかは確かめる) |
| ハローワークのネットからオンライン自主応募 | 紹介にならない |
| 求人サイト・会社のホームページから自分で応募 | 紹介に当たるかは、そのサイトや会社が職業紹介事業者かによる(応募前にハローワークで確かめる) |
たとえば、給付制限がある人が、待期満了から数週間後に求人サイト経由で内定をもらった場合、その就職日が待期満了後1か月の中にあれば、この要件を満たさない可能性があります。応募経路が紹介に当たるかは、応募前にハローワークで確かめます。就職日が1か月を過ぎた後なら、同じ応募経路でもこの要件の心配はありません。民間の転職エージェントを使っている人は、その会社が職業紹介事業者に当たるかを、エージェントとハローワークの両方に確かめておくと安心です。
給付制限の長さや数え方は 給付制限1か月 で、給付制限がつかない場合は 給付制限なし で整理しています。気になる求人を見つけたら、応募する前にハローワークの窓口で紹介を受けられるかを聞くのが、手堅い順番です。
3分の1と3分の2の境目は就職日で決まる
支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることが要件で、3分の2以上なら給付率は70%、3分の1以上3分の2未満なら60%です。どちらになるかは、就職日の前日の時点で何日残っているかで決まります。
雇用保険法56条の3は、対象者を「当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数」が所定給付日数の「三分の一以上であるもの」と書き、給付率を十分の六(3分の2以上なら十分の七)としています(雇用保険法56条の3)。給付制限のあいだは基本手当が出ないので、待期が終わった後、給付制限中に就職した人の支給残日数は所定給付日数のままです(下の計算例がそれに当たります)。支給残日数が減るのは、失業の認定を受けて基本手当が支給された日の分です。
ハローワークの案内は、所定給付日数ごとの境目を表にしています。所定給付日数90日の人なら、残りが60日以上で70%、30日以上で60%です。270日の人なら、180日以上で70%、90日以上で60%です。
ハローワークの案内に載っている計算例:基本手当日額4,000円・所定給付日数90日の人が給付制限中に就職した場合、支給残日数は90日のままなので給付率は70%です。
4,000円 × 90日 × 70% = 252,000円
計算に使う基本手当日額には上限があり、離職時60歳未満は6,745円、60歳以上65歳未満は5,454円です(令和9年7月31日までの額)。額の出し方と、境目の日数の考え方は 再就職手当はいくら で詳しく扱っています。
境目が効いてくるのは、認定を受けて基本手当が支給された日がある人です。受給中に就職が決まった人は、就職日の前日の時点で境目のどちら側にいるかを数えておきます。ただし、入社日を動かせるかは会社との話で、手当の額だけで決めるものでもありません。所定給付日数を受給資格者証で、認定を受けた日数を認定の記録で確かめ、計算ツールで日額と残りの日数を出しておけば、内定の連絡を受けたその場で境目との距離が分かります。
就職日の前日にハローワークでやること

就職が決まったら、就職日の前日にハローワークへ行き、失業認定申告書と、就職先の事業主に証明してもらった採用(内定)証明書を出して、就職日の前日までの失業の認定を受けます。北海道のハローワーク(札幌圏)の案内はこの段取りを示しています。
この手続きが要るのは、再就職手当の要件②が「就職日の前日までの失業の認定を受けた上で」の支給残日数を見るからです。認定を受けた日までが支給の日数に数えられ、その残りで3分の1・3分の2を判定します。基本手当は失業の認定を受けた日の分だけが支給される仕組みで、認定は原則として4週間に1回です。就職日の前日までの分を、この日にまとめて認定してもらうことになります。
- 1採用証明書を頼む就職先の事業主に証明してもらう
- 2就職日を確かめる最初に出勤する日と同じとは限らない
- 3前日にハローワークへ失業認定申告書と採用証明書を出す
- 4前日までの認定を受ける前日が休日ならその前の開庁日に
- 5被保険者証を会社へ雇用保険の加入手続きに使う
案内には、注意点が3つ書かれています。まず、実際に最初に出勤する日が就職日ではない場合があるので、申告するときに気をつけること。次に、就職日の前日が休日(土・日・祝日・年末年始)の場合は、その休日の前日(金曜日など)に行って、その日までの認定を受けること。最後に、就職先で雇用保険の加入手続きをするために、雇用保険被保険者証を会社に出すことです。
- 失業認定申告書
- 採用(内定)証明書(就職先の事業主の証明を受けたもの)
- 雇用保険被保険者証(会社に出すもの。手元にあるか確かめる)
この3つは札幌圏の案内に書かれているものです。ほかに要る物は、管轄のハローワークの案内に従ってください。
たとえば、月曜日が入社日の人なら前日は日曜日なので、金曜日にハローワークへ行くことになります。入社日の前に研修日や手続きの日が入っている人は、その日が就職日に当たるかを会社に確かめてから申告します。待期中に働いた日や、受給中にアルバイトをした日があれば、申告書に正しく書きます。1日4時間以上の仕事は「就労」、4時間未満は「内職・手伝い」として書き分けます。
この来所日と持ち物は札幌圏のハローワークの案内によるもので、ほかの地域の案内は確かめていません。細かい点は管轄のハローワークの案内に従ってください。内定が出たら、採用証明書をどこで受け取るかを窓口で聞き、早めに会社へ証明を頼んでおきます。
申請は就職日の翌日から1か月以内
再就職手当の申請は、就職した日の翌日から1か月以内に、再就職手当支給申請書と受給資格者証を管轄のハローワークに出します。支給は、支給が決まった日の翌日から7日以内です。
期限は施行規則82条の5第1項に「安定した職業に就いた日の翌日から起算して一箇月以内」とあり、支給までの日数は同83条1項に「その日の翌日から起算して七日以内」とあります(雇用保険法施行規則82条の5)。ハローワークの案内は、本人・代理人・郵送のどれでも出せると書いています。
取り違えやすいのは、7日の起算です。7日は「支給が決まった日の翌日から」で、申請した日からではありません。申請してからハローワークで要件を確かめ、支給が決まるまでの日数は、案内にも条文にも書かれていないので、ここで目安を示すことはできません。
| 何の日数か | 起算 | 長さ |
|---|---|---|
| 申請の期限 | 就職した日の翌日から | 1か月以内 |
| 支給までの日数 | 支給が決まった日の翌日から | 7日以内 |
申請には受給資格者証のほか、前の会社に再び雇われたのではないことを証明できる書類を添えます(施行規則82条の5)。何を出せばよいかは管轄のハローワークの案内で確かめて、早めに会社へ頼みます。入社直後は書類が多く、頼みそびれると1か月はすぐ過ぎます。期限を過ぎた場合の扱いは確かめられなかったので、ここでは書きません。過ぎそうなときは、その時点でハローワークに相談してください。
再就職先で6か月以上働き、賃金が前より下がった人は、就業促進定着手当を受けられることがあります。申請の時期がまったく違うので、就業促進定着手当 で別に確かめてください。
出ない就職でも確かめておくこと
時期の条件を満たしていても、再就職手当が出ない就職があります。どの要件に当たるかは、内定の段階で確かめておくと慌てずに済みます。
ハローワークの案内に並ぶ要件のうち、時期以外の要件は次のとおりです。
- 離職した前の事業主に再び就職したものでないこと(資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがある事業主も含む)
- 1年を超えて勤務することが確実であること
- 原則として、雇用保険の被保険者になっていること
- 過去3年以内の就職について、再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと
前の会社に戻る場合は、案内の要件③に当たらないので対象外です。関連会社への就職も、資本・人事・取引などの関わり方によっては同じ扱いになります。1年を超えて勤務することが確実かどうかについて、案内は、1年以下の雇用期間で更新に一定の目標達成が条件になっている場合や、派遣で更新が見込まれない場合は当たらない、と書いています。
年齢でも分かれます。再就職手当は基本手当の受給資格者が対象で、65歳以上で離職して高年齢求職者給付金を受ける人は原則として対象外です。60歳以上で再就職し、賃金が下がった人には、条件(算定基礎期間5年以上・支給残日数100日以上など)を満たす人に限り高年齢再就職給付金がありますが、同じ就職で再就職手当を受けた場合は支給されません(どちらか一方)。65歳前後の扱いは 65歳の境目 を見てください。
たとえば、契約社員として1年以下の雇用期間で入社し、更新の条件に一定の目標達成が書かれている人は、1年を超えて勤務することが確実とはいえない、と判断される可能性があります。労働条件の書面を持って、窓口で「この契約で再就職手当の対象になるか」を聞くのが確かです。
なお、再就職手当を受けた後に万一その会社を辞めて失業の状態になった場合は、再就職手当の分を除いた残日数分を受給できる可能性がある、と案内は書いています。辞めることになったら、まずハローワークに相談します。
ハローワークに急いで行かなくていい場合
退職前に次の会社が決まっていて、すぐ働き始める人は、再就職手当のためにハローワークへ急いで行かなくてかまいません。求職の申込みより前から内定していた会社への就職は、再就職手当の対象にならないからです。
厚生労働省のパンフレットは、次の就職が決まっている人は、原則として基本手当などの求職者給付を受けられない、としています。失業の状態ではないためです。ただし、状態によっては支給できる場合もあるので、ハローワークに相談するよう書いています。入社まで間が空く人は、この「状態によって」に当たるかを窓口で聞く価値があります。
- 退職前に内定が出ていて、退職日の翌日から次の会社で働く人:急いで行かなくていい
- 退職後すぐに内定が出て、ハローワークに行く前に入社日が決まった人:再就職手当のためだけなら急がなくていい
- 給付制限が無い人:この要件では待期が終わっていれば応募の経路は問われないので、紹介を受けるためだけに急がなくていい
雇用保険の加入期間にも関わる話があります。厚生労働省のQ&Aは、前の会社を辞めてから、基本手当や再就職手当などを受給せず、1年以内に次の就職先で雇用保険に加入した場合は、前の会社の被保険者期間が通算されると書いています。通算には条件があるので、次の会社で長く働くつもりの人は、ハローワークで確かめておくと先々の受給の計算が分かります。
編集部の読み方では、時期の要件に当てはまるかはハローワークが決めるので、その確認だけなら無料の窓口で足ります。
再就職手当でよくある質問
再就職手当を最短でもらうには、どうすればいいですか?
求職を申し込んだ後に応募し、待期7日が終わってから就職し、就職日の前日までの認定を受けて、就職した日の翌日から早めに申請することです。給付制限がある人は、待期満了後1か月の間はハローワークか職業紹介事業者の紹介による就職でないと対象になりません。支給は、支給が決まった日の翌日から7日以内です。
再就職手当の落とし穴は何ですか?
求職の申込み前の内定、待期中の就職、給付制限がある人の1か月の間のオンライン自主応募の3つが、時期の面での見落としです。就職日の前日の認定を受け忘れることや、申請期限の1か月を過ぎそうになることにも気をつけます。
審査は厳しいですか?
厳しさを示す数字は確かめられていないので、ここでは言えません。要件を満たすかを決めるのはハローワークなので、内定が出た段階で、就職先の名前・雇用の期間・前の会社との関係が分かるものを持って窓口で確かめるのが確実です。
一度辞めた会社に戻ると、再就職手当はもらえますか?
もらえません。ハローワークの案内は、離職した前の事業主に再び就職したものでないことを要件にしていて、前の会社と資本・人事・取引などで密接な関わり合いがある会社も同じ扱いです。
内定日を、求職の申込みの後の日付にしてもらえば対象になりますか?
実際と違う日付で申請するのは偽りの申告です。受けた分の返還に加えて、不正に受けた額の2倍以下の納付を命じられることがあります。内定日がいつに当たるか迷うときは、事実の日付を持ってハローワークで聞いてください。
申請は入社してからでも間に合いますか?
申請の期限は就職した日の翌日から1か月以内なので、入社後に出します。ただし、就職日の前日までの失業の認定は入社前に受ける必要があります。札幌圏のハローワークの案内では就職日の前日に来所する形なので、来所日は管轄の案内に従って入社前に済ませます。
再就職手当をもらえる条件は?失業保険の残り日数と就職の決め方で分かれる可否
数字だけ、もう一度
- 時期の要件:待期7日が終わった後の就職。求職の申込み(受給資格決定)より前から内定していた会社は対象外
- 待期:求職の申込みの日以後、失業している日が通算して7日に満たない間は支給しない
- 給付制限がある人:待期満了後1か月の間は、ハローワークか職業紹介事業者の紹介による就職だけ。オンライン自主応募は紹介にならない
- 支給残日数:就職日の前日までの認定を受けた後で、所定給付日数の3分の1以上。3分の2以上なら70%、3分の1以上3分の2未満なら60%
- 計算に使う日額の上限:60歳未満6,745円・60歳以上65歳未満5,454円(令和9年7月31日まで)
- 就職日の前日:失業認定申告書と採用(内定)証明書を出して認定を受ける。前日が休日(土・日・祝日・年末年始)ならその前の日(札幌圏の案内。来所日と持ち物は管轄の案内に従う)
- 申請:就職した日の翌日から1か月以内。支給は支給が決まった日の翌日から7日以内
- その他の要件:前の会社でない・1年を超えて勤務が確実・原則として被保険者・過去3年以内に受けていない
編集部の見立てでは、就職が早く決まったときに再就職手当を取りこぼすのは、手当の額よりも順番の問題です。求職の申込みと内定の前後、待期の終わり、給付制限がある人の1か月、就職日の前日の認定、翌日からの1か月。この5つの日付を受給資格者証と内定の書類から書き出せば、自分が対象かどうかと、明日から何をすればいいかはほぼ見えてきます。迷う日付が1つでもあれば、その日付を持ってハローワークで聞く。内定の喜びで、前日の認定と申請を後回しにしないことです。

