就業促進定着手当はいくら・いつ申請?再就職後に賃金が下がった時の条件と計算

硬貨と紙幣
  • 再就職して給料が下がった。就業促進定着手当っていくらもらえるの?
  • 自分は対象になる?給料がどれくらい下がれば出るの?
  • 申請はいつから・いつまで?どこに出せばいい?
  • 必要書類は何?会社に何を頼めばいい?
  • 上限の「20%」って、何の20%?前は40%だったと聞いた
  • 月給を何で割るの?通勤手当やボーナスは入る?
  • 時給で働いていると計算が変わる?
  • もらってすぐ今の会社を辞めたら、どうなるの?

上記のような悩みに答えます。

就業促進定着手当は、再就職手当を受けて再就職した人のうち、再就職後の6か月の賃金が辞める前より低かった人に、その差の一部を払う手当です。申請できるのは再就職から半年たってからです。ハローワークのリーフレットは、条件・式・上限の割合を載せています。そこに、同じ人の月給を変えた2つの計算例(編集部の仮定例)を足し、月給を180で割るところから上限と比べるところまでを数字で通しました。あわせて、もらえないケースと会社に頼む書類も、雇用保険法と施行規則の条文、ハローワークのリーフレットで確かめながら整理しました。

先に答え

就業促進定着手当は、再就職手当を受けて同じ会社で6か月以上働き、その6か月の賃金の1日分の額が離職前の賃金日額を下回ったときに出ます。額は差額に賃金の支払基礎日数を掛けた分で、上限は基本手当日額×支給残日数×20%です(2025年4月1日以降に再就職した人・2026年10月時点)。申請は再就職から6か月たった日の翌日から2か月以内です。

2026年10月時点の制度で確かめています

目次

就業促進定着手当がもらえる3つの条件

就業促進定着手当を受けるには、次の3つをすべて満たす必要があります。1つでも欠けると対象になりません。

条件 中身 自分で確かめる書類
① 再就職手当を受けている 再就職手当の支給を受けていること 再就職手当の支給決定通知書
② 同じ会社で6か月以上 再就職手当を受けた再就職の日から、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇われていること 雇用契約書・給与明細の雇用保険料の欄
③ 賃金が下がった 再就職後6か月の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ること 受給資格者証の賃金日額・6か月分の給与明細

出典:ハローワーク「再就職後の賃金が、離職前の賃金より低い場合には『就業促進定着手当』が受けられます」

条文では、就業促進定着手当は再就職手当と同じ雇用保険法56条の3の中に、再就職手当の額に「加えて」払う額として書かれています(雇用保険法56条の3第3項第1号)。対象になる人は施行規則83条の2が定めていて、再就職後6か月に払われた賃金で計算した「みなし賃金日額」が、再就職手当の基本手当日額のもとになった「算定基礎賃金日額」を下回った人です(雇用保険法施行規則83条の2)。編集部の読み方では、条件の①が出発点になるのは、この手当が条文の上で再就職手当の額に加える形で書かれているからです。

①の再就職手当そのものの条件(待期のあとに就職した・支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある、など)は、再就職手当をもらえる条件 にまとめてあります。ここでは、再就職手当はすでに受けている人を前提に進めます。

たとえば、再就職手当を受けて入社し、半年たったいまも同じ会社で雇用保険に入ったまま働いている人なら、①と②は満たしています。残るのは③だけで、これは給与明細と受給資格者証の数字を比べれば自分で見当がつきます。反対に、半年の途中で別の会社に移った人や、雇用保険に入らない働き方に変わった人は、②で外れます。

迷ったときは、③から確かめるのが早い順番です。①と②は自分の経歴で決まっていて動かせませんが、③は数字なので、下の「賃金の1日分の額の出し方」で自分の額を出せば、対象になりそうかがはっきりします。

就業促進定着手当の額は差額と上限で決まる

就業促進定着手当の額は、離職前の賃金日額と再就職後の賃金の1日分の額の差に、賃金の支払基礎日数を掛けた額です。ただし上限があり、それを超える分は出ません。

就業促進定着手当 =(離職前の賃金日額 − 再就職後6か月の賃金の1日分の額)× 再就職後6か月の賃金の支払基礎日数

上限 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 20%(2025年4月1日以降に再就職した人)

出典:ハローワーク「就業促進定着手当」のリーフレット/雇用保険法施行規則83条の3

式の括弧のつけ方に注意してください。先に「1日あたりの差」を出し、そこに日数を掛けます。6か月分の給料の差がそのまま出るのではなく、差額×支払基礎日数で出した額と上限を比べて、低いほうが手当になります。

上限の割合は、いつ再就職したかで変わります。リーフレットは、2025年4月1日以降に再就職した人を20%、それより前に再就職して再就職手当を受けた人を、再就職手当の給付率に応じて30%か40%としています。

再就職した日 再就職手当の給付率 上限の割合
2025年4月1日以降 70%でも60%でも 20%
2025年3月31日以前 70% 30%
2025年3月31日以前 60% 40%

リーフレットの冒頭の注に「最大40%」とあるのは、2025年3月31日以前に再就職した人の割合です。2026年10月にこれを読んでいる人で、2025年4月1日以降に再就職した人は20%で計算します。

上限の式に入る2つの数字にも決まりがあります。基本手当日額は、再就職手当の計算に使う日額と同じ上限がかかり、離職時60歳未満は6,745円、60歳以上65歳未満は5,454円です。支給残日数は、再就職手当を受ける前の支給残日数を使います。つまり上限は「再就職手当の計算に使った日額と残日数」から出るので、再就職手当の支給決定通知書と受給資格者証があれば、自分の上限は先に計算できます。再就職手当の額の出し方は 再就職手当はいくら で詳しく扱っています。

計算例

たとえば、基本手当日額6,307円・支給残日数90日で再就職手当を受けた人なら、上限は 6,307円 × 90日 × 20% = 113,526円 です。同じ人が2025年3月31日以前に70%の再就職手当を受けていたなら、上限は 6,307円 × 90日 × 30% = 170,289円 になります。

編集部の読み方では、まず上限を出しておくのが近道です。上限の計算に使う基本手当日額と支給残日数は、再就職手当を受けたときの数字です。差額×日数がどれだけ大きくても上限を超えては出ないので、上限を先に計算しておけば、半年待たずに最大でいくらかの見当がつきます。

賃金の1日分の額は月給なら180で割る

再就職後6か月の賃金の1日分の額は、月給の人は6か月の賃金の合計を180で割って出します。日給・時給の人は、2つの式で出して高いほうを使います。

給与の形 賃金の1日分の額の出し方
月給 6か月の賃金の合計 ÷ 180
日給・時給 (a)6か月の賃金の合計 ÷ 180 と、(b)(6か月の賃金の合計 ÷ 賃金の支払基礎日数)× 70% の高いほう

出典:ハローワーク「就業促進定着手当」のリーフレット

180で割るのは、離職前の賃金日額と同じ出し方です。雇用保険法17条は、賃金日額を「最後の六箇月間に支払われた賃金(…)の総額を百八十で除して得た額」と定めています(雇用保険法17条)。施行規則83条の2も、再就職後6か月の賃金を17条の賃金とみなして計算する、と書いています。離職前と再就職後を同じ物差しで測るので、比べることができます。

合計に入れる賃金と入れない賃金は、次のとおりです。

  • 入れる:税金や雇用保険料などが引かれる前の総支給額(手取りではない)
  • 入れる:通勤手当や皆勤手当などの手当
  • 入れない:夏冬の賞与など、3か月を超える期間ごとに払われる賃金
  • 数え始め:就職日が賃金締切日の翌日でないときは、就職後最初の賃金締切日のあとの6か月分

支払基礎日数は、式の最後に掛ける日数です。月給制は暦日数(30日、31日など)、日給月給はその基礎になる日数、日給制・時給制は働いた日数です。月給の人は、6か月の暦日数を足せば自分の日数が出ます。

計算例

たとえば時給で働き、再就職後6か月の賃金の合計が1,080,000円、働いた日数が100日の人なら、(a)1,080,000円 ÷ 180 = 6,000円、(b)1,080,000円 ÷ 100日 = 10,800円、10,800円 × 70% = 7,560円 です。高いほうの7,560円が、この人の賃金の1日分の額になります。

時給・日給の人で働いた日数が少ないと、(a)の180で割る式では1日分の額が低く出ます。(b)はそれを補う式なので、両方を計算して高いほうを使ってください。もう1つ、出した1日分の額が賃金日額の上限額を超えるときは上限額、下限額(3,203円)より低いときは下限額とみなします。受給中のアルバイトの扱いとは別の話なので、そちらは 失業保険をもらいながらバイト を見てください。

月給が下がった人の計算例

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同じ人で、再就職後の月給だけを変えた2つの例を出します。数字はどちらも編集部の仮定例で、実際に支給された例ではありません。下がり幅が小さい人は差額がそのまま出て、下がり幅が大きい人は上限で止まります。

計算例

前提(編集部の仮定例):離職時35歳、受給資格者証の賃金日額10,000円(辞める前の6か月の賃金が月300,000円に当たる。10,000円 × 180 ÷ 6 = 300,000円)、支給残日数90日で就職し再就職手当を受けた。4月1日に入社し、会社は月末締め。

  • 基本手当日額(60歳未満の式:y = 0.8w − 0.3 × {(w − 5,480) ÷ (13,490 − 5,480)} × w、w=賃金日額10,000円):0.8 × 10,000 = 8,000、4,520 ÷ 8,010 = 0.5642…、0.3 × 0.5642… × 10,000 = 1,692.8…、8,000 − 1,692.8… = 6,307.1… → 1円未満を切り捨てて6,307円(上限6,745円より低いのでそのまま使う)
  • 再就職手当:6,307円 × 90日 × 70% = 397,341円
  • 定着手当の上限:6,307円 × 90日 × 20% = 113,526円
  • 支払基礎日数(月給制=暦日数):4月から9月で 30日 + 31日 + 30日 + 31日 + 31日 + 30日 = 183日
例1 月給288,000円 例2 月給240,000円
6か月の賃金の合計 288,000円 × 6 = 1,728,000円 240,000円 × 6 = 1,440,000円
賃金の1日分の額 1,728,000円 ÷ 180 = 9,600円 1,440,000円 ÷ 180 = 8,000円
1日あたりの差 10,000円 − 9,600円 = 400円 10,000円 − 8,000円 = 2,000円
差 × 支払基礎日数 400円 × 183日 = 73,200円 2,000円 × 183日 = 366,000円
上限との比較 73,200円は113,526円より低い 366,000円は113,526円より高い
就業促進定着手当 73,200円 113,526円(上限で止まる)
月給240,000円に下がると、上限の113,526円で止まる
(離職前の賃金日額 − 賃金の1日分の額)×支払基礎日数=定着手当(上限あり)
(10,000円 − 8,000円)×183日=366,000円 → 上限113,526円

出典:ハローワーク「就業促進定着手当」のリーフレット(式・上限の割合・180で割る出し方)/ハローワーク「再就職手当のご案内」(再就職手当の式)

2つを並べると、手当の額は月給の下がり幅に比例して増えるわけではないことが分かります。例2は1日あたりの差が例1よりずっと大きいのに、手当は上限で止まるので、差の開きほどには増えません。上限は基本手当日額と支給残日数で決まるので、再就職手当を受けたときの残日数が少なかった人ほど、上限が低くなります。

計算例

同じ人が支給残日数45日で再就職手当を受けていたなら、上限は 6,307円 × 45日 × 20% = 56,763円 です。この場合は例1の73,200円も上限を超えるので、どちらの例も56,763円で止まります。

自分の額を出すときは、受給資格者証の賃金日額、再就職手当の支給決定通知書の基本手当日額と支給残日数、6か月分の給与明細の総支給額、の3つをそろえて、上の表と同じ順に計算します。離職前の基本手当日額や残日数がうろ覚えなら、受給資格者証が手元にない間の目安として 失業保険の計算ツール で日額を出し直すこともできます。最終的な額はハローワークが決めます。

もらえない・減るケース

3つの条件を満たさないとき、または満たしていても差が出ないときは、就業促進定着手当は出ません。リーフレットの注記に埋もれやすいものを、ここで並べます。

  • 起業して再就職手当を受けた:リーフレットは「起業により再就職手当を受給した場合には、就業促進定着手当は受けられません」としています
  • 6か月たつ前に雇用保険の資格を失った:事業主都合の出向などであっても、6か月経過前に再就職先での被保険者資格を失った場合は受けられません
  • 離職前の賃金日額が下限額だった:下限額(3,203円)の人は、再就職後の1日分の額が下回ることがないので受けられません
  • 再就職後の賃金が下がっていない:1日分の額が離職前の賃金日額と同じか上なら、条件③を満たしません
  • 再就職手当を受けていない:条件①を満たさないので、そもそも対象になりません

減るほうのケースもあります。離職前の賃金日額が上限額を超えていた人は、上限額で計算します。上限額は年齢で分かれていて、30歳未満14,900円、30歳以上45歳未満16,540円、45歳以上60歳未満18,220円、60歳以上65歳未満17,400円です(2026年8月1日から。毎年8月1日に改定)。辞める前の給料が高かった人ほど、実際の下がり幅より計算上の差が小さくなります。

出典:ハローワーク「就業促進定着手当」のリーフレット/厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」

もう1つ減る方向に働くのは、上で見た上限です。支給残日数が少ない状態で再就職手当を受けた人は、上限も小さくなります。

たとえば、会社の都合で入社して半年たたないうちに関連会社へ出向になり、出向先で雇用保険に入り直した人は、6か月たつ前に再就職先での資格を失っているので対象外です。反対に、同じ会社の中で部署が変わっただけなら、事業主は同じなので②は崩れません。境目の判断に迷うときは、雇用保険の資格の記録が切れていないかを会社の担当者に確かめ、そのうえでハローワークに聞くのが確実な順番です。

申請は6か月たった翌日から2か月以内

手帳と2本のペン

就業促進定着手当の申請期間は、再就職した日から6か月経過した日の翌日から2か月間です。申請先は、再就職手当の支給申請をしたハローワークで、郵送でも申請できます。

6か月働いた翌日から、2か月の間に申請する
同じ会社で働く再就職した日から6か月
申請期間6か月経過した日の翌日から2か月
支給支給決定の翌日から7日以内

条文(施行規則83条の4)は、就職した日から「起算して六箇月目に当たる日の翌日から起算して二箇月以内」に、支給申請書に書類と受給資格者証を添えて出す、と定めています。支給が決まったら、その翌日から7日以内に払われます(施行規則83条の5)。7日は申請した日からではなく、支給が決まった日の翌日から数えます。

取り違えやすいのが、再就職手当の期限です。再就職手当は「就職した日の翌日から1か月以内」に出すもので、就業促進定着手当とは起点も長さも違います。

手当 申請できる期間
再就職手当 就職した日の翌日から1か月以内
就業促進定着手当 再就職した日から6か月経過した日の翌日から2か月間

申請期間は6か月経過した日の翌日からです。早く出せば早く入るものではないので、6か月たったら書類をそろえ、2か月の間に出す、という順番になります。

申請書は自分で探さなくても手元にあることがあります。リーフレットによると、就業促進定着手当の支給申請書は、再就職手当の支給決定通知書と一緒にハローワークから郵送されます。再就職手当の通知が届いた封筒を捨てていないか、まず確かめてください。見当たらないときは、再就職手当を申請したハローワークに連絡します。

申請期限を過ぎた場合の扱いは、ここでは書けません。期限内に出すことを前提に、間に合いそうにないと分かった時点で、再就職手当を申請したハローワークに確かめてください。手続き全体の流れは 失業保険のもらい方 にあります。

必要書類4点と会社に頼むもの

申請に要る書類は4点です。このうち出勤簿の写しは、会社に頼むことになります。6か月がたつ少し前に頼んでおくと、申請期間に入ってから慌てずに済みます。

書類 用意の目安(編集部の整理)
① 就業促進定着手当支給申請書 自分(再就職手当の支給決定通知書と一緒に郵送される)
② 雇用保険受給資格者証 自分(失業保険の手続きで受け取ったもの)
③ 就職日から6か月間の出勤簿の写し 会社
④ 就職日から6か月間の給与明細または賃金台帳の写し 自分(給与明細)または会社(賃金台帳)

出典:ハローワーク「就業促進定着手当」のリーフレット

条文の書き方は「賃金台帳その他の…六箇月間に支払われた賃金の額を証明することができる書類」と「出勤簿その他の…六箇月間のうち賃金の支払の基礎となつた日数を証明することができる書類」です(施行規則83条の4)。リーフレットの4点は、編集部の読み方では、条文が求める「賃金の額を証明する書類」と「支払基礎日数を証明する書類」を具体的に示したものです。会社に頼むのは、6か月間の出勤簿の写しです。

④の期間には注意があります。就職日が賃金締切日の翌日でない場合は、就職後最初の賃金締切日のあとの6か月分です。たとえば月の途中で入社した人は、入社した月の端数の給与は含めず、その次の締切のあとから6か月分を出します。会社に頼むときは「何月分から何月分まで」を締切日に合わせて伝えてください。

会社への頼み方は、用途をそのまま言えば足ります。「ハローワークに就業促進定着手当の申請をするので、入社から6か月分の出勤簿の写しを出してもらえますか」と人事や総務の担当者に伝えます。受け取った写しで足りるかは、再就職手当を申請したハローワークの窓口で確かめます。

就業促進定着手当をもらった後に辞めたら

就業促進定着手当を受けたあとに今の会社を辞めることを考えている人が確かめておきたいのは、その後の失業保険がどうなるかです。

リーフレットは、就業促進定着手当の支給後に離職し失業状態になった場合は、再就職手当と就業促進定着手当を除く残日数分の基本手当を受給できる場合がある、としています。また、12か月(解雇・倒産などによる退職の場合は6か月)以上働いた後は、新たに雇用保険の受給資格が生じるので、その受給資格で基本手当を受けることになります。

出典:ハローワーク「就業促進定着手当」のリーフレット

ここで大事なのは「受給できる場合があります」という書き方です。前の受給資格の残日数が使えるかどうかは、リーフレットでも決まったものとしては書かれていません。

リーフレットが示すのは、12か月(解雇・倒産などによる退職の場合は6か月)以上働いた後は、新しい受給資格が生じるという線です。それより短い期間で辞める場合は、前の受給資格の残日数が使えるかどうかがハローワークでの確認事項になります。辞めることを考えはじめたら、受給資格者証と新しい会社での勤続期間を持ってハローワークに行き、「辞めたらどの受給資格で、何日分受けられるか」を聞いてから退職日を決めるのが安全です。

定着手当の申請をしなくていい場合

就業促進定着手当は、条件に当たる人が申請して受けるものです。次に当てはまる人は、対象にならないので、出勤簿の写しを会社に頼んだり、申請書を書いたりする必要はありません。

  • 再就職後の賃金が下がっていない:6か月の賃金の1日分の額が、受給資格者証の賃金日額と同じか上なら、条件③を満たしません
  • 離職前の賃金日額が下限額(3,203円)だった:再就職後の1日分の額が下回ることがないので、対象になりません
  • 起業して再就職手当を受けた:就業促進定着手当は受けられません
  • 6か月たつ前に再就職先の雇用保険の資格を失った:出向などが理由でも受けられません

当てはまるかどうかは、上の「賃金の1日分の額の出し方」で自分の数字を出せば分かります。月給の人なら、6か月の総支給額を180で割り、受給資格者証の賃金日額と比べるだけです。上回っていれば、そこで手続きは終わりです。

反対に、計算して下回っていた人は、申請しないと手当は払われません。申請の手伝いをうたう有料のサービスを使わなくても、申請書は郵送で届き、書類は4点で、出す先は再就職手当を出したハローワークです。迷うところは、再就職手当を申請したハローワークの窓口で聞けます。

就業促進定着手当でよくある質問

就業促進定着手当はいくらもらえますか?

(離職前の賃金日額 − 再就職後6か月の賃金の1日分の額)× 支払基礎日数で出し、上限と比べて低いほうです。編集部の仮定例では、賃金日額10,000円の人が月給288,000円になると73,200円、月給240,000円になると上限の113,526円です。自分の額は給与明細と受給資格者証で出せます。

対象者はどんな人ですか?

再就職手当を受けていて、同じ会社に6か月以上雇用保険の被保険者として雇われ、その6か月の賃金の1日分の額が離職前の賃金日額を下回る人です。起業して再就職手当を受けた人は対象外です。

上限の20%は、何の20%ですか?

基本手当日額×支給残日数の20%です。基本手当日額には再就職手当と同じ上限(60歳未満6,745円・60歳以上65歳未満5,454円)がかかり、支給残日数は再就職手当を受ける前の日数です。2025年3月31日以前に再就職した人は、30%か40%です。

申請書はどこでもらえますか?

再就職手当の支給決定通知書と一緒に、ハローワークから郵送されます。見当たらないときは、再就職手当を申請したハローワークに連絡してください。

デメリットはありますか?

気をつけたいのは、出勤簿などの写しを会社に頼む手間と、申請期間の2か月を逃さないことです。支給後に辞めた場合の失業保険は、上の「就業促進定着手当をもらった後に辞めたら」のとおり、受けられる場合がある、という扱いです。

手取りではいくらになりますか?

税金の扱いは、ここでは確かめられていないので書けません。気になる人は、申請のときにハローワークで聞くか、税務署に確かめてください。

出向になったら対象外ですか?

6か月たつ前に再就職先での雇用保険の資格を失った場合は、事業主都合の出向であっても受けられません。資格が続いているかは、会社の担当者に確かめてからハローワークで聞いてください。

再就職手当をもらえる条件は?失業保険の残り日数と就職の決め方で分かれる可否

失業保険をもらいながらバイトは何時間・いくらまで?1日4時間と週20時間の線

再就職手当はいくら?残日数の70%か60%で決まる|月給30万の計算例と上限額

数字だけ、もう一度

  1. 3つの条件:再就職手当を受けた/同じ会社に6か月以上、被保険者として雇われた/6か月の賃金の1日分の額が離職前の賃金日額を下回った
  2. 額の式:(離職前の賃金日額 − 賃金の1日分の額)× 支払基礎日数。上限は基本手当日額×支給残日数×20%(2025年4月1日以降に再就職した人。それより前は30%か40%)
  3. 1日分の額:月給は6か月の総支給額÷180。日給・時給は÷180と(÷支払基礎日数×70%)の高いほう。賞与は入れない
  4. 計算例:賃金日額10,000円・基本手当日額6,307円・残日数90日の人で、月給288,000円なら73,200円、月給240,000円なら上限の113,526円(編集部の仮定例)
  5. もらえない:起業で再就職手当を受けた/6か月前に資格を失った/離職前の賃金日額が下限額3,203円/賃金が下がっていない
  6. 申請期間:再就職した日から6か月経過した日の翌日から2か月間。再就職手当の「翌日から1か月以内」とは別
  7. 書類:申請書・受給資格者証・出勤簿の写し・給与明細か賃金台帳の写しの4点。申請先は再就職手当を出したハローワーク(郵送可)
  8. 支給:支給決定の翌日から7日以内
  9. 支給後に辞めたら:残日数分の基本手当を受けられる場合がある。12か月(解雇・倒産などは6か月)以上働いた後は新しい受給資格で受ける

就業促進定着手当は、再就職手当の続きとして、半年たってから自分で取りに行く手当です。上限は再就職手当のときの日額と残日数から先に出せて、あとは6か月の給与明細で差が出るかどうかなので、半年を待たずに上限を出しておき、6か月目が近づいたら会社に出勤簿の写しを頼む。届いた申請書と給与明細で差を計算し、下回っていれば2か月の間に出す。下回っていなければ、そこで手続きを終えてかまいません。

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この記事を書いた人

やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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