傷病手当金の申請書の書き方は?本人・会社・医師の記入欄と提出の手順・期限

書類に記入する手元
  • 傷病手当金の申請書は、どこで手に入れて、誰が書くの?
  • 会社と医師には、いつ、何を頼めばいい?
  • 退職するとき、退職したあとは、会社の欄はどうなる?
  • いつまでに出せばいい?何か月分かまとめて出してもいい?
  • 医師の証明は毎月もらわないといけないの?
  • 転院したら、申請書はどう分ける?
  • 申請してから、いつ振り込まれる?
  • 健保組合に入っている人も同じ申請書でいい?

上記のような悩みに答えます。

傷病手当金の申請書は、本人だけでは書き終わらない書類です。本人の欄のほかに、会社の証明と医師の証明が要るので、誰に、いつ、どの期間の分を頼むかを決めないと手が止まります。欄ごとの書き方を説明するページはありますが、編集部が確かめた範囲では、退職を控えた人が在職中に何をいつ頼んでおくか、在職中と退職後で会社の証明が要るかどうかを日付の順に並べたページは見つかりませんでした。そこで、4ページの分担・申請の単位・時効という基本を押さえたうえで、退職をまたぐときの申請期間の分け方と、会社に証明を頼まなくていい場合まで、健康保険法の条文と協会けんぽの申請書・記入の手引きで確かめながら整理しました。

先に答え

協会けんぽの傷病手当金支給申請書は4ページで、1〜2ページを本人、3ページを会社、4ページを医師が書きます。申請は1か月単位で給与の締切日ごとに出すのが協会けんぽのお勧めで、時効は働けなかった日ごとにその翌日から2年です(2026年10月時点)。退職後の期間だけを申請するなら、会社が書く3ページ目は空欄で出せます。

2026年10月時点の制度で確かめています

傷病手当金の額・いつまで受け取れるか・受給の条件は、傷病手当金はいくら・いつまで にまとめています。ここでは申請書の書き方と出し方に絞ります。

目次

申請書は4ページで、書く人は3者に分かれる

書類に記入する手元

協会けんぽの健康保険傷病手当金支給申請書は4ページで、本人・会社・医師の3者が、それぞれ決まったページを書きます。1〜2ページが被保険者(本人)、3ページが事業主(会社)、4ページが療養担当者(医師など)の記入用です(協会けんぽ 記入の手引き)。

協会けんぽのよくある質問でも、申請書は被保険者・事業主・主治医が各項目を記入し、必要書類を添えて提出すると案内されています(協会けんぽ よくあるご質問)。本人が書けるのは自分のページだけで、会社のページと医師のページは、それぞれに頼んで書いてもらうことになります。申請書が手元に戻ってくるまでに、会社と医療機関の2か所を経由する、と考えておくと段取りが組みやすくなります。

ページ 書く人 主な中身
1〜2ページ 本人(被保険者) 記号・番号、氏名、住所、振込先、申請期間、傷病名、報酬・年金・労災などの確認事項
3ページ 会社(事業主) 申請期間の勤務状況と賃金の支払状況の証明
4ページ 医師など(療養担当者) 傷病名、初診日、労務不能と認めた期間、症状と経過、治療内容などの証明

申請書そのものは、協会けんぽのウェブサイトの申請書のページから手に入ります(協会けんぽ「健康保険傷病手当金支給申請書」)。様式は改定されることがあるので、2026年9月版の様式(申請書の下に「2026.9」とあるもの)を前提に読んでください。

健保組合に入っている人は、加入先の健保組合の様式と案内を確かめます。ページの数や並び、提出先が協会けんぽと同じとは限らないので、健保組合のウェブサイトか会社の人事・総務で、自分の健保組合の申請書を手に入れてください。

たとえば、すでに休職している人なら、本人のページを書いてから会社に3ページ目を、医療機関に4ページ目を頼む、という順で進めることになります。順番に決まりはありませんが、編集部の読み方では、本人のページで申請期間を先に決めておくと、会社にも医師にも「この期間の分をお願いします」と同じ期間で頼めるので、期間の食い違いが起きにくくなります。

本人が書く1〜2ページ目

本人のページでは、自分の情報と振込先に加えて、申請期間と、報酬・年金・労災についての確認事項を書きます。中でも申請期間は、会社の3ページ目と医師の4ページ目にもかかわる欄です。

申請期間は、療養のために働けなかった期間のうち、今回の申請で受け取りたい期間です。会社はその期間の勤務と賃金の状況を、医師はその期間について労務不能と認めたかを証明するので、3者が同じ期間を見ていないと、書類どうしがかみ合いません。

  • 記号・番号、氏名、住所:退職後の申請でも、記号・番号は勤めていたときのものを書く
  • 振込先:給付金を受け取る口座
  • 申請期間:療養のために休んだ期間のうち、今回申請する分
  • 傷病名と仕事の内容:退職後の申請でも、仕事の内容は在職時のものを書く
  • 確認事項:申請期間に報酬を受けたか、同じ病気・けがで障害厚生年金などを受けているか、老齢・退職の年金を受けているか(退職後の期間を申請するとき)、今回の申請期間に別の傷病で労災保険から休業補償給付を受けているか

確認事項で年金を受けていると答えた場合は、傷病手当金の額が調整されます(健康保険法108条)。調整の細かい計算は申請書には書かないので、受けている年金があれば正直に答え、年金証書などの写しが要るかは下の「添付書類」の項で確かめます。

申請期間の最初の日は、待期とのかね合いで迷いやすいところです。傷病手当金は、働けなくなった日から連続した3日間(待期)のあと、4日目以降の働けなかった日に支給されます。待期には有給休暇や土日祝日などの公休日も含まれ、給与が出たかどうかは関係ありません。ただし、連続して2日間休んだあと3日目に仕事をした場合は、待期の3日間は成立しません(協会けんぽ「傷病手当金」)。

たとえば、月曜から体調を崩して休み、月・火・水と続けて休んだ人は、木曜から支給の対象になります。月・火と休んで水曜に出勤し、木曜からまた休んだ人は、月・火の2日では待期が成立していないので、木曜から数え直すことになります。自分の初日がどちらになるか迷うときは、休み始めた日からの出勤・欠勤を会社の勤怠の記録で確かめてから申請期間を書くと、3ページ目と食い違いません。

会社に頼む3ページ目

3ページ目は、会社が申請期間の勤務状況と賃金の支払状況を証明するページです。傷病手当金は、休んだ期間に給与の支払いがないこと(給与が傷病手当金の額より少ないときは差額を支給)が条件の1つなので、その期間に出勤したか、賃金が出たかを会社が書きます。

協会けんぽの記入の手引きと支部の案内では、会社が書く内容は次のとおりです(協会けんぽ北海道支部の資料)。会社の担当者が慣れていないときは、この部分を見せながら頼むと話が早く進みます。

会社が書くこと 中身
年月 申請期間に対応する年月を、出勤や給与の支給がなくても書く
出勤日 申請期間の中に出勤した日があれば印を付ける
報酬 出勤していない日に報酬などを支払った場合に書く(支払いがなければ書かない)
事業主の欄・証明日 必ず書く
期間が長いとき 申請期間が4か月以上になる場合は、事業主の証明を複数枚付ける(協会けんぽ支部の案内)

ここでいう報酬には、有給休暇の賃金も含まれます。協会けんぽは、出勤していない日に支払われた報酬として、有給休暇の賃金、出勤の有無にかかわらず出ている手当(通勤手当・扶養手当・住宅手当など)、食事や住居などの現物支給を挙げています。残業手当のように出勤した日に対して出たものや、見舞金のような一時的なものは書く必要がありません(協会けんぽ よくあるご質問)。

有給休暇を使った日は、傷病手当金が出ないと決まっているわけではありません。有給休暇の賃金が傷病手当金の額より多ければその日は支給されず、少なければ差額が支給されます(健康保険法108条1項)。会社が有給休暇の日を正しく書いてくれれば、調整は協会けんぽの側で行われます。

たとえば、休職に入る前に有給休暇を何日か使い、そのあと無給の休職に入った人の場合です。有給休暇を使った日も、療養のため働けなかった日であれば、会社は3ページ目にその日の賃金を書き、協会けんぽがその日の傷病手当金の額と比べます(協会けんぽの案内では)。申請期間の区切り方に迷うときは、加入する協会けんぽ支部に確認してください。

編集部の読み方では、申請期間を書いた1〜2ページ目の写しを見せて頼むと、期間の食い違いが起きにくくなります。証明が遅いときは、給与の締切日のあと、いつごろ証明をもらえるかを人事・総務に聞いておくと、次の申請の段取りも立てやすくなります。

医師に頼む4ページ目

4ページ目は、医師などの療養担当者が、傷病名・初診日・労務不能と認めた期間・症状と経過・治療内容などを証明するページです。申請期間ごとに、その期間について医師の証明が要ります。

支給するかどうかを決めるのは保険者(協会けんぽ)です。協会けんぽは、仕事に就くことができないかどうかを、療養担当者の意見等を基に、被保険者の仕事の内容を考慮して判断すると案内しています(協会けんぽ「傷病手当金」)。医師の証明は判断の大きな材料ですが、医師の証明があれば必ず支給されるという仕組みではありません。

協会けんぽの記入の手引きには、4ページ目について次の注意があります(協会けんぽ 記入の手引き)。

  • 主治医が変わったときなど、4ページ目が複数に分かれる場合は、申請期間を分けて申請する
  • 分けた申請書ごとに、1〜3ページ目もそれぞれ書く
  • 転院した場合は、それぞれの病院で療養担当者の意見を受ける
  • 別の傷病で申請する場合は、その傷病について別に証明を受ける
計算例

たとえば、4月1日から4月15日までをA病院、4月16日から4月30日までをB病院で診てもらった人は、4月1日から4月15日までの分と、4月16日から4月30日までの分を、別々の申請書で出します。

医師の証明をもらう間隔や何回受診すれば証明が出るかについて、協会けんぽの案内に定めは見当たりませんでした(2026年10月時点で編集部が確かめた範囲)。診察の頻度は主治医・医療機関と相談して決めます。申請を1か月単位にすれば、医師に証明を頼むのもその都度になるので、受診の予定と申請の時期をそろえておくと手間が減ります。

医療機関に頼むときは、4ページ目と、申請期間を書いた1〜2ページ目の写しを持っていきます。何日で書いてもらえるか、費用がかかるかは医療機関によって違うので、受付で先に聞いておきます。

出すのは1か月ごと、期限は日ごとに2年

協会けんぽは、傷病手当金を1か月単位で、給与の締切日ごとに申請することを勧めています。協会けんぽが1か月単位を勧める理由は、給与の支払いの有無について事業主の証明が必要になるためです(協会けんぽ よくあるご質問)。これは「お勧め」として案内されているものです。

まとめて出してはいけないという定めは協会けんぽの案内には見当たりませんが、協会けんぽは1か月単位で給与の締切日ごとに出すことを勧めています。まとめて出せるかは加入する協会けんぽ支部に確かめてください。

待期3日のあと、締切日ごとに1か月分ずつ出す
1回目:待期連続3日・支給されない
1回目:支給の対象4日目から最初の締切日まで
2回目の申請期間次の締切日まで(1か月単位)

期限は時効で決まります。健康保険法は、保険給付を受ける権利は、これを行使することができる時から2年を経過したときは時効によって消滅する、と定めています(健康保険法193条1項)。協会けんぽは、傷病手当金の時効の起算日は労務不能であった日ごとにその翌日だと案内しています(協会けんぽ「健康保険傷病手当金支給申請書」)。

起算が日ごとなので、「退職してから2年」「休み始めてから2年」で一度に締め切られるわけではありません。働けなかった日の1日1日に、それぞれ翌日から2年の期限があり、古い日から順に時効にかかっていきます。

たとえば、何か月も申請しないまま療養していた人が、気づいたときには古い日の分が2年を過ぎていた場合、その日の分は受け取れませんが、2年を過ぎていない日の分は申請できます。出し忘れに気づいたら、まとめて出せるかを悩むより、時効にかかっていない期間の分を早く出すほうが取りこぼしが少なくなります。

支給期間の上限にも触れておきます。傷病手当金は、同じ病気・けがについて、支給を始めた日から通算して1年6か月まで受け取れます(健康保険法99条4項)。令和4年1月1日からの通算の仕組みで、途中で働いて支給されない期間があれば、その分は繰り越されます(厚生労働省)。

退職をまたぐときは申請期間を分ける

封筒と万年筆

退職をまたいで傷病手当金を受けるときは、退職日までの期間と、退職日の翌日(資格喪失日)以降の期間で、申請書を分けて考えます。3ページ目の会社の証明が要るかどうかが、ここで変わるからです。

協会けんぽの記入の手引きでは、資格喪失日以降の期間に関する申請については、3ページ目を空欄で提出するよう案内されています。反対に、申請期間に退職日以前の期間が含まれる場合は、勤め先の事業所に証明を受けます(協会けんぽ 記入の手引き)。退職後の申請では、記号・番号は勤めていたときのもの、仕事の内容は在職時のものを書きます。

退職日を含むかどうかで、3ページ目が変わる
退職日以前の期間を含む申請

  • 3ページ目は会社の証明が要る
  • 4ページ目は医師の証明が要る
資格喪失日以降の期間だけの申請

  • 3ページ目は空欄で出せる
  • 4ページ目は医師の証明が要る

退職後も受け取り続けるには、継続給付の条件を満たしている必要があります。健康保険法104条は、資格喪失の日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けているものは、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる、と定めています(健康保険法104条)。協会けんぽは、この1年に任意継続被保険者・共済組合の組合員である被保険者・国民健康保険に加入していた期間を含めないと案内しています(協会けんぽ よくあるご質問)。

協会けんぽは、退職日に出勤したときは継続給付を受ける条件を満たさないため、退職日の翌日以降の傷病手当金は支払えないと案内しています。また、退職後に一度仕事に就ける状態になったあと、再び就けなくなっても支給されません(協会けんぽ「傷病手当金」)。短時間の出勤や挨拶だけの出勤が当たるかは、事前に加入する協会けんぽ支部へ確認してください。退職日の決め方や有給休暇との並べ方は、休職から退職する時の順番 で扱っています。

ここまでを、いまの状況ごとに並べると次のとおりです。

いまの状況 どの期間を 誰に頼むか
すでに休職中で、退職は決めていない 給与の締切日ごとに1か月分ずつ 毎回、会社(3ページ目)と医師(4ページ目)
退職日が決まっている 退職日までの分を、退職日で区切って 会社(3ページ目)と医師(4ページ目)。退職日の翌日以降の分は別の申請書に
退職後に初めて申請する 退職日までの分と、退職日の翌日以降の分を別々に 退職日までの分は会社と医師、退職日の翌日以降の分は医師だけ

退職日が決まっている人は、退職日を申請期間の区切りにするのが分かりやすい方法です。退職日までの分で会社の証明をもらっておけば、退職後の申請は会社を通さずに、本人と医師だけで進められます。編集部の整理では、退職前の最後の給与の締切日から退職日までの分をどう証明してもらうかを、退職の話をするときに人事・総務と決めておくのが、あとで会社に連絡を取らずに済む近道です。

退職後に初めて申請する人も、退職日以前の休業日が含まれていれば、その分は会社の証明が要ります。3ページ目を空欄で出せるのは、退職日の翌日以降の期間だけの申請書です。そのため、退職日以前の分と以後の分は申請書を分けます。会社と連絡を取りにくい事情があっても、以後の分は医師の証明がそろいしだい出せます。

提出先と、出したあとの流れ

紙の申請書は、加入している協会けんぽの都道府県支部へ郵送で出します。協会けんぽは電子申請も用意していて、記入もれなどのミスをシステムのチェックで防げること、申請後の処理状況を確かめられることから、電子申請を勧めています(協会けんぽ「健康保険傷病手当金支給申請書」)。

自分の加入支部は、「資格情報のお知らせ」か、マイナポータルの健康保険証の資格情報の画面で確かめられます。電子申請なら提出先を選ぶ必要はありません。協会けんぽの支部の窓口で現金で受け取ることはできないので、振込先の口座は書き間違えないようにします。

  1. 本人が1〜2ページ目を書き、申請期間を決める
  2. 会社に3ページ目、医療機関に4ページ目を頼む(退職後の期間だけなら3ページ目は空欄)
  3. 添付書類があればそろえ、加入支部へ郵送するか電子申請する
  4. 審査の結果、支払いが可能であれば、受付日から10営業日以内に支払われる
本人の欄から書き始め、そろったら支部へ
  1. 1本人が1〜2ページ目申請期間を決める
  2. 2会社が3ページ目退職後の期間だけなら空欄
  3. 3医師が4ページ目申請期間の労務不能の証明
  4. 4支部へ郵送か電子申請受付日から10営業日以内(支払い可能なとき)

10営業日以内というのは、審査の結果お支払い可能であれば、という条件つきの案内です(協会けんぽ よくあるご質問)。記入もれや書類の不足があれば、確認のやりとりの分だけ入金が後ろにずれると見ておくのが安全です。

たとえば、1か月分を締切日のあとに出す人は、会社と医師の証明がそろうまでの日数に、受付からの日数が加わったころに入金されると見込んでおきます。生活費の見通しを立てるなら、締切日から入金までの間は収入がない前提で考え、2回目以降は前の申請が届いたらすぐ次の分の準備に入ると、間が空きにくくなります。

添付書類が要るのはどんなときか

傷病手当金の申請は、申請書だけで済む人もいれば、事情によって添付書類が要る人もいます。協会けんぽが主なものとして挙げているのは次のとおりです(協会けんぽ「健康保険傷病手当金支給申請書」)。

こんなとき 添付するもの
直近12か月以内に勤務先や健康保険の番号が変わった 健康保険加入状況等申告書
障害厚生年金・障害手当金・老齢退職年金を受けていて、マイナンバーによる情報照会を希望しない 年金証書や年金額改定通知書などの写し
労災保険から休業補償給付を受けている 休業補償給付支給決定通知書の写し
病気・けがの原因が交通事故など第三者の行為 第三者行為による傷病届
本人が亡くなり、相続人が請求する 戸籍謄本など
マイナンバーを書いた 本人確認書類

協会けんぽは、場合によっては掲載のない添付書類が要ることもあるとしています。一方で、賃金台帳や出勤簿の写しのような不要な書類は付けないよう案内しています。記号・番号を書けばマイナンバーは不要です。医師の証明は4ページ目に書いてもらうもので、診断書を別に付けるよう求める記載は見当たりません。

額の計算で、支給開始日以前の加入期間が12か月に満たない人は、加入している期間の標準報酬月額の平均と、支給開始日が令和7年4月1日以降なら32万円(令和7年3月31日以前は30万円)の、いずれか低い額を使います(協会けんぽ よくあるご質問)。

額の目安は、協会けんぽの公式の計算例が分かりやすいので引いておきます。

計算例

支給開始日が令和8年2月15日で、標準報酬月額が令和7年3月から8月までが16万円、令和7年9月から令和8年2月までが18万円の人は、平均が17万円です。17万円÷30≒5,670円(10円未満四捨五入)、5,670円×2/3=3,780円(1円未満四捨五入)が1日あたりの支給額になります(協会けんぽ「傷病手当金」)。

たとえば、支給開始日以前の加入期間が12か月に満たない人(支給開始日が令和7年4月1日以降の場合)は、加入している期間の標準報酬月額の平均と32万円を比べて、低いほうを使います。標準報酬月額は会社の人事・総務に確認してください。額の考え方の全体は 傷病手当金はいくら・いつまで で扱っています。

会社に3ページ目を頼まなくていい場合

退職日の翌日(資格喪失日)以降の期間だけを申請するなら、会社に3ページ目の証明を頼む必要はありません。協会けんぽの記入の手引きは、その場合は3ページ目を空欄で提出するよう案内しています(協会けんぽ 記入の手引き)。

ただし、これは申請期間に退職日以前の日が1日も含まれないときだけです。申請期間の中に在職中の休業日が1日でも入っていれば、その申請書には会社の証明が要ります。

  • 退職日までの分はすでに申請を終え、退職日の翌日以降の分を出す
  • 退職後に初めて申請するが、退職日以前の分と退職日の翌日以降の分を分けて、後者を出す
  • 退職後の2回目以降の申請で、申請期間がすべて退職日の翌日以降に入っている

たとえば、退職日を申請期間の区切りにして最後の在職中の分を出し終えた人は、退職後は毎月、本人の1〜2ページ目と医師の4ページ目だけで申請を続けられます。会社に連絡を取りたくない事情があっても、退職後の分については会社を通さずに進められます。

反対に、退職日が給与の締切日の途中にあって、最後の数日分を申請していない人は、その数日分だけは会社の証明が要ります。編集部の読み方では、退職の手続きの話をするときに「最後の申請期間の証明をいつもらえるか」を一緒に決めておくのが、あとで会社に頼み直さずに済む方法です。会社が証明を書いてくれない・連絡がつかないときは、加入している協会けんぽ支部に、そのときの事情を伝えて相談してください。

傷病手当金の申請書でよくある質問

健保組合に入っています。協会けんぽと同じ申請書で出せますか?

健保組合の人は、加入先の健保組合の様式で出します。ページの構成や提出先、添付書類が協会けんぽと同じとは限らないので、健保組合のウェブサイトか会社の人事・総務で確かめてください。

会社が申請してくれるものではないのですか?

申請書は、本人・会社・主治医がそれぞれのページを書き、必要書類を添えて提出する形です。会社が提出までまとめてくれるかは会社の運用によるので、人事・総務に聞いてください。退職後の期間だけなら、本人が医師の証明をもらって加入支部へ出せます。

何か月分かをまとめて出してもいいですか?

まとめて出してはいけないという定めは協会けんぽの案内には見当たりませんが、協会けんぽは1か月単位で給与の締切日ごとに出すことを勧めています。まとめて出せるかは加入する協会けんぽ支部に確かめてください。時効は働けなかった日ごとにその翌日から2年なので、古い日の分から期限が来ることに気をつけてください。申請期間が4か月以上になる場合は、協会けんぽ支部の案内では事業主の証明を複数枚付けます。

任意継続にしたら、傷病手当金は出ますか?

任意継続被保険者は傷病手当金の対象外です(健康保険法99条1項)。ただし、協会けんぽの案内では、在職中からの継続給付の条件を満たしていれば、任意継続に入るかどうかとは関係なく、退職後も受け取れます。任意継続の手続きは 任意継続の手続き を見てください。

失業保険と一緒にもらえますか?

失業保険(基本手当)は、すぐに働ける状態であることが条件なので、働けずに傷病手当金を受けている間は受けられません。働けるようになってから失業保険の手続きをする流れになるので、手続きの全体は 失業保険のもらい方 で確かめ、受給期間の扱いはハローワークで聞いてください。

手取り20万だと、傷病手当金はいくらですか?

傷病手当金の額は手取りではなく、支給開始日以前の12か月の標準報酬月額の平均から出します。平均を30で割り、3分の2をかけた額が1日あたりの額です。公式の計算例は上の「添付書類」の項に、額の考え方の全体は 傷病手当金はいくら・いつまで にあります。

傷病手当金はいくら・いつまで?在職中と退職後で変わる受給条件と申請の順番

休職から退職する時の順番は?有給消化・傷病手当金・退職日の並べ方で変わる額

失業保険のもらい方は?退職後ハローワークでの手続き5段階と振込までの日程

数字だけ、もう一度

  1. 申請書:4ページ。1〜2ページを本人、3ページを会社、4ページを医師が書く(2026年9月版の様式)
  2. 待期:連続3日。有給休暇・公休日を含み、4日目以降の働けなかった日に支給
  3. 申請の単位:1か月単位で給与の締切日ごとが協会けんぽのお勧め(義務ではない)
  4. 時効:働けなかった日ごとに、その翌日から2年
  5. 退職をまたぐとき:退職日以前の期間を含む申請は会社の証明が要る。資格喪失日以降の期間だけなら3ページ目は空欄
  6. 継続給付:資格喪失の日の前日まで引き続き1年以上の被保険者期間、資格喪失の際に支給を受けている。退職日に出勤すると受けられない
  7. 3ページ目:申請期間が4か月以上なら複数枚(協会けんぽ支部の案内)
  8. 支払い:審査の結果、支払い可能であれば受付日から10営業日以内
  9. 支給期間:同じ病気・けがで通算1年6か月

傷病手当金の申請書で手が止まるのは、書き方が難しいからというより、会社と医師という2か所に頼む段取りが見えないからです。申請期間を先に決め、給与の締切日と退職日を区切りにして、どの期間を誰に頼むかを紙に書き出せば、あとは同じ手順のくり返しになります。退職を控えている人は、退職日までの分の会社の証明をいつもらうかだけを先に決めておけば、退職後は本人と医師だけで申請を続けられます。

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この記事を書いた人

やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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