- 40代で仕事を辞めたら、失業保険は何日もらえるの?
- 45歳を過ぎてから辞めると、日数は増える?
- 1日いくらもらえる?上限はあるの?
- 自己都合と会社都合で、40代だとどれだけ違う?
- 勤続10年を超えたら、何か変わる?
- 45歳の誕生日まで待ってから辞めたほうが得なの?
- 次が決まらないまま辞めても、お金が入るまで持ちこたえられる?
- 30代・50代だと、見るところは違う?
上記のような悩みに答えます。
失業保険(雇用保険の基本手当)は、年齢が上がるほど手厚くなると思われがちです。けれど、年齢で日数が変わるのは、解雇など会社都合で辞めた人の表と、障害者など就職が困難な人の表です。自己都合で辞める一般の人の日数は、30代でも40代でも50代でも同じ表で決まります。「40代 辞めたい」で調べると、辞めたい理由や辞める前の準備、転職サービスの案内が並び、失業保険は一言触れる程度で、年齢と加入期間で何日・いくらになるかを数字で答えたものは見当たりません。そこで、自己都合と会社都合の日数の表、1日あたりの上限額という基本を押さえたうえで、45歳の境目が誰に効いて誰に効かないのか、年齢をいつの時点で数えるのか、辞めてから最初の入金までの流れまで、雇用保険法の条文と厚生労働省・ハローワークの資料で確かめながら整理しました。
40代・50代で自己都合で辞めた場合の失業保険の日数は年齢では変わらず、雇用保険に入っていた期間で90日・120日・150日のどれかになります。年齢で日数が変わるのは解雇などの会社都合で辞めた場合で、加入期間が1年以上なら45歳以上60歳未満は日数が多くなります。1日あたりの上限は45歳以上60歳未満が9,110円で、30歳以上45歳未満の8,270円より高くなっています(2026年10月時点)。
自分の年齢・加入期間・賃金を入れると、1日あたりの額と総額、受け取り始めの時期は 失業保険の計算ツール で出せます。
2026年10月時点の制度で確かめています
年代と辞め方で日数と上限はこう変わる

失業保険の日数は「辞め方」と「雇用保険に入っていた期間」で、1日あたりの上限は「年齢」で決まります。年齢が日数に効くのは、解雇など会社都合で辞めた人(特定受給資格者)の表と、障害者など就職が困難な人の表です。自己都合などの一般の離職者の表には効きません。
雇用保険法は、所定給付日数(失業保険をもらえる日数の上限)を2つの条文に分けて書いています。22条1項は、自己都合などの一般の受給資格者の日数を、算定基礎期間(雇用保険に入っていた期間)だけで決めています。23条1項は、特定受給資格者の日数を、離職の日の年齢と算定基礎期間の組み合わせで決めています。1日あたりの額の上限は、厚生労働省が改定して示す額で(いまの額は2026年8月1日から)、年齢の区分ごとに決まっています。
| 離職の日の年齢 | 自己都合など(一般) | 解雇など(特定受給資格者) | 1日あたりの上限 |
|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90・120・150日 | 90〜180日 | 7,450円 |
| 30歳以上35歳未満 | 90・120・150日 | 90〜240日 | 8,270円 |
| 35歳以上45歳未満 | 90・120・150日 | 90〜270日 | 8,270円 |
| 45歳以上60歳未満 | 90・120・150日 | 90〜330日 | 9,110円 |
| 60歳以上65歳未満 | 90・120・150日 | 90〜240日 | 7,830円 |
出典:雇用保険法22条・雇用保険法23条・ハローワーク インターネットサービス「基本手当の所定給付日数」・厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」(2026年8月1日から)
自己都合の列はどの年代も同じで、右の2列だけが年齢の行で動きます。会社都合の日数が動く境目は30歳・35歳・45歳・60歳の4つ、1日あたりの上限が動く境目は30歳・45歳・60歳の3つです。
たとえば、40代で自己都合で辞める人と、50代で自己都合で辞める人は、雇用保険に入っていた期間が同じなら日数も同じです。違いが出るとすれば1日あたりの額のほうで、それも賃金が上限に届く人だけです。反対に、40代で解雇された人と50代で解雇された人では、加入期間が同じでも日数が違うことがあります。
自分がどこに入るかは、「辞め方」「離職の日の年齢」「加入期間」の3つを決めれば、表の行と列が1つに決まります。辞めたいと思ったときに動く順番の全体は 仕事を辞めたいと思ったら にまとめています。
自己都合の日数は年齢でなく加入期間で決まる
自己都合で辞めた一般の離職者の日数は、算定基礎期間が10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日です。年齢による差はありません。
雇用保険法22条1項は、所定給付日数を「算定基礎期間が二十年以上である受給資格者」は150日、「十年以上二十年未満」は120日、「十年未満」は90日と、期間だけで3つに分けています。年齢の区分が出てくるのは、同じ条の2項(障害者など就職が困難な人)と23条(特定受給資格者)です。ハローワークの表でも、一般の離職者の欄は全年齢共通の1行になっています。
- 算定基礎期間が10年未満:90日
- 10年以上20年未満:120日
- 20年以上:150日
- 年齢による差:0日(30代でも40代でも50代でも同じ)
出典:雇用保険法22条・ハローワーク インターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
日数が増える区切りは、10年と20年です。10年未満から10年以上に入ると、日数は90日から120日へ30日増えます。40代で自己都合で辞めようとしている人にとっては、年齢より、この10年の区切りをまたぐかどうかのほうが日数に効きます。
ここで気をつけたいのは、算定基礎期間(雇用保険に被保険者として入っていた期間)と勤続年数が同じとは限らないことです。雇用保険に入っていなかった期間は、勤続年数には入っても、加入の期間には入りません。前の会社の期間を足せるかどうかには条件があるので、勤続年数は目安にとどめ、加入の記録とハローワークの窓口で確かめるのが確実です。
たとえば、転職を2回して今の会社に8年いる40代の人を考えます。勤続年数だけを見ると10年未満の90日ですが、前の会社の加入期間を足せる条件に当たれば、10年以上の120日の側に入ることがあります。前の会社の離職票や雇用保険被保険者証を持って、窓口で確かめてください。
編集部の整理では、40代で自己都合で辞めるなら、気にするのは「45歳」より「加入期間10年」です。区切りが目の前なら、辞める日を決める前に加入の記録を確かめておくと、30日分の差を取りこぼさずに済みます。
受給資格のほうも確かめておきます。一般の離職者は、雇用保険法13条1項で、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上あることが条件です。
45歳で日数が増えるのは会社都合の場合
年齢で日数が変わるのは、解雇や倒産などで辞めた特定受給資格者と、一部の特定理由離職者です(障害者など就職が困難な人の表も45歳で変わります)。特定受給資格者の表では、45歳以上60歳未満の行が最も日数の多い行で、35歳以上45歳未満の行より30日〜60日多くなります(加入1年未満の行はどちらも90日で同じ)。
雇用保険法23条1項は、特定受給資格者の日数を、基準日(離職の日)の年齢で「六十歳以上六十五歳未満」「四十五歳以上六十歳未満」「三十五歳以上四十五歳未満」「三十歳以上三十五歳未満」「三十歳未満」の5つに分け、それぞれ算定基礎期間で日数を決めています。特定受給資格者は、23条2項で、倒産や事業所の廃止などで離職した人と、解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く)などで離職した人と定められています。ハローワークの表では、一部の特定理由離職者も同じ表で日数を見ます。
| 算定基礎期間 | 35歳以上45歳未満 | 45歳以上60歳未満 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1年未満 | 90日 | 90日 | なし |
| 1年以上5年未満 | 150日 | 180日 | 30日 |
| 5年以上10年未満 | 180日 | 240日 | 60日 |
| 10年以上20年未満 | 240日 | 270日 | 30日 |
| 20年以上 | 270日 | 330日 | 60日 |
出典:雇用保険法23条・ハローワーク インターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
- 180日
- 1日あたりの上限は8,270円
- 240日
- 1日あたりの上限は9,110円
加入期間が1年未満の人は、45歳の前後でどちらも90日で、差はありません。45歳の境目で日数が動くのは、加入期間が1年以上ある会社都合の人に限られます。また、45歳以上60歳未満で加入期間が20年以上の330日の人は、失業保険を受け取れる期間(受給期間)も、離職の日の翌日から起算して1年に30日を加えた期間になります(雇用保険法20条1項3号)。
自分が会社都合に当たるかどうかは、会社が離職票に書いた理由だけでは決まりません。厚労省のパンフレットは、事業主と離職者の双方の主張を把握し、資料で事実を確かめたうえで、最終的にハローワークで判定するとしています。どんな理由なら会社都合になるかは 会社都合退職になる条件 に、会社都合の日数と額の詳しい比較は 会社都合の失業保険 にまとめています。
たとえば、40代後半で勤続5年以上10年未満の人が、事業所の廃止で辞めることになったとします。特定受給資格者に当たれば、45歳以上60歳未満・5年以上10年未満の行で240日です。同じ人が自己都合で辞めていれば、10年未満なので90日でした。辞め方の違いだけで、日数は150日違います。一方、同じ年齢・同じ加入期間で、職場の人間関係がつらくて自分から辞める場合は、自己都合の90日が基本です。人間関係やパワハラが理由のときに離職理由がどう判定されるかは 人間関係で辞めたいとき にまとめています。
障害者など、省令で定める理由で就職が困難な人には、さらに別の表があり、加入期間1年以上なら45歳未満は300日、45歳以上65歳未満は360日です。一般の退職者はこの表には当たりません。
「45歳を過ぎると失業保険が増える」という話は、会社都合などの表の話です。自己都合で辞めるつもりの人が当てはめると、日数を多く見積もってしまうので、自分の辞め方がどちらになりそうかを先に考え、表を選び間違えないようにします。
1日あたりの上限は30歳と45歳で上がる

1日あたりの額(基本手当日額)の上限は、30歳未満が7,450円、30歳以上45歳未満が8,270円、45歳以上60歳未満が9,110円、60歳以上65歳未満が7,830円です(2026年8月1日から)。45歳の前後で、上限は840円上がります。
基本手当日額は、賃金日額に給付率を掛けて出します。賃金日額は、雇用保険法17条1項で、被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金の総額を180で割った額とされ、臨時に支払われる賃金と、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は入りません。年2回などの賞与は、条文に賞与という言葉はないものの、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金に当たるので、賃金日額には入りません。給付率は賃金日額が低いほど高く、60歳未満で賃金日額が13,490円を超える人は50%です。
| 離職の日の年齢 | 賃金日額の上限 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 14,900円 | 7,450円 |
| 30歳以上45歳未満 | 16,540円 | 8,270円 |
| 45歳以上60歳未満 | 18,220円 | 9,110円 |
| 60歳以上65歳未満 | 17,400円 | 7,830円 |
出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」(2026年8月1日から)・雇用保険法17条
上限は、賃金日額が上限額以上の人にだけ効く線です。30歳以上45歳未満なら、賃金日額が16,540円以上の人が8,270円で頭打ちになります。45歳以上60歳未満なら、その線が18,220円まで上がり、9,110円まで受け取れるようになります。賃金日額が16,540円に届かない人は、45歳の前でも後でも上限には当たらず、日額は同じ計算で出ます。
賃金日額が上限に当たる人の、離職前6か月の賃金の総額の目安(賞与などを除く)
| 年齢の区分 | 計算 | 6か月の賃金の総額 |
|---|---|---|
| 30歳以上45歳未満 | 16,540円×180 | 2,977,200円以上 |
| 45歳以上60歳未満 | 18,220円×180 | 3,279,600円以上 |
上限の差840円が、日数分たまるとどうなるか
| 日数 | 計算 | 差 |
|---|---|---|
| 30日分 | 840円×30日 | 25,200円 |
| 90日分 | 840円×90日 | 75,600円 |
| 120日分 | 840円×120日 | 100,800円 |
| 150日分 | 840円×150日 | 126,000円 |
上の差は、賃金日額が18,220円以上で、どちらの年齢でも上限に当たる人の最大の差です。賃金日額が16,540円と18,220円の間の人は、差はこれより小さくなります。
たとえば、賃金日額が13,490円を少し超えるくらいの人は、給付率50%で出した日額が8,270円に届かず、30歳以上45歳未満でも上限には当たりません。この人は、45歳を過ぎて辞めても1日あたりの額は変わりません。賃金日額が16,540円を超える人なら、30歳以上45歳未満では上限に当たっているので、45歳の前後で1日あたりの額が変わることがあります。自分の賃金日額がどこにあるかは、計算ツールに離職前の賃金を入れると出せます。
30歳の前後の上限の差(7,450円と8,270円)は820円で、こちらも効くのは賃金が上限に届く場合だけです。
1日あたりの上限は「賃金が高い人のための線」と覚えておくと迷いません。賃金が上限に届かないなら、日額の面で年齢の境目を気にする理由はありません。
年齢は「離職の日」で数える
特定受給資格者などの日数の年齢区分は、離職の日(条文では「基準日」)の年齢で見ます。ハローワークに手続きに行った日や、失業保険を受け取っている途中の誕生日では変わりません。1日あたりの上限の年齢区分は、条文ではなく厚労省が示す額の区分ですが、編集部の読み方では、こちらも離職の日の年齢で見ます。
雇用保険法20条1項1号は、受給資格に係る離職の日を「基準日」と呼んでいます。23条1項(特定受給資格者の日数)と22条2項(就職が困難な人の日数)の年齢は、どちらも「基準日において」何歳かで区分されています。1日あたりの上限の年齢区分は、条文ではなく厚労省が示す額の区分ですが、60歳以上の給付率の読み替えを定めた16条2項が「受給資格に係る離職の日において」の年齢で書かれていることから、編集部の読み方では、こちらも離職の日の年齢で見ます。ハローワークの日数の表のページには、年齢をいつで数えるかは書かれていないので、条文で確かめる部分です。
- 日数(特定受給資格者・就職が困難な人):離職の日の年齢
- 1日あたりの上限:離職の日の年齢の区分(編集部の読み方)
- 受け取っている途中に誕生日が来ても:日数の区分は変わらない
- 自己都合(一般)の日数:年齢を見ないので、誕生日の前後で変わらない
誕生日と退職日が近い人は、離職の日にどちらの区分に入るかで、会社都合の日数や1日あたりの上限が分かれます。退職日の候補を決めたら、その日にどの区分に入るかをハローワークの窓口で確かめるのが確実です。
たとえば、会社の事業所の閉鎖で辞めることが決まり、退職日が45歳の誕生日の近くになる人は、退職日が区分の前か後かで、加入期間5年以上10年未満なら180日と240日に分かれます。自己都合で辞める人は、誕生日の前後で日数は変わりません。
年齢で区分が決まるのは「辞めた日」の一度きりです。退職日を決める段階で区分を確かめておけば足ります。
辞めてから最初の入金までの流れ

正当な理由のない自己都合で辞めた人は、ハローワークで求職の申込みをしてから、待期7日と給付制限(退職日が2025年4月1日以降なら1か月)が過ぎると、支給の対象になります。
待期は、辞め方に関係なく誰にでもある期間です。雇用保険法21条は、離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後、失業している日が通算して7日に満たない間は支給しない、と定めています。数え始めは退職日ではなく申込みの日以後です。正当な理由のない自己都合で辞めた人には、待期のあとに給付制限が付き、厚労省の資料では退職日が2025年4月1日以降なら1か月(2025年3月31日以前の退職は2か月)です。解雇(重責解雇を除く)や定年、契約期間の満了で辞めた人には、給付制限は付きません。
出典:雇用保険法21条・厚生労働省「自己都合離職者の給付制限について」・厚生労働省「離職されたみなさまへ」
支給の対象になる日と、口座に入る日は同じではありません。ハローワークで失業の認定を受けてから、認定を受けた日数分が振り込まれます。最初の認定日は手続きのときに渡される日程で決まるので、最初の振込の目安と、1回目の金額が少なくなりやすい理由は 失業保険の初回振込はいつ で確かめてください。給付制限が1か月より長くなる場合や、付かなくなる場合は 給付制限1か月はいつから にまとめています。
もう1つ見落としやすいのが、受け取れる期間の長さです。基本手当は、原則として離職の日の翌日から起算して1年の間に、所定給付日数分を限度に支給されます(雇用保険法20条1項)。辞めてから休むつもりで申込みを遅らせると、待期と給付制限も後ろへずれ、1年の中で受け取りきれない日数が出ることがあります。
たとえば、40代で自己都合で辞め、算定基礎期間が10年以上20年未満の人なら、日数は120日です。辞めてすぐに申込みをすれば、待期7日と給付制限1か月のあとから支給の対象になり、しばらく休んでから申し込むと、その分だけ全体が後ろへずれます。生活費がどこまで持つかの見積もりは 仕事を辞めたいけどお金がないなら で、自分の数字で出せます。
次が決まらないまま辞める人ほど、「申込みの日」「支給の対象になる日」「最初の振込の日」を分けて手帳に書いておくと安心です。どこまでが無収入の期間かを日付で見られれば、貯金で持たせる長さがはっきりします。
自分の日数と額を出す手順
自分の場合の日数と額は、加入期間を確かめる → 辞め方を考える → 計算ツールに入れる、の順で出せます。表を眺めるより、この3段で自分の行と列を決めるほうが早く確実です。
どれか1つでも取り違えると、出てくる数字がずれます。とくに加入期間は、勤続年数の感覚と記録が食い違うことがあるので、最初に確かめます。
- 1加入期間を確かめる被保険者証・前の会社の離職票で10年と20年の区切り
- 2辞め方を考える自己都合か、解雇・倒産などの会社都合か
- 3計算ツールに入れる年齢・加入期間・離職前6か月の賃金で日額と総額
1段目の加入期間は、雇用保険被保険者証や、前の会社を辞めたときの離職票、会社の人事・総務への確認で見られます。転職をしている人は、前の会社の期間を足せるかどうかで10年の区切りをまたぐことがあるので、窓口で確かめてください。
2段目の辞め方は、自分から辞めるなら原則は自己都合の表です。会社から辞めるよう勧められて辞める場合や、職場の事情でやむを得ず辞める場合は、ハローワークの判定で会社都合の側になることがあります。勧められて辞める場合の扱いは 退職勧奨に応じたら会社都合か にまとめています。
たとえば、40代前半で勤続10年以上20年未満、自己都合で辞めるか迷っている人なら、1段目で算定基礎期間が10年以上と分かれば、2段目で自己都合なら一般の表で120日、3段目で離職前の賃金を入れれば日額と総額が出ます。「45歳まで待ったら」と考えても、自己都合のままなら日数は120日で変わりません。
計算ツールに入れる前の準備は、加入期間が分かる書類を1枚探すことです。残りは辞め方と賃金で決まります。
30代・50代で見るところの違い
30代の人は「30歳」「35歳」、50代の人は「60歳」の境目を見ます。どの年代でも、自己都合の日数は加入期間だけで決まる点は同じです。
特定受給資格者の表は、30歳未満、30歳以上35歳未満、35歳以上45歳未満で行が分かれています。30代の前半と後半で行が違い、加入期間1年以上5年未満なら30歳以上35歳未満は120日、35歳以上45歳未満は150日です。1日あたりの上限は、30歳を境に7,450円から8,270円に上がり、そのあと45歳まで同じです。
| 年代 | 見る境目 | 会社都合の日数(加入5年以上10年未満) | 1日あたりの上限 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 30歳 | 120日 | 7,450円 |
| 30代前半 | 30歳・35歳 | 180日 | 8,270円 |
| 30代後半〜40代前半 | 35歳・45歳 | 180日 | 8,270円 |
| 40代後半〜50代 | 45歳・60歳 | 240日 | 9,110円 |
出典:雇用保険法23条・厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」(2026年8月1日から)
50代の人が気をつけるのは、60歳の境目で数字が下がる側に動くことです。特定受給資格者の日数は、60歳以上65歳未満の行で加入期間20年以上でも240日で、45歳以上60歳未満の330日より少なくなります。1日あたりの上限も7,830円に下がり、雇用保険法16条2項で、賃金日額が高い人の給付率は50%から45%に読み替えられます。60歳で定年退職する場合の日額の計算と年金との関係は 60歳で定年退職したら失業保険はいくら に、65歳前後の分かれ目は 65歳からの失業保険 にまとめています。
たとえば、30代で子育てをしながら辞めるか迷っている人も、自己都合なら日数は加入期間で90日・120日・150日のどれかで、年齢で増えることはありません。30代で見るべきは、日数よりも、待期と給付制限を含めて最初の入金まで何日かかるかと、その間の生活費です。
年代ごとの違いは「会社都合などの日数」と「1日あたりの上限」に集まっています。自己都合で辞める人は、どの年代でも加入期間と賃金から見るのが近道です。
45歳まで辞めるのを待たなくていい場合
45歳の誕生日を待ってから辞めても、日数も1日あたりの額も変わらない人がいます。自己都合で辞める予定で、賃金日額が16,540円に届かない人です。
45歳の境目が効くのは、会社都合(特定受給資格者など)の日数、就職が困難な人の日数、賃金日額が上限に届く人の1日あたりの上限です。自己都合の一般の離職者の日数は、22条1項のとおり加入期間だけで決まり、45歳の前後で差は0日です。賃金日額が16,540円に届かない人は、45歳の前でも後でも上限に当たらず、日額は同じ計算で出ます。
- 自己都合で辞める予定(会社都合になる見込みがない)
- 離職前6か月の賃金(賞与を除く)が、賃金日額の上限16,540円に届かない
- 加入期間10年・20年の区切りが、45歳になる前と後で変わらない
上の1つ目と2つ目に当たる人は、失業保険の日数と額のためだけに45歳を待つ必要はない、というのが編集部の読み方です。待つかどうかを考えるなら、45歳より加入期間10年・20年の区切りを確かめます。
一方で、待つことで数字が変わる人もいます。会社から事業所の閉鎖や人員整理が予告されていて、特定受給資格者になる見込みがある人、賃金日額が16,540円を超える人は、離職の日の年齢で日数や上限が変わることがあります。それでも、待つ期間の負担は数字の外の話なので、決めるのは自分です。
たとえば、45歳の誕生日まであと半年ほどで、勤続10年以上20年未満、賃金日額が16,540円に届かない人が、自己都合で辞めようとしているとします。45歳まで待っても、日数は120日のまま、1日あたりの額も同じです。この人にとって45歳は、失業保険の上では区切りになりません。
「45歳まで待つべきか」を迷ったら、まず自分が会社都合になりそうか、賃金が上限に届くかの2点だけを確かめます。どちらも当たらなければ、年齢を理由に辞める日を先へ延ばす理由は、失業保険の側にはありません。
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よくある質問
40代で次を決めずに退職する人の割合は?
年代別に「次を決めずに辞めた人」の割合を示す数字は、編集部では確かめられていないので載せていません。参考になる公的な数字として、厚生労働省の雇用動向調査では、令和6年の転職入職率(転職して入職した人の数を、6月末の常用労働者数で割った割合)が全体で9.7%ですが、年齢別の値ではありません。次を決めずに辞めるかどうかを考えるときは、割合よりも、自分の日数と最初の入金までの期間を先に数字で出しておくほうが判断の材料になります。
40代で会社を辞めた人のリアルは?
体験談は載せていません。数字で言えるのは、自己都合の日数は加入期間で決まり年齢では変わらないこと、1日あたりの上限は45歳以上60歳未満で9,110円、30歳以上45歳未満で8,270円であることです。
勤続10年を超えると失業保険の日数は増えますか?
自己都合の一般の離職者なら、算定基礎期間が10年以上になると90日から120日に増えます。ただし算定基礎期間は雇用保険に入っていた期間で、勤続年数と一致しないことがあります。10年の区切りが近い人は、被保険者証や会社への確認で、加入の記録を先に確かめてください。
転職を何回かしています。前の会社の加入期間は足せますか?
足せる場合があります。ただし通算できる条件があるので、前の会社の離職票や雇用保険被保険者証を持ってハローワークで確かめてください。
会社都合にしてもらえば日数は増えますか?
特定受給資格者に当たれば、年齢と加入期間で決まる別の表が使われ、多くの行で一般の離職者より日数が長くなります。ただし、30歳未満で加入期間が1年以上5年未満の行のように、一般と同じ90日になる行もあります。また、離職理由は、会社が書いた理由や本人の希望で決まるのではなく、ハローワークが双方の主張と資料で事実を確かめて判定します。どんな場合が会社都合に当たるかは、会社都合退職になる条件の記事で確かめてください。
60歳を過ぎてから辞めると、失業保険は下がりますか?
1日あたりの上限は60歳以上65歳未満で7,830円になり、45歳以上60歳未満の9,110円より低くなります。会社都合の日数も、60歳以上65歳未満の行は加入期間20年以上で240日です。自己都合の日数は、60歳を過ぎても加入期間で90日・120日・150日のどれかで変わりません。
数字だけ、もう一度
- 自己都合(一般)の日数:算定基礎期間10年未満90日・10年以上20年未満120日・20年以上150日。年齢による差は0日(雇用保険法22条1項)
- 会社都合(特定受給資格者)の日数:年齢と算定基礎期間で90日〜330日。年齢の境目は30歳・35歳・45歳・60歳(雇用保険法23条1項)
- 45歳の前後の差(会社都合):加入1年未満はなし、1年以上5年未満と10年以上20年未満は30日、5年以上10年未満と20年以上は60日
- 1日あたりの上限:30歳未満7,450円・30歳以上45歳未満8,270円・45歳以上60歳未満9,110円・60歳以上65歳未満7,830円(2026年8月1日から・厚労省)
- 上限の差:30歳の前後で820円、45歳の前後で840円。効くのは賃金日額が上限に届く人だけ
- 年齢を見る日:離職の日(基準日・雇用保険法20条1項)
- 受給資格(一般):離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上(雇用保険法13条1項)
- 最初の入金まで:待期7日(雇用保険法21条)+正当な理由がない自己都合は給付制限1か月(退職日が2025年4月1日以降)
40代で仕事を辞めたいと思ったとき、「45歳」という数字は大きく見えます。けれど、失業保険の上でその数字が効くのは、会社都合で辞める人、障害者など就職が困難な人、賃金が上限に届く人です。自己都合で辞める人にとって、日数を決めるのは年齢ではなく、雇用保険に入っていた年数の10年・20年の区切りです。辞めるか残るかを決めるのは自分ですが、決める前に、加入期間の記録と離職前6か月の賃金を手元にそろえて計算ツールに入れておけば、「辞めたら何日・いくら・いつから」は、迷っている今のうちに数字で見通せます。

