退職後の住民税はいくら・いつ届く?無職の翌年に払う額と払えない時の減免

机の上の開いた手帳
  • 会社を辞めたら、住民税はどうなるの?
  • 無職になったのに、なぜこんなに高い請求が来るの?
  • 退職後の住民税は、いくらくらい払うことになる?
  • 最後の給料から一括で引かれるのは、いつ辞めたとき?
  • 納付書はいつ届いて、何回に分けて払うの?
  • 失業保険が入る前に納期が来たらどうしよう
  • 払えないときは、減免や分割はできる?
  • 退職した翌年にも住民税は来る?

上記のような悩みに答えます。

住民税は、退職して給料が止まったあとも前年の所得をもとに請求が続く、いわば後から追いかけてくる税金です。辞めたあとに届いた納税通知書を見て、無収入なのに額が大きいと驚くのは、この仕組みが見えにくいからです。後払いの仕組みや「退職月で払い方が変わる」という説明は見つかりますが、自分の退職月なら、どの方法で・何回の納期で払う形になるのかを1つの表で示したものや、払えないときの徴収猶予と減免を、根拠・決める人・期間で比べたものはなかなか見当たりません。そこで、課税の基準日、前年の所得、特別徴収と普通徴収の違いという基本を押さえたうえで、退職月ごとの払い方、額の目安の出し方、払えないときに市区町村へ何から相談するかまで、地方税法の条文と総務省の資料で確かめながら整理しました。

先に答え

退職後の住民税は、1月1日に住んでいる市区町村で前年1月〜12月の所得をもとに計算されるため、収入がなくなっても前年の所得分は払います。6月1日〜12月31日に退職すると残りは納付書での支払い(普通徴収)に変わり、1月1日〜4月30日に退職すると残りは最後の給与・退職金から一括で差し引かれます(支払額が残額を超えるとき・2026年10月時点)。払えないときは市区町村に徴収猶予や減免を相談します。

2026年10月時点の制度で確かめています

目次

無収入でも住民税がかかる理由

机の上の開いた手帳

退職して収入がなくなっても、住民税の請求は止まりません。住民税の所得割は、前年の1月1日から12月31日までの所得で計算されるからです。今年の収入が0円でも、去年働いていた分の所得が、今年度の住民税の計算のもとになります。

地方税法は、個人の市町村民税と道府県民税の賦課期日(税をかける基準の日)を、どちらも「当該年度の初日の属する年の一月一日」と定めています(39条・318条)。そして所得割の課税標準は「前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額」です(313条1項)。総務省も、個人住民税は1月1日時点で住所がある市町村(都道府県)で課税され、所得割は前年の1月1日から12月31日までの所得で算定されると説明しています。

出典:総務省「地方税制度 個人住民税」/地方税法318条(e-Gov法令検索)/地方税法313条(e-Gov法令検索)

在職中は、この前年の所得をもとにした税額を、会社が毎月の給料から差し引いて納めていました。これが特別徴収です。給料が止まれば会社は差し引けなくなるので、残りの分は自分で払う形に切り替わるか、辞めるときに一括で差し引かれるかのどちらかになります。編集部の読み方では、「退職したら住民税が急に来た」と感じるのは、税額が増えたからではなく、天引きで見えにくかった支払いが、自分の手で払う形になって見えるようになったからです。

たとえば、去年1年間フルで働き、今年の9月に辞めた人を考えます。今年度の住民税は去年の所得で決まっているので、辞めたあとに届く納税通知書の額は、在職中に毎月引かれていた額の残りぶんです。一方、来年度の住民税は今年1月〜12月の所得で決まるので、9月以降に収入がなければ、来年度の所得割は今年より小さくなります。

もう1つ押さえておきたいのは、1月1日にどこに住んでいたかで、課税する市区町村が決まる点です。年の途中で引っ越しても、その年度の住民税は1月1日の住所地の市区町村から届きます。退職を機に実家へ戻る人は、通知書の差出人が前の住所の市区町村になっていても、誤りではありません。

編集部の整理では、まず手元で確かめたいのは、在職中に受け取った「住民税の決定通知書」(会社経由で渡される紙)です。年税額と毎月の天引き額が書かれていて、辞めたあとに残る額の見当をつける出発点になります。

退職日で決まる一括か納付書か

退職後の残りの住民税をどう払うかは、退職した時期で決まります。6月1日〜12月31日の退職なら納付書での支払い(普通徴収)に変わり、1月1日〜4月30日の退職なら、最後の給与や退職金から残りが一括で差し引かれます。ただし一括で差し引くのは、その支払額が残りの住民税の全額を超えるときに限られます。

地方税法321条の5第1項は、会社(特別徴収義務者)が住民税を「六月から翌年五月まで」毎月の給与から差し引いて納めると定めています。同じ条の第2項は、退職して給与を払わなくなったときは、その翌月以降の分を会社は差し引かなくてよいとしたうえで、ただし書きで一括徴収の場合を定めています。

退職した時期 残りの住民税の払い方 根拠
1月1日〜4月30日 5月31日までに支払われる給与・退職手当等から残りを一括で差し引く(支払額が残額を超えるときに限る)。超えなければ普通徴収へ 321条の5第2項・321条の7
5月 総務省の資料は「1〜5月」と簡略に書くが、条文の期日(1月1日〜4月30日、6月1日〜12月31日)に5月は入らない。編集部の読み方では、前年度分の天引きは5月分で終わり、6月以降の分は会社の天引きにならず普通徴収になる。自分の場合は会社と市区町村に確認する 321条の5第2項本文・321条の7(5月退職の扱いは編集部の読み)
6月1日〜12月31日 退職した月の翌月以降の分は普通徴収(納付書)。本人が申し出れば一括で差し引いてもらうこともできる(支払額が残額を超えるときに限る) 321条の5第2項・321条の7

出典:地方税法321条の5(e-Gov法令検索)/地方税法321条の7(e-Gov法令検索)

注意したいのは、「1〜5月に辞めると一括」という言い方です。総務省の事業者向け資料には、1〜5月に退職する場合は申出の有無にかかわらず一括徴収を行う必要があると書かれています。ただしこれは総務省の資料の簡略な言い方で、条文の期日は「一月一日から四月三十日まで」です。5月に辞めた人は、その年度の天引きが5月の給与で最後になるので、一括で差し引く「翌月以降の分」がそもそも残っていない、と編集部では読んでいます。

出典:総務省「住民税の特別徴収にご協力ください!」(PDF)

もう1つの条件が、支払額が残額を超えるときに限る、という部分です。1月1日〜4月30日に辞めても、5月31日までに支払われる給与や退職金のうち、残りの住民税の全額を超えるものがなければ、一括では差し引かれません。そのときは、差し引かれなかった分が普通徴収に回り、市区町村から届く納税通知書で払うことになります(321条の7)。

計算例

たとえば、毎月20,000円が天引きされていた人が2月末に辞めたとします。3月・4月・5月の3か月分、20,000円×3=60,000円が残っています。最後の給与が60,000円を超えていれば、その給与から60,000円がまとめて差し引かれ、手取りはそのぶん減ります。最後の給与が60,000円以下でも、5月31日までに支払われる給与や退職金の中に60,000円を超えるものがあれば、その支払いの際に60,000円がまとめて差し引かれます。超えるものがなければ一括にはならず、残りは納付書で払います。

6月1日〜12月31日に辞める人は、本人の申出があり、かつ、その支払額が残りの月割額の全額を超えるときに限り、一括で差し引かれます。申出の受け付けは会社の手続きです。条文は申出の方法を総務省令で定めるとしているので、希望するなら退職前に会社の担当者へ伝えます。

編集部の整理では、自分の退職月が表のどの行に入るかを先に決めると、あとの準備が変わります。1月1日〜4月30日の人は「最後の給与の手取りが減る」前提で、6月1日〜12月31日の人は「退職後に納付書が届く」前提で、それぞれ資金の手当てを考えます。

納付書で払うときの納期と回数

普通徴収になった住民税は、市区町村から届く納税通知書(納付書)で、法律が定める納期の枠の中で払います。納期の月は6月・8月・10月・1月で、年4回に分けて払う形が基本です。

地方税法320条は、普通徴収の納期を「六月、八月、十月及び一月中」において市町村の条例で定めるとしています。何日が納期限になるかは市区町村ごとです(ただし書きで、特別の事情がある場合に異なる納期を定める市町村もあります)。また、税額が均等割の額以下の人は、6月中の1回だけです。在職中の天引き(特別徴収)が年12回だったのに対して、普通徴収は年4回なので、1回あたりの額は大きくなることがあります。

普通徴収の納期は6月・8月・10月・1月の枠
6月年度の最初の納期の月
8月次の納期の月
10月その次の納期の月
1月年度の最後の納期の月

出典:地方税法320条(e-Gov法令検索)/総務省「住民税の特別徴収にご協力ください!」(PDF)

年度の途中で辞めて普通徴収に切り替わった人は、残りの額が、残っている納期に割り振られます。地方税法321条の7第1項は、天引きされなくなった額を、その日以後に来る納期に割り振って普通徴収し、その日以後に来る納期がなければ「直ちに」普通徴収すると定めています。残っている納期の数で、1回あたりの額が変わるということです。

たとえば9月に辞めた人なら、その後に来る納期の月は10月と1月です。条文の上では、天引きされなくなった残りの額を、残った納期に割り振って払う形になります。12月に辞めた人なら、残る納期の月は1月だけなので、残りの額がまとめて1回に来ることになります。納付書がいつ届くか、何日が期限になるかは市区町村ごとなので、届いた通知書の納期限で確かめます。

ここで重なりやすいのが、失業保険の入金との時期です。退職後すぐに納期が来ても、失業保険(雇用保険の基本手当)は手続きのあとに振り込まれるので、入金より先に納期が来ることがあります。振込までの日程は 失業保険のもらい方と振込までの日程 で確かめ、自分の納期の月と並べて書き出しておくと、どの月に手元の資金が足りなくなりそうかが見えます。

編集部の整理では、普通徴収に変わる人がやっておきたいのは、在職中の決定通知書から「残りの額」を出し、自分の退職月から「残る納期の月」を数えることの2つです。2つが分かれば、1回あたりのおおよその額が先に見え、納付書が届いてから慌てずに済みます。

退職後の住民税がいくらになるかの出し方

住民税の額は、前年の所得から所得控除を引いた金額に所得割の税率10%を掛けた額と、所得にかかわらず定額の均等割を足して出します。均等割には、2024年度から森林環境税(国税)1,000円が併せて徴収されています。

所得割の標準税率は、市町村民税6%と道府県民税4%を合わせた10%です(314条の3・35条)。指定都市に住んでいる場合は市と道府県の内訳が変わりますが、合計は同じ10%です。均等割の標準税率は、市町村民税3,000円と道府県民税1,000円で、合わせて4,000円です(310条・38条)。標準税率で足すと、均等割4,000円と森林環境税1,000円で、所得割とは別に年5,000円になります。所得割と均等割は標準税率なので、条例で別の額を定めている自治体もあります。森林環境税1,000円は国税として均等割と併せて徴収されます。独自の上乗せがある自治体もあるので、お住まいの市区町村で確かめてください。

住民税は「所得割+均等割」で決まる
(前年の所得 − 所得控除)×10%+均等割+森林環境税=年税額
250万円×10%+4,000円+1,000円=255,000円

出典:総務省「地方税制度 個人住民税」/地方税法314条の3(e-Gov法令検索)/地方税法310条(e-Gov法令検索)

計算例

図の数字は、編集部の仮定例です。前年の所得から所得控除を引いた金額が250万円だった人を仮定すると、所得割は250万円×10%=250,000円、均等割4,000円と森林環境税1,000円を足して、年255,000円になります。税額控除などは入れていない、標準税率だけの計算です。在職中のように年12回に分けると、255,000円÷12=21,250円で、年4回の普通徴収に分けると、255,000円÷4=63,750円です。

年収から直接住民税を出す早見表は、所得控除の額が人によって違うので、この記事では作っていません。確かめやすいのは、在職中に受け取った決定通知書に書かれた年税額を見ることです。決定通知書が手元に無ければ、前年分の源泉徴収票から給与所得控除後の金額と所得控除の合計を拾い、差し引いた額に10%を掛けると、所得割の目安が出ます。税額控除などは入れていないので、所得割の目安にとどまります。

「無職なのに高い」と感じるとき、比べているのは、在職中は年税額が12回に分かれていたのに対して、普通徴収では残りの額が残りの納期に分かれて届く、という回数の違いであることがあります。年税額そのものは、前年の所得で決まった額のままです。

編集部の整理では、額の目安を出すときに使う書類は、決定通知書と源泉徴収票の2枚です。どちらも見つからなければ、市区町村の税務課で、前年の所得と今年度の税額を確かめられます。

退職した年と翌年に届くもの

退職した年に届くのは、前年の所得で決まった今年度の住民税の残りです。6月1日〜12月31日に退職した場合、翌年度の住民税の計算のもとは退職した年の1月〜12月の所得になり、退職後に収入がなければその所得割は小さくなります。1月〜5月に退職した場合は、その年の6月からの住民税も前年の所得で決まるので、退職後に収入がなくても前年の所得を基にした額になります(313条1項・318条)。

前の項で見たとおり、所得割の課税標準は前年の所得です(313条1項)。退職した年の途中まで給料があれば、その分は翌年度の住民税に入ります。退職した年の収入が少なければ、翌年度の所得割は小さくなります。所得割がかからず均等割だけを課される人で、前年の合計所得金額が市区町村の条例で定める額以下なら、均等割も課されません(295条3項)。この金額は市区町村の条例で決まり、自治体によって違うので、この記事では書いていません。

時期 届くもの 計算のもと
退職した年度 今年度の住民税の残り(一括徴収か普通徴収) 前年1月〜12月の所得
翌年度(6月1日〜12月31日に退職) 翌年度の住民税(退職後に収入がなければ所得割は小さくなる) 退職した年の1月〜12月の所得
その年の6月からの年度(1月〜5月に退職) 6月からの年度の住民税(退職後に収入がなくても前年の所得を基にした額) 前年1月〜12月の所得

出典:地方税法313条(e-Gov法令検索)/地方税法295条(e-Gov法令検索)

地方税法295条1項は、生活保護法の生活扶助を受けている人、所得が一定以下の障害者・未成年者・寡婦・ひとり親には市町村民税を課することができないと定めています。退職したことだけを理由に非課税になる定めではありません。

翌年度の税額に関わるのが、住民税の申告です。地方税法317条の2は、3月15日までに、賦課期日(1月1日)の住所地の市町村長へ申告書を出すと定めていますが、1月1日に会社や年金の支払者から給与・年金を受けている人などは別とされています。退職して1月1日に給与を受けていない人は、自分が申告の対象になるかを市区町村で確かめます。定年退職して年金を受けている人も、年金の支払者からの報告があるかで扱いが変わるので、同じく市区町村で確かめます。

たとえば、9月に辞めて年内は収入が無く、翌年の1月1日も無職だった人は、退職した年の給料が1月〜9月分だけになるので、翌年度の所得割は前年度より小さくなります。同じ人が10月に再就職していれば、年末までの給料が加わり、翌年度の分は新しい会社の天引きで払う形に戻ることがあります(会社の手続き次第)。

編集部の整理では、退職した年の年末に、その年の源泉徴収票(退職時に会社から受け取るもの)がそろっているかを確かめておくと、翌年の申告や税額の確認がスムーズです。

払えないときの猶予と減免の違い

テーブルの上の硬貨

住民税を払えないときに使える仕組みには、払う時期を待ってもらう徴収猶予と、税額そのものを減らす減免の2つがあります。どちらも申請や条例の定めが前提で、失業したら自動的に受けられるものではありません。

徴収猶予は地方税法15条、減免は323条に定めがあります。猶予は「払うのを待つ」、減免は「払う額を減らす」という違いで、決める人・期間・条件も違います。

徴収猶予 減免
根拠 地方税法15条 地方税法323条
決める人 地方団体の長 市町村長
中身 一時に納められない金額を限度に、納付を待つ。条例により分割納付も 市町村民税を減額・免除する
期間 1年以内(延長しても通算2年まで。延長はやむを得ない理由があるとき・申請による) 条文に定めはなく、減免の基準・割合・申請期限は市区町村の条例で決まる
条件 災害・盗難、本人や生計を一にする親族の病気・負傷、事業の廃止・休止など、それに類する事実があり、一時に納められないと認められること。本人の申請 天災その他特別の事情がある人、貧困で生活のため公私の扶助を受ける人など。対象・基準は条例

出典:地方税法15条(e-Gov法令検索)/地方税法323条(e-Gov法令検索)

徴収猶予の15条1項には、災害・盗難、病気・負傷、事業の廃止・休止、事業の著しい損失が並び、5号に「前各号のいずれかに該当する事実に類する事実があつたとき」があります。退職や失業という号はありません。退職がこの「類する事実」に当たるかどうかは地方団体の長が判断するので、「失業すれば猶予される」とは言えません。猶予は払わなくてよくなる制度ではなく、待ってもらった分は後で納めます。猶予する金額は、条例の定めにより分割して納めさせることができます(15条3項)。

減免の323条は、市町村長が条例の定めるところにより「減免することができる」とする規定です。減免の対象・基準・割合・申請の期限は、市区町村の条例で決まります。編集部はどの市区町村の基準も確かめていないので、自分の市区町村の条例か税務課の案内で確かめてください。

たとえば、退職後に病気で働けなくなり、納期の額を一度に払えない人は、15条1項2号の「病気」に当たり得るので、猶予の申請を相談する道があります。病気ではなく、次の仕事が決まらずに収入が途切れた人は、「類する事実」に当たるか、市区町村の減免の条例に当てはまるかを、窓口で聞いてみることになります。

編集部の整理では、払えないと分かった時点で「猶予か減免か」を自分で決める必要はありません。窓口で「納期の額を一度に払えない。猶予か減免か、分割で納める方法はあるか」と聞いてみると、その市区町村での扱いを確かめられます。

払えないと思ったら相談する順番

払えないかもしれないと思ったら、納期限が来る前に、通知書を手元に置いて市区町村の税務課へ相談します。猶予は申請が前提なので、編集部の考えでは、払えないと分かった時点で納期限の前に相談しておくのが無難です。

徴収猶予は「その者の申請に基づき」認められる仕組みで(15条1項)、減免も市区町村の条例の手続きによります。どちらも、自分から窓口に出向くか連絡しないと始まりません。

払えないときは納期限の前に相談する
  1. 1通知書を確かめる年税額・各納期の額・納期限・差出人の市区町村
  2. 2払える額を出す手元の資金と失業保険の入金の時期を並べる
  3. 3税務課に相談する1月1日の住所地の市区町村に連絡する
  4. 4猶予を申請する一時に納められない事情と金額を伝える
  5. 5減免の条例を聞く自分が対象になるかと申請の期限を確かめる

相談に持っていくものは、次のとおりです。

  • 納税通知書(納付書)
  • 退職日が分かる書類(離職票や退職証明書など)
  • 収入が途切れたことが分かるもの(通帳の写しなど)
  • 失業保険の受給資格者証など、今後の入金の見通しが分かるもの

窓口で伝えることは「いつ退職し、今は収入がいくらで、どの納期のいくらが払えないか」の3点です。ここが具体的だと、窓口で自分の状況を伝えやすくなります。

たとえば、6月に辞めて8月の納期の額が払えない人は、8月の納期限より前に相談します。10月の納期の分まで払えそうにないなら、そこまで含めて伝えます。退職後の健康保険や年金の支払いも同じ時期に重なるので、任意継続の手続き や 退職後の年金の切り替え とあわせて、毎月いくら出ていくかを一覧にしておくと、相談のときに説明しやすくなります。貯金がどのくらいもつかの見通しは お金がないまま辞めたいとき にまとめています。

延滞金の率や、滞納が続いたときの手続きは、この記事のファクト表に無いので書いていません。編集部の考えでは、納期限の前に相談しておけば、猶予・分割・減免のどれが使えるかをその市区町村で確かめられます。

次の会社が決まっている人の住民税

次の会社が決まっている人は、退職後の住民税を新しい会社の給与から天引き(特別徴収)してもらえるかを、前の会社と新しい会社の両方に確かめます。

前の会社を辞めて新しい会社に入るまでの間が空く場合や、手続きが間に合わない場合は、残りの分がいったん普通徴収になることもあります。引き継ぎの具体的な書類や締め切りは、この記事では条文で確かめていないので、前の会社の担当者には「残りの住民税を次の会社の天引きにしたい」、新しい会社の担当者には「住民税の特別徴収を引き継げるか」と、それぞれ聞いておきます。

退職金を受け取る人は、退職金にかかる住民税が別にあります。退職金の住民税は、ほかの所得と区分して計算し、退職所得の金額に10%(市町村民税6%・道府県民税4%)を掛けた額を、退職金を払う会社が退職金から差し引きます(328条・328条の4)。給料の住民税の残りとは別の行で明細に出るので、混同しないように見ておきます。控除の出し方や申告書の扱いは 退職金の所得税・住民税 で扱っています。

家族の扶養に入る予定の人は、住民税とは別に、健康保険の扶養の条件があります。条件は 退職後に扶養に入る手続き を見てください。

編集部の整理では、転職先が決まっている人も、退職月で払い方が決まる仕組みは同じです。1月1日〜4月30日の退職で一括になるか、6月1日〜12月31日の退職で普通徴収や天引きの引き継ぎになるかを先に確かめると、最後の給与と最初の給与の手取りの見通しが立ちます。

一括徴収を申し出なくていい場合

6月1日〜12月31日に辞める人は、残りの住民税を最後の給与や退職金から一括で差し引いてもらうよう申し出ることができますが、申し出なければ、残りは普通徴収で納期ごとに払う形になります。申し出なくていいのは、次のような場合です。

一括徴収は、最後の手取りを減らすかわりに、退職後に納付書で払う手間をなくす選び方です。払う総額が変わるわけではありません。どちらを選んでも、前年の所得で決まった年税額の残りを払う点は同じです。

  • 退職後しばらく収入が無く、最後の給与や退職金を当面の生活費に充てたい
  • 失業保険の入金や次の給与の時期と、残りの納期の月を並べて、払える見通しが立っている
  • 転職先が決まっていて、残りを新しい会社の天引きに引き継げるか確かめている

たとえば、10月末に辞めて次の仕事を探す人は、最後の給与から残りをまとめて差し引かれると、退職直後の手元の資金が薄くなります。普通徴収なら、残る納期の月(1月)に払う形になるので(納期限は市区町村の条例で決まります)、それまでに失業保険の入金や次の給与を受け取れる見込みがあれば、資金の厚い時期に払えます。反対に、納付書の管理が不安な人や、退職金がまとまって入る人は、一括徴収を申し出て払い終えておくほうが気が楽、という選び方もあります。

なお、1月1日〜4月30日に辞める人は、支払額が残額を超えれば、申出に関係なく一括で差し引かれるので、この選び方はありません。

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よくある質問

会社を辞めた後、住民税はどうなりますか?

前年の所得で決まった今年度の住民税の残りを払います。6月1日〜12月31日に辞めた人は、残りは普通徴収(納付書)に変わります(本人が申し出て、支払額が残額を超えるときは、一括で差し引くこともできます)。1月1日〜4月30日に辞めた人は、5月31日までに支払われる給与・退職金から一括で差し引かれます(支払額が残額を超えるとき)。超えるものがなければ残りは普通徴収になります。

退職後の住民税はなぜ高いのですか?

退職しても年税額は前年の所得で決まった額のままです。在職中は年12回の天引きだったのが、普通徴収では残りの額が残った納期(6月・8月・10月・1月の枠)に分かれて届くため、1回あたりが大きく見えることがあります。1月1日〜4月30日の退職では、残りが最後の給与や退職金からまとめて差し引かれ、手取りが大きく減ることもあります(支払額が残額を超えるとき)。

退職後の住民税はいくらくらいですか?

前年の所得から所得控除を引いた金額に10%を掛けた所得割と、均等割4,000円・森林環境税1,000円(標準税率で足すと年5,000円)を足した額です。在職中に受け取った決定通知書の年税額から、天引き済みの分を引くと、残りの額が分かります。

退職したら住民税はどうすればいいですか?

自分の退職月から払い方を確かめ、普通徴収になる人は、届いた納税通知書の納期限までに払います。払えないと思ったら、納期限の前に1月1日の住所地の市区町村の税務課へ相談します。転職先が決まっている人は、天引きを引き継げるかを会社に確かめます。

失業したら住民税は減免されますか?

減免は、市町村長が条例の定めるところにより「できる」とされる仕組みで、失業しただけで一律に減免されるものではありません。対象や基準は市区町村の条例で決まるので、お住まいの市区町村の税務課で確かめてください。払う時期を待ってもらう徴収猶予(1年以内)を相談する道もあります。

退職金からも住民税は引かれますか?

引かれます。退職金の住民税は、ほかの所得と区分して、退職所得の金額に10%を掛けた額が退職金から差し引かれます。給料の住民税の残りとは別の計算です。

数字だけ、もう一度

  1. 課税の基準日:1月1日(その日の住所地の市区町村が課税)。所得割は前年1月〜12月の所得で計算
  2. 退職月で変わる払い方:1月1日〜4月30日の退職は5月31日までに支払う給与・退職金から一括(支払額が残額を超えるときに限る)/6月1日〜12月31日の退職は普通徴収(申し出れば一括も)。総務省の資料は「1〜5月」と書く
  3. 普通徴収の納期:6月・8月・10月・1月中で、日付は市区町村の条例。年4回(天引きは年12回)。均等割の額以下なら6月中のみ
  4. 税率(標準):所得割10%(市町村民税6%・道府県民税4%)/均等割4,000円(市町村3,000円・道府県1,000円)/森林環境税1,000円。標準税率で足すと定額部分は年5,000円
  5. 翌年度:6月1日〜12月31日の退職なら退職した年の1月〜12月の所得で計算。1月〜5月の退職なら、その年の6月からの年度の分も前年の所得で計算。住民税の申告は3月15日まで(対象かは市区町村で確認)
  6. 徴収猶予:地方税法15条・地方団体の長・申請・1年以内(延長しても通算2年まで)
  7. 減免:地方税法323条・市町村長・条例の定めによる「できる」規定
  8. 退職金の住民税:退職所得の金額×10%を退職金から特別徴収

退職後の住民税で困るのは、額そのものより、いつ・どの形で来るかが見えないまま納付書を受け取ることです。自分の退職月を表に当てはめて払い方を決め、決定通知書から残りの額を出し、残る納期の月と失業保険や次の給与の入金を並べる。ここまで済ませておけば、払える月と苦しい月が先に分かり、苦しい月があれば納期限の前に市区町村へ相談する、という次の一手が決まります。

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この記事を書いた人

やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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