退職後に扶養に入る手続きは?失業保険の日額いくらまでなら夫の扶養に入れるか

  • 会社を辞めたら、すぐ夫の扶養に入れるの?
  • 失業保険をもらうと、扶養に入れないって本当?
  • 日額がいくらまでなら、扶養のままでいられる?
  • 失業保険を待っている間や、もらい終わったあとはどうなる?
  • 夫に何を頼んで、自分では何を用意すればいい?
  • 扶養に入るまでの間、病院にかかったら保険証はどうなるの?
  • 結婚や夫の転勤で辞める場合も、同じ扱い?
  • 扶養に入ると、年金はどうなるの?

上記のような悩みに答えます。

退職後に家族の健康保険の扶養に入ると、自分の健康保険料と国民年金の保険料を払わずに済む場合があります。ただ、扶養に入れるかどうかは「辞めた時点で収入が無いか」ではなく「これからの1年間にどれだけ収入が見込まれるか」で判定され、その収入には失業保険(雇用保険の基本手当)も数えられます。手続きの書類や流れを並べるページは多いものの、自分の失業保険の日額が基準のどちら側にあるか、待っている間・受け取っている間・受け取り終わったあとで扶養の扱いがどう変わるかを、一続きの時間の流れで示すところはほとんどありません。そこで、扶養の収入の基準・届け出の流れ・年金の扱いを押さえたうえで、日額で決まる扶養の出入りと、結婚や配偶者の転勤で辞める人の失業保険の扱いまで、健康保険法・国民年金法の条文と日本年金機構・協会けんぽ・厚生労働省の資料で確かめながら整理しました。

先に答え

扶養に入れるかは、失業保険も含めたこれからの年間収入の見込みで決まります。協会けんぽ・日本年金機構の目安では、基本手当日額が3,611円以下なら入れ、3,612円以上なら受け取っている間は外れます。受け取り終わったあとは、そのときの収入の見込みで改めて判定されます。届け出は夫(家族)の勤め先を通して出し、健保組合などは基準を勤め先に確かめます。

2026年10月時点の制度で確かめています

目次

失業保険の日額3,611円以下なら扶養に入れる

退職後に扶養に入れるかを分ける一番大きな数字は、失業保険の日額です。協会けんぽ・日本年金機構の目安では、雇用保険の受給者の場合、日額3,611円以下であれば収入の要件を満たします(日本年金機構「家族を被扶養者にするとき」)。反対に、日額3,612円以上の基本手当を受け取り始めたら、扶養から外れる届け出が必要になります。

なぜ日額で決まるのかというと、扶養の収入の基準が「年間収入130万円未満」だからです。60歳以上の人と障害厚生年金を受けられる程度の障害がある人は180万円未満、19歳以上23歳未満の人(配偶者を除く)は150万円未満が基準になります(厚生労働省 通知)。ここでいう年間収入は過去の収入ではなく、扶養に入る時点から先の1年間の見込みです。そして、その収入には雇用保険の失業等給付も含まれます。つまり、失業保険を受け取っている人は「この日額が1年続いたら130万円を超えるか」で見られる、ということです。

計算例

130万円を360日で割ると約3,611.1円になります。日額3,611円なら360日分で1,299,960円と130万円に届かず、日額3,612円なら1,300,320円と130万円に届きます。境目が3,611円と3,612円のあいだにあるのはこのためです。

失業保険の日額で、受け取る間の扶養が分かれる
日額3,611円以下 | 受け取っている間も扶養に入れる(協会けんぽ・日本年金機構の目安)

    日額3,612円以上 | 受け取り始めたら扶養から外れる届け出が要る

      自分の日額がどちら側かは、辞める前の賃金で決まります。基本手当日額には下限と上限があり、2026年8月1日からの額は、下限が2,562円、上限は離職時の年齢で30歳未満7,450円、30歳以上45歳未満8,270円、45歳以上60歳未満9,110円、60歳以上65歳未満7,830円です(厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」)。3,611円は下限の2,562円に近い側にあるので、どのくらいの給料だった人が境目の下に入るのかは、計算してみないと分かりません。

      たとえば、短い時間のパートで働いていた人は、日額が3,611円以下に収まって、受け取りながら扶養に入れることがあります。一方、フルタイムで働いていた人は、同じ扶養の基準でも日額が3,612円以上になり、受け取っている間は扶養の外にいることになりがちです。同じ「退職して夫の扶養に入りたい」でも、辞める前の働き方で答えが変わります。

      なお、60歳以上の人の基準は年収180万円未満なので、日額3,611円という目安はそのまま当てはまりません。60歳以上の人は、家族の勤め先に日額を伝えて扱いを確かめてください。どの年齢の人も、最初の一手は自分の日額を出すことです。日額が分かれば、扶養に入るか、受け取っている間だけ国保などに入るかの見通しが、辞める前に立ちます。

      自分の基本手当日額が3,612円を超えるかどうかは、失業保険の計算ツールで、辞める前の給料から出せます。

      待つ間・受給中・受給後で扶養に入る可否が変わる

      失業保険を受け取る人の扶養は、一度入ったら終わりではなく、時期によって出入りがあります。日額が3,612円以上の人なら、支給が始まる前は入れる場合があり、支給が始まったら外れ、受け取り終わったあとは、そのときの収入の見込みで改めて判定される、という流れです。

      この出入りが起きるのは、扶養の判定が「その時点から先の収入の見込み」で行われるからです。支給が始まる前は、まだ給付が入っていないので、見込みの収入が基準を下回ることがあります。日本年金機構は、雇用保険の待期期間中でも、収入の要件を満たしていれば被扶養者として認定できるとしています。ただし、日額3,612円以上の基本手当の支給が始まった場合は、扶養から外す届け出が必要です(日本年金機構「家族を被扶養者にするとき」)。

      カレンダーに印をつけるペン
      時期 日額3,611円以下の人 日額3,612円以上の人
      辞めてから支給が始まるまで 入れる 待期期間中は、収入の要件を満たせば入れる。給付制限の間の扱いは家族の勤め先に確かめる
      基本手当を受け取っている間 入れる 外れる(扶養から外す届け出が要る)
      受け取り終わったあと 入れる そのときの収入の見込みで改めて判定される。入れるかは夫の勤め先に確かめる
      日額3,612円以上の人の、扶養の出入り
      辞めてから支給が始まるまで待期期間中は入れる場合がある
      基本手当を受け取っている間扶養から外れる
      受け取り終わったあと収入の見込みで改めて判定

      表の中で一つ気をつけたいのが、自己都合で辞めた人にかかる給付制限の間です。機構のページが「認定できる」と書いているのは待期期間中で、給付制限の間については同じ書き方がされていません。給付制限の長さ自体は辞め方などで変わるので、給付制限1か月の記事で自分の場合を確かめたうえで、その間も扶養に入れるかを家族の勤め先に聞いてください。

      たとえば、自己都合で辞めて日額が3,612円以上の人は、辞めた直後に扶養に入り、支給が始まったら外れて国保などに入り、受け取り終わったら、そのときの収入の見込みで改めて判定してもらう、という流れになることがあります。受け取り終わったあとに入れるかは、夫の勤め先に確かめます。外れている間の健康保険と国民年金は自分で入る必要があり、その保険料は任意継続の保険料はいくら?で国保と比べて決めます。日額3,611円以下の人は、この出入りが無く、扶養に入ったまま受け取れます。

      申込みの時期は失業保険の側の事情で決め、扶養の出入りは予定表にして夫に伝えれば足ります。大事なのは、支給が始まる日と終わる日を把握して、そのたびに家族の勤め先に伝えることです。

      扶養に入る手続きの書類と夫との分担

      扶養の届け出は、扶養に入る本人ではなく、夫(家族)の側が勤め先を通して出します。本人がすることは、届け出に必要な情報と、収入が分かる書類をそろえて夫に渡すことです。

      協会けんぽに入っている人の扶養に入る場合は、被保険者(夫)が事業主を経由して「被扶養者(異動)届」を日本年金機構に出します。健保組合など協会けんぽ以外の健康保険の場合は、健康保険の手続きは夫の勤め先に問い合わせ、年金のほうは「国民年金第3号関係者届」だけを機構に出す形になります(日本年金機構「家族を被扶養者にするとき」)。年金の届け出をだれがどこに出すかも、夫の勤め先に確かめてください。

      封筒と万年筆
      分担 中身
      夫に頼むこと 勤め先の人事・総務に「妻が退職したので扶養に入れたい」と伝え、届け出の用紙と必要な書類の一覧をもらう
      自分でそろえるもの 退職日が分かる書類、失業保険を受け取る人は日額が分かる書類(雇用保険受給資格者証など)、マイナンバーなど、勤め先に指定されたもの
      自分で確かめておくこと 失業保険の日額と、支給が始まる日・終わる日の見込み

      必要な書類は、法令で全国一律に決まっているわけではなく、勤め先や健康保険ごとに案内されます。そのため、ネットの「必要書類一覧」をそろえても、勤め先から別のものを求められることがあります。最初に夫を通して一覧をもらうほうが、手戻りがありません。

      たとえば、退職後すぐにハローワークへ行く前の段階では、日額が分かる書類はまだ手元にありません。その場合は、退職日が分かる書類だけで先に扶養に入る届け出を進め、ハローワークで手続きをして日額が分かったら、その書類の写しを夫に渡す、という順番になります。離職票が遅れているときは、そのことを夫から勤め先に伝えてもらい、何で代えられるかを確かめます。

      夫の勤め先に、自分が辞めた理由まで伝える必要があるかを気にする人もいます。扶養の判定に使うのは収入の見込みです。何を伝える必要があるかは、夫を通して勤め先に確かめてください。

      扶養に入る手続きは辞めたら早めに

      扶養に入る届け出は、辞めたらできるだけ早く、夫の勤め先に出します。届け出の期限の日数は、勤め先の社内の締め切りもあるので、この記事では書きません。書類が増えるのは、被扶養者になった日が受付日より60日以上さかのぼる場合です。

      日本年金機構は、被扶養者になった日が年金事務所の受付日より60日以上さかのぼる場合は、扶養の事実を確認できる書類の添付が必要だとしています(日本年金機構「家族を被扶養者にするとき」)。つまり、遅れても入れなくなるとは限りませんが、遅れるほど手間が増えます。夫の勤め先の社内の締め切りもあるので、退職日が決まった時点で夫に伝えておくのが確実です。

      • 退職日が決まったら、夫に伝えて勤め先の担当者と書類の一覧を確かめてもらう
      • 退職日が分かる書類が手に入ったら、すぐ夫に渡す
      • 失業保険の支給が始まる日・終わる日が分かったら、そのつど夫に伝える

      認定が出るまでの間に受診する予定がある人は、届け出のときに夫の勤め先へその間の受診をどうすればよいか聞いておきます。

      たとえば、月末に辞めて翌月の中ごろに届け出が出せた人と、辞めてから数か月たって思い出した人とでは、勤め先の手続きの重さが変わります。後者は、扶養に入っていなかった期間の健康保険と国民年金をどうしていたかが問題になります。扶養に入るつもりでいて何も手続きをしていなかった期間が空くのが、一番避けたい形です。

      国民年金のほうでは、扶養に入らずに第1号被保険者になる人は、退職日の翌日から14日以内に住所地の市区役所・町村役場で手続きをします(日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」)。扶養に入る人はこの手続きではなく、夫の勤め先を通す届け出になります。どちらになるかを辞める前に決めておくと、手続きの漏れがありません。

      健保組合の扶養に入る基準は勤め先に確かめる

      日額3,611円という目安は、協会けんぽ・日本年金機構のものです。夫が健康保険組合などに入っている場合は、失業保険を受け取っている人を扶養に入れるかの基準を、夫の勤め先に確かめる必要があります。共済も同じく勤め先に確かめます。

      厚生労働省のQ&Aは、配偶者などの扶養家族であっても基本手当の受給要件を満たしていれば受け取れるとしたうえで、基本手当を受けていると扶養家族になれない場合があるので、配偶者の加入する健康保険組合か勤め先の福利厚生の担当に問い合わせるよう案内しています(厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」)。機構のページも、協会けんぽ以外の健康保険の扶養については勤め先に問い合わせるよう書いています。

      夫の健康保険がどこかは、夫の保険証や勤め先の案内を見れば分かります。保険者の名前に「全国健康保険協会」とあれば協会けんぽ、「◯◯健康保険組合」とあれば健保組合です。協会けんぽ以外なら、日額の目安をうのみにせず、勤め先を通して基準を聞きます。

      たとえば、夫が健保組合に入っている場合は、夫から勤め先の担当者に「妻の失業保険の日額が◯円ですが、受け取っている間も扶養に入れますか」と聞いてもらいます。日額を数字で伝えると、答えが早く返ってきます。

      組合によって答えが変わり得るからこそ、聞くときは「受け取る前」「受け取っている間」「受け取り終わったあと」の3つに分けて聞くと、出入りの予定がまとめて分かります。

      結婚・夫の転勤で辞めるなら理由を確かめる

      結婚や夫の転勤で今の職場に通えなくなって辞める場合は、失業保険の上で、自己都合でも正当な理由がある「特定理由離職者」に当たる場合があります。扶養に入る話と同時に、辞める理由がどう扱われるかを確かめておく価値があります。

      ハローワークの案内では、特定理由離職者の範囲として、結婚に伴う住所の変更で通勤が不可能または困難になった場合や、配偶者の事業主の命による転勤・出向に伴う別居を避けるために辞めた場合が挙げられています。配偶者と別居生活を続けることが困難になって辞めた場合も、別の類型として挙がっています(ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」)。ただし、当てはまるかどうかは、ハローワークが事業主と本人の双方の主張や確認の資料をもとに判断するので、「結婚で辞めれば必ず該当する」とは言えません。

      特定理由離職者に当たると、失業保険を受け取るための被保険者期間の条件が、離職の日以前1年間に通算6か月以上に緩くなります(厚生労働省「離職されたみなさまへ」)。給付制限の扱いも変わる場合があり、詳しくは給付制限なしになる人の記事にまとめています。

      ここで扶養とつながるのが、支給が始まる時期です。給付制限がかからなければ、支給が早く始まります。日額が3,612円以上の人なら、その分だけ早く扶養から外れることになるので、扶養に入っていられる期間は短くなります。失業保険を早く受け取れることと、扶養の出入りの時期は、セットで考えておく必要があります。

      たとえば、夫の転勤先に引っ越すために辞める人は、辞める前に、夫の転勤の辞令の写しなど、転勤と引っ越しの事実が分かるものを用意しておくと、ハローワークでの説明がしやすくなります。結婚で遠くに引っ越す人も、住所が変わったことと、新しい住所から前の職場に通うのが難しいことを説明できるようにしておきます。何を持っていけばよいかは、ハローワークで確かめてください。

      扶養に入ると年金は第3号になる

      夫が会社員や公務員で厚生年金に入っている場合、その扶養に入る20歳以上60歳未満の配偶者は、国民年金の第3号被保険者になります。第3号の間は、自分で国民年金の保険料を納める必要はありません。

      国民年金法は、第2号被保険者(厚生年金の加入者)の配偶者で、主として第2号被保険者の収入により生計を維持する20歳以上60歳未満の人を第3号被保険者と定めています(国民年金法7条1項3号)。健康保険の扶養も、健康保険法で「主としてその被保険者により生計を維持するもの」と定められ(健康保険法3条7項)、130万円や日額3,611円といった数字は、条文ではなく通知や保険者の運用で示されています。

      立場 国民年金の扱い 手続きの窓口
      夫の扶養に入る配偶者(20歳以上60歳未満) 第3号被保険者。自分で保険料を納めない 夫の勤め先(協会けんぽの場合)
      扶養に入らない、または扶養から外れた人(厚生年金に入らない場合) 第1号被保険者。自分で保険料を納める 住所地の市区役所・町村役場

      扶養から外れたときは、国民年金の第1号被保険者の加入手続きが必要です(日本年金機構「家族を被扶養者にするとき」)。日額が3,612円以上で受給中に扶養から外れる人は、健康保険だけでなく、年金もこの切り替えが起きることを覚えておきます。

      たとえば、夫が自営業で国民健康保険と国民年金に入っている場合は、ここまでの話は当てはまりません。国民健康保険には扶養の仕組みが無く、夫が第2号被保険者ではないので第3号にもなりません。親の扶養に入る人も、第3号は配偶者だけの仕組みなので、年金は自分で第1号の手続きをします。

      税金の扶養(配偶者控除など)は、健康保険・年金の扶養とは別の制度で、基準も手続きの窓口も違います。こちらは夫の年末調整などで扱われるので、健康保険の扶養に入ったからといって自動で決まるものではありません。

      日額が高い人は受給中は扶養に入らない

      失業保険の日額が3,612円以上になる人は、受け取っている間は扶養に入れないことを前提に、その間だけ国保か任意継続に入ると考えたほうが、計画が立てやすくなります。扶養に入るために失業保険をあきらめる、という考え方はしなくて構いません。

      扶養に入れない期間に払う保険料は、国保なら住んでいる市区町村と前年の所得で、任意継続なら退職時の標準報酬月額で決まり、人によって大きく違います。どちらが安いかの比べ方は任意継続の保険料はいくら?に、失業保険が入るまでの家計の見通しは仕事辞めたいけどお金がないならにまとめています。受け取っている間の保険料と、受け取る失業保険の額を並べてみると、どう動くかが決めやすくなります。

      扶養に入れない、または入らないほうがいい場合は、主に次のとおりです。

      • 失業保険の日額が3,612円以上で、受け取っている間(協会けんぽの場合)
      • 夫の健康保険組合の基準で、受給中は扶養に入れないと言われた
      • 同居していて、自分の収入の見込みが夫の収入の半分以上になる(原則として入れない。例外の扱いは勤め先に確かめる。別居なら、夫からの仕送り額未満かどうかを勤め先に確かめる)
      • 辞めてすぐに再就職し、次の勤め先の健康保険に入る

      たとえば、辞めてすぐに次の会社に入ることが決まっている人は、その間だけ扶養に入る手続きをしても、すぐに外れる届け出が必要になります。夫の勤め先と相談して、間を国保でつなぐか扶養に入るかを決めます。逆に、しばらく働かずに家にいる予定で日額が3,611円以下の人は、退職日の翌日から扶養に入る届け出を進めるのが自然です。

      扶養に入る手続きは、夫の勤め先に聞けば足ります。手続きの代行や有料の相談を使わなくても、書類の一覧は勤め先が出してくれるので、本人がするのは日額を出して書類を渡すことだけです。

      次にやること

      扶養に入るかどうかは、日額・時期・夫の健康保険の3つで決まります。辞める前から次の順で動くと、空白の期間を作らずに済みます。

      1. 自分の基本手当日額を出す:失業保険の計算ツールで、3,611円以下か3,612円以上かを見る
      2. 夫に退職日を伝え、勤め先の健康保険(協会けんぽか、健保組合・共済か)と、届け出の書類の一覧を確かめてもらう
      3. 協会けんぽ以外なら、「受け取る前・受け取っている間・受け取り終わったあと」の扱いを組合に聞いてもらう
      4. 結婚・夫の転勤で辞める人は、離職理由の扱いをハローワークで確かめる
      5. 受給中に扶養から外れる人は、その間の国保・任意継続と国民年金の手続きを決めておく

      失業保険の申込みの流れは失業保険のもらい方に、退職前後の手続き全体は退職の手続きの記事一覧にまとめています。

      たとえば、日額が3,611円以下で協会けんぽの人なら、2までで手続きの見通しはほぼ立ちます。日額が3,612円以上で健保組合の人は、3と5まで進めておくと、支給が始まったときに慌てずに済みます。

      退職後の扶養でよくある質問

      退職後すぐに扶養に入れますか?

      扶養の判定は、扶養に入る時点から先の1年間の収入の見込みで行われます。失業保険の日額が3,611円以下か、まだ支給が始まっていなければ、辞めた直後から入れる場合があります。届け出は夫(家族)の勤め先を通して出します。

      退職前の年収が130万円を超えていましたが、扶養に入れますか?

      年間収入は過去の収入ではなく、これからの見込みで見られます。辞めて収入が無くなるなら、退職前の年収が130万円を超えていても入れる場合があります。失業保険を受け取るなら、その日額で判断されます。

      失業保険をもらい終わったら、すぐ扶養に入れますか?

      受け取り終わったあとは、そのときの収入の見込みで改めて判定されます。入れるかどうかは、夫の勤め先に確かめてください。

      夫ではなく、親の扶養に入ることはできますか?

      健康保険の扶養には、配偶者のほか、子や孫、兄弟姉妹、親などの家族も入れます。19歳以上23歳未満の人(配偶者を除く)は年収150万円未満が基準です。ただし国民年金の第3号は配偶者だけなので、親の扶養に入る人は年金を自分で手続きします。

      扶養に入ったあと、パートで働き始めたらどうなりますか?

      収入の見込みが基準を超えると、扶養から外れます。協会けんぽでは、令和8年4月1日以降、労働契約で決まった賃金から見込まれる年間収入で判定する取り扱いがあります。働き始める前に、夫の勤め先に扱いを確かめてください。

      失業保険をもらうか、扶養に入るか、どちらを選ぶべきですか?

      日額が3,611円以下なら、協会けんぽの目安では受け取りながら扶養に入れます。3,612円以上なら、受け取っている間は国保などに入り、受け取り終わったあとは、そのときの収入の見込みで改めて判定してもらう流れです。受け取っている間の保険料と、受け取る失業保険の額を並べて考えてください。

      数字だけ、もう一度

      1. 扶養の年収の基準:130万円未満(60歳以上・障害厚生年金を受けられる程度の障害がある人は180万円未満、19歳以上23歳未満は配偶者を除き150万円未満)。過去ではなく、これからの見込み
      2. 失業保険の目安:日額3,611円以下なら入れる。3,612円以上の支給が始まったら外れる届け出(協会けんぽ・日本年金機構)
      3. 時期による出入り:待期期間中は収入の要件を満たせば入れる。受け取っている間は外れ、受け取り終わったあとはそのときの収入の見込みで改めて判定
      4. 届け出:夫(家族)の勤め先を通す。60日以上さかのぼると扶養の事実を確認できる書類が要る
      5. 健保組合・共済:基準は夫の勤め先に確かめる
      6. 結婚・夫の転勤で辞めたとき:特定理由離職者に当たる場合がある。被保険者期間の条件は離職の日以前1年間に通算6か月以上
      7. 年金:夫が厚生年金なら、20歳以上60歳未満の配偶者は第3号。扶養から外れたら第1号の手続き(退職日の翌日から14日以内)

      退職後の扶養で迷う人の多くは、「扶養に入れるか入れないか」を一度で決めようとしています。実際には、失業保険の日額が分かれば、いつ入り、いつ外れ、いつ改めて判定してもらうかという予定表が先に作れます。その予定表を夫に渡して勤め先に伝えてもらえば、手続きはそれぞれの時期に一つずつこなすだけになります。まずは日額を出して、自分がどちら側にいるかを知るところから始めてください。

      よかったらシェアしてね!
      • URLをコピーしました!
      • URLをコピーしました!

      この記事を書いた人

      やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

      目次