失業保険をもらいながら職業訓練は受けられる?給付制限と訓練延長給付の条件

手帳と2本のペン
  • 失業保険をもらいながら、職業訓練に通うことはできる?
  • 職業訓練を受けると、失業手当はどうなるの?
  • 自己都合で辞めたけど、訓練を受ければ給付制限はなくなる?
  • 訓練の途中で支給日数が切れたら、そこで打ち切り?
  • 「月10万円もらえる」と聞いたのは、どの制度のこと?
  • 受講手当や交通費は、いくら上乗せされる?
  • 受講指示という言葉が出てきたけど、何のこと?
  • 訓練に通っても就職できなかったら、時間の無駄にならない?

上記のような悩みに答えます。

職業訓練は、失業保険(基本手当)を受けている人がそのまま通える国の訓練です。ただ、日数が延びる・手当が上乗せされる、という話は「ハローワークの所長の受講指示を受けた訓練」であることが前提で、給付制限も受講指示で外れるのが基本の形です(自分で受けた教育訓練で外れる道は、条件が別にあります)。ここを抜かして「訓練に行けば延びる」とだけ覚えると当てが外れます。公式の案内は制度ごとにページが分かれ、人材会社の記事はコースの紹介が中心で、2025年4月の給付制限の見直しのあとに訓練を受ける得がどこに残るのかや、残りの日数が少ない人の分かれ目までは通して書かれていません。そこで、受講で変わる3つのこと、給付制限と訓練延長給付の条件、上乗せの手当、月10万円の給付金との違いを押さえたうえで、申し込む時期の目安と「受けなくていい場合」まで、雇用保険法の条文と厚生労働省・ハローワークの資料で確かめながら整理しました。

先に答え

失業保険を受けながら職業訓練は受けられます。ハローワークで受講指示を受けた訓練なら、受講中と終わった後は給付制限がかからず、訓練中に日数が尽きても終わるまで支給が続くことがあり、受講手当と通所手当も上乗せされます(2026年10月時点)。

2026年10月時点の制度で確かめています

自分の基本手当の日額と所定給付日数を先に知りたい人は 失業保険の計算ツール で出しておくと、このあとの話をそのまま自分の数字で読めます。

目次

受給中でも国の職業訓練に通える

失業保険を受けている人は、ハローワークを通して公共職業訓練(ハロートレーニング)を受けられます。訓練を受けているあいだも、失業している日については基本手当の対象になります。

そもそも国の職業訓練は、離職した人が次の仕事に必要な技能を身につけるための仕組みで、厚生労働省は離職者向けの訓練を「公共職業訓練(離職者訓練)」と「求職者支援訓練」の2つに分けています。公共職業訓練は主に雇用保険を受給している人が対象で、訓練期間はおおむね3か月〜2年、受講料は無料です(テキスト代などは自己負担)。

種類 主な対象 受講料
公共職業訓練(離職者訓練) 主に雇用保険を受給している求職者 無料(テキスト代等は自己負担)
求職者支援訓練 主に雇用保険を受給できない求職者(受給が終わった人を含む) 無料(テキスト代等は自己負担)

出典:厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」

失業保険を受ける人が訓練に通うときに大事なのは、どちらの訓練かよりも、ハローワークの所長から「受講指示」を受けるかどうかです。雇用保険法は、給付制限の解除(33条1項ただし書き)・訓練延長給付(24条)・受講手当などの技能習得手当(36条)を、「公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等」に結びつけています。給付制限には、受講指示によらない解除の道も別にあります。法律の言う「公共職業訓練等」には、公共職業能力開発施設の訓練のほか、求職者支援訓練も含まれます(雇用保険法15条)。さらに2022年7月1日からは、求職者支援訓練も受講指示の対象に加わりました。

出典:大阪労働局「受講指示の対象に求職者支援訓練が追加されたことに伴う対応のお願い」

たとえば、失業保険の手続きをしてから自分で訓練校のパンフレットを取り寄せて申し込んだだけの人と、ハローワークの窓口で相談して受講指示を受けた人とでは、同じ教室に通っていても失業保険の扱いが違います。受講指示は、申し込んだだけでは出ません。ハローワークの全国向けの案内も、所長が受講を「指示」することがある、という書き方をしています。

出典:ハローワーク「基本手当について」

判断の出発点は、「訓練を受けるかどうか」の前に「受講指示を受けられる訓練かどうか」を窓口で確かめることです。失業保険の手続きの流れそのものは 失業保険のもらい方 にまとめてあるので、まだ手続き前の人は先にそちらを見てください。

受講指示で変わる3つのこと

受講指示を受けた訓練に通うと、失業保険で変わるのは、給付制限・支給される日数・上乗せの手当の3つです。指示を受けずに通う訓練では、日数と手当のこの扱いは当てはまらず、給付制限も別の条件(下の教育訓練の扱い)に当たるときだけ外れます。

受講指示は、愛知のハローワークの資料では、早期の就職を目指しており、かつ所長が公共職業訓練の受講を特に必要と認めた人に出すものと説明されています。受講指示を受けた人には、給付制限の解除、訓練終了日までの基本手当、受講手当・通所手当の3つが付きます。

受講指示があるかで、変わることが違う
受講指示を受けた訓練

  • 給付制限は受講期間と終了後かからない
  • 所定給付日数を超えて支給されることがある
  • 受講手当・通所手当が出る
指示なしで通う訓練

  • 自己都合の人が決められた訓練を離職前1年以内に受けていれば外れ、離職後に受け始めれば受講を始めた日から外れる
  • 所定給付日数で終わる
  • 受講手当・通所手当は出ない
  • 給付制限:受講指示を受けた訓練の受講期間と、受け終わった日の後はかからない(雇用保険法33条1項ただし書き)
  • 支給される日数:受講期間内の失業している日について、所定給付日数を超えて支給することができる(訓練延長給付・24条)
  • 上乗せの手当:受講手当・通所手当(技能習得手当)と、条件に当たる人は寄宿手当(36条)

ここで気をつけたいのは、自分で申し込んだ講座でも給付制限が外れる道が別にあることです。2025年4月の見直しで、正当な理由のない自己都合で辞めた人が、教育訓練給付金の対象講座や公共職業訓練等などを離職日前1年以内に受けた、または離職日以後に受けている場合(2025年4月1日以降に受講を始めたもの)は、給付制限が外れる扱いが入りました。ただしこちらは訓練延長給付や受講手当とは結びついていません。給付制限そのものの仕組みは 給付制限1か月の数え方 と 給付制限がかからない自己都合 に分けて書いてあるので、ここでは訓練との関係だけを扱います。

たとえば会社都合で辞めた人は、もともと給付制限がかからないので、受講指示で得をするのは日数と手当の2つです。正当な理由のない自己都合で辞めて給付制限がかかる人は3つ全部が関係します。自分がどれに当てはまるかで、訓練を受ける意味の大きさが変わります。

迷ったときは、自分の離職理由(自己都合か会社都合か)と、所定給付日数のうち何日残っているかを紙に書き出し、上の3つのうちどれが自分に効くかを先に確かめると、窓口で聞くことが絞れます。

給付制限が外れる条件と時期

自己都合で辞めた人でも、受講指示を受けた訓練の受講期間と、受け終わった日の後の期間は、給付制限がかかりません。根拠は雇用保険法33条1項のただし書きです。

給付制限は、正当な理由のない自己都合退職などに、待期のあとで1か月以上3か月以内の範囲で基本手当を出さない期間を置く仕組みです(雇用保険法33条)。ただし書きは、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける受給資格者について、その受講期間と受け終わった日の後の期間に限って「この限りでない」と定めています。給付制限の途中で訓練が始まれば、始まった日から先は基本手当の対象になる、という読み方です。

時期 給付制限
求職の申込みから待期が終わるまで 待期は全員にある(訓練を受けても外れない)
待期のあと、訓練が始まるまで 給付制限がかかる(自己都合の場合)
受講指示を受けた訓練の受講期間 かからない
訓練を受け終わった日の後 かからない

出典:雇用保険法33条

この表で見落とされやすいのが、2段目です。給付制限が外れるのは訓練が始まってからで、受講指示を受けた日や申し込んだ日からではありません。開講日が先なら、それまでは給付制限が残ります。2025年4月以降に自己都合で辞めた人の給付制限は原則1か月なので、開講がそれより後なら、結果として給付制限は普通どおり過ぎてしまいます。

たとえば、自己都合で辞めて給付制限が1か月の人が、手続きのすぐあとに開講する訓練に受講指示を受けて通い始めた場合は、残りの給付制限の期間が外れ、早く基本手当の対象になります。一方、同じ人が開講まで2か月以上待つ訓練を選んだ場合は、給付制限は訓練が始まる前に終わるので、給付制限の面での得はありません。その人にとって訓練を受ける意味は、日数と手当のほうに移ります。

2025年4月の見直しで給付制限が短くなったぶん、「訓練を受ければ給付制限がなくなる」ことの重みは前より小さくなっています。訓練を受けるか決めるときは、給付制限の有無より、自分の開講日と残りの日数の関係で考えるほうが実態に合います。

訓練延長給付は所定給付日数を超えて出ることがある

受講指示を受けた訓練を受けているあいだは、所定給付日数を超えても、訓練の終わりまで基本手当を「支給することができる」と法律に定められています。これを訓練延長給付といいます(雇用保険法24条)。

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法律は「支給することができる」という書き方で、対象は受講指示を受けた訓練です。実際に何日分が出るかは、窓口で確かめる必要があります。何日延びるかは、人によって所定給付日数・支給済みの日数・訓練の長さが違うため、決まった日数があるわけではありません。

訓練延長給付には、時期で分けると3つの部分があります。

部分 中身 根拠
開講待ちの期間 受講指示を受けた訓練を受け始める日の前日までの、引き続く90日間に限って対象に含まれる 施行令4条2項
受講期間 受講期間内の失業している日について、所定給付日数を超えて支給することができる。受給期間も訓練を受け終わる日まで延びる 法24条1項・3項
受け終わった後 所長が「なお就職が相当程度に困難」と認めた人に限り、30日から訓練終了日の支給残日数を引いた日数を限度に上乗せ 法24条2項・施行令5条

出典:雇用保険法施行令4条/雇用保険法施行令5条

受講指示を受けた訓練は、終わるまで支給の対象になりうる
開講待ち受け始める日の前日まで引き続く90日間
受講期間所定給付日数を超えても終了日まで
受け終わった後認められた人だけ30日から残日数を引いた日数まで

対象になる訓練の長さにも上限があり、訓練の期間が2年を超えるものは訓練延長給付の対象になりません(施行令4条1項)。受け終わった後の上乗せは、訓練終了日の支給残日数が30日以上ある人にはつきません。

計算例

たとえば、所定給付日数が90日で、訓練を始めた日に支給残日数が31日あった人を考えます。訓練が31日より長く続けば、残りの31日は受講中に使い切りますが、その後も訓練の終わりまでは訓練延長給付の対象になりえます。訓練が終わった日に支給残日数が0日で、所長が就職が相当程度に困難と認めた場合は、30日から0日を引いた30日を限度に上乗せがありえます。

自分の場合に何日分の上乗せになるかは、ここでは出せません。窓口で聞くときは、所定給付日数・支給済みの日数・訓練の開講日と終了日の4つを伝え、「この訓練で訓練延長給付の対象になるか」を確かめてください。

上乗せの手当は受講手当と通所手当

受講指示を受けた訓練を受けると、基本手当とは別に、技能習得手当として受講手当と通所手当が出ます。家族と離れて寄宿する人には寄宿手当もあります(雇用保険法36条)。

これらの手当は、受講指示を受けた訓練を受ける人だけに、基本手当に上乗せして出ます。額と要件は雇用保険法施行規則で決まっています。

手当 額 主な条件
受講手当 日額500円・40日分が限度(上限20,000円) 基本手当の支給の対象となる日のうち、訓練を受けた日
通所手当 月額の上限42,500円 交通機関や自動車で通う人。徒歩で片道2キロメートル未満の人は原則対象外
寄宿手当 月額10,700円 生計を維持している同居の親族と別居して寄宿する人

出典:雇用保険法施行規則57条/同59条/同60条/ハローワーク「基本手当について」

注意したいのは、給付制限で基本手当が出ない期間は、技能習得手当も寄宿手当も出ないことです(36条3項)。また、訓練を欠席した日は原則として基本手当も受講手当も出ません。大阪労働局の資料では、1日の訓練時間の半分以上の出席が確認できない日を欠席としています。病気やけがなどのやむを得ない理由は、証明書があれば一部支給できる場合があります。

出典:大阪労働局(公共職業訓練等受講証明書等の記載方法)

計算例

たとえば、訓練に40日以上出席した人の受講手当は、500円×40日で20,000円が上限です。通所手当は実際の運賃などで決まるので、電車で通う人なら定期代などの額、自動車で通う人なら距離による額になり、どちらも月42,500円を超える分は出ません。

手当の額を家計に入れるときは、受講手当は上限が小さいので当てにしすぎず、通所手当は自分の通学経路で見積もるのが現実的です。通所手当の申請の仕方は、窓口で確かめてください。

月10万円の求職者支援制度との違い

「職業訓練で月10万円」と言われるのは、求職者支援制度の職業訓練受講給付金のことで、失業保険を受けている人は対象外です。失業保険を受ける人は、基本手当・訓練延長給付・技能習得手当の側で支えられます。

求職者支援制度は、雇用保険を受けられない人のための仕組みです。求職者支援法は、給付金の対象になる「特定求職者」から、雇用保険の被保険者と受給資格者をはっきり除いています(求職者支援法2条)。失業保険と給付金を両方受け取ることはできない、ということです。一方で、失業保険の受給が終わった人は、給付金の対象になりえます。

要件 職業訓練受講給付金
職業訓練受講手当 月10万円
本人の収入 月8万円以下
世帯全体の収入 月30万円以下
世帯全体の金融資産 300万円以下
出席 訓練実施日の全てに出席(やむを得ない理由で欠席し証明できる場合でも8割以上)
土地・建物 いま住んでいるところ以外に所有していない
過去の受給など 過去6年以内に受給していない・世帯に同時に受給して訓練を受けている人がいない・過去3年以内に不正受給がない

出典:厚生労働省「求職者支援制度に関するよくあるご質問」/厚生労働省「求職者支援制度のご案内」

世帯の収入の要件は月30万円以下です。給付金の要件に当てはまらない人でも、求職者支援訓練そのものは無料で受講できます。

たとえば、失業保険の所定給付日数が少なく、訓練の途中で受給が終わりそうな人は、「給付金に切り替えればいい」と考えがちです。しかし受講指示を受けた訓練なら、受給が終わる前に訓練延長給付で支給が続くことがあるので、まず失業保険の側で何ができるかを確かめるのが先です。反対に、そもそも雇用保険の受給資格がない人や、受給が終わってから訓練を考え始めた人は、給付金の要件を上の表で確かめます。

どちらの制度か迷ったら、「いま失業保険を受けているか、受け終わったか」の1点で分けると取り違えません。

申し込みの順番と受講指示

訓練を考え始めたら、訓練校に直接申し込む前に、失業保険の手続きをしているハローワークの窓口で相談します。受講指示はハローワークの所長が出すもので、窓口で相談しないまま申し込むと、指示の対象になるかを確かめないまま進んでしまうからです。

訓練は、申し込む前に窓口で相談する
  1. 1求職の申込み失業保険の手続きと同じ窓口
  2. 2訓練の相談残りの日数と開講日を伝える
  3. 3訓練の申込み選考がある訓練もある
  4. 4受講指示所長が指示して初めて対象になる
  5. 5受講開始受講中の認定は窓口の案内どおり

受講指示を出す時期には目安があります。愛知のハローワークの資料では、所定給付日数の3分の2の日数分の支給を受け終わる日までに開講する訓練が目安とされ、所定給付日数240日以上の人は150日分まで、給付制限のない90日の人は90日分まで、120日・150日の人は120日分まで、としています。ハローワークの全国向けの案内も、原則として支給残日数が一定以上ある時点で行う、と書いています。

出典:愛知ハローワーク「受講あっせん(受講指示)」

計算例

同じ愛知の資料の表では、給付制限がある人の訓練開始日時点の支給残日数の目安を、所定給付日数90日なら残り31日以上、120日なら41日以上、150日なら51日以上、180日なら61日以上としています。

これは愛知の資料の目安で、全国で同じ扱いかは確かめられていません。自分の場合は管轄のハローワークで確認してください。ハローワークの全国向けの案内も、受講指示は支給残日数が一定以上ある時点で行うとしているので、訓練を考えるなら手続きの早い段階で窓口に相談してください。

たとえば、所定給付日数90日の自己都合の人が、受給を半分以上受けてから訓練を探し始めると、目安の時期に間に合う開講日の訓練が見つからないことがあります。同じ人が最初の手続きの日に「訓練も考えている」と伝えておけば、開講日と残りの日数を並べて選べます。選考に通らなかったときは、次に開講する訓練を窓口で相談してくださいが、そのあいだにも残りの日数は減っていくので、目安を過ぎていないかを一緒に確かめます。

窓口に持っていくのは、雇用保険受給資格者証(所定給付日数と支給済みの日数が分かるもの)と、気になる訓練の名前・開講日・訓練期間のメモです。聞くことは「この訓練は受講指示の対象になるか」「開講日の時点で残りの日数は足りるか」の2つです。

訓練中の求職活動と就職が決まったとき

受講指示を受けた訓練の受講中は、失業の認定で求める求職活動の実績の基準を当てはめない扱いになっています。これは法律の条文ではなく、厚生労働省の業務取扱要領に書かれた運用です。

机の上の開いた手帳

訓練に通っていること自体を、ほかに認定されない事情がない限り、働く意思と能力がある状態として扱う、という運用です。業務取扱要領は、受講指示などによる公共職業訓練等や求職者支援訓練の受講中について、ほかに認定されない事情がない限り、労働の意思と能力があるものとして扱うとしています。訓練を受け終わる日が含まれる認定対象期間は例外で、訓練を受け終わったことを1回の求職活動の実績として数えます。

出典:厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」

  • 受講中の認定対象期間:求職活動の実績の基準を当てはめない(運用)
  • 訓練を受け終わる日が含まれる認定対象期間:受け終わったことを1回の実績と数える
  • 受講のために認定日にハローワークへ行けなかったとき:理由を書いた証明書を出して失業の認定を受けられる(雇用保険法15条4項)

訓練が終わったあとは、通常の求職活動の実績が必要に戻ります。実績の数え方そのものは 求職活動実績の数え方 にまとめてあります。

訓練の途中で就職が決まった場合は、残りの日数によって 再就職手当 の対象になることがあります。たとえば、訓練の後半で内定が出た人は、訓練をやめて入社するか、訓練を終えてから入社するかで、受け取る手当の種類と額が変わります。訓練を途中でやめる手続きや、その後の支給の扱いは窓口で確かめる必要があるので、内定の話が出た時点で、訓練校とハローワークの両方に伝えてください。

迷ったときは、入社日・訓練の終了日・その時点の支給残日数の3つを並べて窓口に持っていくと、どちらを選ぶとどうなるかを具体的に聞けます。

職業訓練を受けなくていい場合

職業訓練は、受けたほうが得な人と、受けなくて足りる人がはっきり分かれます。次に当てはまる人は、無理に訓練を探さなくて構いません。

訓練の得は、受講指示を受けた訓練の受講期間と終了後に給付制限がかからないこと、訓練延長給付、上乗せの手当の3つでした。逆に言えば、この3つが自分に効かない人や、訓練の期間そのものが負担になる人には、訓練を選ぶ理由が残りません。「訓練に行けば就職できる」とも「行かない方がいい」とも言い切れないのは、この損得が人によって違うからです。

  • すぐに働ける仕事の当てがある:訓練の数か月より、早く就職して再就職手当を考えるほうが合うことがある
  • 学びたい分野がない:受講指示は、早期の就職を目指す人で、所長が受講を特に必要と認めた人に出るもの。学びたい分野がないまま選ぶと、訓練の数か月が負担になる
  • 残りの日数が目安を過ぎている:受講指示を受けられる時期を過ぎていると、訓練延長給付や受講手当の得が得られない
  • 訓練の開講を待つ余裕がない:開講日まで給付制限や無収入の期間が続く人は、待つあいだの生活費が先に問題になる
  • 有料の講座に申し込もうとしている:離職者向けの公共職業訓練と求職者支援訓練は受講料無料(テキスト代などは自己負担)。給付制限を外すためだけに有料講座を契約する必要はない

たとえば、前職と同じ業種で次の会社の面接が進んでいる人は、訓練を受ける理由は薄くなります。反対に、未経験の分野に移りたく、手続きを始めたばかりで残りの日数が多い人は、訓練の得をいちばん大きく受けられる位置にいます。同じ「失業保険を受けている人」でも、残りの日数と、次に就きたい仕事が決まっているかで答えが変わります。

判断の軸は、①次に就きたい仕事のために身につけたい技能があるか ②残りの日数が受講指示の目安の内か ③開講日まで生活がもつか、の3つです。3つともそろう人は、窓口で訓練の相談をする価値があります。1つでも欠けるなら、訓練を待たずに仕事を探す道も並べて考えてください。

※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

受講指示を受けられる時期で、学びたい分野も決まっている人は、ハローワークの訓練の相談で足ります。「訓練の開講や選考を待たずに、未経験から正社員の仕事を早く探したい」という人には、株式会社ジェイックが運営する、就職活動を行う18〜35歳向けの就職支援サービス「就職カレッジ」(求職者は無料)があります。申し込む前に、自分の年齢が対象に入っているかを確かめてください。

就職カレッジの公式サイトを見る

失業保険と職業訓練でよくある質問

失業保険をもらいながら職業訓練は受けられますか?

受けられます。訓練中も、失業している日は基本手当の対象です。日数を超えて支給される・受講手当が出る、という扱いは、ハローワークの所長の受講指示を受けた訓練であることが前提です。給付制限は受講指示で外れるほか、自己都合の人が決められた教育訓練を受けた場合にも外れることがあります(条件は別)。

職業訓練を受けると、失業手当はどうなりますか?

受講指示を受けた訓練なら、受講期間と終了後は給付制限がかからず、所定給付日数を超えても訓練の終わりまで支給されることがあります(訓練延長給付)。何日延びるかは、所定給付日数・支給済みの日数・訓練の長さで人ごとに変わります。

自己都合でも訓練延長給付は受けられますか?

離職理由で対象が分かれる仕組みではなく、受講指示を受けた訓練かどうかが条件です。自己都合の人は、それに加えて、訓練が始まった日から給付制限が外れます。開講日までの給付制限は残ります。

職業訓練で10万円もらえるのは何か月ですか?

月10万円は求職者支援制度の職業訓練受講手当で、失業保険を受けている人は対象外です。受け取れる月数は訓練の期間と要件で決まり、本人の収入月8万円以下・世帯の収入月30万円以下・金融資産300万円以下・出席などの要件があります。

訓練を休んだら、手当は減りますか?

欠席した日は、原則として基本手当も受講手当も出ません。大阪労働局の資料では、1日の訓練時間の半分以上の出席が確認できない日を欠席としています。病気やけがなどで証明書がある場合は、一部支給できる場合があります。

職業訓練は行かない方がいいと言われるのはなぜですか?

訓練の得が、受講指示の有無や残りの日数で人によって大きく変わるからです。すぐに働ける当てがある人や、学びたい分野がない人には、訓練の数か月が負担になります。上の「職業訓練を受けなくていい場合」の3つの軸で、自分がどちらにいるかを確かめてください。

訓練中は求職活動をしなくていいのですか?

受講指示などによる訓練の受講中は、求職活動の実績の基準を当てはめない扱いになっています(厚生労働省の業務取扱要領)。訓練を受け終わる日が含まれる認定対象期間は、受け終わったことを1回の実績と数え、その後は通常の実績が必要です。

再就職手当をもらえる条件は?失業保険の残り日数と就職の決め方で分かれる可否

就業促進定着手当はいくら・いつ申請?再就職後に賃金が下がった時の条件と計算

失業保険をもらいながらバイトは何時間・いくらまで?1日4時間と週20時間の線

数字だけ、もう一度

  1. 受けられるか:失業保険を受けながら職業訓練は受けられる。扱いが変わるのは受講指示を受けた訓練
  2. 変わる3つ:給付制限・支給される日数・上乗せの手当(受講指示に結びついている)
  3. 給付制限:受講指示を受けた訓練の受講期間と終了後はかからない。待期と、開講までの給付制限は残る
  4. 訓練延長給付:受講期間内は所定給付日数を超えて支給することができる。開講待ちは引き続く90日間まで、訓練は2年以内のもの、受け終わった後は認められた人だけ30日から残日数を引いた日数まで
  5. 上乗せの手当:受講手当は日額500円・40日分まで(上限20,000円)、通所手当は月42,500円まで、寄宿手当は月10,700円
  6. 月10万円:求職者支援制度の給付金で、失業保険の受給中は対象外。受給が終わった人は対象になりうる
  7. 申し込む時期:愛知の資料では所定給付日数の3分の2の日数分を受け終わる日までに開講する訓練が目安。管轄のハローワークで確かめる
  8. 訓練中の求職活動:受講中は実績の基準を当てはめない運用。受け終わったことを1回と数える

職業訓練と失業保険の関係は、「訓練に行けば得をする」ではなく、「受講指示を受けた訓練なら、生活を基本手当で支えながら学べる」と覚えるのが正確です。だから最初にやるのは訓練校のパンフレット集めではなく、受給資格者証で残りの日数を確かめ、気になる訓練の開講日を並べて窓口で受講指示の対象になるかを聞くことです。そこで受けられる時期と得が見えれば、受けるか、受けずに仕事を探すかを、数字で決められます。

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この記事を書いた人

やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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