新卒で辞めなきゃよかったと思ったら|1年目の離職率と、失業保険・新卒枠で取り返す順番

誰もいない事務所
  • 新卒ですぐ辞めた人って、実際どれくらいいるの?
  • 辞めなきゃよかった。もう人生終わりなのかな
  • 辞めた後、まず何から手をつければいい?
  • 1年目で辞めたら、失業保険は出ないの?
  • 年金や健康保険、住民税は自分で何かしないといけない?
  • 早く辞めたことは、次の就職で不利になる?
  • もう一度、新卒枠で応募することはできる?
  • 元の会社に戻りたいと思ってしまう

上記のような悩みに答えます。

新卒で入った会社を早く辞めることは、統計で見ると珍しいことではありません。それでも後悔が重く感じられるときは、「お金が入らなくなる不安」「次の就職への不安」「自分だけ続かなかったという気持ち」が一つの塊になっていることがあります。体験談のページは「辞めてよかった」「後悔した」のどちらにも振れ、第二新卒向けのサービスは登録をすすめるところで話が終わります。同じ時期に辞めた人がどれくらいいるのかを公的な統計で示し、辞めた後の失業保険・保険料・住民税の扱いと、卒業後3年以内に使える新卒枠や窓口を、一か所で順番に並べたものは見当たりません。そこで、離職率の数字、辞めた後に自分でやる手続き、次の就職の入口という3つを押さえたうえで、後悔を分けて一つずつ埋める順番まで、厚生労働省の統計と指針、ハローワーク・日本年金機構の資料で確かめながら整理しました。

先に答え

新卒で入った会社を3年以内に辞める人は、令和5年3月卒で大卒31.2%、高卒36.9%です。後悔をお金・次の就職・気持ちに分けると、前の2つは手続きで埋められます。国保と国民年金は14日以内に切り替え、卒業後3年以内なら新卒枠と新卒応援ハローワークも使えます(2026年11月時点)。

失業保険の受給資格に届いている人は、1日あたりの額と受け取り始めの時期を 失業保険の計算ツール で出せます。

2026年11月時点の制度で確かめています

目次

新卒で辞める人は数字で見るとどれくらいか

誰もいない事務所

令和5年3月に卒業して就職した人のうち、就職後3年以内に辞めた人は、大卒で31.2%、高卒で36.9%です。就職後1年目だけで見ても、大卒で11.0%、高卒で17.4%が辞めています。

この数字は、厚生労働省が雇用保険の加入と喪失の記録から集計しているものです。アンケートではないので、「辞めたいと思った人」ではなく「実際に辞めた人」を数えています。そして、離職理由や離職後にどうしているかに関わらず、辞めた人はすべて離職者として数えます。転職した人も、進学した人も、体調を崩して休んでいる人も、同じ1人です。だからこの数字から「辞めた人のうち何人が後悔しているか」は分かりませんが、少なくとも「新卒で辞めたのは自分だけ」ということは、数字の上ではありません。

卒業区分(令和5年3月卒) 就職後1年目 2年目 3年目 3年以内
大卒 11.0% 10.9% 9.3% 31.2%
高卒 17.4% 11.0% 8.5% 36.9%

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)」・厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」資料出所及び離職率の集計の考え方

就職後3年以内に辞めた人を年目ごとに見ると
大卒

  • 1年目 11.0%
  • 2年目 10.9%
  • 3年目 9.3%
  • 3年以内 31.2%
高卒

  • 1年目 17.4%
  • 2年目 11.0%
  • 3年目 8.5%
  • 3年以内 36.9%

表を見ると、大卒は1年目・2年目・3年目がほぼ同じ幅で、1年目だけが飛び抜けているわけではありません。1年目がはっきり多いのは高卒のほうです。「新卒1年目で辞める人が一番多い」という話は、高卒には当てはまっても、大卒には当てはまりにくい言い方です。なお、資料が使っている言葉は「就職後1年目」で、入社から1年未満かどうかという区切りは報道資料には書かれていません。

辞めやすさは、勤め先の規模でも違います。大卒の3年以内離職率は、事業所の規模が5人未満で58.2%、1,000人以上で24.2%です。高卒でも5人未満が61.3%、1,000人以上が24.4%で、規模が小さいほど高い傾向は同じです。ここでいう事業所は、雇用保険の手続きをしている事業所のことで、会社全体の人数とは限りません。

たとえば、大卒で入社した会社を2年目の途中で辞めた人なら、同じ年に卒業して就職した人のうち、1年目に11.0%、2年目に10.9%が辞めています。高卒で1年目に辞めた人なら、同じ年の高卒就職者の17.4%が1年目に辞めています。

数字は「自分だけではない」ことを確かめる材料にはなりますが、「辞めてよかったかどうか」の答えにはなりません。そこは次の項で、後悔の中身を分けて考えます。

「辞めなきゃよかった」を3つに分けてみる

「辞めなきゃよかった」という気持ちは、「お金」「次の就職」「気持ち」の3つに分けて整理できます。このうちお金と次の就職は、制度と手続きで穴を小さくできます。

一つの塊のままだと、どこから手をつければいいか分からず、気持ちの重さだけが残ります。分けてみると、お金の穴は「失業保険が出るか」「保険料と住民税をどう払うか」、次の就職の穴は「どの枠で応募できるか」「どの窓口を使うか」という、調べれば答えの出る問いに変わります。気持ちの部分は手続きでは埋まりませんが、前の2つが片づくと、残るのは気持ちの部分だけになります。

  • お金:失業保険の受給資格、国民健康保険・国民年金への切替え、住民税の払い方
  • 次の就職:卒業後3年以内の新卒枠、新卒応援ハローワーク、民間の支援
  • 気持ち:同じ時期に辞めた人の数、戻るか進むかの整理
  • 先に手をつける順:期限のあるお金の手続き、次の就職の入口、気持ちの整理

順番には理由があります。国民健康保険と国民年金の届け出は14日以内という期限があります。次の就職の入口は、卒業後3年以内という目安があるものの、数日を争うものではありません。気持ちの整理は、お金と次の入口が見えてからのほうが落ち着いてできます。

たとえば、退職した翌週に「辞めなきゃよかった」と思って何も手につかない人なら、まず市区町村の窓口で国民健康保険と国民年金の手続きを済ませるところからです。そのうえで、離職票が届いたらハローワークで失業保険の受給資格を確かめ、同じ日に新卒応援ハローワークの場所を調べておけば、「お金」と「次の就職」の見通しが立ちます。

編集部の整理では、後悔を3つに分けたら、期限のあるものから順に片づけるのが近道です。気持ちの部分を先に解決しようとすると、手続きの期限のほうが先に来てしまいます。

新卒1年目で辞めたときの失業保険

書類に記入する手元

失業保険(雇用保険の基本手当)を受けるには、自己都合などの一般の離職者は、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上あることが条件です。新卒1年目で辞めた人は、この12か月に届かないことがあります。

被保険者期間は、離職日から1か月ごとに区切った期間に、賃金の支払いの基礎になった日数が11日以上ある月を1か月と数えます。11日以上の月が12か月に足りない場合は、賃金の支払いの基礎になった時間が80時間以上の月を1か月として数えます。新卒で4月に入社して、その会社だけで働いてきた人は、就職から12か月たたないうちに辞めると、この会社の期間だけでは12か月に届かないことになります。

離職の理由 必要な被保険者期間
自己都合など(一般の離職者) 離職の日以前2年間に通算12か月以上
倒産・解雇などの特定受給資格者、特定理由離職者 離職の日以前1年間に通算6か月以上

出典:雇用保険法13条・厚生労働省「離職されたみなさまへ」

倒産や解雇などで辞めた特定受給資格者と、特定理由離職者は、条件が1年間に6か月以上になります。新卒1年目でも、この区分に当たれば受給資格に届くことがあります。どの区分に当たるかは、会社が離職票に書いた理由だけでは決まらず、ハローワークが判定します。どんな理由なら会社都合になるかは 会社都合退職になる条件 にまとめています。30歳未満で被保険者であった期間が1年未満の特定受給資格者と一部の特定理由離職者の所定給付日数は、90日です。

受給資格に届いた人が自己都合で辞めた場合、ハローワークで求職の申込みをしてから待期7日が過ぎ、そのあとに給付制限がつきます。給付制限は、退職日が2025年4月1日以降なら原則1か月です。給付制限がかかるのは「正当な理由がなく自己の都合によって」退職した場合で、ハローワークが正当な理由があると判断した場合はかかりません。倒産・解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)や契約期間の満了で辞めた人には、待期7日のあとに給付制限はつきません。いつから数えるかは 給付制限1か月はいつから で日付の例とあわせて確かめられます。

たとえば、4月に入社して翌年の2月に自己都合で辞めた人は、その会社での被保険者期間が12か月に届かず、一般の離職者としての受給資格には足りない可能性が高くなります。同じ人が、会社の倒産で辞めたのであれば、1年間に6か月以上という条件で見るので、受給資格に届くことがあります。また、4月に入社して翌々年の5月に辞めた人なら、12か月を超えているので、自己都合でも受給資格の条件を満たす側に入ります。

自分が届いているかどうかは、離職票に書かれた賃金の支払いの基礎になった日数で確かめられます。届いている人は、計算ツールで1日あたりの額と受け取り始めの時期を出し、届いていない人は、失業保険をあてにしない生活費の見通しを先に立てておきます。

新卒で辞めた後の年金・健康保険・住民税

会社を辞めて次の会社にすぐ入らない人は、国民健康保険と国民年金の手続きを自分でします。どちらも期限は14日以内で、窓口は住んでいる市区町村です。

会社に勤めているあいだは、健康保険も厚生年金も会社を通して入っていて、保険料も給与から引かれていました。辞めるとその加入が終わるので、次の会社に入るまでのあいだは、自分で国民健康保険と国民年金(第1号被保険者)に入り直す必要があります。国民年金の種別変更は退職日の翌日から14日以内、国民健康保険の加入の届け出も14日以内とされています。

手続き 期限 窓口
国民健康保険の加入 14日以内 市区町村の国民健康保険の窓口
国民年金の種別変更 退職日の翌日から14日以内 住所地の市区役所・町村役場
国民年金の保険料の特例免除 申請して審査 市区役所・町村役場
住民税 会社か市区町村からの案内で払う 会社または市区町村

出典:厚生労働省「国民健康保険の加入・脱退について」・日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」・日本年金機構「国民年金の加入、保険料免除・納付猶予制度のご案内」・総務省「個人住民税」

国民年金の保険料が払えそうにないときは、退職による特例免除を申請できます。日本年金機構は、退職した人の前年所得をゼロとして審査し、世帯主や配偶者の所得が一定額以下なら、保険料の納付が免除または猶予されるとしています。申請には、離職票のコピーや雇用保険受給資格者証のコピーなど、失業等の事実を確認できる書類が要ります。承認されるかどうかは審査次第です。

住民税は、前年の1月から12月までの所得をもとに計算され、その年の1月1日に住んでいる市区町村で課税されます。辞めた後も、前の年に働いた分の住民税は残ります。会社を1〜5月に辞める場合は、残りの住民税を退職時の給与や退職金からまとめて引く一括徴収になります。本人から申し出れば、それ以外の月に辞める場合でも一括徴収ができます。一括徴収をしなかった分の払い方は、市区町村の窓口で確かめます。

たとえば、学生時代のアルバイトの収入が少なかった人が、就職した年の秋に辞めた場合、住民税は前年の所得をもとに計算されるので、その年度の分は学生時代の所得に応じた額になります。一方、就職して1年以上働いてから辞めた人は、会社で働いた分の所得が計算のもとになる年度の住民税が、辞めたあとに残ります。親の健康保険の扶養に入れるかどうかは、親が加入している健康保険の条件で決まります。国民健康保険に入る前に、親の加入先の健康保険に確かめておく方法もあります。

辞めたら14日以内に市区町村の窓口へ、と覚えておけば十分です。年金の手続きの詳しい流れは 退職後の年金の手続き に、住民税の払い方は 退職後の住民税 にまとめています。

卒業後3年以内なら新卒枠に応募できる場合がある

厚生労働省の青少年雇用機会確保指針は、学校を卒業した人も、卒業後少なくとも3年間は新卒の採用枠に応募できるよう、事業主に求めています。ただしこれは、事業主が「講ずるように努めること」とされた努力義務で、すべての会社が受け付けるわけではありません。

指針は、意欲や能力を有する青少年に応募の機会を広く提供する観点から、この取扱いを求めています。指針の原文は、学校等の卒業者についても「新規卒業予定者の採用枠に応募できるような募集条件を設定すること」とし、その条件は「卒業後少なくとも三年間は応募できるものとすること」としています。

  • 指針が求めること:卒業後少なくとも3年間は新卒枠に応募できる募集条件にする
  • 性質:事業主の努力義務(「努めること」)
  • 確かめ方:募集要項の応募資格に「既卒可」「卒業後◯年以内」の記載があるか
  • 記載がないとき:採用担当に既卒でも新卒枠に応募できるかを問い合わせる

出典:厚生労働省「青少年雇用機会確保指針」

ここで気をつけたいのは、「卒業後3年以内なら新卒枠で必ず受けられる」とは書かれていないことです。応募できるかどうかは、それぞれの会社の募集要項で決まります。新卒枠で応募するか、経験者や第二新卒の枠で応募するかは、会社によって受け付け方が違うので、気になる会社があれば要項を読むところから始めます。

たとえば、大卒で入った会社を1年目で辞めた人は、卒業後まだ3年以内なので、既卒を受け付けている会社なら新卒枠に応募できる可能性があります。一方、同じ人が2社目を探すときに「短い期間でも働いた経験」を見てほしいなら、第二新卒や経験者の枠のほうが合うこともあります。どちらの枠が自分に合うかは、窓口で求人を見ながら相談すると決めやすくなります。

指針が目安にしているのは「卒業からの年数」で、前の会社に何か月いたかではありません。ただし、実際に新卒枠で受け付けるかどうかは会社ごとの募集要項で決まります。卒業後3年という目安を手帳に書いておき、その間に使える入口を一つずつ確かめていきます。

新卒で辞めた人の公的な窓口と民間の支援

ノートパソコンとコーヒーのある机

卒業後おおむね3年以内の既卒者は、新卒応援ハローワークを使えます。学生や既卒者の就職を支援する専門のハローワークです。卒業後おおむね3年を超える人は、各地のハローワーク(地域によってはわかものハローワークなど)が窓口です。

新卒応援ハローワークは、大学院・大学・短大・高専・専修学校などの学生と、卒業後おおむね3年以内の既卒者の就職を支援する、専門のハローワークです。3年の数え方は「おおむね」とされていて、きっちり何日で切れるものではありません。失業保険の手続きは、住所地のハローワークで行います。

卒業後3年以内の人が窓口を使う順番
  1. 1住所地のハローワーク失業保険の受給資格を確かめる
  2. 2新卒応援ハローワーク卒業後おおむね3年以内の既卒者も対象
  3. 3企業の募集要項既卒でも新卒枠に応募できるかを見る
  4. 4民間の支援公的な窓口で足りないところだけ足す

出典:ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(学生の方)」

民間の第二新卒向けの支援は、求人の紹介や面接の対策を手厚くしてくれる一方で、紹介される求人の範囲はサービスごとに違います。公的な窓口とどちらが上ということはなく、使い方の違いです。編集部としては、まず公的な窓口で自分の条件と求人の幅を確かめ、そのうえで足りないところを民間で足す順番をすすめます。第二新卒の支援をいつ、どう使うかは 20代の転職と第二新卒の支援 にまとめています。

たとえば、大卒で1年目に辞めて、まだ何をしたいか決まっていない人なら、新卒応援ハローワークで相談しながら、既卒を受け付けている会社の求人を見るところから始められます。業界も職種も決まっていて、面接の練習を集中的にしたい人なら、公的な窓口で求人の幅を確かめたうえで、民間の支援を一つだけ足す使い方もあります。

窓口を選ぶ軸は、「卒業後3年以内かどうか」と「自分で求人を探せるかどうか」の2つです。どちらも自分で決められるので、まず卒業年月と退職日を書き出しておきます。

新卒で辞めた後、次で続けるために決めること

次の会社で続けるために、応募の前に決めておきたいのは「前の会社の何が合わなかったか」と「次の会社のどこを見て選ぶか」です。そのときの材料として、規模別・産業別の離職率と、ユースエール認定を使えます。

応募先を選ぶ段階で見られる公的な材料は、思っているより多くあります。前の項で見たとおり、新卒の3年以内離職率は事業所の規模が小さいほど高い傾向があり、産業によっても違います。大卒の上位は、宿泊業,飲食サービス業が49.9%、生活関連サービス業,娯楽業が49.8%、教育,学習支援業が42.3%、医療,福祉が39.1%、小売業が38.1%です。高卒の上位は、宿泊業,飲食サービス業が61.6%、生活関連サービス業,娯楽業が61.1%、医療,福祉が49.4%、教育,学習支援業が49.3%、小売業が48.5%です。これは産業ごとの値で、職種ごとの値ではありません。

見る材料 何が分かるか 出典
規模別の3年以内離職率 事業所の規模による違い 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
産業別の3年以内離職率 産業による違い 同上
ユースエール認定 若者の雇用管理が優良と認定された中小企業 厚生労働省 若者雇用促進総合サイト
前の会社で合わなかった点 自分にとって外せない条件 自分のメモ

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)」・厚生労働省「ユースエール認定制度のご紹介」・厚生労働省「認定制度とは」

ユースエール認定は、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を、厚生労働大臣が認定する制度です。認定の基準には、直近3事業年度の新卒者などの離職率が20%以下であることなどが含まれます。2026年3月末現在で1,984社が認定を受けていて、若者雇用促進総合サイトの企業検索で認定企業に絞って探せます。ここでの20%は、その企業が出す新卒者などの離職割合で、全国の集計の31.2%とは別の数字です。

転職した人全体の賃金の変化も、参考になります。令和7年の雇用動向調査では、20〜24歳で転職した人のうち、前の職場より賃金が増えた人は55.2%、変わらない人は19.9%、減った人は17.5%でした。これは新卒で辞めた人に限った数字ではなく、20〜24歳で転職した人全体の値です。

たとえば、前の会社で一番つらかったのが労働時間だった人なら、応募先の募集要項で残業時間や休日の記載を先に見て、ユースエール認定企業の中から候補を絞る方法があります。人間関係がつらかった人なら、面接で配属先の人数や教育の担当者の有無を聞いておくと、入ってからの食い違いが減ります。辞めた理由を面接でどう話すかも、この「合わなかった点」のメモから組み立てられます。

次に同じことを繰り返さないための準備は、合わなかった点を一行ずつ書き出し、それを応募先の何で確かめるかを横に書くことです。在職中に次を探す場合の進め方は 在職中の転職活動 で確かめられます。

元の会社に戻るという選択

辞めた会社に戻れるかどうかは、その会社が決めることです。辞めた人を再び雇うことを定めた公的な制度は、確かめた範囲では見当たりません。戻れる人の割合を示す数字も確かめられていません。

戻りたいと思ったときに先に確かめたいのは、戻るかどうかより、戻った場合に前と何が変わるかです。辞めた理由がそのまま残っているなら、戻っても同じところでつまずきます。反対に、部署や上司、働き方が変わる見込みがあるなら、戻ることにも意味が出てきます。新卒枠で入った会社に戻る場合、同じ新卒の扱いになるとは限らず、中途の採用として条件が決まることもあります。

  • 辞めた理由(人・仕事・時間など)が、戻った後も残るかどうか
  • 戻るときの雇用の形と条件(正社員か、配属先、給与)
  • 誰に連絡するか(元の上司か、人事か)
  • 戻らない場合に使える入口(新卒枠・新卒応援ハローワーク)と比べてどうか

元の会社に連絡するときは、まず人事の担当者に、再び応募できるかどうかと、その場合の手続きを聞きます。

たとえば、配属先の人間関係が理由で辞めた人なら、戻るときに別の部署に配属される見込みがあるかどうかで、戻る意味が大きく変わります。仕事の内容そのものが合わなかった人なら、戻っても同じ仕事になる可能性が高いので、新卒枠で別の会社を探すほうと並べて考えます。

戻るか進むかは、どちらが正しいということはありません。決める前に、戻った場合の条件を人事に聞き、戻らない場合の入口と同じ紙に並べてから選びます。

まだ辞めていない人が先に確かめること

まだ辞めていない人、辞めると言ってしまったけれど退職日が来ていない人は、辞める前に「失業保険の受給資格に届くか」「次の入口はどこか」「本当に辞めるしかないのか」の3つを確かめておくと、後悔の芽を小さくできます。

辞めてからでは変えられないことが、辞める前なら変えられます。とくに失業保険の受給資格は、退職日がいつになるかで12か月に届くかどうかが分かれることがあります。給与明細で、賃金の支払いの基礎になった日数が11日以上の月が何か月あるかを数えておくと、自分がどちらの側にいるかが見えてきます。

確かめること 見るもの 変えられること
受給資格に届くか 給与明細の出勤日数、雇用保険の加入月 退職日
次の入口 卒業年月、新卒応援ハローワーク 辞める前に相談を始める
辞めるしかないのか 異動・休職の制度、有給休暇の残り 辞める以外の選び方

出典:厚生労働省「離職されたみなさまへ」

辞めると言ってしまった人でも、退職日がまだ先なら、会社と退職日を話し合う余地があることもあります。言い出した以上は撤回しにくいと感じるかもしれませんが、まず事実として退職日と受給資格の関係を確かめ、そのうえで話すかどうかを決めます。

たとえば、4月に入社して翌年の1月に退職を申し出た人が、退職日を2月末にするか、4月以降にするかで迷っているとします。その会社の期間しか被保険者期間がない人は、12か月に届くかどうかが退職日で分かれ、自己都合なら受給資格の有無に関わります。辞めたいのが甘えかどうかで迷っている段階の人は、辞めたいのは甘えか で、迷いの中身を分けて考える方法をまとめています。試用期間中の人は 試用期間中に辞めたいとき も確かめてください。

辞める前に一番効くのは、退職日を決める前に給与明細を数えることです。数えるだけなら、誰にも言わずにできます。

支援を使わなくていい場合

新卒で辞めた人のすべてが、民間の第二新卒向けの支援や、手厚い相談を使う必要があるわけではありません。次の条件に当たる人は、公的な窓口の手続きだけで足りるか、何も使わずに進められます。

民間の支援は、求人の紹介と面接の対策を手厚くしてくれる代わりに、紹介される求人の範囲がサービスごとに決まっています。自分で求人を探せて、応募書類も自分で作れる人にとっては、手間が増えるだけになることもあります。公的な窓口も、失業保険の手続きを除けば、使うかどうかは自分で決められます。

  • 次の就職先がすでに決まっている(国民健康保険・国民年金の手続きだけ済ませればよい)
  • 応募したい会社が決まっていて、募集要項で既卒の応募可否を自分で確かめられる
  • 進学や資格の勉強など、就職以外の道を選んでいる
  • 元の会社に戻る話が人事と進んでいる

また、少し休んでから動きたい人が、しばらく何もしない期間をつくること自体は、制度のうえで禁じられていません。ただし、失業保険は求職の申込みをしないと待期も給付制限も始まらず、国民健康保険と国民年金の14日以内という期限は休んでいても進みます。休むなら、期限のある手続きだけ先に済ませてから休みます。

たとえば、辞めた翌月から専門学校に通うと決めている人なら、新卒応援ハローワークや民間の支援を使う理由はありません。やることは、国民健康保険と国民年金の手続き、国民年金の特例免除の申請の検討、住民税の払い方の確認です。反対に、何をしたいか決まらず、ひとりで求人を見ても絞れない人は、まず新卒応援ハローワークで相談するところから始めたほうが早く進みます。

使わなくていいものを先に外しておくと、残った手続きと入口だけに集中できます。

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よくある質問

新卒が一番辛い時期はいつですか?

辛さの時期を示す公的な数字は確かめられていません。辞めた人の数で見ると、令和5年3月卒の高卒は就職後1年目が17.4%で最も多く、大卒は1年目11.0%・2年目10.9%・3年目9.3%とほぼ同じ幅です。辞めた時期は人によって違い、どの年目が特別に辛いとは言い切れません。

新卒は何年で辞める人が多いのですか?平均は?

平均の勤続年数を示す数字は確かめられていないので載せていません。令和5年3月卒の就職後3年以内離職率は大卒31.2%、高卒36.9%で、大卒は1〜3年目がほぼ同じ幅、高卒は1年目が多くなっています。

なぜ若い人がどんどん辞めていくのですか?

新卒で辞めた人の理由を示す公的な統計は、この離職率の集計にはありません。参考として、令和7年の雇用動向調査で転職した人全体が前職を辞めた理由を見ると、職場の人間関係が男性8.9%・女性11.5%、労働時間・休日等の労働条件が男性8.5%・女性12.9%でした。ただし年齢を限らない転職した人全体の数字で、若い人や新卒に限った理由ではありません。

新卒1年目で辞めたら、人生終わりですか?

令和5年3月卒では、大卒の11.0%、高卒の17.4%が就職後1年目に辞めています。辞めた後どうなったかを示す公的な数字は確かめられていませんが、卒業後少なくとも3年間は新卒枠に応募できるよう事業主に求める指針があり、新卒応援ハローワークも卒業後おおむね3年以内の既卒者が使えます。

新卒ですぐ辞めた後、空白期間はどのくらいまでなら大丈夫ですか?

空白期間の長さと就職の結果の関係を示す公的な数字は確かめられていないので、何か月までなら大丈夫とは言えません。新卒枠の目安は卒業からの年数で見るので、空白期間の長さよりも、卒業後3年以内のうちに入口を確かめておくことのほうが手を打ちやすい点です。

20代前半で転職する人はどれくらいいますか?

令和7年の雇用動向調査では、20〜24歳の転職入職率は男性16.5%、女性15.8%、25〜29歳は男性14.1%、女性17.1%です。男女を合わせた値は公表資料にないので、男女別の数字で見てください。

新卒で辞めたら、失業保険はいつからもらえますか?

受給資格に届いている人が自己都合で辞めた場合、求職の申込みから待期7日のあと、退職日が2025年4月1日以降なら原則1か月の給付制限を経て支給の対象になります。1日あたりの額と受け取り始めの時期は、失業保険の計算ツールで出せます。

数字だけ、もう一度

  1. 3年以内離職率(令和5年3月卒):大卒31.2%・高卒36.9%(厚生労働省)
  2. 就職後1年目・2年目・3年目:大卒11.0%・10.9%・9.3%/高卒17.4%・11.0%・8.5%
  3. 失業保険の受給資格:一般は離職の日以前2年間に被保険者期間12か月以上、特定受給資格者・特定理由離職者は1年間に6か月以上
  4. 自己都合の給付制限:待期7日のあと原則1か月(退職日が2025年4月1日以降)
  5. 国民健康保険は14日以内、国民年金は退職日の翌日から14日以内
  6. 新卒枠:卒業後少なくとも3年間は応募できるよう努めること(青少年雇用機会確保指針)
  7. 新卒応援ハローワーク:卒業後おおむね3年以内の既卒者も対象
  8. ユースエール認定企業:1,984社(2026年3月末現在)

新卒で辞めた直後は、「辞めなきゃよかった」という一つの大きな気持ちに見えます。けれど、ほどいてみると、その中には期限のある手続きと、卒業からの年数が目安になる入口と、手続きでは埋まらない気持ちが入っています。期限のある手続きを14日以内に済ませ、卒業後3年以内の入口を一つずつ確かめていけば、残るのは気持ちの部分だけです。その気持ちも、同じ年に大卒で就職した人の31.2%が3年以内に辞めているという数字と、自分の次の一手が手元にそろったところで、もう一度眺め直せば足ります。

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この記事を書いた人

やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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