休職中にクビになる?休職満了で退職・解雇になる条件と退職勧奨への返し方

手帳と2本のペン
  • 休職中にクビにされることはある?
  • 休職は何か月たつとクビになるの?
  • 休職期間が満了したら、そのまま退職なの?
  • 満了で「自然退職です」と言われたけれど、解雇とは違うの?
  • 休職を繰り返していると、次はクビになりそうで怖い
  • パートでも休職できるのか分からない
  • 会社から「辞めないか」と言われたら、どう返せばいい?
  • クビと自分から辞めるのとで、失業保険は変わる?

上記のような悩みに答えます。

休職は、病気やけがで働けない人が会社に籍を置いたまま休める仕組みですが、法律が中身を決めている制度ではありません。何か月休めるのか、期間が終わったらどうなるのかは会社ごとに違うのに、検索して出てくるのは法律事務所の判例解説や人事担当者向けの手引きが中心で、休んでいる本人が自分の就業規則のどこを開き、満了の前に何を準備し、退職を勧められたときに何と返せばいいかまでは並んでいません。そこで、休職中の解雇の歯止め、満了の扱い、仕事が原因の病気の解雇制限という基本を押さえたうえで、繰り返し・パートの見方、退職勧奨への返し方、辞め方で変わる失業保険の扱いまで、労働基準法・労働契約法の条文、厚生労働省のモデル就業規則、ハローワークの資料で確かめながら整理しました。

先に答え

休職の期間や満了したときの扱いは法律ではなく会社の就業規則で決まり、国のモデル就業規則は満了しても復職できなければ退職とする例を置いています。仕事が原因のけがや病気で療養のため休んでいる間とその後30日間は原則として解雇できませんが、私傷病はこの制限の対象外です。会社から辞めないかと言われても応じるかは自由で、どの形で辞めたかで失業保険の扱いが変わり、判定はハローワークが行います(2026年11月時点)。

辞め方によって受け取れる日数がどう違うかは、失業保険の計算ツール で離職理由を切り替えて見比べられます。

2026年11月時点の制度で確かめています

目次

休職中の解雇は何で決まるか

休職中だからといって、解雇が一律に禁じられているわけでも、自由にできるわけでもありません。休職の中身は会社の就業規則が決め、解雇そのものには労働契約法16条の歯止めがかかり、仕事が原因の病気やけがで休んでいる場合には労働基準法19条の制限が上乗せされる、という3段の重なりで決まります。

休職の中身が会社ごとに違うのは、法律に定めが無いからです。厚生労働省のモデル就業規則の解説は、休職を「業務外での疾病等主に労働者側の個人的事情により相当長期間にわたり就労を期待し得ない場合に、労働者としての身分を保有したまま一定期間就労義務を免除する特別な扱い」と説明したうえで、休職の定義、休職期間の制限、復職等については労基法に定めはありません、と書いています。休職制度を置くかどうか、置くならどう設計するかは、会社の就業規則に任されているということです。

一方で、解雇には会社の就業規則とは別の歯止めがあります。労働契約法16条は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定めています。また、労働基準法89条3号は、退職に関する事項(解雇の事由を含む)を就業規則に記載する事項としています。

重なり 何が決めるか 休んでいる本人が見る所
休職の期間・満了の扱い・復職 会社の就業規則(法律に定めなし) 就業規則の「休職」の条と「退職」の条
解雇の歯止め 労働契約法16条 就業規則の「解雇」の条に何が書かれているか
仕事が原因の病気・けがの休業 労働基準法19条 労災の手続きをしているか・休業の原因の記録
解雇するときの手続き 労働基準法20条(原則として30日前の予告か予告手当) 予告を受けた日と書面

出典:厚生労働省「モデル就業規則」/労働契約法16条/労働基準法20条

たとえば、うつ病で休職している人が「休職中はクビにできない」と思い込んでいると、満了日が近づいたときに初めて就業規則の満了の条項を知り、準備の時間が足りなくなります。反対に「休職したらクビになる」と思い込んでいる人は、休職期間がまだ残っているかもしれないので、自分から退職届を出す前に、就業規則で期間を確かめる必要があります。どちらの思い込みも、自分の会社の就業規則の休職の条を読めば確かめられます。

休職中の不安は、法律の一般論よりも先に、自分の会社の規程に何が書いてあるかを確かめることで整理できます。最初の一歩は、就業規則の写しを手元に置くことです。社内のイントラネットに載っていなければ、人事に「休職と退職の条文を確認したい」とメールで頼めば、やりとりも記録に残ります。

休職期間と満了の扱いは就業規則で見る

手帳と2本のペン

休職が何か月まで認められるか、満了したら何が起きるかは、就業規則の休職の条に書かれています。厚生労働省のモデル就業規則は、休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は「休職期間の満了をもって退職とする」という規程例を置いていますが、期間の月数・年数は空欄です。「何か月でクビ」という決まった数字は、法律にもモデルにもありません。

モデル就業規則(令和7年12月版)の第9条は3つの項でできています。第1項は、業務外の傷病による欠勤が一定の月数を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないときに所定の期間休職とする、という入口です。第2項は、休職期間中に休職事由が消滅したときは原則として元の職務に復帰させ、元の職務が困難又は不適当な場合には他の職務に就かせることがある、という戻り方です。第3項が、第1項第1号で休職し、満了しても治らず就業が困難な場合の出口です。退職の事由を並べた第52条1項にも、第9条に定める休職期間が満了し、なお休職事由が消滅しないとき、が入っています。

出典:厚生労働省「モデル就業規則」第9条・第52条

自分の就業規則を開いたら、次の順で読みます。

就業規則の休職の条は、この順で読む
  1. 1休職の期間欠勤が何か月で休職か・休職は何か月か
  2. 2満了したときの扱い退職か・解雇か・延長はあるか
  3. 3復職の手続き誰に・何を出して申し出るか

1つ目の期間は、欠勤から休職に入るまでの月数と、休職そのものの長さの2つに分かれていることがあります。休職期間が勤続年数などで区分されて書かれている場合は、自分に当てはまる欄を探します。2つ目の満了の扱いは、モデルのように「退職」と書かれているのか、別の書き方なのかを読みます。延長の定めがあるかも、この条か近くの条で確かめます。3つ目の復職の手続きは、誰に何を出して申し出るかが書かれているかを読みます。診断書の提出などを求める定めがあれば、その内容も確かめておきます。

「自然退職」という言葉で説明されることがありますが、モデル就業規則のうえでは、満了による退職は第52条の退職の事由に、解雇の事由は別の第53条に置かれています。ただ、これはモデル上の書き分けで、満了で辞めたことが解雇と法的に同じか違うかを、ここで決めることはできません。自分の会社の書き方を確かめ、満了日の時点で何が起きる定めなのかを把握するのが先です。

たとえば、休職期間が勤続年数で分かれている会社なら、入社の時期によって自分の休職期間の欄が変わり、満了日もずれます。満了日を数え違えると、復職に向けた段取りがずれるので、休職の開始日を書面で確かめ、満了日を自分で数えてから、人事にも同じ日付かを確認しておきます。

満了日が分かったら、その日から逆算して、主治医に復職の見込みを相談する日、診断書を受け取る日、会社に申し出る日を手帳に書き込みます。満了日の前日に慌てて動くのと、1か月前から準備するのとでは、取れる選択肢の数が違います。

仕事が原因の休職は解雇が制限される

仕事が原因のけがや病気で療養のために休業している期間と、その後30日間は、会社は原則として解雇できません。労働基準法19条1項の定めで、業務外の病気やけが(私傷病)での休職は、この制限の対象に入っていません。

19条1項は「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない」と定めています。ただし書きで、81条の打切補償を支払う場合(業務上の傷病の療養補償を受ける人が療養開始後3年を経過しても治らないとき、平均賃金の1200日分)と、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合(行政官庁の認定が必要)を除いています。

出典:労働基準法19条/労働基準法81条

モデル就業規則の休職は、第9条が業務外の傷病を入口にし、解説も主に労働者側の個人的事情による休みと説明しているとおり、私傷病の休みを想定した規程例です。そのため、休職中の人が19条で守られるかどうかは、休んでいる原因が業務上かどうかで分かれます。業務上かどうかは本人の感じ方だけでは決まらず、ここで見分け方の基準までは扱いません。

たとえば、長時間の勤務が続いたあとに体調を崩して休んでいる人が、会社の休職制度で休んでいたとしても、その病気が業務上と認められれば、療養のために休業する間とその後30日間は、ただし書きの場合を除いて19条の制限がかかります。反対に、家庭の事情や持病の悪化など仕事と関わりのない原因で休んでいる人は、19条ではなく、就業規則の休職の条と16条の線で見ることになります。

業務上かもしれないと感じる人は、体調を崩した時期の前後の勤務時間の記録、上司とのやりとり、受診した日付を、退職の話が出る前にまとめておきます。19条の期間の数え方や、労災で休んでいる人の手続きは 労災休業中の解雇は禁止? と 労災で休業したら で詳しく扱っています。

休職を繰り返すとき・パートの休職

休職を繰り返したら何回目でクビになるか、2回目は期間が短くなるかといった決まりは、法律にもモデル就業規則にもありません。休職期間を通算するか、リセットするかも、会社の就業規則しだいです。パートの休職も同じで、パート用の就業規則があればそちらに何が書かれているかで決まります。

ここまで「就業規則しだい」と言い切れるのは、休職そのものが労基法に定めの無い制度だからです。モデル就業規則にも、繰り返したときの通算や、回数で扱いを変える規程例は置かれていません。パートについては、モデル就業規則が「はじめに」で、主として通常の労働者への適用を想定して作成していると断り、第2条2項で、パートタイム労働者の就業に関する事項については別に定めるところによる、としています。

場面 公的資料で言えること 自分の就業規則で見る所
休職を繰り返している 通算・回数の決まりは法律にもモデルにも無い 「同一または類似の傷病」の通算の定め・前回の休職との間隔
2回目の休職 期間を短くするかの決まりは公的資料に無い 2回目以降の休職期間・休職を命じる条件
パート・契約社員 モデルは通常の労働者向け。パートは別に定める パート用の就業規則の有無・休職の条が適用されるか
契約期間がある人 モデルの退職の事由に「期間を満了したとき」がある 休職中に契約期間の終わりが来るか

出典:厚生労働省「モデル就業規則」はじめに・第2条・第52条

表の右の列は、会社によって言葉が違うので、休職・欠勤・復職・通算といった語で就業規則の中を探します。書かれていなければ、人事に「前回の休職期間は今回に通算されますか」と書面で尋ねるのが確実です。書面で聞けば、答えの内容と日付が手元に残ります。

たとえば、以前に休職して復職し、また同じ症状で休むことになった人は、就業規則に通算の定めがあれば残りの休職期間が短くなることがあり、定めが無い場合にどう扱うかも、法律やモデル就業規則ではなく会社の規程しだいです。同じ「2回目」でも、会社の規程ひとつで満了日が大きく動くということです。パートで働いている人は、正社員の就業規則に休職の条があっても、自分に適用されるかは別に確かめる必要があります。パート用の就業規則が無い会社なら、雇用契約書と、どの規程が自分に適用されるかを人事に聞きます。

繰り返していることを理由に退職を勧められた場合は、下の「辞めないか」と言われたときの項の返し方がそのまま使えます。回数の不安を一人で抱えるより、規程の文言を確かめて、残りの期間を数字で把握するほうが、次の判断が早くなります。

休職から復職できないと言われたら

書類に記入する手元

主治医が復職できると言っているのに、会社から「まだ戻れない」と言われる場面があります。このとき見るのは、就業規則の復職の手続きと、満了日です。復職を認めるかどうかの手続きは就業規則が定め、満了日を過ぎれば、満了の条項に書かれた扱いが始まります。

モデル就業規則の第9条2項は、休職期間中に休職事由が消滅したときは原則として元の職務に復帰させ、元の職務に復帰させることが困難又は不適当な場合には他の職務に就かせることがある、と書いています。元の仕事に戻れなくても、別の仕事での復帰という選択肢が規程例の中に置かれているということです。自分の就業規則に同じような定めがあるかを確かめます。

満了日が迫っているときに、本人の側でそろえておくものは次のとおりです。

  • 主治医の診断書(復職の可否と、勤務時間や業務の配慮の意見があればその内容)
  • 就業規則の休職・復職・退職の条の写し
  • 休職を命じた書面と、満了日を知らせる書面
  • 会社とのやりとりの記録(メール・面談の日時と相手)
  • 復職を申し出た日と、その方法が分かるもの

出典:厚生労働省「モデル就業規則」第9条

満了で退職になったり、解雇を告げられたりしたときは、労働基準法22条に基づいて会社に証明書を請求できます。退職の場合に、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合はその理由を含む)について請求すれば、会社は遅滞なく交付しなければなりません。解雇の予告を受けた人は、予告の日から退職の日までの間に解雇の理由の証明書を請求できます。

出典:労働基準法22条

たとえば、主治医から短時間勤務なら戻れると言われた人が、会社から「フルタイムで働けないなら復職は認めない」と言われたとします。この場合、復職の可否をその場で争うより、まず診断書の内容と会社の判断の理由を書面で受け取り、満了日までにどんな手続きが残っているかを確かめるのが先です。満了日を過ぎて退職扱いになった場合も、退職の事由の証明書を求めておけば、後でハローワークや相談窓口に持っていく材料になります。

会社の判断に納得できないときは、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなど、労働の相談窓口に、上の5点を持って相談します。自分で解雇や退職が有効かどうかを決める必要はなく、相談先で状況を説明できる材料をそろえることが、本人の側でできる準備です。

休職中に「辞めないか」と言われたら

休職中に会社から「辞めないか」と退職を勧められるのは、退職勧奨です。応じるかどうかは自由で、その場ですぐ答える必要もありません。辞める意思が無いなら、応じないことをはっきり伝えます。

厚生労働省の冊子(第5章)は、退職勧奨に応じるかは労働者の自由であり、その場ですぐ答える必要もない、辞める意思がない場合は応じないことを明確に伝えることが大切、と説明しています。同じ箇所には、退職勧奨に応じて退職した場合には自己都合による退職とはならない、という記述もあり、執拗に退職を勧められたら労働組合や全国の総合労働相談コーナーに相談するよう案内しています。

出典:厚生労働省の冊子(第5章)

休職中は体調が万全でないぶん、電話や面談で言われた言葉に、その場で「はい」と答えてしまいがちです。返し方を先に決めておくと、落ち着いて対応できます。

辞めないかと言われたら、この順で返す
  1. 1その場で答えない「持ち帰って考えます」と伝える
  2. 2条件を書面で聞く退職日・離職理由・退職金の扱い
  3. 3相談してから決める主治医・労働の相談窓口・ハローワーク

1つ目は、返事を保留する一言です。「体調のこともあるので、持ち帰って考えます」で十分で、理由を詳しく説明する必要はありません。辞める気が無いなら「辞めるつもりはありません。復職に向けて治療を続けます」と伝えます。2つ目は、会社が退職を勧める理由と、応じた場合の退職日・離職理由の書き方・退職金の扱いを、メールや書面で出してもらうことです。3つ目は、主治医に体調の見込みを、労働の相談窓口に会社の言い分を、ハローワークに離職理由の扱いを、それぞれ聞いてから決めることです。

たとえば、勧められて退職届を出すとき、会社の用意した書面が「一身上の都合により」という文言になっている場合を考えます。冊子は退職勧奨に応じた退職は自己都合とはならないと書いていますが、離職理由を最終的に判定するのはハローワークで、勧められた事実を示すメールや面談の記録は、事実確認の資料になりえます。書面の文言が自分の受け止めと違うなら、署名の前に「勧奨を受けて退職する」ことが分かる形にできないか、会社に相談します。

退職勧奨の面談で何を記録しておくか、自己都合にされないための手順は 退職勧奨に応じたら会社都合? で詳しく扱っています。この項で押さえたいのは、休職中であっても、勧奨への返事を急ぐ理由は無いということです。

休職から辞める形で変わる失業保険

カレンダーに印をつけるペン

休職から会社を離れる形は、大きく分けて解雇、退職勧奨に応じた退職、休職期間満了による退職、自分から申し出た退職の4つです。どの形かで失業保険(雇用保険の基本手当)の扱いが変わる可能性があり、判定はハローワークが、事業主と離職者の双方の主張を確認できる資料で事実確認したうえで行います。

ハローワークの範囲の概要では、解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く)と、事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者は、特定受給資格者の「解雇」等の範囲に入っています(後者は、従来から恒常的に設けられている早期退職優遇制度等に応募した場合を除く)。体力の不足、心身の障害、疾病、負傷等により離職した者は、特定理由離職者のうち正当な理由のある自己都合の例に挙げられています。ただし、どれも当てはまるだけで該当が決まるわけではなく、ハローワークの判断によります。

出典:ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」/雇用保険法施行規則36条/厚生労働省「離職されたみなさまへ」

休職期間満了による退職は、会社が出す書類のうえでは別の扱いになっています。愛知のハローワークの案内では、事業主が出す資格喪失届の喪失原因の区分で、「定年・休職期間満了(就業規則に定められた日での退職)」は「離職以外」に、「解雇」「退職勧奨」は「会社都合の離職」に置かれています。同じ案内は、休職期間満了で離職したときの確認資料として、就業規則の休職規定の部分と、休職に関する通知書(あれば)を挙げています。これは会社が書く書類の区分で、失業給付の離職理由の判定そのものではありません。

出典:愛知労働局・ハローワーク「離職証明書の書き方~初めての方向け~」

受け取れる日数は、自己都合など一般の離職者なら、雇用保険に入っていた期間が1年以上10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日です。特定受給資格者と判定されれば、年齢と期間に応じてこれより長くなる場合があります。受給資格も、一般の離職者は離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上、特定受給資格者・特定理由離職者は離職の日以前1年間に通算6か月以上と、要件が分かれます。正当な理由のない自己都合で辞めた場合は、待期のあとに原則1か月の給付制限がかかります。

出典:ハローワーク「基本手当の所定給付日数」/厚生労働省「離職されたみなさまへ」/雇用保険法13条/厚生労働省「自己都合離職者の給付制限について」

たとえば、休職期間満了で辞めた人と、満了の前に退職を勧められて辞めた人では、会社が書く書類の区分が違います。ただし、どちらも離職理由はハローワークが双方の主張と資料を確かめて判定します。満了で辞めた人で、病気で働けずに離職したと考える人は、医師の証明など病気を示す書類を持ってハローワークで相談します。離職票の離職理由が自分の認識と違う場合も、ハローワークに異議を伝えれば、事実関係を確かめて判定されます。

もう1つ大事なのは、辞めた時点でまだ働けない人は、すぐには基本手当を受けられないことです。退職後の傷病手当金と基本手当は同時に受けられず、働けない期間が続くなら受給期間の延長を申請しておきます。離職日の翌日から1年以内に30日以上続けて働けない場合、本来の受給期間1年に、最大3年を加えられます。傷病手当金を退職後も受け続ける条件や、受け取る順番は うつや体調不良の欠勤で解雇されたら と 傷病手当金 にまとめています。自分の日数は、冒頭で案内した計算ツールで確かめてください。

出典:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」

争わなくていい場合

休職中の解雇や満了の退職に不安があっても、会社と争う必要が無い人もいます。就業規則に休職期間と満了の扱いがはっきり書かれていて、満了日までに復職の見込みが立たず、本人も治療に専念したいと考えている場合は、争う手続きに進まずに、退職後のお金の段取りを整えることを優先する選択もあります。

自分がこの場合に当たるかは、次の4つで見ます。

  • 就業規則の休職期間と満了の扱いを読み、満了日を自分でも数えた
  • 主治医と相談し、満了日までの復職は難しいと自分でも考えている
  • 会社の説明と書面の内容が、就業規則の文言と食い違っていない
  • 仕事が原因の病気やけがかもしれないと感じる点が無い

4つがそろっていれば、退職の事由の証明書を受け取り、退職後の傷病手当金の条件と受給期間の延長を確かめることに力を回せます。休職から自分で退職するときの順番は 休職から退職する順番 にまとめています。どれかが欠けている人、たとえば満了日の数え方が会社と合わない、業務上の病気かもしれない、退職勧奨を繰り返し受けている、という場合は、総合労働相談コーナーなどの相談窓口で、就業規則の写しとやりとりの記録を見せて話を聞いてもらいます。相談したからといって、争うことが決まるわけではありません。

たとえば、満了日が来月で、主治医からもまだ療養が要ると言われている人なら、会社とのやりとりは書面の受け取りにとどめ、空いた時間を傷病手当金の申請と延長の準備に使えます。反対に、復職できる診断書があるのに満了で退職と言われた人は、争うかどうかを決める前に、相談窓口で状況を整理してもらう価値があります。休職中の転職活動が会社に知られたらどうなるかを気にしている人は、休職中の転職活動 を見てください。

傷病手当金はいくら・いつまで?在職中と退職後で変わる受給条件と申請の順番

傷病手当金の申請書の書き方は?本人・会社・医師の記入欄と提出の手順・期限

休職から退職する時の順番は?有給消化・傷病手当金・退職日の並べ方で変わる額

よくある質問

休職は何か月でクビになりますか?

何か月でクビという決まった数字は、法律にもモデル就業規則にもありません。休職期間の長さは会社の就業規則で決まり、モデル就業規則でも期間は空欄のひな型になっています。自分の就業規則の休職の条で、期間と満了の扱いを確かめてください。

休職期間が満了したらどうなりますか?

扱いの出発点は、就業規則の定めです。モデル就業規則は、満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は満了をもって退職とする例を置いていますが、自分の会社が同じ書き方とは限りません。満了の前に復職の手続きを確かめ、主治医と相談しておくのが順番です。

休職を繰り返すとクビになりますか?

繰り返した回数でクビになるという決まりは、法律にもモデル就業規則にもありません。前回の休職期間を通算するかどうかも就業規則しだいなので、通算の定めがあるかを確かめ、分からなければ人事に書面で尋ねてください。

休職中だとバレたらクビになりますか?

休職中に転職活動や副業をしたことが会社に知られたらどうなるかは、休職の制度とは別の論点です。休職中の転職活動と会社に知られた場合の考え方は、休職中の転職活動 にまとめています。

退職勧奨を断ったら解雇されますか?

退職勧奨に応じるかは自由です。断ったあとに解雇を告げられた場合も、解雇には労働契約法16条の歯止めがかかり、原則として30日前の予告か予告手当が必要です(労働基準法20条。天災事変などで行政官庁の認定を受けた場合の例外あり)。勧奨が繰り返されるなら、日時と内容を記録して労働の相談窓口に相談してください。

解雇の種類によって何が違いますか?

普通解雇・懲戒解雇などの違いと、それぞれの手続きは 解雇の種類 で扱っています。失業保険では、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇は特定受給資格者の「解雇」から除かれるので、どの解雇かで扱いが変わります。

数字だけ、もう一度

  1. 休職の決まり:休職の定義・期間・復職は労働基準法に定めが無い。会社の就業規則で決まる
  2. 満了の扱い:モデル就業規則(令和7年12月版)第9条3項は「休職期間の満了をもって退職」の例。期間は空欄で、何か月という数字は無い
  3. 解雇の歯止め:労働契約法16条。解雇には原則として30日前の予告か30日分以上の平均賃金(労働基準法20条・ただし書きの例外は行政官庁の認定が必要)
  4. 仕事が原因の場合:業務上の傷病で療養のため休業する期間とその後30日間は原則解雇できない(労働基準法19条)。私傷病は対象外。例外は打切補償(療養開始後3年・平均賃金の1200日分)と天災事変等
  5. 繰り返し・パート:通算・回数の決まりは公的資料に無い。パートはパート用の定めを見る
  6. 退職勧奨:応じるかは自由・その場で答えなくてよい。勧奨による離職は特定受給資格者の範囲に入る(恒常的な早期退職優遇制度等への応募は除く・判定はハローワーク)
  7. 失業保険の日数:一般の離職者は被保険者期間1年以上10年未満で90日・10年以上20年未満で120日・20年以上で150日。受給資格は一般12か月、特定受給資格者・特定理由離職者6か月。正当な理由のない正当な理由のない自己都合は原則1か月の給付制限(正当な理由に当たるかはハローワークが判断)
  8. 働けないうち:傷病手当金と基本手当は同時に受けられない。30日以上働けなければ受給期間を最大3年延長できる

休職中に心をすり減らしやすいのは、自分がいつ、どうなるのかが見えないことです。就業規則の休職の条で満了日と満了後の扱いを確かめ、仕事が原因かどうかで19条の線を見分け、退職を勧められたら返事を持ち帰る。この3つを押さえておけば、会社に何を言われても、自分の数字と書面を手元に置いたまま考えられます。辞めるか続けるかを決めるのは、体調と書面の両方がそろってからで遅くありません。

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この記事を書いた人

やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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