- 地元に帰って働きたいけど、引っ越し代は誰が払うの?
- ハローワークの移転費って、いくら出るの?
- 自分で見つけた地元の求人でも、移転費はもらえる?
- 転職サイトで決まった会社でも対象になる?
- 地元の会社へ面接に行く新幹線代は出ないの?
- 申請はいつまで?引っ越す前にしないといけない?
- 失業保険をもらっている途中で実家に戻ったらどうなる?
- 家族を連れて帰る場合、家族の分も出る?
上記のような悩みに答えます。
Uターン転職は、仕事を変えることと住む場所を変えることが同時に起きる転職です。そのぶん引っ越し代と、帰省して面接を受ける交通費が重くのしかかりますが、人材会社の記事はUターンのコツや志望動機が中心で、ハローワークから出る公的なお金の条件や額にはあまり踏み込みません。申請が引っ越しの前なのか後なのかも、説明が記事によって割れています。そこで、移転費と広域求職活動費の条件・額・申請期限という基本を押さえたうえで、「どの経路で仕事を見つけたか」で出る・出ないが分かれる点と、先に帰るか決めてから帰るかで変わる点まで、雇用保険法と施行規則の条文、厚生労働省・労働局の案内で確かめながら整理しました。
Uターン転職の引っ越しと面接にかかる費用についてハローワークから出るお金は、引っ越しの「移転費」と、面接に行く交通費などの「広域求職活動費」の2つです。どちらもハローワーク等の紹介を通すことが条件で、自分で見つけた求人では出ません(2026年10月時点)。
2026年10月時点の制度で確かめています
出るお金は移転費と広域求職活動費の2つ
Uターン転職の引っ越しと面接にかかる費用に使える雇用保険のお金は、仕事に就くために住所を変えるときの「移転費」と、遠くの会社へ面接などに行くときの「広域求職活動費」の2つです。前者は雇用保険法58条、後者は59条の求職活動支援費の一つとして定められています。
2つに共通するのは、どちらも「紹介」を入り口にしている点です。移転費は、ハローワーク、特定地方公共団体、または職業紹介事業者の紹介した職業に就くため(あるいはハローワーク所長が指示した公共職業訓練等を受けるため)に住所を変える場合に出ます(雇用保険法58条)。広域求職活動費は、ハローワークの紹介による広い地域にわたる求職活動が対象です(雇用保険法59条)。条文の書き方そのものが、紹介を通した就職と求職活動を前提にしています。
| 移転費 | 広域求職活動費 | |
|---|---|---|
| 何の費用か | 仕事に就くための引っ越し | 遠くの会社へ面接などに行く交通費と宿泊料 |
| 入り口になる紹介 | ハローワーク・特定地方公共団体・職業紹介事業者(一部を除く) | ハローワーク |
| 中身 | 鉄道賃・船賃・航空賃・車賃・移転料・着後手当 | 鉄道賃・船賃・航空賃・車賃・宿泊料 |
| 申請の期限 | 移転の日の翌日から1か月以内 | 広域求職活動を終えた日の翌日から10日以内 |
裏を返すと、求人サイトで自分で応募して決まった会社や、知り合いのつてで決まった地元の会社では、どちらも出ません。Uターン転職で「何かお金が出るはず」と考えている人は、まず自分の就職がどの経路を通っているかを確かめるのが出発点です。
たとえば、東京で働いていた人が地元の会社をハローワークの求人で見つけ、東京のハローワークで紹介状をもらって面接に行き、採用されて引っ越すなら、面接の段階で広域求職活動費、引っ越しの段階で移転費の、両方の条件にかかる可能性があります。同じ会社でも、会社のホームページから直接応募したなら、どちらの条件にも入りません。
編集部の整理では、Uターン転職のお金は「いくら出るか」より先に「どの窓口を通すか」で決まります。地元の求人を探し始める前に、ハローワークの求人にも同じ会社が出ていないかを見ておくと、取れる選択肢が一つ増えます。
移転費が出る条件は紹介と通勤の事情で決まる
移転費は、紹介された仕事に就くための引っ越しで、ハローワークが住所を変える必要があると認め、就職先から引っ越し費用が出ない(または足りない)ときに出ます(雇用保険法施行規則86条)。
条文の要件を分けると、次のとおりです。条文は、待期などの期間を過ぎてから就職すること、そして事業主から就職支度費が出ないか、出ても移転費の額に満たないことの2つを、いずれも満たすことと書いています。さらにただし書で、雇用期間が1年未満であることその他特別の事情がある場合は支給しないとしています。
- ハローワーク・特定地方公共団体・職業紹介事業者(規則86条のかっこ書きで一部を除く)の紹介した職業に就くための住所の変更であること
- 待期や、紹介・指示を拒んだときなどの給付制限の期間が過ぎたあとに就職し、管轄のハローワークの長が住所の変更を必要と認めたこと
- 就職先から引っ越し費用(就職支度費)が出ない、または移転費の額に満たないこと
- 雇用期間が1年未満などの特別の事情がないこと(ただし書)
条文の「住所の変更を必要と認めた」の中身は、条文には数字がありません。厚生労働省・労働局の案内(運用)では、ハローワークが住所の変更を必要と認める場合として、通勤の時間が往復4時間以上、交通機関の始発・終発の便が悪く通勤に著しい障害がある、移転先の事業所の特殊性や事業主の要求で移転を余儀なくされる、の3つを挙げています(厚生労働省「広域求職活動費」と「移転費」のご案内)。Uターン転職で今の住まいから地元の勤め先へ通えるかどうかも、この目安に照らしてハローワークが判断します。
もう一つの要注意点が、待期と給付制限です。規則86条が要件に挙げているのは、待期や、紹介を拒んだときなどの給付制限の期間で、自己都合で辞めたときの給付制限は条文の列挙には入っていません。一方で案内(運用)は「給付制限を受けた場合はその期間が経過した後の就職等が必要」と書いています。自己都合で辞めて給付制限中の人は、自分の場合にどう扱われるかを、紹介を受ける前に窓口で聞いておくと安全です。
たとえば、ハローワークの紹介で地元の会社に採用が決まり、会社から引っ越し手当として一定額が出る人は、その額が移転費の額に満たなければ、足りない分だけを考える形になります。会社が引っ越し費用を全額持つなら、移転費は出ません。契約社員で雇用期間が半年の仕事は、ただし書の「雇用期間が1年未満」に当たり、原則として対象外です。更新を含めて1年以上の雇用の見込みがあると扱われるかは、紹介を受ける前に窓口で確かめてください。応募する求人は、1年以上の雇用の見込みがあることが必要とされています(厚生労働省「移転費」「広域求職活動費」をご活用ください!)。
条件を見るときの順番は、紹介の経路、雇用期間、会社からの引っ越し費用、今の住まいからの通勤時間(案内の目安は往復4時間以上)、の4つです。この4つを紙に書いてから窓口に行けば、「移転費の対象になりそうか」を一度で聞けます。
移転費の中身と額の決まり方
移転費は、鉄道賃・船賃・航空賃・車賃・移転料・着後手当で構成され、着後手当以外は、旧居住地から新居住地までの順路で計算します(雇用保険法施行規則87条)。
額の考え方は法律に書かれていて、本人と、本人が生計を維持している同居の親族の移転に通常かかる費用を考慮して、省令で定めるとされています(雇用保険法58条2項)。だから、1人で帰るか家族を連れて帰るかで額が変わります。鉄道賃・船賃・航空賃・車賃は、本人と随伴する親族の分が出ます(雇用保険法施行規則88条5項)。
- 鉄道賃:普通旅客運賃相当額。条件によって急行・特急の料金相当額が加わる(規則88条1項)
- 航空賃:実際に払った旅客運賃の額(同条3項)
- 車賃:1キロメートルにつき37円(同条4項)
- 移転料:距離などに応じた額が規則の表で決まっている(額は窓口で確認)
- 着後手当:親族を連れるかと距離で決まる定額(規則90条)
着後手当の額は、規則90条がはっきり書いています(雇用保険法施行規則90条)。距離の基準は「鉄道賃の額の計算の基礎となる距離」が100キロメートル以上かどうかです。
| あなたの場合 | 着後手当 |
|---|---|
| 家族(生計を維持する同居の親族)を連れて帰る・鉄道距離100km未満 | 76,000円 |
| 家族を連れて帰る・鉄道距離100km以上 | 95,000円 |
| 1人で帰る・鉄道距離100km未満 | 38,000円 |
| 1人で帰る・鉄道距離100km以上 | 47,500円 |
たとえば、首都圏から新幹線で帰る距離の地元に、配偶者と子どもを連れて戻る人なら、着後手当は95,000円の行に当たり、そのうえで家族の分の交通費と移転料が加わります。同じ距離でも1人で帰るなら着後手当は47,500円です。車で荷物ごと移る人は、車賃が1キロメートルにつき37円で計算されます(就職先の会社の車などを使って移る場合は計算の仕方が変わるので、窓口で確かめてください)。家族の分を申請するときは、その家族が本人に生計を維持されていることを証明する書類が要ります(規則92条)。
自分の額を見積もるときは、着後手当を表で確定させ、交通費は経路から出し、移転料は窓口で聞く、と3つに分けると迷いません。移転料は距離などで決まるため、自分の移転の距離を伝えて、窓口で額を教えてもらうのが確実です。
面接の交通費は広域求職活動費で
地元の会社へ面接に行く交通費と宿泊料は、ハローワークの紹介で遠くの事業所を訪問するときに「広域求職活動費」として出ます(雇用保険法施行規則96条)。
条文の要件は、待期などの期間が過ぎたあとに広域の求職活動を始めたことと、訪問先の事業主から費用が出ない(または足りない)ことの2つです。距離の数字は条文には無く、厚生労働省・労働局の案内(運用)で決まっています。案内では、管轄区域外の常用求人であること、受給手続きをしているハローワークから訪問先を管轄するハローワークまでの距離が往復200キロメートル以上あること、などが挙がっています(厚生労働省「広域求職活動費」と「移転費」のご案内)。
距離の測り方は、自宅からではありません。規則97条は、管轄のハローワークの所在地から、訪問先を管轄するハローワークの所在地までの順路で計算すると書いています(雇用保険法施行規則97条)。
| あなたの場合(ハローワーク間の距離) | 出るもの |
|---|---|
| 往復200km未満 | 対象外(運用の基準) |
| 往復200km以上・鉄道賃の基礎距離400km未満 | 交通費(鉄道賃・船賃・航空賃・車賃)。宿泊料は出ない |
| 鉄道賃の基礎距離400km以上 | 交通費+宿泊料(1泊8,700円または7,800円) |
宿泊料は、東京都の特別区などの地域が1泊8,700円、それ以外の地域が7,800円で、鉄道賃の基礎になる距離が400キロメートル未満なら出ません(規則98条2項)。宿泊数の決まり方は距離と訪問する事業所の数によるので、窓口で確かめてください。
もう一つ、2026年8月1日から受給できる回数に上限ができました。厚労省・労働局の案内では、所定給付日数が90日以下なら3回、360日なら12回が最大で、その間は所定給付日数に応じて段階的に決まっています(厚生労働省・労働局「広域求職活動費に関するお知らせ」)。地元の会社を何社も回る人は、自分の回数を先に聞いておきます。
たとえば、東京で受給手続きをして、新幹線で帰る距離の地元の会社をハローワークの紹介で訪問するなら、往復200キロメートルの基準は超える見込みです。一方、隣の県の実家近くへの帰省程度の距離なら、基準に届かないこともあります。帰省のついでに自分で会社を訪ねた場合は、紹介を通していないので対象外です。
面接の日程が決まったら、出発の前にハローワークで広域求職活動の指示を受けておく、という順番が大事です。申請を定めた規則99条は「公共職業安定所の指示による広域求職活動」と書いているので、指示を受けずに行った面接は対象の外になります。
申請の順番と期限
申請書を出すのは、移転費が移転の日の翌日から1か月以内、広域求職活動費が広域求職活動を終えた日の翌日から10日以内です(雇用保険法施行規則92条・99条)。
「引っ越す前に申請が要るのか、後なのか」で説明が割れるのは、2つの段階が混ざっているからです。申請書そのものは移転のあとに出しますが、移転費の要件には「管轄のハローワークの長が住所の変更を必要と認めたとき」が入っていて、紹介を受けた段階からハローワークとのやり取りが始まっています。広域求職活動費も、ハローワークの指示を受けた広域求職活動であることが前提です。
- 1ハローワークで地元の求人の紹介を受ける1年以上の雇用見込み(広域求職活動費は管轄区域外の常用求人)
- 2広域求職活動の指示を受けて面接に行く帰ったら10日以内に広域求職活動費を申請
- 3採用が決まったら移転費の対象か相談する会社から引っ越し費用が出るかも伝える
- 4引っ越す移転の日の翌日から1か月以内に移転費を申請
提出先は、広域求職活動費が受給手続きをしているハローワークです。移転費は、規則92条は「管轄公共職業安定所の長」に出すと書き、案内(運用)は移転先の住所を受け持つハローワークに出すとしています(厚生労働省「広域求職活動費」と「移転費」のご案内)。引っ越しで受け持ちのハローワークが変わるので、どこに出すかは申請前に窓口で確認してください。
持っていくものは、移転費なら移転費支給申請書と受給資格者証(受給資格通知の人はマイナンバーカードの提示)、家族を連れて帰るなら生計を維持していることを証明する書類です(規則92条)。広域求職活動費なら、支給申請書・広域求職活動指示書・受給資格者証・訪問先で証明を受けた面接等訪問証明書が案内に挙がっています。
たとえば、月末に引っ越して翌月の初めに入社する人は、入社の準備に追われているうちに1か月が過ぎやすいので、引っ越しの日をカレンダーに書いた時点で、その1か月後の日付も書いておきます。面接から戻った人の10日はさらに短く、帰りの新幹線の中で申請書の準備をするくらいでちょうどです。
期限の起点は「移転の日」と「広域求職活動を終えた日」で、入社日や採用の連絡の日ではありません。起点を取り違えないことが、申請で一番つまずきにくくする工夫です。
失業保険の途中で地元へ引っ越すとき
失業保険を受けている途中で地元に引っ越したら、新しい住所を受け持つハローワーク(管轄のハローワーク)に、失業の認定日か支給日に受給資格者住所変更届を出します(雇用保険法施行規則49条)。持ち物や認定日と重なったときの段取りは、失業保険の引っ越し手続き にまとめています。
Uターン転職で気をつけたいのは、仕事が決まる前に先に帰る場合です。仕事が決まっていないまま実家に戻るのは、紹介された職業に就くための住所の変更ではないので、その引っ越しの費用は移転費の対象になりません。そのうえ、地元に住んでから地元の会社を探すなら、面接先が近くなるぶん、広域求職活動費の距離の基準にも届きにくくなります。
- 紹介された仕事のための引っ越しなら移転費の対象になりうる
- 都市部から地元へ面接に行くなら広域求職活動費の対象になりうる
- 先に帰る引っ越しは移転費の対象外
- 地元で探すなら面接先が近く、広域の距離の基準に届きにくい
一方で、先に帰ることにも理由はあります。実家に住めば家賃がかからない、家族の事情で早く戻りたい、地元で直接会社を見て回りたい、などです。お金の面だけで順番を決める必要はありません。
たとえば、受給中に実家へ戻り、地元のハローワークで紹介を受けて実家から通える会社に決まった人は、引っ越しを伴わないので移転費は関係しません。実家から離れた県内の別の町の会社に決まり、通勤が往復4時間以上になるなら、そこで改めて移転費の条件を確かめる形になります。
先に帰るか決めてから帰るかは、家賃と生活費、帰ってからの探しやすさ、出るお金の3つを並べて決めます。迷ったら、今の住所のハローワークで「地元の求人をここから紹介してもらえるか」を先に聞いておくと、選べる順番が見えてきます。
家族の事情で帰るときの離職理由
自分から辞めた場合でも、結婚に伴う住所の変更や、配偶者の転勤・再就職に伴う別居を避けるためなどの理由で通勤できなくなったときは、特定理由離職者にあたることがあります(ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」)。
これは移転費とは別の話で、失業保険の給付制限や給付日数に関わる離職理由の判定です。ハローワークの範囲の概要では、通勤が不可能または困難になったことで辞めた人の細目として、結婚に伴う住所の変更、事業所の移転、自分の意思に反した住所の移転、交通機関の廃止や運行時間の変更、事業主の命による転勤・出向に伴う別居の回避、配偶者の転勤・出向・再就職に伴う別居の回避、などが並んでいます。
ただし、「地元に帰りたい」という理由そのものは、この細目には並んでいません。分かれ目は、帰る理由が細目にあたるか、そしてその結果として前の職場に通えなくなったか、です。当てはまるかを決めるのはハローワークで、離職理由を確認できる資料をもとに判断されます。
たとえば、地元にいる相手と結婚して移り住み、前の職場に通えなくなって辞めた人は、範囲に入る可能性があります。同じUターンでも、地元に戻りたいという理由だけで辞めた人は、細目にあたる事情があるかどうかを、受給手続きのときにハローワークへ伝えて確かめます。会社都合や特定理由離職者の扱いの全体は、会社都合退職になる条件 で確かめてください。
家族の事情で帰る人は、受給手続きのときに理由を伝えられるよう、結婚の時期や配偶者の転勤の時期、新旧の住所が分かる書類を手元にそろえておきます。
再就職手当とは別に考える
地元の会社に早く決まった人は、移転費とは別に、再就職手当の条件も確かめる価値があります。移転費(規則86条)と広域求職活動費(規則96条)の要件には、「再就職手当を受けないこと」という項目は入っていません。
再就職手当は、失業保険の日数を残して早く就職した人が受け取る手当で、移転費とは目的も条件も違う給付です。残っている日数など、再就職手当の側に独自の要件があります。両方の条件を満たすかは、それぞれの要件で見ていくことになります。
- 移転費:紹介された仕事のための引っ越しの費用
- 広域求職活動費:紹介を受けて遠くへ面接に行く費用
- 再就職手当:失業保険の日数を残して就職したときの手当
たとえば、ハローワークの紹介で地元の会社に早めに決まり、引っ越した人は、移転費の申請(移転の日の翌日から1か月以内)と、再就職手当の申請を、別々に考えることになります。期限も書類も別なので、まとめて一度に済むとは考えないほうが安全です。
再就職手当の条件と、残り日数による分かれ目は、再就職手当をもらえる条件 にまとめています。自分の基本手当の額をまだ知らない人は、失業保険の計算ツール で先に出しておくと、地元に帰ってからの生活費の見通しが立てやすくなります。
移転費を使えない・使わなくていい場合
次のどれかに当てはまる人は、移転費や広域求職活動費を当てにせず、ほかの資金で引っ越しの計画を立てたほうが早く進みます。
- 求人サイトや会社のホームページから自分で応募して決まった
- 会社が引っ越し費用を全額出してくれる(足りない分が無い)
- 雇用期間が1年未満の仕事に就く
- 仕事が決まる前に、先に地元へ帰る
- 面接先までのハローワーク間の距離が往復200km未満
- 失業保険の受給資格が無い(在職中に転職先を決めて、そのまま移る)
最後の項目は見落としやすい点です。移転費も広域求職活動費も、条文の対象は「受給資格者等」で、在職したまま次の会社を決めて辞めずに移る人は、失業保険の受給資格の手続きをしていないので対象に入りません。
もう一つ、自治体の移住支援金という名前を聞いた人もいると思います。これは雇用保険とは別の、自治体ごとの制度で、対象や条件は自治体ごとに違います。住む予定の自治体の窓口や公式サイトで確かめてください。
たとえば、地元の会社に転職サイト経由で決まり、会社が引っ越し代を出してくれる人は、雇用保険のお金を計画に入れなくて構いません。有料の給付金サポートなどに頼らなくても、移転費や広域求職活動費の相談はハローワークの窓口で受けられ、判断するのもハローワークです。
使えない場合が分かると、「出るはずのお金を待って引っ越しが遅れる」ことを避けられます。当てはまらない人だけが、窓口で条件を確かめればいい、という順番です。
Uターン転職の移転費でよくある質問
ハローワークの移転費はいくらもらえますか?
交通費(鉄道賃・船賃・航空賃・車賃)、移転料、着後手当の合計です。着後手当は、家族を連れて鉄道距離100km以上なら95,000円、1人で100km未満なら38,000円などと決まっています。移転料は距離などで決まるので、窓口で確かめてください。
自分で見つけた求人でも移転費は出ますか?
出ません。移転費はハローワーク・特定地方公共団体・職業紹介事業者(一部を除く)の紹介した職業に就くための引っ越しが対象です。広域求職活動費はさらに狭く、ハローワークの紹介による求職活動に限られます。
申請は引っ越しの前ですか、後ですか?
移転費の申請書は、移転の日の翌日から1か月以内に出します。ただし、住所の変更が必要かを認めるのはハローワークなので、採用が決まって引っ越す前に窓口で相談しておくと確実です。
面接の帰省の新幹線代は出ますか?
ハローワークの紹介で、ハローワーク間の距離が往復200km以上の会社を訪問するなど、運用の基準を満たせば広域求職活動費として出る可能性があります。帰省のついでに自分で訪ねた面接は対象外です。
家族の引っ越しの分も出ますか?
鉄道賃などの交通費は、本人と随伴する親族の分が出ます。着後手当も家族を連れるかどうかで額が変わります。家族の分を申請するときは、生計を維持していることを証明する書類を添えます。
Uターン転職は何歳までが理想ですか?難しいですか?
年齢で区切る決まりは、移転費や広域求職活動費の条件にはありません。地元で求人を探すなら、ハローワークの求人と自分で探す求人の両方を並べ、どの経路で応募するかを先に決めておくと、使える制度を取りこぼしにくくなります。
数字だけ、もう一度
- 出るお金:移転費(引っ越し)と広域求職活動費(面接の交通費・宿泊料)の2つ。どちらも紹介が入り口
- 移転費の条件:紹介された仕事・待期などの後の就職・会社から費用が出ない・雇用期間1年未満は除く。住所の変更が必要と認める目安は往復4時間以上など(運用)
- 移転費の中身:交通費・移転料・着後手当。車賃は1キロメートルにつき37円。着後手当は76,000円・95,000円・38,000円・47,500円
- 広域求職活動費:ハローワーク間の往復200km以上(運用)。宿泊料は1泊8,700円または7,800円で、400km未満は出ない。2026年8月1日から回数の上限(90日以下3回〜360日12回)
- 申請の期限:移転費は移転の日の翌日から1か月以内、広域求職活動費は終えた日の翌日から10日以内。提出先は申請前に窓口で確認
- 受給中の引っ越し:失業の認定日か支給日に住所変更届(出す先は新しい住所を受け持つハローワーク)。先に帰る引っ越しは移転費の対象外
- 家族の事情:結婚や配偶者の転勤などで通勤できなくなった人は、特定理由離職者にあたることがある(判断はハローワーク)
- 再就職手当:移転費とは別の給付。条件と期限は別に確かめる
- 使えない場合:自分で見つけた求人、会社が全額負担、雇用期間1年未満、先に帰る、受給資格が無い
Uターン転職のお金で差が出るのは、額の大きさより順番です。地元の求人をハローワークでも探す、面接の前に指示を受ける、採用が決まったら引っ越す前に相談する、引っ越したら1か月以内に申請する。この順番を最初に決めておけば、出るはずのお金を後から取りこぼさずに済みます。逆に、自分で見つけた会社に決まったなら、このお金は当てにせず、会社の引っ越し手当や貯金で計画を立てるほうが話は早く進みます。
