退職給付金サポートは怪しい?高額受給の宣伝の中身と悪質業者の見分け方

誰もいない事務所
  • 「最大200万円もらえる」という広告を見たけれど、本当なの?
  • 退職給付金サポートって、詐欺じゃないの?
  • 料金を払ってでも頼んだほうが、結局は得をする?
  • 自分でハローワークに行けば足りるのでは?
  • 「先に病院で診断をもらって」と言われて、不安になっている
  • 口コミは良いけれど、信じていいのか分からない
  • もう契約してしまった。ここから何をすればいい?
  • 頼むなら、どこを見て選べばいい?

上記のような悩みに答えます。

退職給付金サポートは、失業保険などの申請を手伝うとうたう有料のサービスです。広告には高額の受給額や「受け取れる期間が延びる」といった言葉が並びますが、その数字がどんな条件の人の話なのかは、広告からは読み取れません。検索で上に出てくる説明には、サポートを提供する側や、その紹介をする側が書いたものが混ざっていて、編集部が見た範囲では「使わなくていいのはどんな場合か」を条件で示したものは見当たりませんでした。そこで、宣伝の中身、資格のない事業者にできること、診断を勧められたときの線引き、使わなくていい場合、契約してしまった後の順番までを、国民生活センターの注意喚起と、社会保険労務士法・雇用保険法・健康保険法の条文で確かめながら整理しました。

先に答え

「退職給付金」という名前の給付が別にあるわけではなく、国民生活センターの資料はこれを失業保険の呼び名の一つとして扱っています。給付は行政機関の審査を経て決まり、サポートを受けても保証されません。資格のない事業者にできるのは助言・指導までで、ハローワークでは申請手続について無料で相談できます(2026年10月時点)。

2026年10月時点の制度で確かめています

目次

「退職給付金」という呼び名と名前の似た3つの給付

「退職給付金」という名前の給付が、失業保険とは別にあるわけではありません。国民生活センターの資料では、退職給付金は失業保険の呼び名の一つとして扱われています。傷病手当金や雇用保険の傷病手当は、資料の相談事例3のように、業者の説明に組み込まれて出てきます。

国民生活センターが2025年12月3日に公表した注意喚起は、対象を「失業保険や失業手当、失業給付、退職給付金等の申請サポートなどの役務(サービス)が関連する相談」としています。名前の似た給付が3つあり、それぞれ受けられる状態が違うので、宣伝の数字を読む前に分けておきます。

呼び名 制度と申請先 受けられる状態
失業保険(基本手当) 雇用保険・ハローワーク 仕事を探していて、すぐに職業に就くことができる状態
傷病手当金 健康保険・協会けんぽや健康保険組合 療養のため労務に服することができないとき(健康保険法99条)
傷病手当 雇用保険・ハローワーク 基本手当の受給手続後に、病気やけがで15日以上職業に就けないとき

出典:国民生活センター「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意」(2025年12月3日)/健康保険法99条(e-Gov法令検索)/厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」

表の2行目と3行目は、別の制度です。雇用保険法37条8項は、健康保険法99条の傷病手当金を受けることができる日には、雇用保険の傷病手当は支給しないと定めています。そして1行目の基本手当は、厚生労働省のQ&Aでは、すぐに職業に就くことができない人は受けられないとされています。働けない状態で受けるお金と、働ける状態で受けるお金は、同じ日に重ねて受け取れる作りになっていません。

たとえば「退職給付金で最大◯◯万円」と言われたら、その金額が基本手当だけの話なのか、傷病手当金だけの話なのか、時期をずらして両方を受けた場合の合計なのかを聞き返します。合計の話なら、「退職後しばらく働けない状態が続く」ことが前提に含まれています。

宣伝の言葉を、どの制度の、どの状態の話かに置き直すのが、判断の第一歩です。

国民生活センターに届いている相談

失業保険の申請サポートについての相談は、ここ数年で増えています。国民生活センターの資料では、2025年度は10月31日までの時点で216件と、前年度の同じ時期(90件)の2.4倍でした。

数字は、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された相談の件数で、被害の総数や契約した人の数ではありません。それでも、年度ごとに並べると増え方ははっきりしています。

年度 相談件数
2021年度 42件
2022年度 54件
2023年度 113件
2024年度 217件
2025年度(10月31日まで) 216件

※2021〜2024年度は2025年10月31日までの登録分。2024年度の「同期」(10月31日まで)の件数は90件で、表の217件とは集計の区切りが違います。

出典:国民生活センター 報道発表資料(PDF・2025年12月3日)

資料は、2024年度の相談の傾向も載せています。相談に出てきた契約の平均契約購入金額は約29万円、相談に出てきた契約の当事者の平均年齢は42.7歳でした。そのうえで、相談事例からみる問題点として次の3つを挙げています。

  • 広告や勧誘に、過度な期待や誤解を招く表現が用いられていることがある
  • 契約後に解約を求めても、高額な違約金を請求されたり、解約を拒絶されたりすることがある
  • 不正受給を促すかのような申請サポートになっているケースがある

ここで押さえておきたいのは、資料が問題にしているのは「申請サポートという仕組みそのもの」ではなく、こうした表現や契約の中身だという点です。申請を手伝うサービスがすべて悪いと書いているわけではありません。

たとえば「怪しいと感じるのは自分だけで、みんな普通に使っているのでは」と迷っている人がいたとします。判断の材料になるのは件数より、自分が受けた説明が上の3つに当てはまるかどうかです。

広告や面談で聞いた言葉を、この3つと並べてみる。当てはまるものがあれば、契約の前に立ち止まる理由になります。

「高額」「長く」の宣伝を事例で読む

「最大◯◯万円」「受け取れる期間が延びる」という宣伝の金額や期間が、そのまま自分に当てはまる保証はありません。国民生活センターの資料は、失業保険の給付は行政機関の審査を経て個別の条件に応じて決まり、サポートを受ければ誰でも一律にもらえるものではないとしています。

資料の相談事例は次の3つで、いずれも業者の料金の相場を示すものではありません。

  • 事例1:WEB面談で「最大200万円の失業保険が受給できる」と言われ、約30万円の申請サポート契約をした。教えられた手順で申請したが説明のような給付金はもらえず、費用の請求を受けた
  • 事例2:「失業保険をもらえる期間が長くなり金額も増やすことができる」というサイトから約20万円を振り込んで契約。退職しないことになって解約を申し出ると、サポート費用の大部分が違約金になると言われた
  • 事例3:「最短で1か月後には傷病手当が出て、失業給付も10か月間に延長できる」と言われ約20万円を支払った。その後、指定のオンライン診療でうつ病の診断を受けるよう説明され、マニュアルが送られてきた

出典:国民生活センター 報道発表資料(PDF・2025年12月3日)

事例3のように、傷病手当が出たうえで失業給付も延びる、と説明される例があります。ただ、傷病手当金を退職後も受けるには条件があります。退職後も傷病手当金を受け続けるには、健康保険法104条により、資格を失う日の前日まで引き続き1年以上被保険者で、資格を失った際に傷病手当金の支給を受けていることが必要です。協会けんぽの案内では、退職日に出勤すると、この継続給付の条件を満たさないとされています。また、任意継続被保険者になってから始まった病気やけがは、傷病手当金の対象外です(健康保険法99条1項の括弧書き)。在職中からの継続給付の条件を満たす人は、協会けんぽの案内では、任意継続に入るかどうかとは別に継続給付の対象です。

「長く」のほうは、受給期間の延長の話であることがあります。厚生労働省のQ&Aでは、離職日の翌日から1年以内に病気やけがなどで30日以上継続して働けないときは、延長を申請すると、本来の受給期間1年に働けない日数を加えられ、加えられる期間は最大3年間とされています。Q&Aが説明しているのは、受け取れる期間の枠を後ろへずらすところまでです。

出典:健康保険法104条(e-Gov法令検索)/協会けんぽ よくあるご質問「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」/厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」

たとえば、退職の時点で体調に問題がなく、すぐ次の仕事を探す人が、高額の受給額を示す説明を受けたとします。傷病手当金の継続給付は「資格を失った際に支給を受けている」ことが条件なので、この人の場合、宣伝の金額のうち傷病手当金の部分は前提から外れます。反対に、在職中から療養で休んでいて、被保険者期間が1年以上ある人なら、継続給付の話は自分のこととして確かめる意味があります。

宣伝の数字を見たら、「その金額は、どの条件を全部満たした人の話か」を書き出してみる。自分に当てはまらない条件が1つでもあれば、その金額は自分の金額ではありません。

誰もいない事務所

資格のない事業者にできること

雇用保険の申請書を、報酬を得て作ったり、提出を代わりにしたりすることを業として行えるのは、原則として社会保険労務士と社会保険労務士法人です(資料の脚注によれば弁護士・弁護士法人も行えます。他の法律に別段の定めがある場合などの例外もあります)。国民生活センターの資料は、資格のない事業者が行えるのは、あくまで助言及び指導に限られるとしています。

根拠は社会保険労務士法です。2条1項は、別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令に基づく申請書等を作成すること(1号)、その提出に関する手続を代わってすること(1号の2)を、社会保険労務士の事務として挙げています。別表第一には雇用保険法が入っています。そして27条は、社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、これらの事務を業として行ってはならないと定めています。ただし同じ条には、他の法律に別段の定めがある場合と、政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでないという例外があります。資料の脚注は、弁護士や弁護士法人も社会保険労務士の業務を行えるとしています。

申請書を作って出すところまで頼めるのは、資格のある人だけ
社会保険労務士・社会保険労務士法人(弁護士も)

  • 報酬を得て申請書等を作ることを業にできる
  • 提出の手続を代わりにすることを業にできる
  • 助言・指導もできる
資格のない事業者

  • 原則、業として行ってはならない(27条・例外あり)
  • 原則、業として行ってはならない(27条・例外あり)
  • 助言・指導まで

出典:社会保険労務士法2条(e-Gov法令検索)/社会保険労務士法27条(e-Gov法令検索)/国民生活センター 報道発表資料(PDF)

27条に違反した者には、32条の2第1項6号で「一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」が定められています。6号が対象にしているのは27条に違反した側で、頼んだ側を名指しした規定ではありません。

一つ注意があります。健康保険法の手続き、つまり傷病手当金の申請書が社会保険労務士法の別表第一に入っているかは、編集部は今回条文で確かめていません。そのため、ここでの話は雇用保険(失業保険)の手続きに絞っています。傷病手当金の申請書について同じことが言えるかは、加入している健康保険か、社会保険労務士会などの窓口で確かめてください。

たとえば「書類はこちらで全部作って、ハローワークにも出しておきます」と言われたとします。そのときは、相手が社会保険労務士・社会保険労務士法人(または弁護士)なのかを、契約書の事業者名と資格の表示で確かめます。資格の表示が無く、「アドバイスだけ」と言いながら申請書の中身まで書く話になっていれば、説明と実際がずれています。

頼む相手に聞くことは一つで、「あなたは、書類を作って出すところまでできる資格を持っていますか」です。答えがはっきりしない相手には、作成や提出を任せない、というのが編集部の整理です。

診断を勧められたときの線引き

線を引く場所は、受診するかどうかではなく、事実と違う内容を書類に書くかどうかです。国民生活センターの資料は、事実ではない内容での申請を勧められても絶対に応じないこと、「知らなかった」「事業者に言われたとおりにした」では済まされないことを、消費者へのアドバイスとして挙げています。

責任を負うのは、申請した本人です。資料は、虚偽の内容で申請して失業保険を不正受給した場合、受給した金額の最大3倍に当たる金額の返金・納付を命じられること、詐欺罪等として刑事罰の対象となることを挙げ、申請者自身が責任を問われるとしています。

この「最大3倍」は条文の言葉ではありません。雇用保険法10条の4第1項は、偽りその他不正の行為により失業等給付を受けた者に、支給した失業等給付の全部又は一部の返還を命じ、さらに不正に受けた額の二倍に相当する額以下の金額の納付を命じることができる、と定めています。返還に納付を足した合計の言い方が「最大3倍」で、ハローワークの案内では「いわゆる3倍返し」と呼ばれています。「以下」なので、いつも3倍になるわけではありません。ハローワークの案内は、不正行為があった日以降は基本手当等が一切支給されないことも示しています。刑事罰については、刑法246条(詐欺)が10年以下の拘禁刑を定めていますが、不正受給がどの場合に処罰されるかまでは、資料からは分かりません。

出典:雇用保険法10条の4(e-Gov法令検索)/ハローワークインターネットサービス「不正受給情報」/刑法246条(e-Gov法令検索)

体の具合が本当に悪く、医師にかかるのは本人の判断で、ためらう理由はありません。傷病手当金は、健康保険法99条のとおり「療養のため労務に服することができないとき」に出るものです。そのうえで、事例3や資料のアドバイスから編集部が注意したい点を挙げます。

  • 受診先が指定され、診断名が先に決まっている
  • 退職日までに受診して診断を受けるよう、日程が決められている(事例3)
  • 診断を受けるためのマニュアルや、医師への話し方の台本が渡される
  • 失業認定申告書に、実際と違う求職活動や働いた事実の書き方を指示される

最後の項目は、ハローワークが不正受給の典型例として挙げている「実際には行っていない求職活動を実績として記す」「アルバイトなどで働いたのに記さない」といった偽りの申告に当たります。詳しい例と、分かったときに返す額の考え方は 失業保険の不正受給はなぜバレる? にまとめています。

たとえば事例3の相談者は、「うつ病ではないと思う」と話しています。体調に不安があるなら、指定されたクリニックではなく自分で選んだ医療機関にかかり、そこでの見立てに沿って考えるのが、事実と書類をずらさない進め方です。

断り方について編集部の整理を添えると、長い説明は要らず、「事実と違うことは書けません」と伝えれば十分です。

退職給付金サポートを頼む前に確かめること

「どこの業者が良いか」に、編集部は順位をつけて答えることはしません。比べるための確かな材料が公開されていないからです。代わりに、契約の前に自分で確かめられる点を並べます。国民生活センターの資料は、サービス内容や解約条件などを慎重に確認すること、具体的には資格を持っているか、支払う金額に見合うか、解約条件はどうなっているかを見るよう勧めています。

確かめること 見る場所 根拠
書類の作成・提出まで頼むなら、相手は社会保険労務士・社会保険労務士法人(または弁護士)か 契約書の事業者名と資格の表示 社会保険労務士法27条
高額の金額を示して、給付が決まっているように言っていないか 広告・面談の説明 給付は行政機関の審査で決まる(国民生活センター)
料金の総額と、払う時期 契約書・見積 支払う金額に見合うか(国民生活センター)
途中でやめたときの扱い(違約金) 契約書の解約の条項 事例2
事実と違う申請を勧めていないか 面談の説明・送られてくる資料 事例3・アドバイス

出典:国民生活センター 報道発表資料(PDF)/社会保険労務士法27条(e-Gov法令検索)

口コミや評判を見るときは、書いた人と事業者の関係が分からない、という前提で読みます。編集部が検索上位を見た範囲でも、事業者の自社サイトの説明や、申し込みリンクを置いた体験談がありました。口コミの中身は、上の表の項目に答えているかどうかで読むと、宣伝と情報を分けやすくなります。

たとえば、面談で「今日中に申し込めば割引」と言われ、契約書を受け取る前に支払いを求められたとします。その場で決めず、契約書を受け取って解約の条項を確かめてから決める、という順番を守るだけで、事例2のような行き違いは減らせます。

表の5項目に、契約の前に全部答えられるかどうか。答えられない項目が残るなら、その日は申し込まないのが、損をしない側の選び方です。

硬貨と紙幣

約29万円を払う意味を自分の条件で考える

払う意味があるかどうかは、「頼んだら受け取る額が増えるか」ではなく、「その料金で何をしてもらうのか」で考えます。受け取る額は、自分の条件と行政機関の審査で決まるもので、料金を払ったかどうかで決まるものではありません。

国民生活センターの資料にある約29万円は、2024年度の相談に出てきた契約の平均契約購入金額です。相談に寄せられた契約の平均(2024年度)であり、業者の料金表でも、自分の支払額の目安でもありません。ここでは比較の物差しとして仮置きします。この額を、自分が受けられるかもしれない傷病手当金の何日分に当たるかに置き直すと、自分の条件で比べられます。

払う額が、傷病手当金の何日分に当たるか
1日の額=標準報酬月額の平均÷30×3分の2
何日分か=約29万円÷1日の額

傷病手当金の1日あたりの額は、標準報酬月額が定められている月が12か月ある場合、健康保険法99条2項のとおり、支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1の3分の2です。12か月に満たない場合は、同じ項のただし書きで別の計算になるので、加入している健康保険に確かめてください。自分の標準報酬月額は、人事・総務に聞いて確かめます。額の出し方と、受けられる期間(通算1年6か月)の全体は 傷病手当金はいくら・いつまで? にまとめています。失業保険の額は、離職理由や年齢、被保険者期間で変わるので、失業保険の計算ツール で自分の条件を入れて出してください。

そのうえで、次の条件で結論が動きます。

  • 病気やけがで働けない状態ではない:傷病手当金の話にならない。残るのは基本手当の手続きで、ハローワークで無料で相談できる
  • 資格を失う日の前日まで引き続き1年以上被保険者ではない:退職後の傷病手当金(継続給付)の条件に当たらない
  • 退職日に出勤する予定:協会けんぽの案内では、継続給付の条件を満たさない
  • 任意継続被保険者になってから始まった病気やけが:傷病手当金の対象外(99条1項括弧書き)。在職中からの継続給付の条件を満たす人は、任意継続に入るかどうかとは別に継続給付の対象
  • 基本手当の受給手続後に15日以上働けなくなった:雇用保険の傷病手当の話になる(健康保険の傷病手当金を受けられる日は出ない)

たとえば、在職中から療養で休んでいて、被保険者期間も1年以上ある人なら、継続給付は自分に関係する話です。受け取る額は行政機関の審査で決まる(国民生活センターの資料)ので、払う額が何に対する代金なのかを、契約書の説明で自分で整理します。手続きの手間に対する代金なら、ハローワークや加入先の健康保険への相談で埋められるかと比べられます。雇用保険の書類の作成と提出まで任せたいなら、頼む先は社会保険労務士などの資格のある人です。継続給付の順番は 休職から退職する時の順番 で確かめてください。

自分の1日あたりの額で約29万円を割り、何日分かを出してみる。その日数と、自分で相談に行く手間とを並べれば、払うかどうかは自分で決められます。給付までの生活費が不安で申し込みを考えている人は、お金がない時の辞め方 で貯金が何か月もつかを先に見ておくと、比べやすくなります。

使わなくていい場合

次に当てはまる人は、退職給付金サポートを使わずに、自分で手続きするのが通常の進め方です。国民生活センターの資料は、ハローワークでは申請手続について無料で相談や案内を受けられるため、通常、こうしたサポートをうたう事業者を利用しなくとも自分自身で手続を行うことが可能としています。

  • 体調に問題がなく、退職後すぐに次の仕事を探す人:失業保険(基本手当)の手続きは、住所を管轄するハローワークで無料で相談できる。手続きの流れは 失業保険のもらい方 にまとめている
  • 病気やけがで休んでいて、傷病手当金を考えている人:申請先は加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)。まず加入先に、自分が継続給付の条件に当たるかを問い合わせる
  • 退職日まで引き続き1年以上被保険者ではない人:退職後の傷病手当金(継続給付)の条件に当たらないので、それを前提にした「高額」の説明は自分の話ではない
  • 体調に問題がないのに、診断を前提にした組み立てを持ちかけられた人:頼む理由は見当たらない

この「使わなくていい」は、サポートを使う人が間違っているという意味ではありません。雇用保険の書類の作成や提出まで人に任せたい人、体調が悪く自分で窓口に行く余裕がない人は、社会保険労務士・社会保険労務士法人(または弁護士)に頼むのが、法律の範囲での頼み方です。その場合も、給付は行政機関の審査で決まり、保証されないことは変わりません。

たとえば、手続きの順番が分からないことが不安で申し込みを考えていた人は、その不安はハローワークで手続きの流れを聞けば小さくなります。反対に、療養中で外出がつらく、傷病手当金の書類を自分でそろえるのが難しい人は、加入先の健康保険に郵送での手続きを聞くか、専門家に相談するかを比べることになります。

使うか使わないかを分けるのは、「受け取る額が増えるか」ではなく「自分で窓口に相談できるか」です。できるなら、まず無料の窓口に行ってから決めても遅くはありません。

退職給付金サポートを契約した後の順番

すでに契約した人がまずすることは、事実と違う申請をしないことです。お金や契約の問題はあとから相談できますが、偽りの申告をした責任は申請した本人が負います。

契約してしまったら、この順で動く
  1. 1事実と違う申請はしないまだ出していなければ止める
  2. 2契約書・広告・やり取りを残す画面の保存とメール
  3. 3消費者ホットライン188に電話する契約や解約で困ったとき
  4. 4手続きの不明点はハローワークへ住所を管轄するハローワーク

国民生活センターの資料は、不安に思った場合やトラブルになった場合は最寄りの消費生活センター等に相談するよう勧めています。消費者ホットライン「188(いやや!)」番は、最寄りの市区町村や都道府県の消費生活センター等を案内する全国共通の3桁の電話番号です。失業保険の手続きで分からないことは、住所を管轄するハローワークに問い合わせるか、来所して相談します。

出典:国民生活センター 報道発表資料(PDF)/国民生活センター「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意」

解約や返金がどうなるかは、契約の中身によって変わり、編集部が一般論で言えることではありません。事例2のように、まだ何もサポートを受けていない段階で違約金を言われた相談もあります。だからこそ、契約書、広告の画面、メールやチャットのやり取りを消さずに残し、188で相談するときに見せられるようにしておきます。いつ・いくら払い、どんな説明を受けたかもメモにしておきます。

たとえば、契約後に診断のマニュアルが届いて不安になった人なら、マニュアルに沿って受診する前に、188に電話して契約の相談をし、並行してハローワークに自分の手続きを確かめる、という順番になります。すでに書類を出してしまい、書いた内容が事実と違うかもしれないと感じているなら、次の手続きの前に、管轄のハローワークに相談してください。どう扱われるかは、編集部には先回りして言えません。

動く順番は「書類を止める、証拠を残す、188、ハローワーク」です。まず書類の中身を事実に戻すところから始めます。

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よくある質問

退職給付金サポートの料金はいくらですか?

業者の料金の相場や料金体系を示した公的な資料は、編集部は見つけられていません。国民生活センターの資料で分かるのは、2024年度の相談に出てきた契約の平均契約購入金額が約29万円だったことと、相談事例の契約額(約30万円、約20万円)です。いずれも相談に寄せられた契約の数字で、相場ではありません。

退職給付金サポートはどこが良いですか?

編集部は事業者に順位をつけていません。選ぶ前に、相手の資格(書類の作成・提出まで頼むなら社会保険労務士・社会保険労務士法人または弁護士か)、給付が決まっているように言っていないか、料金の総額、解約の条件、事実と違う申請を勧めていないかの5点を、契約書と説明で確かめてください。

退職給付金をもらうデメリットはありますか?

国民生活センターの資料が問題点として挙げているのは、給付そのものではなく、サポートの契約の側です。具体的には、期待どおりに給付されなくても費用を請求されること、解約で高額な違約金を言われること、不正受給を促すかのような説明があることです。不正受給になれば、返還と2倍以下の納付を命じられることがあります。

自分で申請できますか?

国民生活センターの資料は、ハローワークでは申請手続について無料で相談や案内を受けられるため、通常、サポートをうたう事業者を利用しなくとも自分自身で手続を行うことが可能としています。傷病手当金は、加入している健康保険に申請の方法を問い合わせます。

口コミや評判が良ければ安心ですか?

口コミは、書いた人と事業者の関係が分からないことがあり、事業者への申し込みリンクを置いた体験談もあります。評判の良し悪しより、資格・料金・解約条件・事実と違う申請を勧めないか、といった確かめられる点に答えているかで読んでください。

数字だけ、もう一度

  1. 呼び名:国民生活センターの資料は、退職給付金を失業保険の呼び名の一つとして扱っている(2025年12月3日公表)
  2. 相談件数:2021年度42件、2022年度54件、2023年度113件、2024年度217件。2025年度は10月31日までで216件、前年度同期(90件)の2.4倍
  3. 平均契約購入金額:約29万円(2024年度の相談の傾向。料金の相場ではない)
  4. 資格:報酬を得て雇用保険の申請書を作る・提出を代わりにすることを業にできるのは、原則として社会保険労務士・社会保険労務士法人(27条・例外あり)。弁護士も可。違反には「一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」(32条の2第1項6号)
  5. 不正受給:返還に加えて、不正に受けた額の2倍以下の納付命令(雇用保険法10条の4)。合計を「最大3倍」と言う
  6. 継続給付:資格を失う日の前日まで引き続き1年以上被保険者で、資格を失った際に傷病手当金を受けていること(健康保険法104条)。協会けんぽの案内では退職日に出勤すると条件を満たさない
  7. 傷病手当金の額:標準報酬月額が定められている月が12か月ある場合は、その平均の30分の1の3分の2が1日あたり。支給期間は通算1年6か月
  8. 受給期間の延長:30日以上継続して働けないとき、受給期間1年に働けない日数を加えられる(最大3年間)
  9. 雇用保険の傷病手当:基本手当の受給手続後に15日以上働けないとき。健康保険の傷病手当金を受けられる日は出ない
  10. 相談先:消費者ホットライン188、手続きの不明点は住所を管轄するハローワーク

退職給付金サポートが怪しいかどうかは、名前や口コミでは決まりません。決めるのは、目の前の説明が、給付が決まっているように言っていないか、資格の範囲を越えていないか、事実と違う書類を求めていないか、の3つです。そのうえで、自分が病気で働けない状態か、継続給付の条件に当たるかを確かめれば、宣伝の金額が自分の金額かどうかは見えてきます。使うかどうかは、そこまで確かめてから、払う額と自分で窓口に行く手間を並べて決めれば十分です。

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この記事を書いた人

やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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