退職代行の選び方|民間・労組・弁護士の違いと自分の状況で足りる型・費用

  • 退職代行って、結局どこに頼めばいいの?
  • 安いところで足りる?高いところでないとダメ?
  • 民間・労働組合・弁護士って、何が違うの?
  • 有給を使い切ってから辞めたい。そこまで話をつけてもらえる?
  • 「弁護士監修」と書いてあれば、弁護士が動いてくれるの?
  • 口コミや比較サイトの順位は、信じていいの?
  • 退職代行はダメ、危ないと聞いて踏み切れない
  • 本当は、自分で言えば済むのかもしれない

上記のような悩みに答えます。

退職代行は、社名を見比べるところから始めると迷います。同じ「退職代行」という名前でも、運営しているのが民間の会社か、労働組合か、弁護士かで、会社に対して法律上できることが違うからです。このサイトが検索結果で見た範囲では、上位は、退職代行の会社が自分で書いた記事か、社名を並べて順位を付けた比較記事が中心で、最後はどこか1社への申し込みか比較表で終わる作りが目立ちました。そのため、「自分の状況ならどの型で足りるのか」「会社から本人に連絡が来ないことを誰が約束できるのか」「代行を使わずに自分で辞められるのはどんな人か」は、なかなか書かれません。そこで、3つの型でできることという基本を押さえたうえで、状況から型を決める早見、「弁護士監修」「労組と提携」という表示の読み方、申し込む前に公式サイトのどのページを読むか、使わなくていい条件まで、弁護士法・労働組合法などの条文と各社の公式サイト・規約で確かめながら整理しました。社名に順位は付けていません。

先に答え

退職代行は、社名より先に「運営しているのが民間の会社か、労働組合か、弁護士か」で選びます。辞めると伝えてもらうだけなら民間、有給や退職日の話し合いまで任せたいなら労働組合、損害賠償や未払いの請求が絡むなら弁護士が目安です(2026年10月時点)。

2026年10月時点の制度で確かめています

目次

状況で型が決まる早見

選ぶ順番は「自分の状況 → 運営の型 → 社」です。会社に頼みたいことが「辞めると伝えること」だけなのか、「有給や退職日の話し合い」まで含むのか、「お金の請求や争い」まであるのかで、足りる型が先に決まります。社を比べるのは、型を決めたあとです。

型から決める理由は、型ごとに、会社に対して引き受けられる仕事の根拠が違うからです。民間の会社が会社と条件を詰めることは引き受けられない、とされるのは弁護士法72条からの解釈です(条文は退職代行を名指ししていません)。労働組合は組合員のために会社と交渉する権限を持ち、会社は正当な理由なく団体交渉を拒めません(労働組合法7条2号)。弁護士は交渉や請求、裁判まで扱うことを職務としています。社名やサイトの見た目では、この違いは分かりません。

あなたの状況 足りる型 そう言える理由
辞めると伝えてもらうだけでいい。有給は使い切った、または諦めている。会社と話し合うことが残っていない 民間の会社の型でも足りる 頼むのが、本人の意思を会社に伝えることだけだから
残っている有給を消化したい、退職日を希望に合わせたい、未払いの賃金を払ってほしい 労働組合の型 組合は会社と団体交渉ができ、会社は正当な理由なく拒めない
「辞めるなら損害賠償」と言われている。未払いの残業代や慰謝料を請求したい。裁判になる心配がある 弁護士の型 報酬を得て本人の代理人として請求・和解・訴訟を扱うことは、弁護士法72条が弁護士以外に禁じている(ほかの法律に別段の定めがある場合を除く)。個別の請求が通るかは事案しだい
公務員として働いている 弁護士の型が目安 一般の職員には労働組合法が適用されない(国家公務員法附則第六条・地方公務員法第五十八条第1項)。特別職や地方公営企業の職員などは別の扱いがありうる(下の「民間・労組・弁護士」の項)
頼みたいことで、見る型が分かれる
伝えるだけで足りる人

  • 有給は使い切った・決めることが残っていない
  • 民間の会社の型でも足りる
  • 受付の早さと連絡の手段で比べる
話し合いや請求が要る人

  • 有給・退職日・未払いを会社と決めたい
  • 労働組合か弁護士の型を選ぶ
  • 誰が交渉や請求を担うかで比べる

たとえば、同じ「明日からもう行けない」という人でも、選ぶ型は条件で変わります。有給を使い切っていて、残業代もきちんと払われている人なら、会社に伝えてもらうだけで用は足りるので、民間の会社の型で足ります。有給が残っていて、消化してから辞めたい人は、会社が消化を渋ったときに話をつける役が要るので、労働組合の型です。上司から「辞めるなら損害賠償を請求する」とメッセージが届いている人は、その請求にどう応じるかという法律の話が入るので、弁護士の型になります。

迷ったら、上の表で「当てはまる行のうち、いちばん下の行」を選んでください。2つの行の間で迷うときは下の行に寄せておくと、途中で「この型では引き受けられない」と言われて頼み直す時間と費用を避けられます。型が決まったら、その型の中で、料金と、申し込む前に確かめる項目(下の「6項目」)で社を絞ります。

※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

上司か人事に連絡が取れて、有給や退職日で会社と決めることも残っていないなら、代行を頼まずに自分で伝えて足ります。「伝えるだけで足りるのは分かった。でも自分ではもう連絡できないから、今夜のうちに代わりに伝えてくれるところに頼みたい」という場合、退職代行Jobsは、民間の会社が労働組合と連携する型で、時間を問わず受け付けていて後払いも選べます(公式サイトで2026年10月7日に確認)。運営会社の規約は会社との交渉を行わないと定めているので、申し込む前に、組合費を含めた総額と、話し合いが要る場面になったら誰が対応するのかを問い合わせ、返事を文字で残してください。

退職代行Jobsの公式サイトを見る

民間・労組・弁護士でできることの線

3つの型の違いは、会社と「条件を詰める」ことを誰が引き受けられるかです。民間の会社は伝えるところまで、労働組合は団体交渉まで、弁護士は請求や裁判の代理まで、と整理されます。この線は、それぞれの型を支えている法律が違うことから生まれています。

民間の会社の線を決めているのは、弁護士法72条です。

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

弁護士法72条(e-Gov法令検索)

条文は「退職代行」を名指ししていません。民間の会社の退職代行が「本人の意思を伝えるところまで」とされるのは、この条文からの解釈です。法務省が別の分野(契約書の作成を支援するサービス)について示した整理では、条文の「報酬」は現金に限らず、「その他一般の法律事件」に当たるには法律上の権利や義務について争いや疑義があること(事件性)が要るとされ、同じ文書は、解釈と適用は最終的に裁判所の判断に委ねられると書いています(法務省の資料(PDF))。退職代行そのものについて官公庁が線を引いた資料は、このサイトでは見つけられていません。だからこそ、話し合いが要りそうなら、最初から交渉を根拠を持って引き受けられる型を選ぶ、という考え方になります。

労働組合の線は、憲法と労働組合法の条文の並びで決まります。憲法第二十八条が勤労者の団体交渉の権利を保障し、労働組合法第六条は、組合の代表者や組合から委任を受けた者が、組合員のために会社と交渉する権限を持つと定めています。そして会社が正当な理由なく団体交渉を拒むことは、不当労働行為として禁じられています(労働組合法7条2号)。正当な団体交渉は刑法の正当行為の規定の対象になる、という定めもあります(労働組合法第一条第2項)。ただし、条文は「退職」「有給」「退職日」を名指ししてはおらず、組合は裁判で本人の代理人にはなれません。

弁護士の線は、弁護士法第三条が「当事者その他関係人の依頼」によって訴訟事件や「その他一般の法律事務」を行うことを弁護士の職務と定めていることにあります。72条が弁護士以外に禁じている代理や和解を、弁護士は仕事として引き受けられます。

  • 民間の会社:本人に代わって、辞めるという意思を会社に伝える。退職届の送り先や貸与品の返し方を取り次ぐ。条件を詰めることは引き受けないと規約に書く社がある
  • 労働組合:意思を伝えることに加えて、有給の消化・退職日・未払いの賃金などを会社と団体交渉する。裁判の代理はできない
  • 弁護士:交渉に加えて、未払いの残業代や慰謝料の請求、損害賠償を請求されたときの対応、訴訟の代理まで扱う。個別の請求が通るかは事案しだい

公務員は、この線の引き方が民間の会社員と違います。国家公務員法附則第六条と地方公務員法第五十八条第1項は、一般の職員には労働組合法を適用しないと定めています。そのため、民間の労働組合が会社と団体交渉をするという仕組みを公務員の退職には使えない、と整理されます(条文からの帰結としての解釈です)。特別職や地方公営企業の職員などは別の扱いがありうるので、自分の身分は辞令や任用の書類で確かめてください。詳しくは 公務員が退職代行を使うとき にまとめています。

たとえば、民間の会社の型に頼んだあと、会社が「有給は認めない。最終日まで出社しろ」と返してきたとします。民間の会社の型はそこで条件を詰める役を引き受けないので、話は本人に戻ってきます。同じ場面で労働組合の型なら、組合が団体交渉として申し入れることができます。さらに会社が「損害賠償を請求する」と書面を送ってきた場合は、組合では裁判の代理ができないので、弁護士の出番です。

編集部の整理としては、3つの型は上下関係ではなく、引き受けられる仕事の範囲の違いです。自分の状況が「伝えるだけ」で収まっているうちは、範囲の広い型を選ぶ理由はありません。範囲から外れそうな場面が1つでも思い浮かぶなら、その場面を引き受けられる型を選びます。労働組合が会社と交渉できる範囲をもう少し細かく知りたい人は 労働組合の退職代行で交渉できること、弁護士に頼む目安は 退職代行を弁護士に頼むべきとき を読んでください。

「弁護士監修」「労組と提携」の読み方

「弁護士監修」は、弁護士がサービスの内容を見ているという意味で、弁護士が本人の代理人として会社とやりとりするという意味ではありません。「労働組合と連携」も、運営している会社そのものが交渉するという意味ではありません。交渉が要る場面を連携先の組合が引き受けるのか、組合も交渉しないのかは社によって違い、規約に書かれた業務の範囲を読まないと分かりません。表示の言葉より、規約に書かれた業務の範囲を読みます。

読み違えやすいのは、トップページは申し込んでもらうための言葉で、規約は「どこまで引き受けるか」を決める言葉だからです。食い違って見えたら、規約のほうがその社の約束です。

たとえば退職代行Jobsのトップページには(2026年10月7日に公式サイトで確認)「顧問弁護士監修」「労働組合と連携して交渉が可能」とあります。一方、運営会社の規約(第2条3項)は、代行サービスを「お勤め先に利用者の希望を伝え、回答等を利用者に伝える連絡の取次業務」とし、退職日の交渉や未払い賃金・有給に関する交渉などは「一切行いません」と定めています。交渉が要る場面は連携先の組合(合同労働組合ユニオンジャパン)の領域で、その組合は裁判の代理人にはなれない、と読むのが筋です。男の退職代行も(2026年10月11日に公式サイトで確認)、規約で条件の交渉を業務の範囲外とし、よくある質問で「交渉には応じておりません」と書く一方、トップページには「弁護士指導」と表記しています。どちらも、トップページと規約を並べて読まないと、何を引き受けるのかは分かりません。

  • 「弁護士監修」「顧問弁護士」:弁護士の名前と事務所名が書かれているか。書かれていても、監修と代理は別
  • 「労働組合が運営」:運営法人そのものが組合か。組合の名前が会社概要や特定商取引法の表記に出ているか
  • 「労働組合と連携」:連携先の組合の名前と、その組合の公式サイトがあるか。加入が必要か、加入金と組合費はいくらか
  • 「交渉可能」:規約の業務の範囲に、交渉が含まれているか。含まれていなければ、誰が交渉するのか

組合の名前が出ていても、それだけで労働組合法の労働組合だと決まるわけではありません。労働組合法第二条は、労働組合を「労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体」と定めています。また第五条第1項は、労働委員会での手続きや救済を受けるには、組合が条文の要件に合うことを立証する必要があると定めています(団体交渉を申し入れる資格の話ではありません)。「ユニオン」と名乗っていれば組合、とは言えないので、組合の公式サイトで、誰が組合員で、何を目的にしている団体かを見ておきます。

迷ったときの軸は、「トラブルになったとき、会社の前に立つのは誰か」を名前で言えるかどうかです。会社の名前しか出てこないなら伝えるところまでと考えます。組合や弁護士・弁護士法人の名前が出てきても、規約で交渉を範囲外にしている社があるので、団体交渉や代理まで引き受けるかは規約の業務の範囲で確かめると、表示に振り回されません。

いくらかかるかは型を決めてから見る

料金は、型を決めたあとに、その型の中で比べます。型によって料金の幅が違い、同じ型でも、組合費や成功報酬のように基本料の外にかかるものがあるからです。安い順に並べてから型を見ると、頼みたいことが料金に含まれていない社を選びやすくなります。

型で料金が分かれるのは、引き受ける仕事の量と責任が違うからです。伝えるだけなら手順はおおむね決まっていますが、団体交渉や請求になると、会社の出方しだいでやりとりが長くなります。弁護士の型では、退職の手続きの料金と、お金を取り戻したときの成功報酬が分かれていることがあります。

計算例

このサイトが各社の公式サイトで確かめた料金は、次のとおりです(確認日は退職代行ガーディアンが2026年9月21日、退職代行Jobsと退職110番が2026年10月7日、退職代行EXITが2026年10月9日、男の退職代行が2026年10月11日。業界全体の相場ではなく、確かめた社の範囲です)。

  • 民間の会社の型:退職代行EXITは15,000円
  • 民間の会社が労働組合と連携する型:退職代行Jobsは27,000円で、組合に入る場合は加入金2,000円と組合費2,000円が別。代行と同時に加入する安心パックは29,000円。男の退職代行は18,800〜21,800円(雇用形態で異なる)に組合費1,000円が別
  • 労働組合が運営する型:退職代行ガーディアンは19,800円(雇用形態を問わず一律)
  • 弁護士の型:退職110番は43,800円(内容証明郵便を含む)。未払いの残業代などを請求すると成功報酬が加わる

型ごとの総額の出し方、追加料金がかかる場面、後払いと返金の条件は 退職代行の費用の相場と追加料金 で詳しく整理しています。各社の運営会社・料金・規約の業務範囲を並べた 退職代行の確認表 もあります。

たとえば、残っている有給を消化したい人が、民間の会社の型を料金の低さで選んだとします。会社が消化に応じなかった時点で、その型では話を進められないので、労働組合か弁護士の型に頼み直すことになり、費用は二重にかかります。最初から労働組合の型を選んでいれば、民間の会社の型との差額だけで、その場面まで任せられた可能性があります。

編集部の整理では、料金を見るときの問いは「いくらか」より「この料金で、自分が頼みたいことまで届くか」です。届くなら、その型の中で安いほうを選べば十分です。届かないなら、どれだけ安くても、頼み直しの費用を足した額で比べ直してください。

申し込む前に公式で確かめる6項目

型を決めたら、申し込む前に、公式サイトの決まったページを読んで6つの項目を確かめます。読む場所は、トップページではなく、会社概要・特定商取引法に基づく表記・利用規約の3つです。宣伝の言葉ではなく、約束の言葉がそこにあるからです。

項目を先に決めておくのは、申し込む夜ほど急いでいて、トップページの大きな文字だけで決めてしまいやすいからです。

申し込む前に、公式サイトで読む順番
  1. 1運営主体会社概要と特定商取引法の表記で名前を見る
  2. 2業務の範囲規約に「行わない」と書かれたことを読む
  3. 3組合と弁護士連携先の組合や弁護士の名前があるか
  4. 4料金の注記組合費・手数料・送料など基本料の外を足す
  5. 5返金の条件返金されない場合の条件を読む
  1. 運営主体:会社か、組合か、弁護士か。会社概要や特定商取引法の表記に、法人の名前と所在地が書かれているか
  2. 業務の範囲:規約に、引き受けないことが書かれているか。自分の頼みたいことがそこに入っていないか
  3. 組合と弁護士:連携先の組合の名前、弁護士なら弁護士や事務所の名前が、公式のどこかに出ているか
  4. 料金の注記:基本料のほかに、組合費、後払いの手数料、退職届や貸与品を会社に送る送料などが利用者の負担になっていないか
  5. 返金の条件:「全額返金」とあっても、返金しない場合の条件が規約にあるか
  6. 連絡の手段と開始の時期:LINE・メール・電話のどれで連絡がつくか。申し込みや支払いからいつ会社に連絡するのか
計算例

返金の条件は、社によって書き方がかなり違います。たとえば男の退職代行の規約(2026年10月11日に確認)は、返金を「当社の判断により」提供することがあるとし、本人と3日間(72時間)以上連絡がとれない状況があったときや、雇用契約以外(業務委託・請負)の場合などを除いています。退職代行Jobsの特定商取引法の表記(2026年10月7日に確認)は、振込手数料、会社への退職届や貸与品の送料、利用者の通信料を販売価格以外の必要料金としています。

連絡の手段も見落とされやすい項目です。電話番号を公開せず、問い合わせをメール・フォーム・LINEだけにしている社もあります。会社から想定外の返事が来たとき、すぐに相談できる手段があるかは、申し込む前にしか選べません。また「即日退職」は、代行がその日のうちに会社へ連絡するという意味で、期間の定めのない雇用なら、雇用が終わるのは申し入れから2週間が過ぎたときです(民法627条1項)。その間を有給の消化にあてるのか、会社と合意して早く終えるのかは、別に決める必要があります。

たとえば問い合わせの文面は、「運営しているのはどの法人ですか。有給の消化を会社が認めない場合、誰が対応しますか。組合費と送料を含めた総額はいくらですか。返金されないのはどんな場合ですか。申し込みのあと、いつ会社に連絡しますか」の5行で足ります。返事はチャットやメールの文字のまま残し、規約と食い違いがないかを読んでから申し込みます。

6項目のうち、答えがあいまいなまま残った項目があれば、そこがあとで食い違う場所です。あいまいなら、もう一度聞くか、同じ型の別の社を見るかを決めてから申し込んでください。

退職代行の口コミと順位の見方

口コミと比較サイトの順位は、社を決める材料ではなく、規約で確かめる項目を見つける材料として使います。順位は、それを作ったサイトの基準で並んでいるだけで、自分の状況に合う型の順番ではないからです。

比較記事の中には、読者の申し込みに応じて報酬を受け取る広告の形で作られているものがあります。このサイトにも同じ仕組みの広告があり、枠の直前にプロモーションの表記を入れています。仕組みそのものより、順位の基準が読者の状況ではない可能性を頭に置いておくことが大切です。また、公式サイトに出ている「実績◯件」「成功率」「満足度」といった数字は、各社が自分で出しているもので、このサイトでは確かめていません。

  • 口コミから拾うもの:連絡が来るまでの早さ、追加で請求された費用の有無、会社から本人に連絡が来たかどうか
  • 拾ったあとにすること:その点が規約や特定商取引法の表記でどう書かれているかを確かめる
  • 順位から拾うもの:その表が何を基準に並べているか(料金か、受付時間か、交渉の可否か)
  • 使わないもの:自社で出している実績・成功率・満足度の数字、ほかの社と比べた「最安」の表示

たとえば口コミに「追加料金なしと聞いていたのに、あとで組合費を払った」と書かれていたら、その社の料金の注記を見に行きます。注記に組合費が別と書かれていれば、それは隠された費用ではなく、読み落としやすい費用です。反対に「会社から一度も連絡が来なかった」という口コミは、その人の会社がそうだっただけで、自分の会社でも同じになるとは限りません。

編集部の整理では、口コミは「規約のどこを読むか」を教えてくれる道しるべで、規約の代わりにはなりません。社ごとの規約の書き方をまとめて見たい人は 退職代行の確認表 を使ってください。

退職代行が危ないと言われる理由

退職代行が「ダメ」「危ない」と言われる理由を分けると、型の範囲の外のことを頼んでしまう、会社から本人に連絡が来る、損害賠償という言葉で止まってしまう、料金や返金の条件が思っていたのと違う、の4つに分けられます。どれも、申し込む前の確かめ方で避けられる部分と、避けられない部分があります。

避けられない部分があるのは、会社が本人に連絡することを禁じる決まりが、このサイトが確かめた条文の中にはないからです。代行が会社に頼めるのは「本人への直接の連絡は控えてほしい」というお願いで、会社がそれに従う決まりは確かめた条文にありません。「会社から連絡は一切来ない」という言い方は、申し込む前に、規約と問い合わせの返事でどう書かれているかを確かめてください。この点を知らずに申し込むと、会社から電話が来た時点で「話が違う」と感じることになります。

  • 範囲の外を頼んでしまう:早見の表で型を選び、規約の業務の範囲で確かめる
  • 会社から本人に連絡が来る:来ることを前提に、出るか出ないか、出たら何と言うかを代行と先に決めておく
  • 損害賠償と言われる:言われた日時と相手と中身を記録し、書面で届いたら弁護士の型に相談する
  • 料金や返金が違う:料金の注記と返金の条件を規約で読み、問い合わせの返事を文字で残す

たとえば、代行が会社に連絡した翌日、上司から本人の携帯に電話がかかってきたとします。出たくなければ出ずに、着信があったことを代行に伝え、会社への連絡をもう一度してもらう、という流れを先に決めておけば慌てずに済みます。留守番電話に「損害賠償」という言葉が残っていたら、消さずに保存しておきます。それが書面で届いたときに、弁護士へ相談する材料になります。

危ないかどうかは、退職代行という仕組みの良し悪しより、自分の状況と型が合っているかで決まります。代行を使っても辞められなかった、と言われる場面の中身は 退職代行で辞められないとき で条件ごとに整理しています。

使わなくていい場合

退職代行を使わずに、自分で伝えて足りるのは次の条件がそろう人です。辞める申し入れは本人がする手続きで、代行を使っても、期間の定めのない雇用が原則として申し入れから2週間で終わるという数え方は変わりません(期間の定めのある契約は数え方が別です)(民法627条1項)。

  • 退職届を、上司か人事に、手渡しか郵送で届けられる(メールだけで足りるかを直接述べた公的な説明は見当たらないので、メールは郵送と併せて使う)
  • 退職日まで、会社からの連絡にメールなど文字で返せる
  • 有給や未払いで会社と決めることが残っていない、または自分で文字にして頼める

厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、確実に一定の期日で辞めたいなら、合意退職の申し込みと受け取られないよう、退職の意思をはっきり書いた「退職届」を出して申し入れるのが無難としています。退職願は会社が承諾するまで撤回できますが、会社が退職を承諾したあとは、本人が一方的に撤回することはできなくなる、とも説明しています(確かめよう労働条件(厚生労働省))。

たとえば、上司と顔を合わせるのはつらいけれど、人事にはメールを送れる人なら、退職日を書いた退職届を人事あてに郵送し、同じ内容をメールでも送っておけば、申し入れた日が記録に残ります。反対に、会社と連絡を取ることそのものが体調に響く人、有給の消化を自分では言い出せない人、すでに損害賠償という言葉が出ている人は、無理に自分で進めず、早見の表で型を選んでください。

代行を使うかどうかの分かれ目は、勇気の有無ではなく、上の3つの条件のどれが崩れているかです。自分で伝える手段と文面の作り方は 辞めたいと言い出せないとき にまとめています。

頼んだあとの流れと残る手続き

代行を頼んだあとの流れは、申し込みと支払い、代行から会社への連絡、退職届と貸与品の郵送、退職日を迎えて書類を受け取る、の順です。代行が引き受けるのは会社への連絡で、退職届を書くことや、荷物を送ること、辞めたあとの手続きは本人に残ります。

申し込んだ時点で「全部終わった」と思うと、退職届の郵送や貸与品の返却が遅れ、会社とのやりとりが長引きます。退職届の作成や提出を規約で業務の範囲外にしている社もあるので、自分で書いて送る前提で準備しておきます。

  1. 申し込みと支払い:型と社を決め、問い合わせの返事を残してから申し込む
  2. 代行から会社への連絡:退職の意思と、本人への直接の連絡を控えてほしい旨を伝えてもらう
  3. 退職届と貸与品の郵送:退職届は自分で書き、健康保険証や社員証などの貸与品と一緒に送る。送った日と方法を残す
  4. 退職日:期間の定めのない雇用なら申し入れから2週間。その間の扱い(有給の消化など)は型によって誰が話すかが違う
  5. 書類の受け取り:離職票や源泉徴収票など、辞めたあとに要る書類が届くかを確かめる

たとえば、会社の寮に住んでいる人は、退職日と退去の日をどうそろえるかを申し込む前に代行へ伝えます。退去の調整が「話し合い」になりそうなら、引き受けられる型かを早見の表で確かめ直します。

辞めたあとに困りやすいのは、書類が届かない、失業保険の手続きがいつからできるか分からない、という点です。代行を使ったあとの書類と手続きの流れは 退職代行を使ったあとの流れ で順に整理しています。

退職代行の費用はいくら?民間・労組・弁護士の相場と追加料金がかかる条件

退職代行Jobsの評判は?料金はいくら・労組で交渉できる範囲と使わなくていい場合

失業保険のもらい方は?退職後ハローワークでの手続き5段階と振込までの日程

よくある質問

退職代行はどこがいいですか?

社名より先に、自分の状況で型を決めます。伝えるだけなら民間の会社、有給や退職日の話し合いまでなら労働組合、損害賠償や未払いの請求が絡むなら弁護士が目安です。型が決まったら、その型の中で規約の業務の範囲と料金の注記を読んで社を選びます。

退職代行はいくらくらいかかりますか?

計算例

A. このサイトが2026年10月に公式サイトで確かめた範囲では、民間の会社の型の15,000円(退職代行EXIT・10月9日に確認)から、弁護士の型の77,000円(弁護士法人みやびの上限・アディーレ法律事務所のフルサポートプラン・10月7日と10日に確認)まで幅がありました。弁護士の型は、未払いの請求などで回収額に応じた費用が別にかかる社があります。民間の会社が労働組合と連携する型では組合費が別にかかる社があります。型ごとの総額は 退職代行の費用の相場と追加料金 で整理しています。

退職代行は何をしてくれるのですか?

どの型でも、本人に代わって辞めるという意思を会社に伝えます。労働組合の型は、それに加えて有給や退職日などについて会社と団体交渉ができ、弁護士の型は請求や訴訟の代理まで扱えます。退職届の作成や提出を業務の範囲外と規約に書いている社もあるので(退職代行Jobs・退職代行EXIT・男の退職代行、2026年10月に確認)、規約で確かめてください。

退職代行はなぜダメと言われるのですか?

中身を分けると、型の範囲の外を頼んでしまう、会社から本人に連絡が来る、損害賠償という言葉で止まる、料金や返金の条件が違う、の4つです。会社から本人に連絡が来ないことは、どの型でも約束できませんが、それ以外は申し込む前に規約を読むことで避けられる部分があります。

公務員でも退職代行を使えますか?

一般の職員には労働組合法が適用されないので(国家公務員法附則第六条・地方公務員法第五十八条第1項)、労働組合の型の団体交渉は使えない、と整理されます。伝えるだけの依頼か、弁護士の型かを考えることになります。詳しくは 公務員が退職代行を使うとき を読んでください。

後払いはできますか?

後払いを選べる社はあります。ただ、後払いは「あとで払う」仕組みで、手数料が上乗せされたり、審査があったりする場合があります。後払いを選んだときの総額と支払いの期限を、申し込む前に問い合わせて文字で残してください。

数字だけ、もう一度

  1. 選ぶ順番:自分の状況 → 運営の型 → 社。伝えるだけなら民間の会社、話し合いまでなら労働組合、請求や争い・公務員なら弁護士が目安
  2. 型の線:弁護士でない者が報酬を得る目的で、法律事件について代理・和解などの法律事務を業として扱うことは、弁護士法72条が禁止(ほかの法律に別段の定めがある場合を除く)。民間の退職代行が伝えるところまでとされるのは、この条文からの解釈。組合は会社と団体交渉ができ、会社は正当な理由なく拒めない(労働組合法7条2号)。組合は裁判の代理はできない
  3. 表示の読み方:「弁護士監修」は代理ではない。「労組と連携」は、交渉するとすれば組合で、組合も交渉しない社がある。規約の業務の範囲がその社の約束
  4. 費用:型を決めてから、その型の中で比べる。組合費・成功報酬・送料など基本料の外を足す
  5. 申し込む前の6項目:運営主体・業務の範囲・組合と弁護士・料金の注記・返金の条件・連絡の手段と開始の時期
  6. 口コミと順位:社を決める材料ではなく、規約で確かめる点を見つける材料
  7. 危ないと言われる理由:会社から本人に連絡が来ないことは、どの型でも約束できない。それ以外は申し込む前に確かめられる
  8. 使わなくていい場合:退職届を届けられる・文字で返せる・決めることが残っていない、がそろえば自分で足りる。期間の定めのない雇用なら、原則として申し入れから2週間で終わる数え方は代行を使っても同じ(民法627条1項)

退職代行選びでいちばん効くのは、どこが評判かを調べることより、自分が会社に頼みたいことを1行で書き出すことです。「辞めると伝えてほしい」で終わるのか、「有給を消化したい」が続くのか、「請求したい」「請求されている」まであるのか。その1行が決まれば型が決まり、型が決まれば読むべき規約の行と、比べるべき料金の幅も決まります。そしてその1行が「伝えてほしい」だけで、自分で届けられる手段も残っているなら、代行を頼まずに辞めるという選び方も、同じくらい確かな道です。

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やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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