退職代行で辞められない・できないのはどんな時?失敗する条件と使わなくていい場合

誰もいない事務所
  • 退職代行を使えば、本当に辞められるの?
  • 会社が「退職は認めない」と言ったら、どうなる?
  • 「失敗した」という話を見かけるけど、何が失敗なの?
  • 会社が「本人と直接話したい」と言ってきたら?
  • 有給や未払いの給料、損害賠償のことも言ってもらえる?
  • 契約社員や公務員でも、同じように辞められる?
  • お金を払ったのに、業者と連絡がつかなくなったら?
  • 自分で言えるなら、使わなくてもいい?

上記のような悩みに答えます。

退職代行で「辞められない」「失敗した」と言われるとき、その言葉の中には、退職そのものが成り立たない話と、期待していた条件が通らなかった話が混ざっています。検索で上に出てくるのは、退職代行を運営する会社や事務所の解説が中心で、失敗の例を並べたあとに自社の型をすすめて終わるものが目立ちます。どんな人なら使わなくていいのか、会社が「本人と話す」と言ってきたらどこまでが代行の役目なのかを正面から書いたものは見当たりませんでした。そこで、退職が成り立つ仕組み・代行の型ごとの範囲・依頼前の確認を押さえたうえで、契約期間がある人や公務員の例外と、自分で伝えて足りる人の線まで、民法・労働基準法・弁護士法・労働組合法の条文と、厚生労働省や労働局の案内で確かめながら整理しました。

先に答え

退職代行を使っても、期間の定めのない雇用なら退職そのものは申入れから2週間で成立するので、会社が認めないだけで辞められなくなることはありません。「失敗」の多くは、有給や退職日の条件が通らない、会社が本人と話したがる、業者の対応の問題のどれかで、型の選び違いと依頼前の確認で避けられます。自分で書面やメールで伝えられるなら、退職代行は使わなくて大丈夫です。

この記事の数字は2026年10月時点のものです。辞めたあとの失業保険がいくら・いつから入るかは、失業保険の計算ツール で自分の条件を入れて出せます。

目次

退職代行の「失敗」は4つに分かれる

退職代行の「失敗」と呼ばれるものは、退職そのものが成り立たない、有給や退職日などの条件が通らない、会社から本人に連絡が来る、業者と連絡がつかない・追加の料金を求められる、の4つに分けられます。期間の定めのない雇用で1つ目が起きる場面は限られていて、残りの3つは、型の選び方と依頼前の確認で避けやすい種類のものです。

4つに分けて考えるのは、それぞれ原因も手当ても違うからです。退職が成り立つかどうかは法律の話、条件が通るかどうかは会社との話し合いの話、本人に連絡が来るかどうかは会社の対応の話、業者の事故は申し込んだ契約の話です。ひとまとめにして「代行を使っても辞められないかもしれない」と考えると、何を確かめれば安心できるのかが見えなくなります。

失敗と言われるもの 何が起きているか 主な原因 避け方
退職そのものが成り立たない 雇用が続いていると扱われる 契約期間がある・公務員など、別の決まりで辞める人だった 雇用契約書の「契約期間」と自分の身分を先に確かめる
条件が通らない 有給・退職日・未払い賃金が希望どおりにならない 話し合いが要るのに、意思を伝えるだけの型を選んだ 話し合いが要るなら、労働組合か弁護士の型にする
本人に連絡が来る 会社が本人と直接話したがる 会社の連絡を禁じる公的な決まりは見当たらない 確認の窓口を代行にしたいと、申込時に伝えてもらう
業者の事故 連絡がつかない・追加の料金 料金や返金の条件を確かめずに申し込んだ 料金に含まれるもの・返金の条件を依頼前に確かめる

「成功率」の数字を見かけることもありますが、退職代行の成功率についての公的な統計は見当たりませんでした。業者が自社で出している数字は、何を「成功」と数えたのか、条件が通らなかった件を含めているのかが書かれていないと、比べようがありません。数字よりも、自分の不安が上の4つのどれに当たるかを確かめるほうが、申し込むかどうかを決める材料になります。

たとえば、正社員で、退職日も有給の扱いも会社の言うとおりで構わず、とにかく上司と話したくないだけの人なら、気にするのは3つ目と4つ目だけです。反対に、残っている有給を使い切ってから辞めたい人は、2つ目の「条件が通らない」が起きやすい側にいます。同じ「退職代行で失敗したくない」という不安でも、どの種類の失敗を避けたいのかで、確かめることが入れ替わります。

迷ったら、紙に4つを書き出し、自分が心配しているものに丸をつけてみてください。丸がついたものだけを、下の項で順に確かめれば足ります。

退職そのものが止まらない理由

誰もいない事務所

期間の定めのない雇用なら、退職の申し入れが会社に届いてから2週間で雇用は終わります。会社の同意は条件になっていないので、「認めない」と言われるだけで退職が止まるわけではありません。

民法627条1項は、こう書いています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法627条(e-Gov法令検索)

条文は退職代行を名指ししていませんが、申し入れが誰の口から伝わったかで2週間が変わるとは書かれていません。意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力を生ずるとされ、相手方が正当な理由なく到達を妨げたときは、通常到達すべきであった時に到達したものとみなされます(民法97条1項・2項)。茨城労働局のQ&Aも、会社に「新しい人が見つかるまで待て」と言われた人への答えとして、退職の意思表示をしていれば、退職が伝わった日の翌日から起算して14日が経過すれば法律上退職は成立する、と述べています(茨城労働局「やめたいのにダメと言われて困ってる」)。

月給制だから「月の前半に言わないといけない」という説明を見かけることがありますが、627条の2項と3項は「使用者からの解約の申入れ」についての決まりです。辞める側の申し入れは、月給制でも1項で考えます。

就業規則に「1か月前までに申し出ること」と書かれている場合は、説明が分かれています。厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、無期の契約なら申し入れから原則2週間で終わり、この期間を大幅に伸ばす規定や会社の許可を条件とする規定は無効とされる、と説明しています。一方、労働局のQ&Aには、原則として就業規則の規定が適用されるので確認してほしい、極端に長い期間を定めている場合は公序良俗の見地から無効とされる場合もある、と書くものがあります(鹿児島労働局「よくあるご質問」)。先に挙げた茨城労働局のQ&Aも、就業規則の申出期間が社会通念上著しく長期間でない場合(たとえば1か月前まで)は、トラブル防止のため、まずは就業規則の定めに沿った申出をした方がよい、と添えています。どちらが優先するかをここで言い切ることはできませんが、会社が同意しないことだけで退職が成り立たなくなるわけではない、という点では両方の説明がそろっています。

もう1つ、退職日の指定は分けて考えます。厚生労働省の説明では、退職の意思をはっきり書いた「退職届」で任意退職を申し入れた場合、会社が承諾すればその時点で効果が生じ、承諾しなければ2週間後に効力が生じるとされています。「明日付けで辞めたい」は会社の承諾があって初めて通る話で、承諾が得られなければ2週間後になります。ここで「希望の日に辞められなかった」と感じる人がいますが、それは退職が成り立たなかったのではなく、条件が通らなかったほうの話です(厚生労働省「確かめよう労働条件」)。

たとえば、正社員が代行を通じて月曜日に退職を伝え、会社が「認めない」と返してきた場合でも、期間の定めのない雇用なら、伝わってから2週間を経過すると雇用は終わります(起算の数え方は 退職は何日前に言うか で扱っています)。そのあいだの出社をどうするか、有給を充てられるかは、会社との話し合いや手続きの話として残ります。

代行に頼むときは、「退職をお願いしたい」ではなく、退職の意思をはっきり伝えてもらうこと、伝えた日時を記録に残してもらうことの2つを確かめておきます。退職願(合意退職の申し込み)は会社が承諾するまで撤回できるもので、退職届とは扱いが違うと厚生労働省は説明しています。伝える言葉と日付がはっきりしていれば、2週間の起点で揉める余地は小さくなります。何日前に言うかの考え方は 退職は何日前に言うか で詳しく扱っています。

会社が「本人と話す」と言ったとき

会社が「本人と話さないと認めない」と言ってきても、期間の定めのない雇用なら、退職の成立は会社の同意に左右されません。ただ、会社が本人に連絡することを禁じる公的な決まりは見当たらないので、連絡が来ることはあり、出るかどうかは自分で決められます。

会社が本人と話したがる場面は、本人の意思かどうかを確かめたい、引き継ぎや貸与品の段取りを決めたい、条件について話し合いたい、の3つに分けて考えると対応が決めやすくなります。このうち、代行の型によって返せる範囲が違うのは3つ目です。民間の会社が運営する型は、本人の使者として退職の意思を伝えるところまでとされ、会社が「退職日や有給について話し合いたい」と返してきた時点で、それ以上はやりとりできないと整理されています。話し合いの相手として本人に話が戻ってくる、という場面が、「本人と話す」と言われる失敗の1つの形です。

  • 「本人の意思か確かめたい」:代行を通じて、本人の意思であることをメールや書面で伝えてもらう
  • 「引き継ぎを済ませてから」:民法627条1項は引き継ぎを退職の条件にしていない。引き継ぎの一覧をメールで送っておく
  • 「退職日を後ろにしてほしい」「有給は認めない」:話し合いの話。交渉ができる型かどうかで返せる範囲が変わる
  • 「辞めるなら損害賠償を請求する」:電話で答えず、書面で受け取って弁護士に相談する

引き止めが強いと「辞めさせてもらえない」と感じますが、法律が禁じているものとそうでないものは分けて見ます。労働基準法5条は、使用者が、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない、と定めています(労働基準法5条)。引き止めの言葉そのものを直ちにこの条文の違反とは言えませんが、ここまでの手段が使われているなら、自分で抱えずに相談先に持ち込む段階です。

たとえば、話し合うことが何も残っていない人なら、会社が「本人と話したい」と言ってきても、本人の意思であることを文字で伝えれば、それ以上やりとりする中身はありません。反対に、有給を使い切ってから辞めたいのに民間の型を選んだ人は、会社が「有給の件は本人と話す」と言った時点で、自分で話すか、交渉のできる型に頼み直すかを選ぶことになります。

申し込む前に、「会社からの確認は代行を通してほしい」「電話には出ず、必要なことはメールで返す」と自分の方針を決め、それを代行に伝えてもらっておくと、本人に来る連絡の理由そのものを減らせます。代行が連絡したあとの電話や書類の流れは 退職代行のその後 で整理しています。

有給や賠償は型によって交渉できない

有給の消化、退職日の調整、未払い賃金の支払い、損害賠償への対応は、どの型の代行に頼んだかで「言ってもらえる範囲」が違います。民間業者は意思を伝えるところまで、労働組合は団体交渉まで、弁護士は交渉・請求・訴訟の代理まで扱えると整理されています。

この線は、弁護士法72条から来ています。条文は、弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で、訴訟事件などの法律事件に関して代理や和解その他の法律事務を取り扱うことを業とすることができない、ただし他の法律に別段の定めがある場合はこの限りでない、と定めています(弁護士法72条)。条文は退職代行を名指ししておらず、法務省も、AI契約書サービスについての見解のなかで、同条の解釈・適用は最終的には裁判所の判断に委ねられるとしています。民間業者は意思を伝えるまで、という線は、この条文から読み取られている整理です。

労働組合が交渉できるとされるのは、別の法律の並びがあるからです。憲法28条は勤労者の団体交渉の権利を保障し、労働組合法6条は、労働組合の代表者又は委任を受けた者が組合員のために使用者と交渉する権限を持つと定め、7条2号は、使用者が団体交渉を正当な理由がなくて拒むことを不当労働行為としています(労働組合法7条)。

型 会社に対してできるとされること できないとされること
民間業者 本人の使者として、退職の意思を伝える 有給・退職日などの交渉
労働組合 意思の伝達に加えて、有給・退職日・未払い賃金などの団体交渉 訴訟の代理
弁護士 交渉に加えて、未払い残業代・慰謝料の請求、損害賠償を請求されたときの対応、訴訟の代理 個別の請求が通るかどうかは事案次第

損害賠償については、労働基準法16条が、使用者は労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない、と定めています(労働基準法16条)。禁じているのは、あらかじめ違約金や賠償額を決めておくことで、実際に生じた損害の賠償請求そのものまで禁じた条文ではありません。「辞めたら違約金」という定めは無効のおそれがある一方で、賠償を請求されるか、認められるかは事案次第です。ここを民間の型に言ってもらうことはできないと整理されているので、具体的に請求されているなら弁護士に相談するのが先になります。

たとえば、残っている有給を使ってから辞めたい人が民間の型を選び、会社が「有給は認めない」と返してきたら、民間の型はそれ以上話し合えないとされるので、「条件が通らない」失敗になります。同じ人が最初から労働組合の型を選んでいれば、団体交渉として話し合いを申し入れることができます。さらに、未払いの残業代を請求したい、損害賠償を言われている、という事情が加われば、弁護士の領分です。

申し込む前に、「会社と話し合うことが残っているか」を1行で書いてみてください。残っていなければ型の違いは小さく、残っているなら交渉ができる型を選ぶのが筋です。労働組合の型でできることは 労働組合の退職代行、弁護士に頼む目安は 退職代行を弁護士に頼むとき で扱っています。

契約期間がある人・公務員がつまずく所

契約社員・派遣社員などで契約期間が決まっている人は民法628条で、公務員は書面での辞職の申出と任命権者の承認という別の仕組みで、退職を考えます。退職代行を使っても、この違いは変わりません。退職そのものが成り立たないという本来の意味の「失敗」が起きうるのは、この2つの場面です。

期間の定めがある雇用は、民法628条で考えます。

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

民法628条(e-Gov法令検索)

厚生労働省は、やむを得ない事由もなく任意に退職したことによって会社に不測の損害を与えたような場合には、損害賠償責任が発生するなどのリスクがある、と説明しています。リスクがあるという説明で、辞めれば賠償しなければならないという意味ではありません。例外もあります。契約期間が一年を超える契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除く)は、契約期間の初日から一年を経過した日以後は、使用者に申し出ていつでも退職できるとされています(労働基準法附則137条)。高度の専門的知識等を持つ労働者や満60歳以上の労働者との契約は、この例外の対象外です。

国家公務員(一般職)は、さらに別の仕組みです。地方公務員の辞職の手続きは、ここでは条文を引いていません。国家公務員法61条は、職員の退職は任命権者がこの法律及び人事院規則に従い行う、と定め、人事院規則八―一二の51条は、任命権者は、職員から書面をもって辞職の申出があったときは、特に支障のない限り、これを承認するものとする、としています(人事院規則八―一二 51条)。書面での申出と任命権者の承認という形で、民間の2週間とは組み立てが違います。また、国家公務員法の附則と地方公務員法58条1項は、労働組合法を職員には適用しないと定めているので、民間の労働組合が当局と団体交渉をする仕組みは使えない、と整理されます。

期間の定めがあるかで、辞め方の決まりが変わる
期間の定めのない雇用

  • 申し入れから2週間で終わる
  • 会社の同意は条件になっていない
  • 月給制でも辞める側は627条1項
期間の定めのある雇用

  • やむを得ない事由があれば直ちに解除できる
  • 一年を超える契約は、初日から一年を経過した日以後いつでも
  • 事由なく辞めると損害賠償のリスクがある

たとえば、契約期間の途中で、やむを得ない事由と言える事情が特になく、とにかく今の職場から離れたいという契約社員が代行を使うと、会社が「契約期間の満了までは働いてほしい」と返してくることがあります。ここで起きているのは代行の型の問題ではなく、628条の枠の問題です。同じ契約社員でも、一年を超える契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除く)で初日から一年を過ぎていれば、附則137条の例外で申し出ていつでも辞められる側に入ります。

まず雇用契約書(労働条件通知書)の「契約期間」の欄と、契約の初日を確かめてください。期間の定めがある人の途中退職は 契約期間の途中で辞めるとき、公務員の辞め方は 公務員と退職代行 で整理しています。

退職代行を頼む前に確かめること

手帳と2本のペン

業者と連絡がつかない、あとから追加の料金を求められる、という事故は、申し込む前に次の5つを確かめておけば避けやすくなります。社名で選ぶ前に、この5つが公式サイトや規約に書かれているかを見ます。

業者の事故を会社とのトラブルと分けて扱うのは、原因が申し込んだ契約の中身にあるからです。会社が何を言ってきても、業者と連絡が取れていれば対応は続けられます。反対に、業者と連絡がつかなくなると、会社とのあいだで何が済んでいて何が残っているのかが自分で分からなくなります。

  • 運営の型:民間・労働組合・弁護士のどれか。労働組合なら、加入が要るかと組合費
  • 料金に含まれるもの:送料・振込手数料など、料金の外で自分が払うもの
  • 返金の条件:何をもって「退職できなかった」とするのか、規約の書き方
  • 連絡の手段と時間:連絡の手段、受付の時間、退職が済むまでのやりとりの期間
  • 伝えてもらう中身:会社からの確認の窓口を代行にできるか、書類の送り先を伝えてもらえるか

返金の条件は、「退職できなければ返金」と書かれていても、何をもって退職できなかったとするかで中身が変わります。期間の定めのない雇用で退職そのものが成り立たない場面は限られているので、自分が心配しているのが条件の話(有給や退職日)なのであれば、その部分が返金の対象になっているかまで読みます。料金の考え方と追加料金の見方は 退職代行の費用 にまとめています。

たとえば、夜にしか連絡できない人なら、受付の時間と、会社からの返事を誰がいつ受け取って知らせてくれるのかを先に確かめます。会社が連絡を返してくるのは日中なので、そこで返事が止まると「連絡がつかない」と感じやすくなります。申込前のやりとりで返事の早さや中身を見ておくのも、確かめ方の1つです。

5つのうち、公式サイトや規約で答えが見つからないものがあれば、申込前に問い合わせて、文字で返事をもらっておきます。返事が残っていれば、あとで行き違いが起きたときに、自分の側で示せるものになります。言い出せないときにどの手段を選ぶかの順番は 辞めたいと言い出せないとき で整理しています。

※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

自分で伝えるのが難しく、会社とのやりとりを任せたい場合は、料金に何が含まれるか(組合費・返金の条件)と、退職日や有給の話し合いが要るときは連携する労働組合に加入して交渉してもらう形になることを、公式サイトで確かめてから申し込んでください。損害賠償を言われているなら、弁護士に相談するのが先です。

退職代行Jobsの料金を公式サイトで見る

使わなくていい場合

便箋とペン

自分で書面やメールで退職を伝えられ、有給や退職日について会社と話し合う必要がないなら、退職代行は使わなくて大丈夫です。辞める申し入れは本人ができる手続きで、代行を使っても使わなくても、2週間の数え方は変わりません。

ここまで見てきた失敗の4つのうち、代行を使わなければ起きないものが2つあります。業者と連絡がつかない事故と、意思を伝えるだけの型を選んだせいで条件が通らない失敗です。自分で伝える人には、この2つがはじめから生じません。会社から本人に連絡が来ることは代行を使っても起こりうるので、代行を使うかどうかだけでは避けきれません。

  • 上司か人事に、メールでも書面でも連絡が取れる
  • 退職日や有給について、会社と話し合う必要がない、または自分で話し合える
  • 契約期間の途中ではない、または137条の例外に当たる
  • 「辞めたら損害賠償」などと具体的に言われていない

4つがそろっていれば、退職届を書面かメールで送り、送った日と、相手に届いた日がわかる記録を残しておけば、2週間の起点を示しやすくなります。メールで伝える方法と文面は 退職をメールで伝えるとき で扱っています。

たとえば、職場の空気がつらいだけで、有給も使い切り、話し合うことが残っていない正社員なら、人事あてに退職届をメールで送り、その後の書類のやりとりもメールで済ませれば、会社の人と顔を合わせずに辞められます。一方、上司と連絡を取ろうとすると体調が崩れるほど追い詰められている人や、会社の連絡先が分からない人は、無理に自分で伝えようとしなくて構いません。使わなくていいかどうかは、会社に伝える手段があるかと、話し合うことが残っているかの2つで決まります。

「ありえない」と言われるのが怖いとき

退職代行を使うことを「ありえない」「無責任」と言う人がいても、それで退職の成否が変わるわけではありません。代行を使ったかどうかで、民法627条1項の2週間の数え方は変わらないからです。気になるなら、言葉ではなく「誰が、何に、実際に困るのか」で考えると、自分で手当てできる範囲が見えてきます。

「ありえない」と言われるときに職場側が困りうるのは、引き継ぎが分からない、貸与品が戻らない、書類の送り先が分からない、急に仕事の割り振りを変えなければならない、といった職場の段取りです。代行を使うこと自体よりも、段取りの情報が届かないことも、職場の人の負担になりえます。

  • 引き継ぎ:担当している仕事と、どこに何があるかを一覧にしてメールで送る
  • 貸与品:配送の記録が残る方法で返し、送った日を伝える
  • 書類:離職票や源泉徴収票の送り先を、文字で伝えておく
  • 私物:送ってほしい先と送料の扱いを、代行経由かメールで伝える

この4つが渡っていれば、職場の段取りで困る部分は手当てできます。それでも残る「どう思われるか」は、自分では変えられない部分です。変えられない部分を考え続けるより、渡せるものを渡したかどうかで自分の辞め方を点検するほうが、気持ちの置き場所がはっきりします。

たとえば、上司と話すとまた引き止められると分かっていて代行を使う人でも、引き継ぎの一覧を添えて送ってもらえば、職場にとっては「急にいなくなった」ではなく「情報は残していった」になります。反対に、引き継ぎも貸与品の返却も放っておくと、代行を使ったかどうかに関係なく、会社から確認の連絡が来る理由が増えます。

代行を使うかどうかを決める前に、引き継ぎの一覧を1枚作っておくと、どちらを選んでもそのまま使えます。

退職代行で辞められなかったときの相談先

代行を使っても話が進まないときは、記録をそろえる、退職の意思を自分で書面にして送る、総合労働相談コーナーに相談する、損害賠償や未払いの請求が絡むなら弁護士に相談する、の順で動きます。

順番を決めておくのは、話が進まない理由が何かで、効く手当てが違うからです。業者と連絡がつかなくなっただけなら、会社とのあいだの退職の意思は伝わっているかもしれず、まず自分で伝えた日と中身を確かめるところから始まります。会社が退職そのものを認めないと言い張るなら、相談先に事情を見てもらう段階です。

辞められないときに動く順番
  1. 1記録をそろえる伝えた日、相手、言われたことをメモにする
  2. 2退職の意思を書面で送る内容証明は、文書の内容が存在したことの証明になる
  3. 3総合労働相談コーナー労働局や労働基準監督署内などにある。無料・予約不要
  4. 4弁護士損害賠償や未払いの請求が絡むとき

自分で書面を送るとき、内容証明郵便を使う方法があります。日本郵便の説明では、内容証明は、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかを、差出人が作成した謄本によって証明する制度で、証明するのは内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではないとされています。差し出すときは、受取人へ送る内容文書と、差出人と郵便局が1通ずつ保存する謄本2通を用意します(日本郵便「内容証明」)。

総合労働相談コーナーは、各都道府県労働局や全国の労働基準監督署内などにあり、無料・予約不要で、専門の相談員が面談または電話で対応すると厚生労働省は案内しています(厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」)。先に挙げた茨城労働局のQ&Aも、退職を認めてもらえないという問いのページに、照会・相談先として総合労働相談コーナーを挙げています。相談に行くときは、雇用契約書、就業規則の退職の箇所、伝えた日と方法の記録、会社から言われたことのメモを持っていくと役に立ちます。

たとえば、代行に頼んだあと業者と連絡がつかなくなった正社員なら、まず会社に自分で、退職の意思と退職日をメールで送り直し、その日を記録します。会社から「聞いていない」と返ってきても、2週間は意思表示が相手に届いた時を基準に考えるので、送った日と届いたことがわかる記録が手がかりになります(民法97条1項)。返金の扱いは、業者の規約に沿って業者に求める別の話として切り分けます。会社から書面で賠償を求められた人は、その書面と雇用契約書を持って弁護士に相談するのが先です。

どの段階でも、手元に記録があるかどうかで、相談先が動ける範囲が変わります。伝えた日・相手・言われたことを、その日のうちにメモしておく習慣だけは、代行を使う前から始めておいてください。

よくある質問

退職代行の成功率はどのくらいですか?

退職代行の成功率についての公的な統計は見当たりませんでした。期間の定めのない雇用なら、申し入れが会社に届いてから2週間で雇用は終わるので、気にするべきなのは数字よりも、条件が通るか、業者の対応に問題がないか、のほうです。

会社は退職代行からの連絡を拒否できますか?

会社が代行とのやりとりを嫌がることはありますが、期間の定めのない雇用なら、退職の意思が会社に届けば2週間で雇用は終わり、会社の同意は条件になっていません。相手方が正当な理由なく到達を妨げたときは、通常到達すべきであった時に到達したものとみなされます(民法97条2項)。代行への拒否がこれに当たるかは、個別の事情で変わります。

退職代行がダメと言われるのはなぜですか?

「失敗した」という話の中身は、条件が通らない、会社から本人に連絡が来る、業者と連絡がつかない、のどれかに分けられます。どれも型の選び方と依頼前の確認で避けやすく、代行を使うこと自体が退職の成否を左右するわけではありません。

弁護士に頼めば絶対に辞められますか?

弁護士は交渉や請求、訴訟の代理まで扱えるとされますが、個別の請求が通るかどうかは事案次第で、「絶対」とは言えません。契約期間の途中や公務員のように、辞め方の決まりそのものが違う場合は、弁護士に頼んでもその決まりの中で考えることになります。

契約社員でも退職代行で辞められますか?

契約期間の途中なら、やむを得ない事由があるときに直ちに解除できる、という民法628条の枠で考えます。一年を超える契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものなどを除く)で初日から一年を経過していれば、申し出ていつでも退職できます。代行を使っても、この枠は変わりません。

業者と連絡がつかなくなったらどうすればいいですか?

会社に自分で退職の意思と退職日をメールや書面で送り直し、送った日を記録に残します。返金は業者の規約に沿って業者に求める別の話として扱い、会社とのことで困ったら総合労働相談コーナーに相談できます。

数字だけ、もう一度

計算例

  1. 期間の定めのない雇用:申し入れの日から2週間で雇用は終わる(民法627条1項)。会社の同意は条件ではない
  2. 月給制でも:627条2項・3項は使用者からの申し入れの決まり。辞める側は1項
  3. 到達:意思表示は相手方に到達した時から効力を生ずる。正当な理由なく到達を妨げたら、通常到達すべきであった時に到達したとみなす(民法97条1項・2項)
  4. 茨城労働局のQ&A:退職が伝わった日の翌日から起算して14日が経過すれば法律上退職は成立する
  5. 期間の定めのある雇用:やむを得ない事由があれば直ちに解除できる(民法628条)。一年を超える契約は初日から一年を経過した日以後いつでも(労働基準法附則137条)
  6. 型の線:民間業者は意思の伝達まで、労働組合は団体交渉まで、弁護士は交渉・請求・訴訟の代理までと整理される(弁護士法72条・労働組合法6条・7条2号)
  7. 損害賠償:違約金や賠償額をあらかじめ決める契約は禁止(労働基準法16条)。実際の損害の請求まで禁じた条文ではない
  8. 公務員:書面での辞職の申出と任命権者の承認(国家公務員法61条・人事院規則八―一二 51条)
  9. 相談先:総合労働相談コーナー(無料・予約不要)。内容証明は内容文書と謄本2通で差し出す

退職代行で辞められないかもしれないという不安は、「失敗」という1つの言葉に、法律の話と話し合いの話と業者の話が詰め込まれているところから生まれます。期間の定めのない雇用なら、退職そのものは2週間で成り立つので、本当に確かめるべきなのは、自分の契約に期間の定めがあるか、会社と話し合うことが残っているか、業者の料金と返金の条件が文字で確かめられたか、の3つです。3つとも確かめて、話し合うことも残っていないなら、自分でメールを1通送るだけで足ります。代行を使うかどうかは、そのあとで決めても遅くありません。

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この記事を書いた人

やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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