- ニコイチの評判って、結局いいの?悪いの?
- 料金はいくら?「追加料金なし」は本当?
- 「怪しい」「違法」と出てくるけど、頼んで大丈夫?
- 返金保証があるなら、うまくいかなくても安心?
- 有給や給料のことも、会社に話してもらえるの?
- 会社から電話が来たり、損害賠償と言われたりしたらどうなる?
- 受付は何時まで?電話とLINEのどちらで頼めばいい?
- そもそも自分で言えるなら、代行はいらない?
上記のような悩みに答えます。
退職代行ニコイチは、株式会社ニコイチという民間の会社が運営している退職代行です。名前で検索すると、公式サイトのほかに口コミを抜き出した比較記事が並び、関連する検索語には「怪しい」「違法」も出てきます。ところが公式サイトの中を読み比べると、トップや料金ページの「追加料金一切なし」「全額返金保証」という表示と、特定商取引法に基づく表記・利用規約の文言が食い違っているところがあり、口コミを並べるだけではこの食い違いは見えてきません。そこで、運営・料金・頼める範囲という基本を押さえたうえで、表示と規約の食い違い、「違法なのか」という問いに条文で答えられる範囲、ニコイチで足りる人と労働組合型・弁護士に選び直す人の線まで、ニコイチの公式サイト・特定商取引法に基づく表記・利用規約と、弁護士法・労働組合法・民法・労働基準法の条文で確かめながら整理しました。口コミは集めておらず、評判に点数も付けていません。ニコイチとこのサイトのあいだに、広告や提携の関係はありません。
退職代行ニコイチは、株式会社ニコイチが運営する民間型の退職代行で、2026年10月時点の公式表記では、正社員もアルバイトも27,000円(税込)です。サイトの「追加料金なし」「全額返金保証」と、特定商取引法の表記や利用規約の返金の定めが食い違っているので、申し込む前に書面で確かめてください。伝えるだけで足りるなら、自分で伝えても辞められます。
この記事の数字は2026年10月時点のものです(ニコイチの料金・規約・運営の情報は2026年10月11日に公式サイトで確認)。
代行に払う額を決める前に、辞めたあとの失業保険がいつから・いくらになりそうかを出しておくと、いくらまでなら払えるかの目安ができます。自分の条件で出すなら 失業保険の計算ツール が使えます。
ニコイチを運営する会社と型

退職代行ニコイチは、株式会社ニコイチという民間の会社が運営する退職代行です。公式サイトに労働組合の名前や、弁護士法人が運営しているという記載はなく、型で言えば「民間の会社が本人に代わって退職の意思を伝える型」に当たります。
2026年10月11日に公式サイト(g-j.jp)で確認したところ、会社案内には、株式会社ニコイチの法人設立が2016年7月7日、資本金が100万円と書かれています。会社案内の主な事業には「退職の意思を代わりに伝える退職代行」が挙がっていて、特定商取引法に基づく表記の販売社名は「株式会社ニコイチ・退職代行ニコイチ・電話代行ニコイチ」です。販売社名に「電話代行ニコイチ」も並んでいて、利用規約は電話代行全般に向けた約款です。代表者の名前は、会社案内と特定商取引法に基づく表記の運営責任者で同じ人物でした。サイトには「創業2004年」という表記もありますが、これは会社自身の表記です。
所在地は特定商取引法に基づく表記で画像として表示されていて、正確に読み取れたと言い切れないため書いていません。公式のページを自分の目で確かめてください。
公式のトップには「弁護士による適正指導」という表記もあります。ただ、確認した範囲のどの公式ページにも、弁護士の名前や事務所名、労働組合の名前は書かれていませんでした。「指導を受けている」という表記と、弁護士が会社とのやりとりを引き受けることは別の話です。公式の書き方は「適正指導」までだと押さえておきます。
もう一つ、利用規約は電話代行全般に向けた約款で、退職代行だけに向けた規約や利用条件は見当たりませんでした。
たとえば、比較記事に「弁護士が対応」とあっても、公式の記載とは食い違います。運営と型は、会社案内・特定商取引法に基づく表記・利用規約の3ページで確かめるのが近道です。
ニコイチの料金と、特商法に書かれた別料金

ニコイチの料金は、2026年10月11日に公式サイトで確認した時点で27,000円(税込)です。正社員・アルバイト・パート・契約社員など、雇用形態によらず一律の「退職代行パック」として案内されていて、サイトには「追加料金一切なし」と書かれています。
一律で分かりやすい一方、特定商取引法に基づく表記の「商品以外の必要料金」の欄には、代行料金とは別の費用が並んでいます。サイトの表示だけで総額を決めず、両方を並べて読みます。
| 項目 | 公式の記載(2026年10月11日に確認) |
|---|---|
| 料金 | 27,000円(税込)。雇用形態によらず一律 |
| サイトの表示 | 「追加料金一切なし」 |
| 日時・打合せ内容の変更 | 5,500円(特定商取引法に基づく表記) |
| 職場に再度、確認・請求連絡をする場合 | 別途対応となり1万円(特定商取引法に基づく表記) |
| 決済事務手数料 | クレジット・コンビニ決済で、10万円を超えると3,000円(特定商取引法に基づく表記) |
| そのほか | 振込手数料など(特定商取引法に基づく表記) |
| 分割 | 2回までの分割が可能(よくある質問) |
| 支払いの時期 | 銀行振込は申込から3日以内、クレジットは購入日、コンビニ決済は申込から3日以内 |
| 後払い(サービスのあとに払う方式) | 記載が見当たらない |
出典:退職代行ニコイチ 公式サイト・代行料金・特定商取引法に基づく表記・利用規約(2026年10月11日に確認)
読み方で迷いやすいのは、「職場に再度、確認・請求連絡をする場合は別途対応となり1万円」という一文です。どんな場面が「再度の確認・請求連絡」に当たるのか、たとえば会社が書類を送ってこないので催促してほしいときが含まれるのかは、特定商取引法に基づく表記の文言だけでは読み取れません。「追加料金一切なし」の表示と並べると、代行そのものの料金に上乗せはなくても、条件によっては別の費用がかかる、という読み方が公式の記載に沿っています。
たとえば、申し込んだあとに、会社へ連絡してもらう日を変えたくなった人は、特定商取引法に基づく表記の書き方に沿えば5,500円がかかります。退職のあとで、会社から離職票などの書類がなかなか届かず、もう一度会社に連絡してほしいと頼む人は、それが「再度の確認・請求連絡」に当たるかどうかで1万円がかかるかが変わります。申し込む前に「この場面は追加になるか」を聞いておきます。
型ごとの料金の幅を、ほかの運営形態と並べて見たい人は、退職代行の費用はいくら? を先に読むと、ニコイチの料金の位置が分かります。
ニコイチに頼めること、書かれていないこと
利用規約に書かれたニコイチの業務は、本人から聞いた情報をもとに「希望する場所へ連絡をし、乙の意思を代わりに伝える」ことです。サイトには、給料や有給消化のことも「全て当社でお話します」と書かれていますが、会社が応じなかったときにどこまで扱うかを定めた条文は、規約に見当たりません。
規約第2条は、業務を「乙から提供される情報をもとに、希望する場所へ連絡をし、乙の意思を代わりに伝える業務を代行します」と書いています。一方、退職代行のページには次のような文があります。
会社に出向いて退職の手続きをすることなく退職後に必要となる各種書類のお受け取りや、給料・有給消化・会社からの貸与物の返却の件など全て当社でお話します
有給消化の利用についても代行でお伝えさせていただくことも可能です
退職代行ニコイチ 公式サイト・利用規約(2026年10月11日に確認)
「お話しする」「代行でお伝えする」が、会社に希望を伝えるところまでなのか、会社と条件を話し合う交渉まで含むのかは、公式の文言からは読み取れません。このサイトでも、どちらに当たるかの評価はしていません。言えるのは、規約が業務を「意思を代わりに伝える」と書いていて、交渉を引き受けるとも引き受けないとも定めていない、ということです。
- 意思を代わりに伝える(規約第2条)
- 給料・有給消化・貸与物の返却の件を「お話します」
- 有給消化の利用を「代行でお伝え」
- 労働組合の名前、弁護士の名前
- 会社が応じないときに、どこまで話し合うか
- 退職代行だけに向けた規約や利用条件
たとえば、有給が残っていて、全部使ってから辞めたい人がニコイチに頼んだ場合、会社がすんなり認めれば、希望を伝えてもらうだけで有給を使って退職できます。一方で、会社が「有給は認めない」と返してきたとき、その先をニコイチがどこまで扱うかは、公式に書かれていません。逆に、有給はもう使い切っていて、退職日にもこだわりがない人なら、この点は困る理由になりません。
迷ったときの軸は、「会社が断ったら、そのあとどうなるか」を申し込む前に文字で聞くことです。答えが「伝えるところまで」なら、話し合いが要る人は最初から別の型を選びます。
「怪しい」「違法」と検索される理由
ニコイチの名前と一緒に「怪しい」「違法」という語が検索されていますが、このサイトは、ニコイチが違法かどうかを判断していません。条文が言っているのは、誰に何を制限しているか、までです。型ごとの範囲は、条文の言葉からの編集部の読み方です。
検索される理由そのものは分かりません。ただ、公式の記載を読むと、気になりやすい点がいくつか並んでいます。
- 労働組合や弁護士の名前がないのに、サイトに給料や有給の件を「お話します」と書かれている
- 「追加料金一切なし」「全額返金保証」の表示と、特定商取引法に基づく表記・利用規約の文言が食い違っている
- 実績の人数や成功率、「業界No.1」などの宣伝の言葉が、会社自身の表記として並んでいて、第三者の確認がない
「違法では」という問いに関係する条文が、弁護士法72条です。条文は次のとおりです。
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
つまり、弁護士でない者が、報酬を得る目的で、法律事件について代理や和解などの法律事務を業として扱うことは制限されています。この条文は退職代行を名指ししていません。法務省が別のサービスについて示した資料では、「その他一般の法律事件」に当たるには、訴訟事件などに準ずる程度に、法律上の権利義務に関し争いや疑義があるという「事件性」が必要と整理されています。ただしこの資料はAIの契約書サービスについての見解で、退職代行を扱ったものではなく、同じ資料は条文の解釈・適用は最終的には裁判所の判断に委ねられると書いています。
出典:法務省 AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について
型ごとの範囲は、編集部が条文から読むと次のようになります(官公庁の資料で確認したものではありません)。民間の会社は本人の使者として退職の意思を伝えるところまで、労働組合は退職の意思の伝達に加えて有給・退職日・未払い賃金などの団体交渉ができる一方で訴訟の代理はできない、弁護士は交渉に加えて未払い残業代や慰謝料の請求、損害賠償を請求されたときの対応、訴訟の代理までできる、という読み方です。労働組合の交渉は、憲法28条が団体交渉の権利を保障し、労働組合法6条が組合員のために使用者と交渉する権限を定め、7条2号が「使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと」を不当労働行為としている、という条文の並びの上にあります。
出典:日本国憲法28条・労働組合法6条・労働組合法7条(e-Gov法令API)
たとえば、会社がすんなり受け入れる人には、この線引きが問題になる場面は来ません。未払いの残業代を払ってほしい、退職日で会社と意見が割れている、という人は、編集部の読み方では、民間の会社が扱える範囲の外に出る可能性があります。
編集部の整理では、読者が「この会社は違法か」を判定する必要はありません。決めるのは、自分のケースに話し合いや争いが含まれるかどうかです。含まれるなら労働組合型か弁護士、含まれないなら民間の型でも足りるかを料金と返金の条件で比べる。この順なら噂に左右されずに選べます。
返金保証の表示と、規約の食い違い
ニコイチの公式サイトには「全額返金保証」「万が一退職出来なければ全額返金いたします」という表示があります。一方で、特定商取引法に基づく表記のお客様都合のキャンセル等の欄と利用規約には、入金後の返金をしないという趣旨の文言があり、全額返金保証との関係が表示だけでは読み取れません。
特定商取引法に基づく表記の「返金・キャンセル等」の欄は、「ご入金後のキャンセル・お客様都合での実行中止・内容変更。入金確認後・打合せ終了後、実行完了後の返金は、いかなる理由がありましても致しかねます」と書いています。全額返金保証の対象になるかどうかは、これとは別の記載で扱われています。利用規約第4条(3)は、「いかなる場合であっても、すでに支払いを受けた本業務の料金を返金する義務を負わないものとします」としています。そのうえで特定商取引法に基づく表記には、全額返金保証の対象にならない場合が別に書かれていて、2日間本人と連絡が取れなくなった場合は返金なしのキャンセルになる、とも書かれています。
表示と規約の関係は、公式サイトには説明がありません。「退職出来なければ」が何を指すのか、どんな手順を踏んでいれば保証の対象になるのかは、トップの表示だけでは読み取れません。推測で埋めずに、申し込む前に聞くことの一つとして扱います。
- 返金の表示があるところ:トップ・料金ページ・退職代行のページ(「全額返金保証」)
- 返金しないと書かれているところ:特定商取引法に基づく表記の「返金・キャンセル等」の欄(お客様都合のキャンセル等で、入金確認後・打合せ終了後・実行完了後)と、利用規約第4条(3)
- 保証の対象外:本人が退職届・委任状・返却物を発送していない、または発送した確認が取れない(追跡番号などで確認できない場合も含む)ことで、退職を認めない・契約解除ができないなどのトラブルになった場合
- 返金を受け付けないとされる場面:職場の嫌がらせや報復で給料が振り込まれない、書類を送ってこない、緊急連絡先に電話された、実家に来た、など
- そのほかの記載:効果・結果を保証したサービスではない、クーリングオフの対象外、2日間連絡が取れないと返金なしのキャンセル
たとえば、ニコイチに頼んで会社に退職を伝えてもらったあと、退職届を普通郵便で送った人は、特定商取引法に基づく表記の書き方に沿えば、発送した確認が取れないことを理由に保証の対象外とされる場合があります。退職届や貸与物を送るなら、追跡できる方法で送り、控えを手元に残しておくと、保証の条件を満たしているかどうかで揉めずに済みます。
迷ったときの軸は、「どんな状態なら返金されるか」を文字の回答でもらうことです。退職届をどの方法で送れば保証の対象になるのかまで聞き、答えがあいまいなら、ほかの型と比べ直してください。
会社から連絡や損害賠償の話が来たとき
ニコイチに退職の意思を伝えてもらったあとも、会社が本人に直接電話をかけてくることはありえます。損害賠償を持ち出された場合は、話し合いではなく争いの領域に入り、編集部の読み方では、民間の会社が扱える範囲を越えます。
公式(特定商取引法に基づく表記)は、職場の嫌がらせや報復で給料が振り込まれない、書類を送ってこない、緊急連絡先に電話された、といった場面を、当社の責任ではなく代行の失敗やトラブルに当たらないとしています。
| 会社の出方 | ニコイチの公式で読み取れること | 考える先 |
|---|---|---|
| 退職を受け入れ、書類のやりとりだけになる | 意思を伝える業務で足りる | 選び直す必要はない |
| 本人に直接電話をかけてくる | 公式に本人への直接の電話への対応の記載はない(緊急連絡先に電話された場合は代行の失敗に当たらないとの記載のみ) | 話したくなければ労働組合型か弁護士 |
| 有給や退職日を認めないと言う | 会社が応じないときの扱いは公式に書かれていない | 労働組合が交渉する型 |
| 職場の嫌がらせや報復で給料が振り込まれない・書類が届かない | 返金保証の対象外の例に挙がっている | 自分で請求するか、労働相談の窓口・弁護士 |
| 辞めるなら損害賠償を請求すると言う | 公式に対応の記載はない | 弁護士 |
辞めると申し入れる権利そのものは、代行を使っても使わなくても変わりません。期間の定めのない雇用なら、退職を申し入れてから2週間で雇用は終わると民法627条1項は定めています。契約期間の定めがある雇用では、期間の途中で辞めるには「やむを得ない事由」が要り(民法628条)、その事由が一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負うと条文は書いています。ただし厚生労働省は、労働契約の期間が1年を超えるものには民法628条が適用されず、1年を経過した日からはいつでも退職できる(労働基準法137条。高度の専門的知識等を有する労働者や満60歳以上の労働者との契約は除く)と説明しています。
損害賠償と言われたときに知っておきたいのが、労働基準法16条です。この条文は、使用者が「労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めています。「辞めたら違約金◯円」という契約や就業規則の定めは、この条文に照らして無効のおそれがあります。一方で、実際に生じた損害の賠償を求めること自体を禁じた条文ではなく、厚生労働省も、有期の契約でやむを得ない事由もなく任意退職したことによって、会社に不測の損害を与えたような場合には、損害賠償責任が発生するなどのリスクがある、と説明しています。請求が認められるかどうかや額は事案次第です。
出典:民法627条・民法628条・労働基準法16条(e-Gov法令API)・厚生労働省 確かめよう労働条件
給料が振り込まれない場面にも、条文があります。労働基準法23条1項は、労働者が退職した場合に、権利者の請求があった場合は、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならないと定めています。会社が応じないときは、都道府県労働局や労働基準監督署の中などにある総合労働相談コーナーに相談できます。厚生労働省の案内では、無料・予約不要・秘密厳守で、専門の相談員が面談か電話で対応するとされています。
出典:労働基準法23条・厚生労働省 総合労働相談コーナーのご案内
会社から電話や書面が来たときは、その場で答えず、日時と内容を書き留めてから、自分のケースが表のどの行に当たるかを見てください。損害賠償の書面が届いているなら、弁護士が要る条件を 弁護士の退職代行が要る人 で、代行を頼んだあとの流れや会社からの電話への向き合い方を 退職代行を使ったあとの流れ で確かめられます。
ニコイチで足りる人、選び直す人
ニコイチのような民間の型で足りるのは、会社に辞めると伝えるだけで済み、会社と話し合うことや争いが残っていない人です。有給や退職日を話し合いたいなら労働組合が交渉する型、未払いの賃金を話し合いたいなら労働組合型か弁護士、損害賠償を言われているなら弁護士、自分で伝えられるなら代行は要りません。
基準を料金や知名度ではなく「会社との間に何が残っているか」に置くのは、範囲の外の場面が起きると頼み直しになり、費用が二重にかかるからです。
| 自分の状況 | 合う型 | 理由 |
|---|---|---|
| 伝えるだけ。有給も未払いも残っていない | 民間の会社(ニコイチなど)・労働組合型 | 会社と話し合うことが残っていない |
| 有給の消化や退職日を話し合いたい | 労働組合が交渉する型・弁護士 | 編集部の読み方では、団体交渉で扱える範囲 |
| 未払いの残業代を請求したい | 労働組合が交渉する型・弁護士 | 労働組合は団体交渉で扱える。弁護士は請求の手続きと、決まらないときの手続きまで扱える |
| 損害賠償を言われている・書面が届いた | 弁護士 | 編集部の読み方では、損害賠償を請求されたときの対応は弁護士の範囲 |
| 上司か人事に自分で伝えられる | 代行は使わない | 退職の申し入れは本人ができる |
たとえば、上司と顔を合わせると体調を崩すけれど、有給は使い切り、会社に請求したいお金もない人なら、ニコイチのような伝える型で困る場面は少なくなります。同じように上司と話したくない人でも、有給が多く残っていて全部使ってから辞めたい人は、会社が渋ったときに交渉できる労働組合の型を選ぶほうが、途中で頼み直さずに済みます。
迷ったら、紙に2つの問いを書いてみてください。「会社と話し合いたいことがあるか」「会社に請求したいお金や、言われている損害賠償があるか」。どちらもなければ民間の型でも足り、1つ目だけなら労働組合型、2つ目で未払いの賃金なら労働組合型か弁護士、損害賠償を言われているなら弁護士、という順で絞れます。労働組合が交渉する型の仕組みは 労働組合の退職代行 で、代行を使っても辞められない・うまくいかない条件は 退職代行で辞められないケース で整理しています。同じ民間の型の別のサービスについて、公式の記載を同じ手順で読んだものとして 退職代行EXIT と 男の退職代行 もあります。
評判が分かれるところと、確かめること
ニコイチの評判を読むときの分かれ目は、民間の伝える型の長所と短所、そして公式の中の表記の食い違いが、そのまま評判の両側に出うる点にあります。口コミの数や点数を見るより、分かれ目になる点を公式の記載で確かめるほうが、自分に合うかが分かります。
会社がすんなり退職を受け入れた人には、一律の料金で連絡を任せられたことが便利に感じられ、会社が有給や書類で渋った人には、その先の扱いや別料金・返金の条件が不満として残りえます。同じサービスでも、使った状況で感想は逆になります。
- 評価される側に出やすい点:料金が雇用形態によらず一律で、受付の時間が長く、LINEでも頼める
- 不満の側に出やすい点:会社が応じないときにどこまで扱うかが、公式に書かれていない
- 不安の側に出やすい点:「追加料金なし」「全額返金保証」の表示と、特定商取引法に基づく表記・利用規約の文言が食い違う
- 誤解されやすい点:「弁護士による適正指導」の表記があっても、弁護士の名前はなく、弁護士が会社とやりとりするとは書かれていない
- 確かめようがない点:実績の人数・成功率・「業界No.1」などは会社自身の表記で、第三者の確認がない
受付の時間も、ページによって書き方が違います。トップや退職代行のページでは受付が7:00〜23:30(年中無休)、特定商取引法に基づく表記の営業時間と会社案内では6:30〜23:30で、LINEとWEBフォームは24時間受付とされています(2026年10月11日に確認)。電話は055-955-5288と、フリーコールの0120-501-669の2つが公式に載っています。夜中に申し込みたい人は、LINEかフォームで送り、返事が来る時間を先に聞いておくと安心です。
- 1事業者特定商取引法に基づく表記の販売社名と一致するか
- 2総額27,000円のほかに別料金がかかる場面
- 3返金全額返金保証の対象になる条件
- 4範囲会社が断ったとき、どこまで扱うか
- 5連絡受付時間と、会社に連絡する日
たとえば、LINEで問い合わせるなら「有給が残っているが、会社が認めない場合はどうなるか。全額返金保証はどんな場合に適用されるか。退職届はどの方法で送れば保証の対象になるか。日時の変更や、会社への再度の連絡で別料金がかかるのはどんな場面か」と書いて送れば、確かめることの多くにまとめて答えてもらえます。
返事が届いたら、特定商取引法に基づく表記と利用規約に照らしてから申し込みます。評判を読むのは、そのあとで十分です。
使わなくていい場合

ニコイチに限らず、退職代行を使わなくていいのは、次の3つがそろっている人です。退職の申し入れは本人が自分でできる手続きなので、この条件がそろっていれば、代行の料金も別料金もかかりません。
- 上司か人事と、メールでも電話でも連絡が取れる
- 有給や退職日について、会社と話し合う必要がないか、自分で話し合える
- 損害賠償などを持ち出されていない、言われても記録を残して進められる
ニコイチが規約で引き受けているのは、この1つ目の「意思を代わりに伝える」ところです。逆に言えば、伝えること自体はできる人にとって、ニコイチに払う料金は、伝える場面のつらさを避けるための費用ということになります。そのつらさが大きいなら払う意味はありますし、伝えられるなら払わずに済みます。
たとえば、人事にはメールを送れるけれど上司と話すのがつらい人なら、人事あてに退職の意思と希望の最終日を書いたメールを送って会社に届けば、退職の申し入れになります。送った日時が残るので、伝えた日の記録にもなります。期間の定めのない雇用なら、民法627条1項は申入れの日から2週間で雇用が終わると定めています(賃金の定め方によって扱いが分かれる条文の続きもあるので、迷うときは労働相談の窓口で確かめられます)。メールの文面は 退職を伝えるメールの書き方 に例を置いています。
反対に、出社すると体調が崩れて連絡そのものができない人や、会社から何度も電話が来て自分では止められない人は、伝える役を誰かに任せる意味があります。言い出せないときの手段の選び方は、辞めたいと言い出せないとき で整理しています。
よくある質問
退職代行ニコイチの料金はいくらですか?
A. 2026年10月11日に公式サイトで確認した時点で、27,000円(税込)です。正社員・アルバイト・パート・契約社員など、雇用形態によらず一律とされています。ただし特定商取引法に基づく表記には、日時の変更で5,500円、職場に再度、確認・請求連絡をする場合に1万円などの別料金も書かれています。
分割払いや後払いはできますか?
A. よくある質問では、2回までの分割が可能とされています。支払いの時期は、銀行振込とコンビニ決済が申込から3日以内、クレジットが購入日で、サービスのあとに払う後払いの記載は見当たりませんでした。分割を考えている人は、申し込む前に支払いの方法と時期を確かめてください。
退職できなかったら、全額返金されますか?
A. サイトには「全額返金保証」と書かれていますが、特定商取引法に基づく表記はお客様都合のキャンセル等の欄で、入金確認後・実行完了後などの返金を「いかなる理由がありましても致しかねます」とし、利用規約も返金の義務を負わないと書いています。保証の対象外になる場合も別に書かれているので、どんな場合に返金されるかを、申し込む前に文字で確かめてください。
ニコイチは怪しい、違法ではないですか?
A. このサイトは、ニコイチが違法かどうかを判断していません。弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件の代理や和解などを業として扱うことを制限していて、編集部の読み方では、民間の会社は退職の意思を伝えるところまでです。会社との話し合いや争いが含まれるなら、最初から労働組合型か弁護士を選ぶほうが、途中で頼み直さずに済みます。
有給や給料のことも交渉してもらえますか?
A. サイトには給料や有給消化の件を「全て当社でお話します」と書かれていますが、利用規約の業務は「意思を代わりに伝える」ことで、会社が応じないときにどこまで扱うかは書かれていません。有給を確実に使いたい、未払いを請求したいなら、編集部の読み方で交渉できる労働組合型か弁護士を検討してください。
受付は何時までですか?
A. トップでは7:00〜23:30(年中無休)、特定商取引法に基づく表記と会社案内では6:30〜23:30と、ページによって書き方が違います。LINEとWEBフォームは24時間受付とされています(2026年10月11日に確認)。
数字だけ、もう一度
- 運営:株式会社ニコイチ(民間の会社)。法人設立2016年7月7日、資本金100万円。労働組合・弁護士の名前の記載なし(2026年10月11日に公式サイトで確認)
- 料金:27,000円(税込)。雇用形態によらず一律。サイトの表示は「追加料金一切なし」
- 別料金(特定商取引法に基づく表記):日時・打合せ内容の変更5,500円、職場に再度、確認・請求連絡で1万円、決済事務手数料(10万円超で3,000円)、振込手数料など
- 支払い:2回までの分割が可能。銀行振込とコンビニ決済は申込から3日以内、クレジットは購入日。後払いの記載は見当たらない
- 返金:サイトは「全額返金保証」。特定商取引法に基づく表記はお客様都合のキャンセル等の欄で入金確認後などの返金をしない、利用規約第4条(3)は返金の義務を負わない。2日間連絡が取れないと返金なしのキャンセル
- 受付:トップは7:00〜23:30(年中無休)、特定商取引法に基づく表記と会社案内は6:30〜23:30。LINEとWEBフォームは24時間
- 弁護士法72条:報酬を得る目的で法律事件の代理や和解などを業として扱うことは、弁護士以外に制限されている。条文は退職代行を名指ししていない
- 自分で伝える場合:期間の定めのない雇用なら、申し入れから2週間で雇用は終わる(民法627条1項)
- 退職後の賃金と金品:請求があった場合は7日以内に支払い・返還(労働基準法23条1項)
ニコイチを選ぶかどうかは、評判の良し悪しや料金の額で決めるものではありません。会社に伝えたあと、話し合うことや争いが残るかどうか。残らないなら、伝える型のニコイチで足りるかを、別料金と返金の条件まで含めて考えます。有給や退職日の話し合いが要るなら労働組合が交渉する型、未払いの賃金の話し合いなら労働組合型か弁護士、損害賠償の話があるなら弁護士です。そして、自分で一通のメールを送れるなら、代行を使わずに辞める道もあります。どれを選ぶにしても、申し込む前に「どこまでが料金に入り、どんなときに返金されるか」を文字で受け取っておくこと。それが、表示と規約の食い違いに後から振り回されないための備えになります。

