- 今日で解雇と言われた。即日解雇って違法じゃないの?
- 「明日から来なくていい」と言われたけれど、お金は何か出るの?
- 解雇予告手当はいくら?自分の給料だとどうなる?
- 20日前に言われた場合も、手当はもらえる?
- 試用期間やバイトでも出るの?
- 手当はいつ払われる?払われなかったらどこに言えばいい?
- 手当を受け取ったら、解雇を認めたことになる?
- 失業保険や会社都合の扱いはどうなる?
上記のような悩みに答えます。
即日解雇は、予告の期間を置かずにその日で雇用を終わらせる解雇で、言い渡された側には、法律で決まったお金を受け取れる場面があります。ただ、「いくらになるのか」を自分で出そうとすると、平均賃金という聞き慣れない言葉で止まってしまいがちです。検索の上位には、会社が解雇するときの手順やリスクを説明する法律事務所の案内が並び、解雇された本人が自分の手当の額を出せる式は見当たりません。そこで、予告と手当の関係、平均賃金の出し方、手当の対象にならない人という基本を押さえたうえで、月給・日給・時給それぞれの計算例と、予告の日数ごとに手当が何日分になるかの早見表、払われないときにどの順で誰に言うかまで、労働基準法の条文と厚生労働省の案内で確かめながら整理しました。
予告なしに今日で解雇と言われたら、会社は原則として30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として払う決まりです。平均賃金は原則として直前3か月の賃金総額をその期間の総日数で割って出し、予告が何日かあれば足りない日数分になります。
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即日解雇でも予告手当は出る

その日のうちに解雇された人には、原則として30日分以上の平均賃金が解雇予告手当として払われます。労働基準法20条1項が、30日前に予告をしない場合は30日分以上の平均賃金を払うよう定めているためです。
労働基準法20条1項は、会社が労働者を解雇しようとする場合は「少くとも三十日前にその予告をしなければならない」とし、続けて「三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない」と定めています。同じ条の2項は、予告の日数は「一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる」としています。編集部の読み方では、予告の日数と手当の日数を組み合わせて30日を満たす関係で、予告がゼロなら手当が30日分、予告が20日あれば手当は残りの10日分以上、という形です。厚労省のQ&Aでも、20日前に予告された場合は足りない10日分を請求できる例が示されています。
出典:労働基準法20条(e-Gov法令検索)・厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A(解雇予告の期間と手当)
| 解雇の日の何日前に言われたか | 予告になる日数 | 手当として受け取る日数(以上) |
|---|---|---|
| 当日(即日解雇) | 0日 | 30日分 |
| 10日前 | 10日 | 20日分 |
| 20日前 | 20日 | 10日分 |
| 25日前 | 25日 | 5日分 |
| 30日以上前 | 30日 | なし(予告だけで足りる) |
予告の日数を数えるときは、言われた日を数に入れません。厚労省の案内では、予告がされた日は算入せず翌日から数え、期間の末日の終了で満了するとされ、9月30日に解雇するには遅くとも8月31日に予告することになる例が挙げられています。
たとえば、月の途中に呼ばれて「今月末で解雇する」と言われた人は、言われた日の翌日から月末までが何日あるかを数えます。それが30日に足りていれば手当は出ず、足りなければ足りない日数分が手当になります。同じ「今月末で」という言葉でも、言われたのが月初なのか月の後半なのかで、手当の日数が変わります。一方で、「今日で終わり」と言われてその日に職場を出た人は、表のいちばん上の行に当たります。
言われた直後に動き方の全体を確かめたい人は、会社をクビになったら最初にやること に順番をまとめています。手当の話に絞るなら、まず「解雇の日」と「言われた日」の2つの日付をメモに残すところから始めれば、表のどの行かは自分で当てはめられます。
解雇予告手当の額は平均賃金で決まる
手当の額は、平均賃金(1日分)に手当の日数をかけて出します。平均賃金は、労働基準法12条の言い方では「算定すべき事由の発生した日以前三箇月間」に支払われた賃金の総額を、その3か月間の総日数で割った金額が原則です。
この式は労働基準法12条1項に「この法律で平均賃金とは」として書かれています。ここで割る「期間の総日数」は、働いた日数ではなく暦の日数(土日や休みの日も入れた日数)です。賃金の締切日がある会社では、直前の締切日から数えて3か月をとります。
日給や時給、出来高払いで働いている人には、最低保障があります。賃金が働いた日や時間で決まる場合は、賃金の総額をその期間中に働いた日数で割った金額の100分の60を下回ってはならない、と同じ条にあります。厚労省の案内では、原則の計算と比べて高いほうの金額を平均賃金とするとされています。日給や時給の人は、原則の式と最低保障の式の両方で計算して、高いほうを使います。
出典:労働基準法12条(e-Gov法令検索)・厚生労働省「確かめよう労働条件」(平均賃金)
次の3例は、式の当てはめ方を見るための仮の数字です。算定の3か月の暦日数を90日として置いています。
| 働き方 | 3か月の賃金総額 | 原則の式(÷90日) | 最低保障(÷働いた日数×60%) | 平均賃金 | 即日解雇の手当(×30日) |
|---|---|---|---|---|---|
| 月給30万円 | 90万円 | 1万円 | 対象外 | 1万円 | 30万円 |
| 日給1万円・45日出勤 | 45万円 | 5,000円 | 45万円÷45日×60%=6,000円 | 6,000円 | 18万円 |
| 時給1,250円・1日6時間・36日出勤 | 27万円 | 3,000円 | 27万円÷36日×60%=4,500円 | 4,500円 | 13万5,000円 |
たとえば、月給30万円の人が20日前に予告されていたなら、足りない10日分で、1万円×10日=10万円以上が手当になります。日給1万円の例の人が同じく20日前に言われていたら、6,000円×10日=6万円以上です。
時給や日給の人は、働いた日数が少ないと、原則の式だけで計算した額が最低保障より低く出ることがあると、2つ目と3つ目の行で分かります。会社が出してきた額が原則の式だけで計算されていないかを確かめられるのが、自分で計算する意味です。
賃金の総額に入れないもの、日数から外す期間もあります。ここを落とすと、自分で出した額と会社の額がずれます。
- 臨時に支払われた賃金と、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)は総額に入れない
- 業務上のけがや病気で休んだ期間、産前産後の休業、会社の責めによる休業、育児休業・介護休業、試みの使用期間は、その日数と賃金を両方から外す
- 雇い入れから3か月に満たない人は、雇い入れてからの期間で計算する
- 月給の部分と時給の部分が混ざっている人は、月給の部分を総日数で割った額と、時給の部分の最低保障を足した額が下限になる
自分で計算するときに手元に要るのは、算定の3か月分の給与明細と、賃金の締切日が分かる労働条件通知書か就業規則です。明細の総支給額から賞与などを外して足し、締切日から数えた3か月の暦日数で割れば、1日分の見当がつきます。手当の額から所得税などが差し引かれるかは、受け取ったときの明細で確かめ、分からなければ会社の担当者に聞きます。編集部の整理では、計算した式と数字をメモにそのまま残しておくと、あとで会社や労働基準監督署に話すときに、どこで額が食い違っているかを一緒に確かめやすくなります。
手当の対象にならない人と場面
予告手当の決まりがそもそも当てはまらない働き方と、労働基準監督署長の認定があれば手当が要らない場面があります。会社が「あなたは対象外」と言っても、条文の枠に当たらなければ手当は出ます。
労働基準法21条は、20条の予告の規定を当てはめない人を挙げています。条文は、日日雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めた者、季節的業務で4か月以内の期間を定めた者、試の使用期間中の者を挙げ、それぞれ所定の期間(試用期間は14日)を超えて引き続き使われた場合は当てはまらないとしています。入社して日が浅いだけの人は、この4つのどれかに当たらなければ外れません。
| 働き方・場面 | 手当が要らない範囲 | ただし手当の対象になる場合 |
|---|---|---|
| 日日雇い入れられる人 | 予告の規定が当てはまらない | 1か月を超えて引き続き使われた |
| 2か月以内の期間を定めて使われる人 | 同上 | 所定の期間を超えて引き続き使われた |
| 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使われる人 | 同上 | 所定の期間を超えて引き続き使われた |
| 試の使用期間中の人 | 同上 | 14日を超えて引き続き使われた |
| 天災事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能になった場合/本人の責めに帰すべき事由での解雇 | 労働基準監督署長の認定が必要とされる | 会社が「懲戒解雇だから」と言うだけでは、手当は不要にならない |
出典:労働基準法21条・労働基準法20条・厚生労働省Q&A(予告手当の不要な場合)
会社と言い分が食い違いやすいのは表の最後の行です。20条3項は、本人の責めに帰すべき事由などで予告なしに解雇する場合に、19条2項の認定の規定を当てはめるとしています。厚労省のQ&Aでは、この事由に当たるかは労働基準監督署長の認定が必要で、認定の基準の例として、会社内の窃盗や横領、採用の条件の要素となるような経歴の詐称、2週間以上正当な理由なく無断で欠勤し出勤の督促に応じない場合などが挙げられています。そのうえで、認定は例に縛られず総合的に判断し、就業規則の懲戒解雇の事由にも拘束されないとされています。
たとえば、パートで週に何日か働いている人は、21条のどの号にも当たらなければ、正社員と同じく予告手当の対象です。試用期間中と言われている人でも、入社から14日を超えて引き続き使われていれば対象に入ります。試用期間の細かい扱いは 試用期間中の解雇 にまとめています。また、業務上のけがや病気で休んでいる期間とその後30日間、産前産後の休業期間とその後30日間は、労働基準法19条でそもそも解雇してはならないとされています(打切補償を払う場合や、天災事変などで認定を受けた場合を除く)。
会社から「懲戒解雇だから手当は無い」と言われた人は、認定を受けたのかを聞いておきます。認定を受けたかどうかを本人が確かめる手続きは、編集部では確認できていません。分からないときは、言われた日と言葉のメモを持って、労働基準監督署に相談します。
予告手当をもらえば即日解雇は有効か
予告手当を払ったかどうかと、解雇が有効かどうかは別の問題です。手当は労働基準法20条の予告の決まりの話で、解雇そのものが認められるかは労働契約法16条の話になります。
労働契約法16条は、解雇は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定めています。つまり、30日分の手当が払われていても、理由が欠けていれば解雇が無効とされることはありますし、逆に手当が払われていなくても、それだけで解雇が無効と決まるわけでもありません。即日解雇について、手当の話と解雇の有効性の話は、別の決まりで判断されます。
| 問い | 関わる決まり | この記事で扱うか |
|---|---|---|
| 予告手当は出るか・いくらか | 労働基準法20条・12条 | 扱う |
| 解雇そのものが有効か | 労働契約法16条 | 扱わない(相談先へ) |
| 慰謝料や解決金が出るか | 個別の事情による | 扱わない |
手当を受け取ると解雇を認めたことになるのか、という問いには、条文に答えが書かれていません。編集部はここで結論を出しません。編集部の整理では、争うかどうかを考えている人は、受け取る前後に、解雇に納得していないことを書面やメールで会社に伝えて控えを残しておくと、あとで自分の考えを示す材料になりやすくなります。どう扱われるかは、不当解雇の相談先 で相談先を選んで聞いてください。
たとえば、その場で「この書類に署名すれば手当を払う」と言われた人は、書類の題名を確かめます。題名が「退職合意書」や「退職届」なら、編集部の読み方では、解雇ではなく自分も同意して辞める形の書類です。その場でサインせず、内容を持ち帰って確かめ、扱いは相談先で聞いてください。退職を勧められている段階の扱いは 退職勧奨と会社都合 にまとめています。
即日解雇の手当はいつ払われるか
即日解雇の手当は、厚労省の解釈では、解雇の申渡しと同時に払うべきものとされています。予告と手当を組み合わせる場合は、遅くとも解雇の日までに払う、という扱いです。
この時期の決まりは、条文の文言ではなく、厚労省の解釈例規として示されているものです。厚労省の「確かめよう労働条件」のQ&Aに、即時解雇の場合の30日分の平均賃金は解雇の申渡しと同時に支払うべきもの、と書かれています。振込で何日以内に、といった日数の決まりは、編集部が確かめた資料には書かれていません。
出典:厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A(手当の支払時期)
- 即日解雇:解雇の申渡しと同時(厚労省の解釈)
- 予告と手当の組み合わせ:遅くとも解雇の日まで(同上)
- 予告が30日以上前にあった:手当は出ない(最後の給料の精算だけ)
たとえば、その日の夕方に解雇を言い渡され、手当の話が一切出なかった人は、翌日にでも「解雇予告手当の支払いについて」と題したメールを送り、払う日と額を書面で示すよう頼みます。給料日にまとめて振り込むと言われた場合も、額と内訳を書面でもらっておけば、自分の計算と照らし合わせられます。
編集部の整理では、時期の話で会社と言い合うより、「額」と「払う日」を書面でもらうことを先にするほうが、次の手を打ちやすくなります。払う日が書かれていれば、その日を過ぎたことがはっきりするからです。
手当が払われない・足りない時の順番

手当が払われない、額が足りないときは、まず会社に書面で請求し、それでも動かなければ労働基準監督署か総合労働相談コーナーに相談します。裁判所での請求は、その先にある選択肢です。
編集部の整理では、請求のメールと会社の返事が手元にあれば、相談の場で「会社に何を求め、どう答えたか」をそのまま見せられます。
- 1会社に書面で請求する額・計算の根拠・支払い日を書いて送る
- 2労働基準監督署に相談する給与明細とメールの控えを持っていく
- 3総合労働相談コーナーも使える解雇の話も含めて無料で相談できる
- 4裁判所で請求する付加金は労働者の請求で命じられることがある
総合労働相談コーナーは、厚労省の案内では、各都道府県労働局や全国の労働基準監督署内などに置かれ、無料・予約不要で、解雇や賃金の引下げなどあらゆる分野の労働問題を扱うとされています。
相談に行くときの持ち物は次のとおりです。
- 算定の3か月分の給与明細と、賃金の締切日が分かる書類(労働条件通知書・就業規則)
- 解雇を言われた日・解雇の日・言った人を書いたメモ
- 会社に送った請求のメールや書面の控えと、会社の返事
- 自分で計算した平均賃金と手当の額のメモ
裁判所での請求には、付加金という仕組みがあります。労働基準法114条は、20条などに違反した会社に対して、裁判所は「労働者の請求により」、未払金のほかに同じ額の付加金の支払を命ずることができる、と定めています。自動で付くものではなく、命じるかどうかも裁判所の判断です。この請求は条文上「違反のあつた時から五年以内」とされていますが、附則143条2項で、当分の間は「五年」を「三年」と読み替えるとされています。
出典:労働基準法114条・労働基準法(附則143条を含む全文)
たとえば、即日解雇されて数日たっても手当の連絡が無い人は、自分で計算した額と式を書いて会社にメールし、払う日を示してほしいと頼みます。返事が無い、額が式と合わないままなら、そのメールの控えと給与明細を持って労働基準監督署へ行きます。労基署に相談したことで会社から不利な扱いを受けないかが心配な人は、その不安も相談の場でそのまま聞けば足ります。
受け取ったあとに確かめること
手当の話が片づいても、解雇のあとには、書面と雇用保険の手続きが続きます。手当とは別の決まりで動くので、ひとつずつ確かめます。
まず、解雇の理由を書いた証明書です。労働基準法22条1項は、退職の場合に本人が退職の事由などの証明書を請求したら、会社は遅滞なく交付しなければならず、退職の事由が解雇ならその理由を含むとしています。即日解雇の人は、辞めたあとにこの1項で請求します。証明書には本人が請求しない事項を書いてはならない(同3項)ので、「解雇の理由を含めて」と書いて頼みます。
出典:労働基準法22条・厚生労働省Q&A(解雇理由の証明書)
| 確かめること | 決まり | 次に読む |
|---|---|---|
| 解雇の理由の証明書 | 請求すれば遅滞なく交付(労基法22条) | 会社をクビになったら最初にやること |
| 離職票の離職理由 | 会社と本人の主張を資料で確かめ、最終的にハローワークが判定する | 会社都合にする方法と異議 |
| 失業保険の始まり | 厚労省のパンフレットでは、解雇なら待期7日のあとに支給(給付制限なし。重責解雇を除く) | 会社都合の失業保険 |
雇用保険の側では、解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く)は、雇用保険法施行規則36条1号で特定受給資格者の範囲に挙げられています。ただし、離職票の理由がどう書かれ、どう判定されるかは、ハローワークが会社と本人それぞれの主張を資料で確かめたうえで決めます。手当をもらったことと離職理由の判定は、別に扱われます(判定はハローワーク)。会社都合として扱われる条件の全体は 会社都合になる条件 で確かめられます。
出典:雇用保険法施行規則36条・厚生労働省パンフレット「離職されたみなさまへ」
たとえば、手当を受け取ったあと離職票が届き、離職理由の欄が自己都合になっていた人は、ハローワークで手続きをするときにそのことを申し出ます。そのとき、解雇の理由の証明書と、解雇を言われた日のメモが、自分の主張を確かめてもらう資料になります。離職票そのものが届かないときは 離職票が来ないとき、解雇の日までに有給が残っていた人は 有給消化と退職日 を見てください。
弁護士や代行に頼まなくていい場合
予告手当の額を確かめて請求し、払われなければ労働基準監督署に相談する、というところまでなら、本人だけで進められます。有料の相談や代行を先に頼む必要はありません。
ここまでに出てきた手続きは、給与明細と式があれば自分で計算できます。請求はまず自分のメールで始められ、相談先の総合労働相談コーナー(労働基準監督署内などにある)は無料です。編集部の整理では、お金をかけて誰かに頼むかどうかを考えるのは、手当の話を超えて、解雇そのものを争うときです。
- 解雇に納得していて、争うつもりはない
- 会社が手当の額と払う日を書面で示していて、自分の計算と合っている
- 額が合わない・払われないが、会社に書面で請求し、労基署に相談する段階にいる
- 解雇の理由の証明書と離職票が届いている
一方で、解雇が無効だと考えて職場に戻りたい、慰謝料や解決金を求めたいという人は、手当の請求とは別の話になり、弁護士などの専門家の領域です。どこにどう相談するかは 不当解雇の相談先 にまとめています。
たとえば、即日解雇されたものの次の仕事に気持ちが向いていて、手当が式どおりに払われればそれでよいという人は、上の箇条の2つ目に当たれば、それ以上動く必要は、いまのところありません。払われていない人も、まずは自分のメール1通から始めて構いません。編集部の見立てでは、相談にお金をかけるかどうかは、会社の返事を見てからでも遅くありません。
会社をクビになったら最初にやること|いつまでに何を受け取るかと手当の額
不当解雇の相談先はどこ?労基署・労働局・法テラスと労働審判の費用・期間
試用期間中の解雇はいつから予告が要る?入社何日目かで変わる手当と会社都合
よくある質問
即日解雇は違法ですか?
30日前の予告もなく、30日分以上の平均賃金(予告に代わる手当)も払わずに解雇すれば、労働基準法20条の決まりに沿わない解雇になります。厚労省の案内でも、解雇予告の手続きがない解雇は労基法違反とされています(認定を受けた場合や21条に当たる人を除く)。手当を払えば20条の決まりは満たせますが、解雇そのものが有効かは労働契約法16条の問題で、手当とは別に判断されます。
「明日から来なくていい」と言われたら、どうなりますか?
それが会社として解雇すると決めたことなのか、まず書面で確かめます。解雇の日が今日なら予告の期間が置かれていないので、原則として30日分以上の平均賃金が手当の対象になります(21条に当たる人や、除外の認定を受けた場合を除く)。解雇の日が明日以降なら、言われた日の翌日から解雇の日までの日数を予告として数え、足りない日数分が手当になります。辞めてほしいという話なら退職を勧められている段階で、扱いが変わります。
当日に解雇されたら、その日の給料はどうなりますか?
その日までに働いた分の賃金は、手当とは別に払われるものです。手当は、予告が足りない日数分の平均賃金なので、働いた分の給料に上乗せされる形になります。最後の給料の明細と手当の明細を分けてもらうと、確かめやすくなります。
試用期間やバイトでも解雇予告手当は出ますか?
条件しだいで出ます。試の使用期間中の人は、14日を超えて引き続き使われていれば対象です(14日以内は21条で予告の規定が当てはまりません)。バイトやパートも、日日雇い入れ(1か月を超えて引き続き使われた場合を除く)や2か月以内の期間を定めた契約(所定の期間を超えて引き続き使われた場合を除く)などに当たらなければ、正社員と同じ扱いです。
解雇予告手当を受け取ったら、解雇を認めたことになりますか?
条文に答えは書かれておらず、編集部では結論を出しません。争うかを考えている人は、納得していないことを書面やメールで伝えて控えを残し、相談先で扱いを聞いてください。
即日解雇は会社都合になりますか?
解雇(重責解雇を除く)は特定受給資格者の範囲に挙げられていますが、離職理由はハローワークが会社と本人の主張を資料で確かめて判定します。離職票の理由欄が違っていたら、ハローワークで申し出ます。
数字だけ、もう一度
- 解雇の予告:少なくとも30日前。予告しないなら30日分以上の平均賃金(労基法20条1項)
- 予告の短縮:平均賃金を払った日数分だけ予告の日数を短くできる。20日前の予告なら足りない10日分以上(20条2項・厚労省Q&A)
- 平均賃金:算定すべき事由の発生した日以前3か月間の賃金の総額÷その期間の総日数。日給・時給などは、総額÷働いた日数の100分の60が最低保障(12条)
- 対象外:日日雇い入れ(1か月を超えたら対象)・2か月以内の契約・季節的業務の4か月以内の契約(所定の期間を超えたら対象)・試の使用期間(14日を超えたら対象)(21条)
- 除外認定:天災事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能になった場合と、本人の責めに帰すべき事由による解雇は、行政官庁の認定が要る(20条3項・19条2項。厚労省Q&Aでは労働基準監督署長の認定)
- 支払時期:厚労省の解釈では即日解雇なら申渡しと同時。組み合わせなら遅くとも解雇の日まで
- 付加金:裁判所が労働者の請求により命ずることができる。請求は当分の間3年以内(114条・附則143条2項)
- 失業保険:解雇(重責解雇を除く)は給付制限なし・待期7日のあと(厚労省パンフレット)
今日で解雇と言われた日は、何をどう聞けばいいかも分からないまま一日が終わってしまいます。それでも、予告手当に関しては、言われた日と解雇の日、3か月分の給与明細の3つがあれば、自分の額を自分で出せます。額と払う日を書面でもらい、合わなければ式を添えて請求し、それでも動かなければ労基署へ。解雇そのものをどうするかは、相談先で、お金の話と分けて聞いてください。

