バイト・パートの退職は何日前?辞め方と退職届が要る場合・最終日までの手続き

誰もいない事務所
  • バイトを辞めたい。何日前に言えば辞められる?
  • 「1か月前に言って」と店長に言われた。2週間じゃだめ?
  • 契約期間の途中だけど、辞めてもいいの?
  • 1年続けたバイトなら、いつでも辞められると聞いた
  • 退職届って、バイトでも書かないといけない?
  • シフトが来月まで入っているのに辞められる?
  • 「人が足りないから辞めさせない」と言われた
  • 雇用保険に入っていたかどうか、自分でも分からない

上記のような悩みに答えます。

パートやアルバイトを辞めるときに迷うのは、「何日前に言えばいいか」の答えが人によって違うからです。同じ店で働いていても、契約に期間の定めがあるかどうかで使う条文が変わり、辞められる日が変わります。検索で上位に出る求人サイトの解説は「法律上は2週間前・実際は1か月前が目安・退職届は基本不要」でほぼそろっていますが、自分がどちらの型なのかを契約書のどこで見分けるかや、雇用保険・健康保険に入っていた人が最終日までに何をするかまでは書かれていません。そこで、何日前か・退職届は要るか・伝え方という基本を押さえたうえで、契約書の期間欄から自分の型を決める表と、止められたときに条文で言えること、最終日までの手続きまで、民法・労働基準法の条文と厚生労働省・協会けんぽの案内で確かめながら整理しました。

先に答え

まず雇用契約書(労働条件通知書)の「契約期間」の欄を見ます。期間の定めがなければ、パート・バイトでも申し入れた日から2週間で雇用は終わります(民法627条1項)。期間の定めがあれば、原則は契約期間の満了までで、やむを得ない事由があるときや、1年を超える契約で1年を過ぎたあとは途中でも辞められます。

2026年10月時点の制度で確かめています

雇用保険に入っていて、辞めたあとの失業保険がいくらになるかを先に知りたい人は、失業保険の計算ツール で自分の条件を入れてから読むと、最終日の決め方まで自分の話として考えられます。

目次

まず契約書の期間欄を見る

誰もいない事務所

パート・バイトが何日前に言えば辞められるかは、時給か月給か、何年働いたかではなく、契約に「期間の定め」があるかどうかで決まります。ここを先に確かめないと、ネットの「2週間」も店長の「1か月」も、自分に当てはまるのか判断できません。

期間の定めで話が分かれるのは、民法が雇用を2つに分けて別々の条文を置いているからです。期間を決めずに雇われている人には「いつでも申し入れができ、2週間で終わる」という条文(627条)がかかり、期間を決めて雇われている人には「その期間は働く約束をしたので、途中で終えるにはやむを得ない事由が要る」という条文(628条)がかかります。パートかアルバイトかという呼び名は、法律の上ではこの区別に関係しません。

見る場所は、採用のときに受け取った雇用契約書か労働条件通知書の「契約期間」の欄です。手元に無ければ、店長や本部の人事に「労働条件通知書をもう一度見せてほしい」と頼めば確かめられます。

契約期間の欄の書き方 自分の型 辞められる日 根拠
「期間の定めなし」 期間の定めがない雇用 申し入れた日から2週間で終わる 民法627条1項
「〇年〇月〇日〜〇年〇月〇日」(1年以下) 期間の定めがある雇用 原則は満了日。やむを得ない事由があれば途中でも 民法628条
「〇年〇月〇日〜〇年〇月〇日」(1年を超える) 期間の定めがある雇用 契約の初日から1年を過ぎたあとは、申し出ていつでも(専門的知識を持つ人などを除く) 労働基準法附則137条

更新のたびに新しい契約書をもらっている人は、いま有効な一番新しい契約書を見ます。「更新する場合がある」と書かれていても、契約期間の欄に日付が入っていれば、期間の定めがある雇用です。

たとえば、同じコンビニで働く2人がいて、1人は「期間の定めなし」、もう1人は「4月1日〜9月30日」の契約だったとします。同じ日に「辞めたい」と言っても、前の人は申し入れから2週間で終わり、後ろの人は原則として9月30日の満了まで続きます。勤めた長さが同じでも、契約書の1行で辞められる日が変わるということです。

迷ったときの軸は、どこかで読んだ日数を覚えるより先に、自分の契約書の期間欄を写真に撮っておくことです。このあと店長と話すときも、相談窓口に行くときも、その1枚が出発点になります。

期間の定めがないなら2週間

契約期間の欄が「期間の定めなし」なら、パート・バイトでも正社員と同じく、辞めると申し入れた日から2週間で雇用は終わります。店長やオーナーの同意は条件になっていません。

民法627条1項は、こう書いています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法627条(e-Gov法令検索)

山形県の労働相談の解説も、正社員・パート・アルバイトを問わず、雇用期間に定めのない人は民法上、2週間前までに口頭や文書で申し出れば辞められる、と説明しています(出典:WEB労働やまがた「退職の定義、手続き、トラブル回避について」)。条文の詳しい読み方や、月給制の扱いは 退職は何日前に言う? にまとめてあるので、ここではバイトの現場に引き直して考えます。

バイトでよく起きるのは、「2週間で終わる」ことと「シフト」が混ざることです。シフトが来月まで組まれていても、申し入れから2週間で雇用そのものは終わります。シフト表は、雇用が続いている間の働く日を決めたもので、退職日を先に延ばす決まりではないからです。ただ、すでに組まれたシフトに穴が開くと店は困るので、退職日をシフトの切れ目に合わせると話がまとまりやすくなります。

「1か月前に言うのがうちのルール」と言われることもあります。就業規則に「1か月前」とある場合の扱いは、官公庁の説明でも分かれています。厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、期間の定めのない契約なら申し入れから2週間で終わり、それを大幅に延ばす就業規則の定めは無効とされると説明しています。一方で鹿児島労働局のQ&Aは、就業規則に退職の定めがあれば原則としてそれが適用され、極端に長い期間は無効とされる場合がある、と書いています(出典:厚生労働省「確かめよう労働条件」/鹿児島労働局「よくあるご質問」)。

たとえば、学校の都合で月末に辞めたい大学生のバイトなら、月の半ばに「月末で辞めたい」と伝えれば2週間の枠にも収まり、来月のシフトを組む前なので店も困りません。逆に、明日から行けない事情があるなら、2週間の数え方は変わらないので、その間を欠勤や有給でどう埋めるかを相談することになります。

揉めずに辞めたいなら、店の決まりに合わせて早めに言うのが一番確実です。待てない事情があるときは、2週間を軸に退職日を決め、その理由を添えて伝えます。

契約期間があるバイトの辞め方

契約期間の欄に日付が入っている人は、期間の途中で一方的に辞めるのは原則として難しく、満了日で辞めるのが基本になります。例外は2つで、やむを得ない事由があるときと、1年を超える契約で1年を過ぎたときです。

民法628条は、期間を決めた雇用でも、やむを得ない事由があれば直ちに契約を解除できると定めています。

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

民法628条(e-Gov法令検索)

期間を決めた契約は、その期間は働く・雇うという約束をお互いにしているので、片方の都合だけで途中で終えることは予定されていません。会社の側も同じで、労働契約法17条は、有期の契約ではやむを得ない事由がなければ期間の途中で解雇できないと定めています(出典:労働契約法17条(e-Gov法令検索))。途中で辞めにくいのは、途中で切られにくいことの裏返しでもあります。

もう1つの例外が、労働基準法の附則137条です。契約期間が1年を超える有期の契約を結んだ人は、契約の初日から1年を過ぎたあとなら、会社に申し出ていつでも辞められます。ただし、一定の事業が終わるまでの期間を決めた契約は除かれ、専門的な知識を持つ人や満60歳以上の人など、対象から外れる人もいます(出典:労働基準法 附則137条(e-Gov法令検索))。

ここで気をつけたいのは、「1年働けば辞められる」という話ではないことです。附則137条が使えるのは、1つの契約の期間がもともと1年を超えている場合だけです。たとえば、半年ごとの契約を更新しながら2年働いている人は、いまの契約が半年なので附則137条には当たらず、628条の話になります。反対に、最初から期間が1年を超える契約を結んでいて、初日から1年が過ぎた人は、申し出ればいつでも辞められます。

やむを得ない事由に当たるかどうかは、事情の中身によって変わります。また、その事由が自分の過失で生じたものだと、相手方に損害賠償の責任を負うことがあります(628条後段)。自分で確かめるには、契約書の期間と更新の欄、途中で辞める場合の定めを読み、辞めたい事情を時系列で書き出してみます。判断に迷うときは、労働基準監督署の総合労働相談コーナーなど労働の相談窓口に、契約書とそのメモを持って行きます。

どちらにも当たらない人でも、店と話し合って合意できれば、期間の途中でも辞められます。学業や家族の事情など理由をはっきり伝えて相談し、合意できなければ満了日で辞めて、更新しないことを早めに伝えるのが一番揉めない道です。

期間の定めがあるかで、辞められる日が変わる
期間の定めがない

  • 民法627条1項
  • 申し入れから2週間で終わる
  • シフトが残っていても同じ
期間の定めがある

  • 民法628条・附則137条
  • 原則は満了日まで
  • やむを得ない事由があれば途中でも

バイトの退職届は要る?口頭で足りる場合

パート・バイトの退職は、口頭で伝えるだけで足りる場合が多いです。期間の定めのない雇用の申し入れについて、民法627条1項は書面を条件にしていません。ただし、店や会社が書面を求めるなら出しておくほうが、あとの行き違いを防げます。

書面が条件になっていないのに出すよう言われることがあるのは、「いつ辞めると言ったか」を店と本人の両方が残しておくためです。厚生労働省の「確かめよう労働条件」も、無期の契約について「退職届を提出するなど退職の申し入れをすれば」と書いていて、退職届は申し入れの方法の1つという扱いです。山形県の解説も、トラブルを避けるために書面での提出が望ましいとしています。

口頭で足りるか、書面にしておくほうがいいかは、次の4点で見分けられます。

  • 店長やオーナーと普通に話せて、その場で退職日まで決まった:口頭で足りることが多い
  • 就業規則や入社時の説明で、退職届の提出を求められている:決まりに合わせて出す
  • 「辞めさせない」「考え直して」と言われ、話が進まない:日付の残る形(メールや書面)で申し入れを残す
  • 本部や派遣元など、伝える相手が店長と別にいる:誰に出すかを確かめて、その人に出す

書式や書き方は職場ごとに違うので、迷ったら「決まった様式はありますか」と聞くのが早道です。書面にするなら、伝えた日と退職日の2つが入っていれば役目は果たせます。

たとえば、個人経営の飲食店で、オーナーに「月末で辞めます」と伝えて「分かった」と言われた人は、それで十分です。念のため、その日のうちにLINEやメールで「本日お伝えしたとおり、〇月末で退職します」と送っておけば、言った日の記録も残ります。一方、チェーン店で本部の人事が手続きをする職場では、店長に言っただけでは手続きが進まないことがあるので、提出先と様式を確かめます。

迷ったときの軸は「言った日を残せているか」です。口頭でも、日付の残るメッセージが1通あれば、言った・言わないの話になりにくくなります。

辞めたいと伝える言い方と順番

伝える順番は、退職日を決める、店長に口頭で伝える、必要なら書面やメッセージで残す、残りのシフトと返す物を確かめる、です。言い方は短くて構いません。理由を細かく説明する義務はありません。

順番に意味があるのは、2週間が「申し入れた日」から数えるからです。「辞めようか迷っていて」と相談の形で話すと、それが申し入れなのかがあいまいになり、引き止めの話が続くだけになりがちです。退職日を決めてから伝えれば、その日が申し入れた日として残ります。

辞めると伝えるまでの順番
  1. 1退職日を決める契約書の期間欄と、残りのシフトを見て
  2. 2店長に口頭で伝える相談ではなく、決めたこととして
  3. 3日付の残る形で送るメッセージか書面で、伝えた日と退職日
  4. 4シフトと返す物を確かめる最後の出勤日と、制服などの返し方

言い方の例を挙げておきます。「お話があります。〇月〇日で辞めさせてください。学業(家庭)の都合です。それまでのシフトは入ります」。最初に退職日を言い、理由は一言にとどめ、残りのシフトへの姿勢を添えると、相手も次の手配を考えやすくなります。言うタイミングは、シフトの締め切り前や、店が落ち着いている時間帯を選ぶと話が早く済みます。

たとえば、掛け持ちをしていて片方だけ辞めたい人も、伝え方は同じです。辞めるほうの職場にだけ退職日を伝え、もう片方には何も言う必要はありません。辞める理由を「もう1つの仕事のほうを増やしたい」と言うかどうかは本人の自由です。

面と向かって言うのがどうしてもつらい人は、まず電話やメッセージで「お話ししたいことがあります」と時間を取ってもらうだけでも、一歩目は軽くなります。それでも言い出せないときの考え方は、下の「使わなくていい場合」で整理しています。

止められた・損害賠償と言われたとき

カレンダーとコーヒー

「人が足りないから辞めさせない」と言われても、期間の定めのない雇用なら、申し入れた日から2週間で雇用は終わります。「辞めたら損害賠償」「罰金」と言われたときは、労働基準法16条が、違約金や賠償の額をあらかじめ決めておく契約を禁じています。

人手不足を理由に引き止められることがあります。条文で何が言えるかを知っておけば、言い返すためではなく、慌てずに次の一手を選ぶために使えます。

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

労働基準法16条(e-Gov法令検索)

16条が禁じているのは、「辞めたら〇万円」のように、あらかじめ額や罰金を決めておく約束です。実際に損害が出たときに請求されるかどうかは、損害が本当にあったか、辞め方に問題があったか、契約で何を約束していたかで変わり、一律には言えません。期間の定めがある契約では、628条のとおり、やむを得ない事由が自分の過失で生じたときは賠償の責任が生じうる、という点も覚えておきます。

自分で確かめるには、契約書と就業規則に違約金や賠償の定めがあるかを読み、言われた内容を「いつ・誰に・何と言われたか」メモにします。口頭で言われただけなら、申し入れた日の記録を残して淡々と進めます。書面で具体的な金額を示されたら、その書面と契約書、やりとりの記録を持って、労働の相談窓口か弁護士に相談します。

たとえば、期間の定めのないバイトで「代わりが見つかるまで辞めさせない」と言われた人は、代わりが見つかることは退職の条件ではないので、決めた退職日を改めてメッセージで送り、記録を残します。一方、期間の定めがある契約の途中で、理由を言わずに急に辞めたいという場合は、628条の話になるので、まず合意で辞められないかを相談し、無理なら満了日を待つほうが安全です。

※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

店長と話せて、決めた退職日を伝えられるなら、退職代行は要りません。言い出せない、言っても「辞めさせない」と押し戻されて話が進まない場合は、退職代行に辞める意思を伝えてもらう方法もあります。退職日や有給のやりとりまで任せたいなら、運営が労働組合か弁護士かを確かめてください。弁護士でない者が報酬を得て交渉することは、法律で制限されています。

退職代行Jobsの公式サイトを見る

バックレと辞めるの違い

連絡をせずに来なくなる(バックレる)のと、辞めると申し入れるのとでは、雇用がいつ終わるかがはっきりするかどうかが違います。申し入れていれば、期間の定めのない雇用は2週間で終わると数えられますが、何も言わずに来なくなった場合は、いつ雇用が終わったのかがあいまいなまま残りやすくなります。

この違いが大きいのは、辞めたあとの手続きが「いつ辞めたか」を起点に動くからです。最後の給料の精算、退職証明書、雇用保険や健康保険の手続きは、どれも退職日が決まっていて初めて進みます。バックレたあとに書類が必要になって連絡すると、まず退職日を決めるところからやり直しになりがちです。

バックレたら必ずこうなる、と言い切れる決まりはありません。会社から賠償を請求されるかどうかも、上の項と同じく、実際の損害や事情で変わります。そのうえで、バックレで起きやすいのは次のようなことです。

  • 退職日が決まらず、離職票や退職証明書の手続きが止まる
  • 制服や鍵など返す物の受け渡しができず、連絡が続く
  • 最後の給料の受け取り方を確かめられない
  • 同じ職場の人とのつながりが切れ、あとで頼みごとをしにくくなる

たとえば、店に行くのがつらくて明日から行けないという人も、バックレる前に「〇月〇日で辞めます。体調のため出勤できません」と1通送るだけで、申し入れた日が残ります。2週間の数え方は変わらず、その間の扱いは欠勤や有給として相談すればよくなります。

迷ったときの軸は「1通だけでも送る」です。会って話せなくても、日付の残るメッセージが1通あれば、バックレではなく、辞める意思を伝えた記録になり、そのあとの手続きを自分で進めやすくなります。

退職の最終日までにやること

開いた段ボール箱

最終日までにやることは、返す物と受け取る物を確かめること、最後の給料の受け取り方を確かめること、雇用保険や健康保険に入っていたなら、その手続きを確かめることです。入っていた保険によって、やることが変わります。

手続きの多くは会社の側で進むので、最終日に店長と話す時間があるうちに、何をいつ受け取るかを決めておくと、辞めたあとに連絡を取る回数を減らせます。

確かめること 中身 根拠・確かめ先
返す物 制服・名札・鍵など。返し方と期限は店の指示に合わせる 店長・就業規則
最後の給料 支払日は会社の定め。請求があれば7日以内に支払う決まりもある 労働基準法24条・23条
退職証明書 請求すれば、会社は遅滞なく出さなければならない 労働基準法22条
雇用保険 入っていたなら、失業保険を受けるために離職票を出してもらう 給与明細・ハローワーク
健康保険 資格は退職日の翌日に失う。資格確認書は会社へ返す 健康保険法36条・協会けんぽ

返す物について、返す義務を直接定めた条文までは確かめられていないので、編集部の整理として「店の指示に合わせて返す」とだけ書いておきます。最後の給料は、労働基準法24条2項が「毎月一回以上、一定の期日を定めて」支払うことを求めていて、何日に出るかは会社の定めです。早く受け取りたい事情があるときは、23条で、退職した人が請求すれば7日以内に賃金を支払い、本人の物を返す決まりになっています(出典:労働基準法24条/労働基準法23条/労働基準法22条(e-Gov法令検索))。

雇用保険に入っていたかどうか分からない人は、給与明細の控除の欄に「雇用保険料」があるかを見ます。厚生労働省の資料では、1週間の所定労働時間が20時間未満の人や、同じ事業主に31日以上続けて雇われる見込みのない人は、雇用保険の対象から外れ、昼間学生なども別に除外されると整理されています。ただしこれは2023年10月の資料なので、いまの基準はハローワークで確かめてください(出典:厚生労働省 雇用保険部会 参考資料)。入っていた人で、辞めたあと失業保険を受けるつもりなら、離職票を出してほしいことを最終日までに伝えておくと行き違いが減ります。受け取り方は 失業保険のもらい方 で順番に整理しています。

健康保険は、退職日の翌日に資格を失います(健康保険法36条)。協会けんぽの案内(石川支部)では、2025年12月2日以降、健康保険証と資格情報のお知らせは返さずに自分で破棄し、有効期限内の資格確認書は退職日までしか使えないので会社へ返す、とされています(出典:健康保険法36条(e-Gov法令検索)/協会けんぽ 石川支部「健康保険証等の返却について」)。健康保険組合や共済に入っていた人は、扱いが組合ごとに違うので、会社か組合に確かめます。

たとえば、週に数日だけのバイトで給与明細に雇用保険料も健康保険料も無い人は、返す物と最後の給料を確かめれば終わりです。反対に、ほぼ毎日シフトに入るパートで両方の保険料が引かれていた人は、離職票と資格確認書の扱いまで最終日に確かめておきます。辞めたあとの健康保険をどうするかも、このタイミングで考えておくと慌てずに済みます。

最終日に店長へ聞くことは、返す物と返し方、最後の給料の支払日、離職票と退職証明書をどう受け取るか、の3つに絞れば十分です。メモにして持っていけば、短い時間でも聞き漏らしがありません。

最終日までに確かめる順番
  1. 1返す物を確かめる制服・名札・鍵。返し方は店の指示で
  2. 2最後の給料の支払日を聞く請求すれば7日以内の決まりもある
  3. 3保険の書類を確かめる離職票・資格確認書の扱い
  4. 4退職証明書が要るなら頼む請求すれば遅滞なく出る

使わなくていい場合

退職代行を使わずに、自分で伝えて足りるのは次のような人です。辞める申し入れは本人ができる手続きで、代行を使っても2週間の数え方や、期間の定めがある契約の扱いが変わるわけではありません。

パート・バイトの場合、店長と顔を合わせる機会が多く、シフトの相談の延長で退職日を決められることが少なくありません。そうした職場なら、代行に払うお金をかけなくても、上の順番どおりに伝えて記録を残せば辞められます。

  • 店長やオーナーと普通に話せて、シフトの相談ができる
  • 引き止められても、決めた退職日を言い直せる
  • 退職日まで出勤できるか、出られない日を欠勤や有給で相談できる
  • 連絡先が分かっていて、メッセージで記録を残せる

どれかが崩れているとき、たとえば店長と連絡が取れない、話すたびに押し戻されて退職日が決まらない、職場に行くと体調を崩すほど追い詰められている、という場合は、無理に1人で伝えようとしなくて構いません。上の枠で触れたように、退職代行に意思を伝えてもらう方法があります。ただ、代行を使っても、期間の定めがある契約の途中で辞められるかどうかは変わらないので、契約書の期間欄は先に自分で見ておきます。

たとえば、言い出しにくいだけで店長とは普通に話せる人なら、「お話があります」と時間を取ってもらうところから始めれば足ります。言い出せない理由が気まずさではなく、怒鳴られる・話を聞いてもらえないといった職場の側にあるなら、そのときに代行を考えるのが順番です。

編集部の整理では、代行を使うかどうかの分かれ目は「話せるか」ではなく「話しても退職日が決まるか」です。話せて決まるなら自分で、話しても決まらないなら手を借りる、と考えると迷いが減ります。

次に読むもの

契約が正社員と同じ期間の定めなしで、就業規則との関係や月給制の扱いまで確かめたい人は 退職は何日前に言う? へ。入ったばかりで試用期間中の人は 試用期間中に辞めたいとき へ。失業保険を受けながら別のバイトを始めたい人は 受給中のバイトは何時間・いくらまで へ。

よくある質問

バイトを辞めることも「退職」と言うのですか?

はい。パートやアルバイトも雇用契約で働いているので、辞めることは退職です。期間の定めがなければ、正社員と同じく民法627条1項で、申し入れた日から2週間で雇用は終わります。

アルバイトの退職のルールは何で決まりますか?

契約に期間の定めがあるかどうかで決まります。雇用契約書か労働条件通知書の「契約期間」の欄を見て、期間の定めがなければ2週間、あれば原則は満了日まで、と考えます。店の就業規則に期限があれば、それも合わせて確かめます。

辞めるとき、なんて言えばいいですか?

「〇月〇日で辞めさせてください」と、退職日を先に言うのが一番伝わります。理由は「学業の都合」「家庭の都合」など一言で構いません。言ったあとに、同じ内容をメッセージで送って日付を残しておくと安心です。

1年続けたバイトなら、いつでも辞められますか?

働いた長さではなく、契約の期間で決まります。期間の定めがなければ、何年目でも申し入れから2週間です。期間の定めがあり、1つの契約の期間が1年を超えていて、その初日から1年を過ぎていれば、申し出ていつでも辞められます(労働基準法附則137条。専門的な知識を持つ人や満60歳以上の人などは対象外)。半年ごとの更新を続けている人は、これには当たりません。

退職届を出さないと辞められませんか?

期間の定めのない雇用の申し入れは、書面でなくても効きます。店や会社が書面を求めるなら出しておくほうが、言った日を残せるので安心です。

学生ですが、学業を理由に契約の途中で辞められますか?

期間の定めがなければ、理由にかかわらず申し入れから2週間で辞められます。期間の定めがある場合、学業の事情がやむを得ない事由に当たるかは事情によって変わるので、まず店と話し合って合意で辞められないかを相談し、無理なら満了日で辞めるのが揉めない道です。

数字だけ、もう一度

  1. 期間の定めがない:パート・バイトでも、申し入れた日から2週間で雇用は終わる(民法627条1項)。店の同意は要らない
  2. 期間の定めがある:原則は満了日まで。やむを得ない事由があれば途中でも(民法628条)
  3. 1年を超える契約:契約の初日から1年を過ぎたあとは、申し出ていつでも辞められる(労働基準法附則137条。専門的知識を持つ人などを除く)。「1年働けば」ではない
  4. 退職届:口頭で足りることが多い。求められたら出し、言った日はメッセージで残す
  5. 損害賠償:違約金や賠償額をあらかじめ決める契約は禁止(労働基準法16条)。書面で請求されたら相談窓口か弁護士へ
  6. 最後の給料:支払日は会社の定め。請求すれば7日以内に支払う決まり(労働基準法23条)
  7. 健康保険:資格は退職日の翌日に失う。資格確認書は会社へ返す(協会けんぽの場合)

パート・バイトの辞め方で一番大事なのは、何日前かを覚えることより、契約書の期間欄を1回見ることです。期間の定めがなければ2週間、あれば満了日か例外。そこが分かれば、店長に言う退職日も、言い方も、最終日に聞くことも自然に決まります。決めた退職日を短く伝えて、1通のメッセージで日付を残す。そこまでできれば、引き止めやシフトの話に押し戻されずに、自分の決めた日に辞められます。

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この記事を書いた人

やめ活編集部です。退職の伝え方・失業保険・退職代行について、法令や省庁・自治体の公式資料を原文で確かめ、確認日を添えてまとめています。

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