- 退職したいと言ったのに、会社が認めてくれない
- 「後任が見つかるまで待って」と言われて、もう何か月も過ぎている
- 2週間で辞められると聞いたけど、いつから数えるの?
- 就業規則に「1か月前」と書いてあるのに、それより早く辞めてもいい?
- 「辞めるなら損害賠償だ」「有給は使わせない」と言われた
- 契約社員でも、正社員と同じように辞められる?
- 引き止められて辞めるなら、会社都合にならないの?
- 誰に、何を言えば、話が前に進むのかが分からない
上記のような悩みに答えます。
会社が辞めさせてくれないときの出口は、雇用の形と、退職の伝え方の2つで決まります。法律事務所や退職代行のコラムは「在職強要は違法」「専門家に相談を」で結論を出していて、正社員か契約社員かで出口がどう分かれるのか、どの言い分が退職を止める力を持つのか、どこから外に頼めばいいのかは、ばらばらにしか書かれていません。そこで、2週間・就業規則・契約社員という基本を押さえたうえで、言い分ごとの線引き、「相談」を「通知」に変える言い方と記録の順番、外に頼む分かれ目まで、条文と厚生労働省・労働局の説明で確かめながら整理しました。
期間の定めのない雇用なら、会社が辞めさせてくれなくても、退職の申入れが届いてから2週間で雇用は終わります。会社の承諾は要らないので、退職日を書いた通知を、届いた記録が残る方法で出してください。契約期間がある人は扱いが違うので、契約書の期間を先に確かめます。
この記事の数字と条文は2026年10月時点のものです。辞めたあとの失業保険がいくら・いつから入るかは、失業保険の計算ツール で自分の条件を入れて出せます。
辞めさせてくれなくても辞められる?

辞められるかどうかは、会社が認めるかどうかではなく、自分の雇用に期間の定めがあるかどうかで決まります。期間の定めがない雇用(正社員など、期間を決めていないパートやアルバイト)なら、会社が認めなくても、退職の申入れから2週間で雇用は終わります。
民法627条1項は、こう書いています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
条文に「会社が承諾したとき」という条件はありません。厚生労働省の「確かめよう労働条件」も、無期労働契約の場合は、いくら使用者が退職を認めないと言っても、退職の申し入れをすれば原則としてその後2週間経過した時点で労働契約は終了する、と説明しています。契約期間を決めて雇われている人は、別の条文で考えます。
| 自分の雇用 | 会社の承諾 | 辞められる日 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 期間の定めがない(正社員など・期間を決めていないパート) | 要らない | 申入れから2週間で終わる | 民法627条1項 |
| 期間の定めがある(契約社員など) | 途中で辞めるなら原則として合意が要る | 満了日/合意した日 | 契約どおり・合意 |
| 期間の定めがあり、やむを得ない事由がある | 要らない | 直ちに | 民法628条 |
| 1年を超える契約で、初日から1年を過ぎた | 要らない | 申し出ていつでも(対象外あり) | 労働基準法附則137条 |
出典:退職、解雇、雇止めなど(厚生労働省「確かめよう労働条件」)
- 会社の承諾は要らない
- 申入れから2週間で終わる
- 退職日を書いて通知する
- 途中で辞めるのは原則として合意が要る
- やむを得ない事由があれば直ちに
- 1年を超える契約は1年を過ぎたらいつでも
たとえば、同じ職場で「辞めないで」と言われている正社員と契約社員がいたとします。正社員の人は、通知が会社に届けば、そこから2週間で雇用が終わります。契約社員の人は、期間の途中なら、満了・合意・やむを得ない事由・1年経過後の申し出のどれに当たるかを確かめます(下の「契約社員が止められたとき」)。
最初に、雇用契約書(労働条件通知書)の「契約期間」の欄を確かめます。「期間の定めなし」なら、あとは伝え方と記録の問題です。
引き止めの言い分ごとの効く・効かない
期間の定めのない雇用では、ここに挙げる引き止めの言い分は、退職の成立そのものを止める力を持ちません。就業規則の予告期間だけは、官公庁の説明が分かれているので、扱いを分けて考えます。
627条1項が求めているのは「解約の申入れ」と「2週間の経過」だけで、後任・引き継ぎ・繁忙期・会社の承諾は入っていません。ただ、配慮すれば揉めずに済むものもあるので、「止める力」と「配慮する余地」を分けて見ます。
| 言われたこと | 退職を止める力 | 配慮する余地・やること |
|---|---|---|
| 人手不足だから無理 | ない(会社の承諾は条件ではない) | 退職日は動かさず、引き継ぎの一覧を渡す |
| 後任が見つかるまで待って | ない(労働局Q&Aも2週間で成立と回答) | 待つかどうかは自分で決める |
| 繁忙期が終わるまで | ない | 繁忙期と重なるなら早めに伝える |
| 引き継ぎが終わるまで | ない(条件に入っていない) | 引き継ぐ仕事を書き出し、退職日までの配分を示す |
| 退職日は会社が決める | ない(申入れから2週間で終わる) | 自分で決めた退職日を通知に書く |
| 就業規則に1か月前とある | 説明が分かれる | 著しく長くなければ、就業規則に沿った申出が勧められている |
就業規則について、厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、2週間を大幅に伸ばす規定や、会社の許可を条件とするような規定は無効とされることとなる、と書いています。一方で鹿児島労働局のQ&Aは、就業規則に規定があれば原則として就業規則が適用される、ただし極端に長い申し入れ期間などは公序良俗の見地から無効とされる場合もある、と書いています。茨城労働局のQ&Aも、社会通念上著しく長期間でない場合(例として1ケ月前まで)には、まずは就業規則の定めに沿った申出をした方がよいと案内しています。
出典:鹿児島労働局 よくあるご質問/茨城労働局 やめたいのにダメと言われて困ってる
たとえば、就業規則に「1か月前」とあり、次の職場の入社日まで余裕がある人なら、就業規則に合わせた日を退職日にして通知すれば、どちらの説明にも沿った日になります。入社日が近く間に合わない人は、2週間を軸に退職日を決め、「入社日の都合でこの日にしたい」と理由を添えて通知します。就業規則の該当箇所の写しと、言われたことのメモは残しておきます。数え方の比較は 退職は何日前に言う? にまとめています。
どちらでも、言い分に合わせて退職日を動かさず、自分で決めた日付を先に示すのが近道です。
「相談」をやめて「通知」で伝える

見直したいのは、退職を「相談」の形で切り出していないかです。「◯月◯日に退職します」と日付を書いた通知に変え、それが会社に届けば、2週間が進みはじめます。
厚生労働省は、退職願のように労働者が申し込み、会社が承諾して成立するのが合意退職で、会社が承認しない間はその効果が発生しない、と説明しています。そのうえで、確実に一定の期日で退職したい場合は、合意退職の申し込みと解釈されないような表現で、退職の意思を明確に記載した「退職届」を提出することが無難、としています。「辞めさせていただけないでしょうか」と聞く形は、会社の返事を待つ形になりやすいということです。
もう1つは起算です。民法97条1項は、意思表示はその通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる、と定めています。言った日ではなく、届いた日が出発点です。茨城労働局のQ&Aは、退職が伝わった日の翌日から起算して14日が経過すれば法律上退職は成立する、と説明しています。
- 1退職日を決める通知が届く日から2週間たった日以降にする
- 2口頭で日付を言い切る「◯月◯日に退職します」と伝える
- 3同じ日にメールで送る退職日と、口頭で伝えたことを書く
- 4退職届を出して控えを残す受け取られないときは郵送に切り替える
- 5内容証明で送る何をいつ誰に出したかを証明してもらう
退職の伝え方を書面に限ると定めた条文は見当たりません。山形県の説明は口頭や文書で申し出るとしており、厚生労働省も「退職届を提出するなど」と例を挙げるにとどめています。メールだけで十分かを述べた公的な説明は取れていないので、退職届も重ねて出しておきます。
上司が受け取らないときは郵送に切り替えます。日本郵便の内容証明は、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを証明する制度で、内容文書と謄本2通を用意して差し出します。証明されるのは文書の存在で、内容が真実かどうかではありません。また民法97条2項は、相手方が正当な理由なく通知の到達を妨げたときは、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす、と定めています。
たとえば、何か月も「考え直して」と言われ続けている人なら、次に上司と話すときに「相談ではなく、◯月◯日で退職することを決めました」と言い切り、その日の夜に同じ内容をメールで送ります。翌日に退職届を出し、受け取ってもらえなければ郵送します。ここまでで、いつ何を伝えたかを示す材料が3つそろいます。届と願の違いは 退職届と退職願の違い、メールの書き方は 退職をメールで伝えるとき で整理しています。
なお厚生労働省は、任意退職の申し入れの後に撤回するには会社の同意が必要になると説明しています。通知は、次の暮らしの見通しを決めてから出してください。
損害賠償・懲戒・有給と言われたとき
期間の定めのない雇用なら、「辞めたら損害賠償」「懲戒解雇にする」「有給は使わせない」「離職票は出さない」と言われても、それで退職の成立が止まるわけではありません。言われたことごとに、条文で言えることと頼む先を分けます。
| 言われたこと | 条文・公的な説明で言えること | 自分でやること・頼む先 |
|---|---|---|
| 辞めたら損害賠償・違約金 | 違約金や賠償額をあらかじめ決める契約は労働基準法16条が禁止 | 書面で請求されたら弁護士へ |
| 懲戒解雇・退職金は出さない | 可否は就業規則と事情で変わる(ここでは断定しない) | 就業規則の該当箇所を写し、弁護士へ |
| 有給は使わせない | 労働局は退職間際の年休の申請を拒むことはできないと説明 | 退職日と消化の日程を書面で伝える |
| 離職票は出さない | 資格喪失の届出は事業主の義務として定められている | 届かないときはハローワークへ |
| 最後の給料を払わない | 請求があれば7日以内に賃金を支払う(労働基準法23条) | 請求した日を記録に残す |
| 脅し・閉じ込めて働かせる | 労働基準法5条が禁じる強制に当たるかが問題になる | 総合労働相談コーナー・弁護士へ |
労働基準法16条は、使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない、と定めています。禁じられているのは「あらかじめ決めておく」ことで、実際に損害が出たときの請求そのものを禁じる条文ではありません。2週間を待って辞める無期の人と、契約期間の途中でやむを得ない事由もなく辞める人を比べると、厚生労働省が「リスク」として注意しているのは、後者です。
労働基準法39条5項は、請求された時季に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は他の時季に与えることができる、と定めています。ただ和歌山労働局は、退職間際の年休の申請に対して拒むことはできず、引き継ぎが必要なら退職日を遅らせてもらうなど話し合う、と説明しています。日程の組み方は 有給消化と退職日の決め方 にまとめています。
離職票について、雇用保険法7条は届出の義務を事業主に負わせ、施行規則7条1項は、事実のあった日の翌日から起算して10日以内に離職証明書などを添えて届け出るとしています。この10日は会社がハローワークに出す期限で、本人の手元に届く日ではありません。届かないときは 離職票が来ないとき を見てください。
出典:労働基準法16条/労働基準法5条/労働基準法23条/労働基準法39条(いずれもe-Gov法令検索)/和歌山労働局 事業主の方へ/雇用保険法施行規則7条(e-Gov法令検索)
たとえば、口頭で「損害賠償を請求するぞ」と言われただけの正社員なら、いつ・誰に・何と言われたかをその日のうちにメモし、通知の手順はそのまま進めます。金額を書いた書面が届いたり懲戒の手続きが始まったりしたら、その書面と雇用契約書・就業規則・記録を持って弁護士に相談します。退職証明書は、労働基準法22条により、請求すれば会社が遅滞なく交付しなければなりません。
引き止められると会社都合になる?
引き止めや引き伸ばしを受けたことだけで会社都合の退職になる、とは言えません。離職理由はハローワークが判定し、会社都合(特定受給資格者)かは法律と省令の理由に当たるかで決まります。
雇用保険法23条2項は、特定受給資格者を、倒産や事業の縮小・廃止に伴う離職と、解雇その他の厚生労働省令で定める理由による離職に分けて定めています。確かめた範囲では、引き止め自体を名指しした記述は見当たりませんでした。混同しやすいのが「退職勧奨」で、厚生労働省は、退職勧奨に応じて退職した場合は自己都合による退職とはならない、と説明しています。引き止めはこの逆です。
出典:雇用保険法23条(e-Gov法令検索)/厚生労働省の冊子(第5章)
たとえば、引き止めの間に賃金の未払いが続いていた、いじめや嫌がらせがあった、という人は、引き止めとは別の事情として、会社都合の条件に当たるかを確かめる余地があります。給与明細や日付のついたメモを残しておきます。条件の一覧は 会社都合になる条件 を見てください。
会社都合を当てにして退職日を遅らせるより、自己都合の場合の数字を 失業保険の計算ツール で先に見ておくほうが、待つか辞めるかを決めやすくなります。
契約社員が止められたとき
契約期間がある人は、出口が正社員と違います。期間の途中なら、満了まで待つ・会社と合意する・やむを得ない事由で辞める・1年を超える契約で1年を過ぎてから申し出る、のどれに当たるかで決まります。
民法628条は、やむを得ない事由があるときは直ちに契約の解除をすることができ、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは相手方に対して損害賠償の責任を負う、と定めています。また労働基準法附則137条は、その期間が1年を超える契約を結んだ労働者は、契約期間の初日から1年を経過した日以後においては、使用者に申し出ることによりいつでも退職できる、としています。一定の事業の完了に必要な期間を定めた契約や、労働基準法14条1項各号の労働者は除かれます。
出典:民法628条(e-Gov法令検索)/労働基準法附則137条(e-Gov法令検索)
- 満了まで待てる:更新しないことを早めに伝え、日付を残す
- 合意で前倒ししたい:希望の退職日と理由、引き継ぎの一覧を示して話し合う
- 続けられない事情がある:事情と裏づけを書き出し、やむを得ない事由に当たるかを相談する
- 1年を超える契約で1年を過ぎた:申し出た日を記録に残す
労働契約法17条は、会社が契約期間中に解雇できるのはやむを得ない事由がある場合に限る、という会社側の決まりで、辞める側の根拠ではありません。
たとえば、契約期間の残りが短い人が「満了まで残って」と言われているなら、残りの期間と次の予定を比べ、満了を待つか合意を求めるかを決めます。1年を超える契約を結んでいて、初日から1年を過ぎている人なら、対象外に当たらない限り、合意がなくても申し出ればいつでも退職できます。型の決め方は 契約社員・派遣の途中退職 で整理しています。
自分で進めるか、外に頼むかの分かれ目

外に頼むかどうかは、「通知を自分で出せるか」と「交渉することが残っているか」の2つで決まります。どちらかが崩れたところで、相談先を選びます。
総合労働相談コーナーは、各都道府県労働局や労働基準監督署内などに置かれ、無料・予約不要・秘密厳守で労働問題の相談に乗ります。茨城労働局のQ&Aも、照会・相談先として挙げています。退職代行は運営の型で範囲が分かれ、民間の会社は本人の使者として退職の意思を伝えるところまで、労働組合は意思の伝達に加えて有給・退職日などの団体交渉ができる、弁護士は交渉に加えて損害賠償を請求されたときの対応や訴訟の代理までできる、と整理されています。
出典:総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)/弁護士法72条(e-Gov法令検索)
- 1自分で通知を出す退職日を書き、伝えた記録を残す
- 2総合労働相談コーナーに聞く無料・予約不要。言われたことのメモを持っていく
- 3交渉が要るなら労働組合か弁護士有給・退職日の話し合いが残っているとき
- 4損害賠償・懲戒なら弁護士書面で請求されたとき
背景にある弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件について代理や和解その他の法律事務を取り扱うことを業とすることを制限しています。退職代行を名指ししてはいませんが、退職日や有給の話し合いが残っている人は、労働組合と連携しているところか弁護士を選ぶのが筋になります。型の違いは 労働組合の退職代行 と 弁護士の退職代行、看護・介護の職場の人は 看護師・介護職の退職、代行でも話が進まないときは 退職代行で辞められないとき を見てください。
たとえば、メールを送る手も止まってしまう人は、通知を出す部分を任せる方法があります。退職代行Jobsは、運営会社の規約では連絡の取次をする形で、退職日や有給などの交渉が要るときは、連携する労働組合(合同労働組合ユニオンジャパン)に加入して団体交渉をしてもらう形をとっています(2026年10月7日に公式サイトで確認)。
※この枠にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。
自分で伝えるのが難しく、会社とのやりとりを任せたい場合は、料金に何が含まれるか(組合費・返金の条件)と、退職日や有給の話し合いが要るときは連携する労働組合に加入して交渉してもらう形になることを、公式サイトで確かめてから申し込んでください。損害賠償を言われているなら、弁護士に相談するのが先です。
使わなくていい場合
通知を自分で出せて、交渉することが残っていないなら、退職代行は使わなくて構いません。無期なら、2週間で雇用が終わる仕組みは代行を使っても同じです。
- 上司か人事に、メールでも郵送でも退職日を書いた通知を出せる
- 有給や退職日について、会社と話し合うことが残っていない
- 損害賠償や懲戒を書面で言われていない
- 通知から退職日まで、出社するか有給で過ごす見通しが立つ
たとえば、「後任が来るまで」と何か月も引き伸ばされていても、上司と普通に話せて有給も使い切っている人の場合、期間の定めのない雇用なら、日付を書いたメールを1通送り、退職届を郵送すれば、通知が届いてから2週間で雇用が終わる点は、代行を使ったときと変わりません。反対に、体調を崩すほど追い詰められている、連絡が取れない、という人は、無理に1人で通知を出さなくて構いません。言い出す前の人は 辞めたいと言い出せないとき へ。
編集部の整理では、代行を使うかの分かれ目は「止められているか」ではなく「通知を出す手が動くか」です。手が動くなら自分で、動かないなら手を借りる、で足ります。
よくある質問
会社が辞めさせてくれないのは違法ですか?
労働基準法5条が禁じているのは、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制することです。口頭の引き止めがすべてこれに当たる、とは言えません。ただ、期間の定めのない雇用なら、違法かどうかにかかわらず、通知が届いてから2週間で雇用は終わります。
上司が退職届を受け取ってくれません。
期間の定めのない雇用なら、退職の申入れは会社の承諾がなくても効きます。メールで退職日を送り、退職届は郵送に切り替え、必要なら内容証明で何をいつ出したかを残します。
2週間はいつから数えますか?
言った日ではなく、通知が会社に届いた日が出発点です。茨城労働局は、退職が伝わった日の翌日から起算して14日が経過すれば法律上退職は成立すると説明しています。数え方は 退職は何日前に言う? で確かめてください。
退職日は会社が決めると言われました。
期間の定めのない雇用では、民法627条1項は会社が退職日を決めることを条件にしていません。自分で決めた退職日を通知に書いて出します。待てる人は就業規則の予告期間に合わせるのが穏当です。
有給を使わせないと言われました。
和歌山労働局は、退職間際の年休の申請に対して拒むことはできないと説明しています。日程と退職日を書面かメールで伝え、進まなければ総合労働相談コーナーへ。
もう出社せずに辞めてもいいですか?
通知を出さないまま出社しなくなるのは勧めません。2週間の出発点が決まらないからです。出社がつらいなら、通知のうえ有給の消化を申し出るか、通知を外に頼みます。
労働基準監督署に言えば、引き止めは止まりますか?
総合労働相談コーナーは労働基準監督署内などに置かれ、無料・予約不要で相談できます。どう動いてもらえるかは事情によるので、メモと雇用契約書を持って相談しつつ、自分の通知は進めます。
数字だけ、もう一度
- 期間の定めのない雇用:会社の承諾は要らず、申入れから2週間で雇用が終わる(民法627条1項)
- 2週間の出発点:通知が会社に届いた日(民法97条1項)。労働局は、伝わった日の翌日から起算して14日の経過で成立と説明
- 就業規則の予告期間:大幅に伸ばす規定は無効とされる(厚生労働省)/著しく長くなければ、まず就業規則に沿った申出を(労働局)
- 契約社員:途中はやむを得ない事由があれば直ちに(民法628条)。1年を超える契約は初日から1年を過ぎたらいつでも(労働基準法附則137条)
- 損害賠償:違約金・賠償額の予定は禁止(労働基準法16条)。実際の損害の請求まで禁じるものではない
- 最後の給料:請求があれば7日以内(労働基準法23条)。退職証明書は請求があれば遅滞なく(同22条)
- 離職票:会社がハローワークに出す期限は、事実のあった日の翌日から10日以内。本人に届く日ではない
- 会社都合:引き止められたことだけで会社都合になるとは言えない。判定はハローワーク
出口を遠ざけているのは、会社の言い分より、自分が「許可を待つ側」に立ったままでいることです。契約書で期間の定めを確かめ、退職日を自分で決め、通知として出し、伝えた記録を残す。期間の定めのない雇用なら、そこで引き止めの言葉は退職日を動かす力を失います。書面での請求や交渉が残るものだけを外に渡せば足ります。

